消す黄金の太陽、奪う白銀の月   作:DOS

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第12話『サクサク進め、トーナメント』

 

 

 

 

 前回、ゴンを負かすことができず自分から負けを認めて「まいった」と言ったハンゾー。しかし、当然の事ながらそんなハンゾーに納得いかないゴン。

 

「そんなのダメだよずるい!!ちゃんと二人でどうやって勝負するか決めようよ!!」

 

 ゴン、結構わがままだね。負けると言ったのだからおとなしく認めればいいのに。まあ確かに納得いかないのも分かるけど、それ自分のせいだからね?

 

「要するにだ、オレはもう負ける気満々だが、もう一度勝つつもりで真剣に勝負をしろと。その上でお前が気持ちよく勝てるような勝負方法を一緒に考えろと。こーゆーことか!?」

「うん!!」

「アホかーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」

 

 吹っ飛ばされてゴンは気絶しちゃった。まあ結果はどうあれ合格者第一号おめでとう、ゴン。

 

「そいつが目覚めたらきっと合格は辞退するぜ。不合格者はたった一人なんだろ?ゴンが不合格ならオレたちのこの後の戦いは全て無意味になるんじゃないか?」

「心配御無用、ゴンは合格じゃ。本人がなんと言おうと、それは変わらんよ。仮にゴンがごねてワシを殺したとしても、合格した後で資格が取り消されることはない」

 

 なるほど。それならこれから試合にも意味があるね。ハンゾーも納得したようだし壁際に戻る。すれ違いざま、キルアはハンゾーに問いかけた。

 

「なんでわざと負けたの?殺さず「まいった」と言わせる方法くらい心得ているはずだろ、あんたならさ」

 

 それは私も考えたけどハンゾーはそうしなかった。どうしてか。

 

「オレは誰かを拷問するときは一生恨まれることを覚悟してやる、そのほうが確実だし気も楽だ。どんなに奴でも痛めつけられた相手を見る目には負の光が宿るもんだ。目に映る憎しみや恨みの光ってのは訓練してもなかなか隠せるもんじゃねー。しかしゴンの目にはそれがなかった。信じられるか?腕を折られた直後なのによ、あいつの目はもうその事忘れちまってるんだぜ」

 

 拷問されても、それに対して何も恨まない。恐れも無い。拷問する側からしたら、ある意味恐怖対象のような振る舞いだね。

 

「気に入っちまったんだあいつが。あえて敗因をあげるならそんなとこだ」

 

 ゴン、やっぱり不思議で面白い奴。もうレオリオやクラピカも、ハンゾーへの恨みなんて忘れちゃってるし空気が明るくなった。

 

「第二試合、ポックルVSヒノ」

 

 そして次は、いよいよ私の番!

 

「それじゃ行きますか!真打登場!みたいな?」

「あーはいはい、とっと行って勝なり負けるなり好きにしてくれ」

「キルア、なんか私に対して冷たくなってない?」

「自分のこれまでの行いを振り返ってみろよ」

 

 ふむ………特に何もしてないよね?

 

「あ、でもどうせなら負けろよ。そして次の試合で俺とバトれよ。あいつ(ポックル)よりそっちの方が面白そうだし」

「じゃ、勝つ気で行ってくるね~」

「………」

 

 試験場の中央に、私とポックルが相対した。相手は弓を、私は特に何も持たずに自然体。弓が武器って事は、近接戦闘なら勝てるか、でもこの試験の構造上、「まいった」と言わなければ敗北にはならない。なら………。

 

「ポックルさん、一つ提案があるんだけどいいかな?」

「ん?なんだ」

「ここで戦ってさっきのゴンの二の舞はごめんだから、ルールを決めよう。お互い見える所にプレートを付けて、先に相手のプレートを奪い取った方が勝ち。負けた方は潔く「まいった」を宣言する、なんてどう?」

「………まあ確かに俺もその方が助かるな。あまり傷つけるのも忍びないし、よし了解した!それで行こう」

 

 壁際でハンゾーも、「しまった!俺もルール設けりゃよかったのか!?」って今更気が付いてるけど、考えつかなかった方が悪いからね。

 私とポックルは、互いに正面にプレートを取り付け、構える。一瞬ピリッとした空気が流れたと同時に、審判の声が響いた。

 

