消す黄金の太陽、奪う白銀の月   作:DOS

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オリジナル回終了!次話よりキルアの家に向かいます!



第16話『不可思議な刃物』

「おお、これこれ。流石天然鉱石。輝きが違うなぁ」

「これ水から出したら砂になっちゃたんだけど、どうやって持って帰るの?」

「海水に浸したまま持って帰るんだ。あっと………ああ、これこれ」

 

 そう言って前を向きながら、右手で背中のバッグを漁ると、中から蓋以外が透明な水筒のようなケースを取り出した。捻ってケースを開き、水につけて水事鉱石も同時に入れ、そのまま蓋をして取り出した。

 

 水に浸されたままの鉱石は、ケースの中でキラキラと青く光ってる。やっぱりどう見ても飛〇石にしか見えない………。これもって落ちたら飛べるかな?

 

「よし、鉱石回収したし、とっとと帰るぞ」

「はーい」

「そっちは終わったか。こっちも、これで全員だな」

 

 私とジェイ以外の3人目の男性の声。

 後ろから何かを引きずるようにやってきたのは、長身痩躯の男の人。青いハンチング帽をかぶり、そこからこぼれるのは私より長い、腰程までありそうな銀色の髪。腰に装備の武具である鍔の無い刀を備えた姿は、軽装だけど、それだけでここを切り抜ける実力がある事がよくわかる。念の扱いも、かなり強い。

 

「カイトさん!………ていうかそのひきずってるの、全部密猟者なの?」

「カイトでいい。こいつらはグループで活動する密猟団『タラクパラ』の奴らだ。この洞窟には絶滅種の動物などを獲りに来たんだろう」

 

 顎で自分の背後を示せば、カイトの手に引きずられた、縄で縛られた10人ほどの密猟者がそこにはいた。あ、引きずられたって言っても、一応意識はあるよ。そりゃ人間10人以上も引きずってられないよ。普通に歩かせてる。

 そしてすぐそばには、私が戦闘不能にした密猟者が、やっぱり10人程縄で縛られて立っている。

 

 そしてジェイの鉱石採掘が終了したので、私達は帰路に着いたのだった。

 

「カイトはここ何しに来たの?ジェイと同じで鉱石採掘?」

「いや、俺の目的は生態調査だ。俺は契約ハンターだから本来なら今の時期は別の国の調査をしている途中だったんだが、急遽少しだけ懇意にしてる依頼人から依頼が来てな。俺はグループで調査活動をしていたから少し任せて、俺一人でここを少しだけ調査しに来たってわけだ」

 

 なるほど。ちなみに、話の内容で分かる通りカイトは私達と同じハンターだったよ。話してみたら普通にいい人だった!

 

 あの後、ジェイとカイトは互いに相手を密猟者だと思って戦っていたらしい。ちょうど密猟者が地面に倒れ伏していたので、先にジェイが密猟者と交戦中だったところにカイトも入ってきて、なし崩し的に互いが互いに密猟者と思い込んで戦っていたと。

 あの二人も優秀みたいだけど、抜けるところ抜けてるね(ヒノも人の事言えない)

 

「それにしても、二人とも強いな。正直俺も強くなった自信はあったんだが、俺より若いのに大したもんだな。念の扱い、とりわけヒノ、お前は念を覚えてどれくらいなんだ?」

「え?………どうなんだろう。すくなくとも物心着いた時から使ってた記憶あるけど」

「………………」

「あー、カイトさん?そいつの事深く探ろうとすると面倒になるからそんな感じって思っといた方がいいですよ。色々おかしいから」

「それもそうだな」

「ジェイひどい!ジェイだってそうじゃない!」

「俺はシンリに拾われる7歳以前の記憶が無いから何とも言えないな」

「私だって自分の本当の親も故郷も知らないもん!」

「二人ともさらっととんでもない事言ってるな………いや、俺もスラム出身だから人の事言えないけどな。いや、二人に比べたら大したことないだろうけどな」

 

 いや、十分大した人生経験だと思うよ?私とジェイはもはや今更感あるから割とどうでもいいんだけど。実際知らない事は知らないから、特にいいかなって。調べようにも手掛かりも何もないし………………いや、シンリに聞いたら何かわかるかな?

