今回はほぼ原作通りのゴンとヒソカの対決内容になります。ヒノ、ミヅキの解説を見ながら軽く見ていって下さい。
そしてお気に入り600件、ありがとうございます!
オオオオオオオォオォォォオオ!!
今から始まろうとしている戦いに、会場の観客達が割れんばかりの歓声を上げている。
『ゴン選手VSヒソカ選手!!いよいよ注目の一戦が始まろうとしております!!最初に現れたのはゴン選手!今日は手ぶら!3勝1敗と、波に乗っています!!』
ゲートからゴンが出てきた!ギドさんの戦いでは釣り竿を使ったけど、今回はその身一つ。
果たして、ここでハンター試験の雪辱が果たせるか、ゴン!!
『さあ、そして反対側のゲートが開き始めた!!ヒソカ選手の登場だー!!現在9勝3敗、勝てばフロアマスター、負ければ一転地上落ち!しかし
ゴンが出てきたゲートの反対側から現れたのは、殺戮の死神に魅入られた、奇術師
ヒソカの事だし、殺しはしないと思うから、二人共どんな戦いをするか楽しみ!
『ポイント&KO制!!時間無制限、一本勝負!』
観客席には私とミヅキとキルア、それにウイングさんとズシも見に来てる。
ようやくやってきたゴンとヒソカの戦い。頑張れゴン!
『始め!!』
「ふっ!!」
開始と同時にゴンは一足でヒソカに肉薄し先制攻撃をしかけるが、ヒソカにはあっさりと躱され、そのまま反撃をくらった。しかし、それで倒れるような意識を持っていなければ、鍛え方もしていない!ゴンはすぐに立ち上がりすぐにヒソカへと連打。
けどヒソカにとってはその攻撃も予測の範疇。尚且つその速度事態も、赤子の手を捻るように全て躱し、ゴンに向かって攻撃を放った所、ゴンが避けるのを見越して脚を上げて攻撃した。
ゴンは空中で躱そうとしたけど少しくらってしまい、少し飛ばされてしまう。が、またもすぐに立ち上がってヒソカに向かっていく。
しかし攻撃は全て躱されその度に反撃を喰らう。
「りゃあ!!」
やはり全て躱され反撃を受ける。今度は反撃を受けてなおゴンは蹴り上げるように攻撃するが、あまりたいしたダメージになってないみたい。ヒソカは、攻撃を受けた方と逆の手でゴンに向かっていったがゴンは一旦距離をとり再び接近し攻めまくる。
今度はヒソカの攻撃はうまく防御して避けた。
そこからさらに攻撃と反撃を繰り返し、今度はヒソカの攻撃にゴンは全て避けたが、次のヒソカのフェイント攻撃をくらってしまって押されてしまった。
ヒソカは手を招いてゴンを誘う。ヒソカはまだまだ余裕だね。それどころか、ここまでの戦いの中で、ゴンはまともにヒソカに攻撃を当ててもいない。逆にヒソカの攻撃は、面白いようにゴンへと浴びせる。
身体的能力は全般ヒソカの方が上、経験値もヒソカの方が上。つまり、別の要素でこの差を埋めなくてはならない。
『クリーンヒット!!ワンポイント、ヒソカ!!』
オオオオオオオオオォオォオオオォォ!!!
開始から一気に起こった二人の攻防に、早くも会場はヒートアップ状態だ。
「くくく、どうした?まだボクは開始位置から動いてさえいないんだけどね♦」
「えっ、ホント!?くそ~見てろよ!」
一歩も動かずゴンの攻撃を全て捌き、逆に自分は攻撃を当てる。完全に遊んでいるけど、事実このわずかな攻防の間にも、実力差が如実に出てしまってる。さて、どうするつもりかな、ゴン。
「ヒソカは全然余裕みたいだし、このまま攻撃を繰り返してもクリーンヒットは当てられないな。なにか別の手立てを考えないとな」
「そうだね。ほらみて!ゴンの顔。なにか思いついたっぽいよ」
ゴンは先ほどと同じ用に接近しヒソカに右ストレート、と見せかけて何度もフェイントだけを入れ、フットワークの軽さを生かして素早く移動し、結果的に攻撃を当てずに、今度はバックステップで距離を取った。ふぇんとだけという、攻撃をすると見せかけて全く攻撃せずに距離をとり、ヒソカ自身も疑問符を浮かべる。
そしてしゃがんだと思ったら。
「だっ!!!」
素手で足元のリングの一部である、一辺2メートル半はありそうな石板を、ひっくり返した。ジャポンには似たような技で『畳替えし』というのがあるけれど、さながら『石板返し』といった所だね!
『出たーーー!!ゴン選手の石板返し!!』
ゴンは石板を蹴り砕き、ヒソカは石板の欠片を大量に浴びた。これって武器に入るのかな?いや、別にルール委はんでは無いけれど。
ヒソカは石板の欠片をさほど苦も無く弾いたけど、確かにこの瞬間石板に視界を奪われた。結果としてゴンを見失ったみたいだけど、観客席の方からだとよくわかる。
隙を伺い、まるで狩りをする獣のように。ゴンは【絶】をして石板の欠片の影に隠れ、ヒソカの背後から襲来!
ゴンの拳が、ヒソカの左頬に突き刺さった!
『クリティカル、2ポインッ!!ゴン!!』
やった!!ゴンの拳がヒソカの顔面に命中した!