「開始!」

「ふっ!」

 

 開始の合図があると同時に、ポックルさんは弓を打ち放った。機動力をそぎ落とすつもりなのか、私の足を狙っている。視線と向きから狙いはすぐに分かったので、私は横に動いて矢を躱す。

 けど、それはポックルさんの方も読んでいたらしく、二の矢三の矢と次々と瞬時に切り替えて、矢を飛ばした。

 

(この矢にはあらかじめしびれ薬が塗ってある。一度でも擦れば、その時点で俺の勝ちだ!)

 

 ポックルさんの飛んでくる矢の3本目を躱した瞬間、私は一足で地面を蹴り、その場から消えた。

 

「な!一体どこに!?」

 

 その様子は、対戦相手であるポックルさんから見れば消えたように見えただろう。しかし観客の位置からだと、意外と私のいる場所は分かりやすいらしい。視線を感じる。観客の視線からポックルさんもすぐに私の位置を割り出すとは思うけど、そうする程の時間を与える気はあまりなかった。

 

 私は逆さまの視界の中で、一気に()()()()()()、警戒するポックルさんの背後へと降り立った。ここで、少し悪戯心が膨らんだ。

 

「だ~れだ♪」

「な!?この!」

 

 思わず背後から両手を回し、ポックルさんの視界を塞いだけど、別に後悔はしていない。こう、人の背後に立ったらつい驚かしたくなっちゃって、けど反省はしてない!

 びくりとこの試合一番の驚きを見せたポックルさんは、くるりと回転すると同時に私に向かって構えていた矢を飛ばす。

 しかし、ほぼ0距離という避けようが無さそうな打ち方をしたことで一瞬「しまった」というような顔をしたが、特に心配することでもない。

 

 床を蹴り付け、ポックルさんから後ろに向かって跳び上がり、くるりと一回転して床へと着地した時、私の右手には今打った矢が握られていた。

 

「な!?あの矢を受け止めた!?」

「ま、それだけじゃないけどね」

 

 そう言って、私は左手に持つ、5()3()()()()()()()を見せた。

 

「!?」

「さて、それじゃあポックルさん、ルール通り、私の勝ちだよね?」

「………わかった、俺の負けだ」

 

 その瞬間、私の勝ちが決まった。

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

「たっだいま~、勝ってきたよ」

「「………………」」

「えっと、あれ?ねぇキルア、レオリオもクラピカもどうしたの?なんか目が点になってない?」

「は?あー、お前がここまで動けるとは思わなかったんじゃないか?え、俺?あの程度なら勝って当然だろ?」

 

 中々手厳しい事言うけど、まあ確かにポックルさんとキルアだと戦闘経験身体能力とかいろいろキルアの方が圧勝してるしね。言いたいことは分かるよ。

 けど観戦している壁際に戻ってきたけど二人からはほぼ無反応。なぜだ?

 

「いや~、ヒノ!お前意外とすごかったんだな!なんか気づいたらプレート奪ってるように見えたぜ」

「君は私達が思っているよりすごいのかもしれないな」

 

 一瞬フリーズしていたけど、素直に賞賛してくれた。

 

「ていうか、お前絶対手抜いてたろ」

「キルアだったら全力出すの?」

「いや、あいつ相手なら出さねーけど」

 

 別にポックルさん弱くは無いと思うだけどね。ここまで残ってきたし、ハンターとしての素質も高いし。対戦表の対戦回数的にも。それに普通にいい人だし。

 

 それじゃあ私の結果も終わったし、サクサク行ってみよう!