 

「ん?二人とも止まれ。獣の気配だ。それも、念を使ってるな。魔獣か?」

「あ、それって多分―――」

「戻ってきたのか、ヒノ」

 

 のしのしと重い足取りと同時に声をかけてきたのは、肩に子熊を2頭乗せた4本腕の大熊、ガリーべアのガリーさんだ!ちょっと子供抱かせてよ。

 

「グァ」「ガォ」

「ああ!二人共可愛い!」

「ガリーベアか、珍しいな」

「この子達もカイトの調査報告対象?」

「本来ならな。だが、人語と念を使う魔獣は珍しい。とりわけ【纏】だけでも念を使えるのは報告には挙げられないな。そうなっては、国がどういう対応をするか分からないからな」

 

 そう言って、カイトは笑いながら私のそばの子熊の一頭を撫でる。

 

「国による自然保護も大切だが、人が入らないこそ成長できる生物達もいる。こいつらは、今まで通りここでのびのび暮らすのがいいさ」

 

 確かに、念は基本一般社会に浸透していない。あくまで一部の実力者という枠組み、それに権力者や資産家などの上層階級の人間の周りにはその影が多い。そんな不思議な力を持つ動物がいると分かれば、調査と言う名目で捕獲、実験なんて事も、無いとは言い切れない。

 流石にこの子達がそんな目に合うのは、可哀そうだしね。

 

 帰りがけ、【練】のやり方だけ教えて行ったよ。なんか知らないけど割とすぐにできたから、多分そうそう負けないんじゃないかな?頑張って、ガリーさん!

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

「見てみて!出口だよ!」

「ふー。やっと暗闇から出られる。つっても、外はもう夜中か」

 

 洞窟から出ると、既に太陽は隠れてどっぷり暗くなった夜。涼し気な夜風と、満天の星空は中々にきれいな光景だね!夜の砂浜と海って言うのも乙な物だし。

 洞窟内にいた密猟者を全員も出てくる。全員腕をロープで縛られて列を作っている様を見てみると、まるで囚人のように見えるよ。犯罪者という点では同じだけど。

 

「さてと、こいつらは近くの番所にでも突き出すか。ああ、カイトさん。俺ら連れてっときますけど?」

「いや、俺も無関係ではないから同行しよう。それに―――」

 

ギイィン!ギン!ギイィン!

 

 気づけば、カイトは私とジェイの前にいて、抜身の刀を構えていた。暗い夜の砂浜を見てみれば、カイトの足元には真ん中で両断された、鉛の弾丸が落ちていた。

 銃弾を刀で切り捨てるとか、この人ゴ○モン?

 

「密猟団『タラクパラ』は確か、俺達が捕まえた連中の他に、後30名程メンバーがいたと記憶しているからな。どうやら、団体さんのおでましだ」

 

 カイトが向いた方向を見てみると、砂浜には複数………というのじゃ物足りない、とりあえず沢山の数十人、それこそ今カイトが言った30人近くが、私達の目前に、それぞれ銃器だったり剣だったり、取り合えず武装してぞろぞろとたむろってた。念能力者も何人か混じってる。

 

「てめぇら、よくも俺らの仲間を。おとなしく渡してもらえれば、手荒なことはしねぇ」

 

 と、密猟団の一人が言っているけど、明らかに嘘と分かる言葉。絶対返したとしてもここから返さないつもりだし、これだけの人数連れてきてはいさよなら、は無いでしょ。

 

「仕方ない。密猟団を全員検挙できるチャンスと思え。敵が逃げない以上、ここで全員捕縛する」

「了解。一人頭10人程倒せばいいかな」

「まあ念使い混じってるけど、そこは臨機応変に」

「おいてめぇら!何をグダグダと喋ってやがる!とっとと――」

 

 その密猟者が最後まで言い切るよりも早く、カイトの拳が深く相手のみぞおちにめり込み、他の仲間を巻き込みながら吹き飛ばされていった。わー、よく飛んでいくな~、と呑気なことを思ったけど、密猟者の皆様は仲間が吹き飛ばされた事でスイッチが入ったみたい。

 それじゃあ私も早速行こ――――――!

 

タアァン!

 

 紙一重で、私が先程までいた場所を、銃弾が通過した。背後を見てみると、洞窟の岩の上に、銃を構えた人、多分というより確実に、密猟者が1人いた。こっそりと背後から近づき、消すつもりだったみたい。

 私は無事だったけど………………あ、バッグに穴が空いた。しかも、

 

「ヒノ!大丈夫か?」

「私は大丈夫だけど………あ、蒼海石が―――」

 

バキン!