 

 

「第三試合、ヒソカVSクラピカ」

 

 結果としてクラピカが勝った。実力的には圧倒的にヒソカの方が上だけどかなり遊んでた。

 

 試合が始まると、クラピカはヒソカに向かって先手で攻撃を仕掛けにいった。武器の刀で斬りかかったけどヒソカは全て避けトランプを投げつけた。クラピカに数枚当たったけど対したダメージとならずにクラピカは攻撃を続ける。そこからは攻撃しては避け攻撃しては避けるをお互いに繰り返したけど、ヒソカはかなり手を抜いてたし時折()っちゃおうかななんて顔してたし、でももったいないかなとか考えたりして真面目にやろうとしなかったし。

 

 そんな戦いをしばらく続けた後、ヒソカはクラピカに何かを耳打ちしたと同時に、自分で負けを宣言した。

 

 クラピカはヒソカの負けに口出ししなかったみたいだけど、多分耳打ちした内容に関係している。ヒソカ何いったんだろ?あとで聞いてみよ。

 

「第四試合、ハンゾーVSポックル」

 

「悪いがあんたにゃ遠慮しねーぜ」

 

 そう言うとハンゾーはポックルさんの背後に移動し倒す。ポックルの反撃を待たずしてさっきのゴンのごとく左腕を取られて押さえつけられる。さすがにポックルは「まいった」を宣言した。

 

 まあ流石に腕を折られちゃかなわんよね。ここは負けて正解だよポックルさん、次に賭けるんだね。ゴンの場合はレアなケースだよ。普通はありえない。

 

 

 第五試合はキルアとポックルさんの戦いだったんだけど、キルアは開始直後「まいった」をして負けを認めた。普通に戦えば99%勝てるのに。ホントにハンター試験舐めてるね。理由は戦う気がしないとか。あれだね、面白さを求めてる感じ?ポックルさんも困惑してたよ。

 

 けど、次の試合はギタラクル、じゃなくてイルミさん。まずいと思うんだけど………。

 

「第六試合、ボドロ対ヒソカ」

 

 この試合もかなり一方的に終わった。

 ボドロさんは先制攻撃を仕掛けたけどヒソカは全て避けてヒソカの攻撃は当たる。一方的に攻撃を受けボドロさんはボロボロになるけどなかなか負けを認めない。なかなかタフだね。

 予想通りに負けを宣言しない面子。ルールありの試合だからヒソカに殺されはしないと思うんだけど………そう思ったらヒソカは倒れたボドロさんに耳打ちをすると、今度はボドロさんは「まいった」を宣言した。

 

 何言ったんだろ?ヒソカの脅しって気になるよね。普通に殺すよとかじゃつまらないし、これも後で聞いてみよっと。

 

 第六試合はギタラクルVSキルア。

 これはちょっとどうなるか、見ものだ………。

 

「始め!!」

 

 開始の合図と同時に戦闘態勢に入るキルア。さすがにここでは戦うのか。

 

「久しぶりだねキル」

「!?」

 

 久しぶり?知り合いかな。それにしてはキルア不思議そうな顔してるけど。

 イルミさん自分の顔に刺さっていた針を抜いていき、全て抜け落ちた時には顔が変形した。

 

 あの念が込められた針で骨格を変えて変装いや、もはや変身してたのか。

 やっぱりあの人操作系かな。針を使っての骨格操作、とか。

 

 顔が変形して出てきたのは黒い長髪で猫目の青年。ちゃんとした整ってる顔立ちだ。これは意外や意外。どうせんな私と戦う時もこの顔だったら………これはこれでぶきみだね。

 この人誰?キルアは驚愕した表情でその答えを紡ぎ出した。

 

「兄………貴!!」

 

 誰かと思ったけど、まさか顔面に針を刺していた自称ギタラクルの正体がキルアの兄さんとは。言っちゃあなんだけどあんまり似てない兄弟だね。

 ヒソカはすまし顔だけど絶対知ってたね、知り合いみたいだし。

 

「母さんと次男(ミルキ)を刺したんだって?」

「まあね」

 

 おいおい家出するのに家族の反対は正面突破か。

 

「母さん泣いてたよ」

「そりゃそうだろうな。息子にそんなひでーめにあわされちゃ」

「感激してた。「あの子が立派に成長してくれてうれしい」ってさ」

 

 凄い母親。レオリオなんかずっこけてるよ。まあさすが暗殺一家という所かな?