 

 2発目の銃弾が、蒼海石の入ったケースを撃ち抜いて、中の水が漏れ出す。漏れた水は砂浜にすぐに吸い込まれ、中に残った空気に触れた蒼海石は、青い砂となって残ってしまった。あちゃー、せっかく採ったのに。まあまだジェイのバッグに入ってるけど。

 

「ちっ!石ころだけかよ!くそっ!次は仕留めてやる」

「は?」

 

 瞬間、小さな声と共に、洞窟の上で銃を構えていた密猟者は何者かに突き落とされたかのように、下へと落下した。砂浜だったし大した高さじゃないから命にかかわるような怪我はしてないが、手に持っていた銃器はバラバラに、まるで鋭利な刃物に切り裂かれたような状態になっていた。

 

 あ、これまずいパターンだ。

 

「ちょ、カイト!こっちこっち。そっちいたら巻き添えくらう」

「どういう事だ?」

 

 少し疑問符を浮かべながらだけど、カイトは周りの状況が変わった事を察して、密猟者達に警戒しながらも私のそばに来てくれた。そして私同様に、先程まで密猟者の一人がいた、洞窟の上を見上げる。

 

 そこには、満月をバッグに、怪しく笑みを浮かべた男、ジェイの姿があった。

 

「石ころ?聞き捨てならねぇな~。これは鉱石だ。大事な大事な、刃を作り出す為の、大事な原料だ。それを?石ころ?あまつさえ問答無用でぶち砕くとか、どういう了見だぁ、密猟団どもが!?」

 

 瞬間、ジェイの体から放出される凄まじい念。念に充てられた洞窟に、ビシビシと切り傷が走り、その光景に隣のカイトも思わず息をのんだ。

 いや~、まさかこうなるとは。密猟者の方々には申し訳ないけど、ご愁傷様って言うしかないよね?こう、お前は一番やっちゃいけねぇ事をしたぁ!………みたいな感じ?やっぱ人の趣味を蔑ろにしちゃダメだよね。趣味によるけど。

 

「ここが、お前らの墓場だぁ!」

 

 そう叫んで、ジェイは密猟団の中心へと飛び出した。

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

「凄まじいな」

「いや、あれはただ怒ってるだけだよ」

 

 カイトはぽつりと言ったが、今の光景はまさしく怒りのボルテージうなぎのぼり状態。怒髪天を突いた、逆鱗に触れた、みたいな。

 基本的にジェイは温厚、滅多な事に怒ったり不機嫌になったりもしないんだけど、ある一点においてジェイは極度の怒りの感情をあらわにする。

 

 そしてその一点は、刃。

 

「ぐああ!!」

「ぐはぁ!」

「うっ!!」

 

 まさに死屍累々。倒れ伏す密猟者の数で砂浜が埋まりな勢いだが、その勢いは止められない。ジェイは念を纏い縦横無尽に駆け回り、次々と問答無用に容赦なく、敵を()()()()()()()

 

「うわぁ!助―――」

「逃げろ!かないっこ―――」

 

 最後の言葉を言う間も無く、哀れ切り裂かれる密猟者達。

 あ、一応言っておくと殺してはいないよ?ちゃんと急所を外している辺り、流石に怒り状態とはいえやるべき事やらない事の区別はついているみたいだ。まあどこでその境界が壊れるか微妙な所だけど。

 

「怒らず冷静に、と言いたい所だが、ちゃんと急所は外してるな。どこを切れば良く、どこを切れば危ないかがよく分かっている。しかし、なぜあそこまで怒りを?」

「あ、それきっとさっき後ろから撃たれた時蒼海石を壊されたじゃん?その後「石ころ」って言われたのが逆鱗に来たみたいだね」

「ふむ、流石ジェイと言った所か」

 

 その口ぶりは、まるで以前からジェイの事を知っているような口ぶりだった。さっき洞窟で会った限りだと初対面みたいだけど、カイトはジェイの事を知っていたのかな?

 

「噂だけはな。あいつはハンターだが、そんじょそこらのハンターじゃない。ハンター証を取ったのは2年前と浅いが、取って僅か1年で一ツ星(シングル)の称号を獲得した、超一流の(ブレード)ハンターだ」

 

 まじ?ジェイってそんなすごい感じだったの?ハンターに関しては全然知らなかったから、ジェイのハンター関連の話題とかも実は全然知らない。

 ジェイが敵を薙ぎ払っている間に、カイトからジェイに関する情報を教えてもらった。

 

 17歳の時にハンター試験を受験し合格。わずか1年足らずで一ツ星(シングル)の称号を獲得した、超一流の(ブレード)ハンター。(ブレード)ハンターは刀剣類などの武器を専門に扱うハンターであり、ジェイ自身も超一流の鍛冶師でもあるという。