 キルアの兄さん曰く、母親的にはまだ心配だから様子を見てきてと頼みついでに、自分も仕事の関係上試験受けるから一石二鳥というわけ。キルアの家は殺し屋だからあの人も殺し屋か。あんまりねらわれたくない顔してるね。無表情の人が追ってくるってわりと怖いよ。

 

「お前はハンターには向かないよ。お前の天職は殺し屋なんだから。お前は熱を持たぬ闇人形でお前が唯一喜びを抱くのは人の死に触れたとき。お前はオレと親父にそう作られた」

 

無表情で淡々と言葉を出すキルアの兄さん。家族ぐるみで殺し屋って想像以上にすごいね。こりゃキルアも逃げ出したくなるよ。

 

「確かに………ハンターにはなりたいと思ってるわけじゃない。だけど俺にも欲しいものくらいある」

「ないね」

 

 即答するところがすごいなこの人。それだけキルアを育てるのに、キルアが情を出さぬよう鍛えたのだろう。いろいろ逆効果みたいだけど。キルアはイルミさんの「無い」という即答にキルアは欲しいものがあると言う。

 

それでも無いと言い、欲しいものを言ってみろという兄さんにキルアはぽつりと言葉を出す。

 

「ゴンと………友達になりたい。それに………ヒノとも。もう人殺しなんてうんざりだ。普通に友達になって普通に遊びたい」

 

 ………なんか普段ひねくれてる子がこう言ってくれると、ちょっと照れるね。

 

 キルアが本心を出す。殺しでなく本当にやりたいこと。本当に欲しいものを。

 しかし無情にもそれを無理だと言って切り捨てるキルアの兄さん。

 キルアは根っからの人殺し、だからいつかゴンを殺そうとする・・・と。

 

「キルア!!お前の兄貴かなんか知らねーが言わせてもらうぜ、そいつはバカ野郎でクソ野郎だ、聞く耳持つな!!ゴンと友達になりたいだと?寝ぼけんな!!とっくにお前ら友達同士だろーがよ!!少なくともゴンもヒノもそう思ってるだろーぜ!!」

「………そうか、まいったな。あっちはもう友達のつもりなのか………よし二人ともを殺そう。殺し屋に友達なんていらない。邪魔なだけだから」

 

 最初に提案するのが殺すこと。これがキルアの家族の育て方。最終的にキルアもこうなる予定だったのか………。普通じゃない家族だ………あっ、暗殺一家だから最初から普通じゃないか。それに家も普通かと言われたら普通じゃないし。

 

 言うが早いか立会人に針を突き刺してゴンの居場所を無理やり聞き出した。

 

 私とクラピカ、それにハンゾーとレオリオ、後試験官の黒服達は扉の前に立ちふさがった。ゴンは殺されたくないしね。それに少なくとも試験中の今は殺さないだろうし。いざという時はヒソカでも盾にしよう。

 

「参ったなぁ……、仕事の関係上オレは資格が必要なんだけどな。ここで彼らを殺しちゃったらオレが落ちて自動的にキルが合格しちゃうね」

 

 ここで鬼の提案。合格してから皆殺し。

 ネテロ会長とかいるのに本気なのかな?いや本気っぽいね。

 ま、もしそうなったとしたら………………私も少しマジでやるしかないよね?

 

 イルミさんは殺気を込めた念をキルアに当てながら手を近づける。自分と戦わないとゴンが死ぬ、だけどキルアには自分に勝ち目が無い事は分かりきっている。キルアが震えてる。念の使えない人にはきついね。どうするのキルア?

 

「まいった。俺の………負けだよ」

 

 キルアは負け宣言した。ゴンを殺させないようにしたと思えるけどすごく恐れている。

 キルアが負けを宣言すると安心したように笑い、ゴンを殺すのは嘘だよって笑いながらキルアの肩を軽い感じで叩く。絶対嘘だ、マジで殺す気だったね、無表情だけどそんな気がするよ。

 

「お前に友達を作る資格が無い、必要も無い」

「資格ならあると思うけど」

 

 そう言った私の言葉に、イルミさんだけでなく、会場全体もこちらを向く。こう注目されるとちょっと居心地悪いような良いような、不思議な感じだね。

 

「無い、あるわけ無い。キルのどこに資格がある?お前達が殺されるかもしれないのに、俺に立ち向かう事もせずに見捨てる事しかできない。それでどうしてそう言える?」

 