 

 本来この短期間で一ツ星(シングル)というは稀だが、ジェイの場合はハンター試験を受ける前から鍛冶師としてその筋では有名であり、武器の製作販売はお手の物と言われる程の有名人。故に、ハンター証を手に入れてからその力は遺憾なく発揮され、星を手に入れるまでになったと。

 

 鍛冶とかして刀とか作ってるのは知ってたけど、そこまでとは。後は刀剣類のコレクターでもある。家にはジェイのコレクションが大量にあるらしいよ。

 故に、自分が作り出す刀やナイフなどの材料となる鉱石を貶された事に、今は怒り心頭で暴れまわっている。

 

 あれかな、専門となるハンターは皆こんな癇癪持ちなのかな?メンチさんとかもそうだったし、だとしたら接し方を考えないとな。あ、それで思い出した。

 

 多分あの時メンチさんに渡したケースの中身、おそらくメンチさんに頼まれ作ったか研ぎ終わったかの包丁だな。一ツ星(シングル)の美食ハンター御用達となると、結構すごいね。

 それだけ、体内の逆鱗爆弾とか大きそうだけど。

 

「言っておくが、俺はあんな時限爆弾は抱え込んでいないからな」

「なんでわかったの!?」

「勘だ。それより、あいつの念。まるで全身に刃物を纏っている様な戦い方をしているな」

「お、カイト鋭いね。正解。ジェイの念は、〝念を刃の性質に変化させる〟念能力、【不可思議な刃物(ジャックナイフ)】だよ」

 

 変化系念能力【不可思議な刃物(ジャックナイフ)】!

 念を刃の性質に変化せるという少し変わった念能力であり、ジェイの纏う念に触れた物は皆刀に切り裂かれたような切り傷が走る。これは攻防両方でもてき面であり、ただの剣などで攻撃しよう物なら、触れただけで逆に切り裂かれる。

 

「おらぁ!!これが防げるか!!」

 

 一人の男が斬馬刀のような太い刀で斬りかかってきた。通常の剣よりも大きく重い重量の斬馬刀。相手は念能力者なのか、物体に念を纏わせる応用技【周】により、斬馬刀に念を纏っている。

 普通にくらったらひとたまりもないはず………………無論、それは普通に喰らったら、だけど。

 

 近づいた斬馬刀に向かって、ジェイは念を纏い蹴りを放った。

 

ザク!

 

「なんだと!!」

 

 手元を見てみると、斬馬刀がジェイの蹴りを入れた箇所、刃の中程から先がなく、地面に突き刺さっていた。

 【周】をしていたにも関わらず、足の蹴りに負けたこと。そしてさらに異常なのはその断面が、まるで鋭利な刃物で切り裂かれたかのような断面だったということ。

 

 ジェイの能力が分からなければ、相手は自分と対峙している物が恐怖にしか見えない。何あの全身刃物人間。

 あ、このフレーズどっかで聞いた事あるよ。確かダ〇さん?

 

「安心しろ刀よ。あとでオレが鍛え直してやるからな」

 

 そのまま唖然とする斬馬刀の男の腹に拳を当てて気絶させた。

 

「うわぁ!!やべぇ!!逃げろ!!」

 

 流石に半分以上倒れたらかなわないと思ったのか蜘蛛の子を散らすように四方八方に逃げていった。

 

「散ったな。俺達も追撃するか?」

「うーん、多分大丈夫だと思うよ。だってジェイなら………」

 

 立ち止まり、ジェイの念が高まっていく。これなら、追いかけると逆に邪魔になるね。

 この位置なら巻き添えは喰らわないと思うけど、密猟者に少し同情するかな………。

 

「【不可思議な刃物(ジャックナイフ)】【飛京(ひけい)】!」

 

 飛び上がったジェイの体から大量の念の刃が全方位にわたり飛び出していった。全長約5センチ程であり、おそらく刺さっても多少の刺し傷しかつかない程度。けど、その数が100を超えれば、ひとたまりもない。

 飛び出した念の刃が、一人頭約100本も突き刺さり、別段重傷という程でも無いが、一気に押し寄せる小さな痛みの大群に、散っていった密猟者達は全員、倒れ伏した。

 

 うん、すごい数の密猟者がこんな海沿いの砂浜にめっちゃ倒れてるよ。さしずめ、密猟海岸?あ、これはダメか。

 

 そんな呑気な事を考えている私と違って、カイトは顎に手を当てて少しだけ思案気だった。

 

(念を刃の性質にする。言うだけなら簡単だが、実際にそんな事をしようとすれば並大抵の事では済まない。それこそ、本人が刃という物を熟知する事も必須だが、何より、ジェイと刃という概念には、深く、それでいて異常なまでの執着と関りがある)

 

 その事に、ぞっとした寒気を一瞬覚えたカイトだったが、すぐに平常心を取り戻す。今目の前にいるのは、ただただ密猟団を壊滅させて満足しきった、一人の青年でしかなかったのだから。

 

「カイトどうしたの?」

「いや、何でもない。それよりカタもついた。こいつらはすぐに捕縛するぞ」

「あ、ちょっと待ってくれ」

 

 いきなり怒りが解けたのに一瞬面食らったようなカイトだったが、ジェイはお構いなしにストップをかける。

 あ、この後何をしたいのかすぐに分かったよ。

 

「どうした?おそらくもう密猟団はいないだろうが………」

「あ、そうじゃなくてさ。こいつらが使ってた武器(刃物限定)、持って帰っていいよな?」

 

 溜息をつきながらも、カイトはそれを了承してくれたのだった。

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

「昨日は世話になったな。これが俺のホームコードだ。何かあれば連絡してくれ」

「色々助かりましたよカイトさん。あ、これ俺のホームコード」

「私無いから携帯番号ね」

 

 次の日、駅で別れの挨拶に、互いに連絡先を交換する。なんかハンターっぽいよね。

 あ、でも私一人ホームコードじゃないや。なんか負けた気がする。今度シンリに作ってもらおうかな、ホームコード。

 

 あの後ハンター協会に報告。密猟団は全員捕縛されて他に仲間もいなく壊滅。一応賞金首だったらしいので、報奨金を3人で山分けしたのであった。そしてジェイは無事に鉱石、一個は壊されたけどジェイのバッグにも何個か入ってたから、蒼海石は無事に手に入れました。イエーイ!

 

 これなら一個壊れたくらいであんなに怒らなくてもいいのに。まあ珍しいからいいんだけど。

 

「カイトはこれからどこ行くの?」

「ここの依頼は完了したが、カキン国からの調査依頼の契約はまだ継続中だからな。飛行船で戻って仲間と合流だ。お前達は?」

「俺は鉱石と戦利品(密猟団から奪った武器)を工房に持ち帰って仕事だな」

「私は………………そうだ!キルアの家行かないと!」

 

 いや、別に忘れてたわけじゃないよ?ただ密度のある一日だったなぁって思っていただけで、ホントだよ!?

 念の為に携帯からメールを確認してみる。そういえばあの洞窟周辺って圏外だったから今ならメール見れるかも、と思ったら、メール来てた。

 

[修行なぅ、マジ重さに神ってる]

 

 ………………ホントにどういう事?

 

 

 

 

 

 

 




【プロフィール】
名前:ジェイ=アマハラ
年齢:19歳
性別:男
出身:不明
特技:鍛冶
系統:変化系
容姿:天然パーマのような色素の薄い黒髪、飄々とした表情

ヒノが拾われるより前、およそ7歳の時に拾われた。それ以前の記憶は本人には無く、拾った義父であるシンリなら何か知っているかもしれないが、本人は特に興味が無い。
基本温厚だが、刃物類を貶されると怒る。

刀剣を作る技術が高く、さらには武器の販売手入れ等の仕事を主としている。様々な組織、個人に刃物を売り買いするが、頼まれる事はあっても自分から作ることはあまりない。

刃物や武器を収集するのが趣味で、ベンベンズナイフのコレクターでもあり、コレクター同士の知り合いもいる。

若くして一ツ星(シングル)の称号を持つ(ブレード)ハンター。
これは一重にハンターになる前から武器流通、刀匠、としての腕が確かだった事もあり、ハンターになってからも遺憾なく発揮され文句なしの星付きハンターとなった。


【変化系能力:不可思議な刃物(ジャックナイフ)
自身の念を〝刃〟と同じ性質に変化させる念能力。形を変え、念の刃物を作り出すことも可能。基本触れただけで斬撃が入る為、全身に纏えば全身凶器となる。
形状変化は可能だが、念を自身から切り離すのはあまり得意で無い為、その場合は小さな針程度の威力しかなく、数でカバーする。
通常の【周】より、この念を纏わせた刃はさらに切れ味が鋭くなる。
この能力を得るにあたり、ジェイ本人と〝刃〟という物には深い関係性があるが、それ自体ジェイもよく分かっておらず、おそらく損失した記憶の部分に関連している。



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