「それは本当に必要なことなの?友達作りってそうじゃないと思うな。そういう先の事を考えながら採算付けてなんて度外視して、一緒にいて怒って、笑って、そうしたら自然と友達になってる。子供がそうやって友達を作るのは当然の事と思うけど」

 

「そんなのは、お前のような普通の子供の論理だよ。お前みたいな同年代の友達がたくさんいそうな奴に、キルの事は分からない」

 

「いや………………同じくらいの歳だとキルアとゴンが友達初めてなんだけど………………後は大人の人とか………」

『………』

 

 だってしょうがないじゃん!?学校とか通ってないし!?旅団の皆が交友関係にある時点で普通の人生とは違うって察してよ!いや、イルミさんはそんな事知らないだろうからしょうがないけどさ!?

 子供が友達作るのは当然とか言った手前ちょっと恥ずかしいよ!思わず会場全体が無言になっちゃったよ!

 

 興が覚めたのか、すでに試合も終了している為、イルミさんは歩いて壁際へと戻りじっとした。キルアも、こちらに戻ってきたけど、クラピカとレオリオが話しかけても無反応だった。

 

 家庭の教育方針とか仕来りとかに全部口出しするつもりじゃないけど、明らかにイルミさんが言っているのはそれとは違う。キルアの現状を縛る言葉の数々。戦う、殺す、そう言ってたけど、キルアに対して殺すと言わなかった以上、〝大事〟っていうのは分かった。けど、それだけだけど。

 

 あと気になるのは、キルアの負けでこのトーナメントはキルア、ボドロさん、レオリオの誰かが不合格になる。

 

 普通に考えたらボドロさんかレオリオだけど………今のキルアじゃ分からないな。でも普通に考えてこの後の戦いでキルアが負けるとは考えられない。それはイルミさんだって一番よく分かってるはず。

 けど、口ぶりからしてキルアにはこの試験合格して欲しくないみたいだけど、この試験に参加した念能力者はすでに私を含め合格済みだし。

 

 まさか何かするつもりじゃないよね?

 

 系統が操作系ってだけでもめちゃくちゃ怪しいし、キルアが操られて対戦者が殺されでもしたら………。というかそれしか不合格にはなりえない!あれほどキルアを天性の人殺しとか頑張って育てたとか言ってるのに非念能力者で、しかも身体能力で劣るボドロさんとレオリオに負けるのは見たくないと思う。

 

 だとしたらやるのは次の試合!戦闘中の二人もしくはどちらかを殺す!

 

 やるとしたら殺しても自分が怪しくならないようにキルアと直接関係のないボドロさんが70%、さっき喰ってかかったレオリオが30%くらいかな。キルアとイルミさんを見ておかないと。

 

「第七試合、ボドロ対レオリオ」

 

こんな時でも試合は進む。両者中央に集まり戦闘態勢。レオリオの戦闘は見たことないか らどんなんだろ。ボドロさんはヒソカとの対戦ですでにボロボロだし。

 

「始め」

 

 開始直後キルアが目にも止まらぬスピードでボドロさんの後ろに周り、背後から心臓を手刀で狙った。けどボドロさんは死ななかった、怪我すらしなかった。その場にはキルアの手を掴む私がいた。

 キルアの手がボドロさんに当たる前に手首をつかみ止めることに成功した。

 

「大丈夫、キルア?殺しちゃダメだよ」

 

 キルアの兄さんから少しだけ殺気が漏れた。これはビンゴかな?

 まあ証拠にはならないけど、ちょっと威圧的にキルアの兄さんをじっと見てみると、ふっと殺気を霧散させて元の雰囲気に戻った。キルアの手を離して顔を見ると様子があきらかにおかしい。殺意を出しまくってる。しかし急に殺意を消して扉に向かった。

 

「キルア、私もゴンも友達だよ!あんまり、悩まないでね!」

 

 私の声が聞こえてるのか、はたまた聞こえてないのか、キルアはそのまま無言で扉から出て行った。

 

 そして、キルアは戻ってこなかった。

 

 

 

 

 

 




ヒノの友達意外と少なかった。
基本年上しかいない。

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