ヒソカは薄く笑を浮かべて開始位置から初めて自分から動き、ゴンの元へ歩み寄っていく。同様にゴンも構えを解いてヒソカに近づいて行った。
そしてお互い距離が1mほどになったら立止まる。
ゴンは、ポケットからだした、No44のナンバープレートをヒソカに差し出した。
ヒソカは笑ったまま受け取り、その瞬間二人は再び距離を取って対峙した。
『おおー!?今のはなんだったんだーー!?わからーん!!』
これでハンター試験以来目的だった〝ヒソカに顔面パンチのおまけ付きでナンバープレートを返す!〟という目標が達成された。あとはこの闘技場で普通に戦うだけなんだけど、まさか本当に戦ってる最中に渡すとは思わなかったよ。当然のようにヒソカも受け取ってるし。
「解説に同意だ。ヒノ、今のは?」
「実はかくかくしかじか」
「それはまぁ、何とも。………ゴンって面白いな」
「でしょ?」
隣に座ったミヅキも、少し笑ってる。確かにゴンの言動を上げてみれば、すごく面白い!安直というか単純というか、強化系の例に漏れないけど、知ってる人の中では一番真っすぐだし。
それはヒソカも知る所。楽し気に笑い、仕切り直しとなった。
「念について……どこまで習った?」
「?基礎は全部」
「そうか、キミ強化系だろ?」
「えっ!なんで分かるの!?」
ここでキルアだったら「さて、どうだろうな」とか言って煙に巻く所だけど、ゴンは普通にばらしちゃたね。まあゴンは嘘とか付けない性格だし、しょうがないよね♪
「くくく、君は可愛いな♥だめだよ、そんな簡単にバラしちゃ♠」
「うるさいな。なんでわかったんだよ!」
「血液型性格判断と同じで根拠はないけどね♦ボクが考えたオーラ別性格分析さ♥」
ヒソカ、そんなこと考えてたんだ。暇なのかな?でも色んな系統タイプを見た事あるけど、なんとななくわかる気がするよ。
「強化系は単純一途♥」
((((あってる))))
この場にいた念能力者は何人そう思ったのだろうか。すごい!確かにあってるぞ!ヒソカ!
「お、今指差したと同時にゴンにオーラをくっつけたな」
「ホントだ。全く、ヒソカも抜け目無いね」
ミヅキ同様に【凝】をして見て見れば、ヒソカの左手の指から伸びた【
流石に、戦いながらのスムーズな【凝】はまだ難しいみたい、というかゴン、多分【凝】の存在が頭から抜けているね。戦いに集中するのはいいけど、念の戦いは何事にも備えないとね。
「けど、攻撃の時じゃなくて話している途中につけるとは、随分油断している。いや、油断では無く、遊んでる」
「ま、実力差が実力差だししょうがないけど、いいんじゃない?」
ゴンもなんだか、楽しそうだし!
「ちなみにボクは変化系♦気まぐれでウソツキさ♠」
((((あってる))))
ほかの系統も、今度会ったら聞いてみようっと。
「ボク達は相性いいよ♥性格が正反対で惹かれあう♦とっても仲良しになれるかも♥だけど注意しないと、変化系は気まぐれだから、大事なものがあっという間にゴミへと変わる♠だから、ボクを失望させるなよゴン♦」
ヒソカのオーラが強まった。今度は、少しマジにやる気だ。
ヒソカは一瞬でゴンに詰め寄り肘を浴びせ、ゴンが吹っ飛ぶとゴンの予想着地地点に一瞬で移動して、飛んできたゴンに攻撃した。
ゴンは吹っ飛んで床で何度かバウンドするけど、その目は闘志に燃えて、周る世界の中でもヒソカを捕らえている。今度は近寄ったヒソカの蹴りをなんとか避けたけど、ヒソカの蹴りが石板を、サッカーボールよろしく蹴り飛ばした。………って!!ヒソカが石板を蹴り上げてこっちに飛ばしてたよ!!
「ちょ、ミヅキ!なんとか!」
「兄を盾にするな、盾に」
そう言って立ち上がったミヅキは、飛んできた石板を
「「「「「!?」」」」」
瞬間、ヒソカはその場でくるりと、片足を軸にしてターンをし、オーラと遠心力と脚力を込めた蹴りで、石板を難なく砕いた。
ズドゴォン!!
『なんというキック力!!石板を観客席まで蹴り飛ばしましたーー!!けどこちらからはよく見えなかったが観客席に当たる前に止まって再びヒソカ選手に!?しかしそれもやっぱり蹴り砕いたぁ!!』
ヒソカは涼し気に石板の破片を浴びつつ、一瞬こちらを見つめ、にやりと笑った。ああ、これはヒソカフォルダに新たなメンバー登録の瞬間かな………。ミヅキにも同情しておこう。
ヒソカは飛び上がり、上からゴンを攻撃したが、飛びのいて距離を取るようにして避ける。しかしヒソカは着地と同時に、ほぼノータイムで地面を蹴って床と体を並行な体勢のままゴンの元へ飛んで行き、再び攻撃。ゴンはよけられず倒れるが立ち上がって距離を取った。
ゴンの動体視力なら、なんとかヒソカの動きも見えるだろうけど、まだまだ体がついていって無い感じ。うまく【流】も覚えてないから、体を流れるオーラのコントロール技術も拙い。基礎である四大業だけの取得では、まだまだヒソカの足元にも及ばなかった。
「どうした?かかっておいでよ♦」
「やだね!作戦中」
「そうか、それなら……無理にでもこっちへ来てもらおうか………♥」
その瞬間、ヒソカの【
ヒソカの【
『ヒソカ選手、会心の右ストレート!!ゴン選手ダウーーン!!クリティカルアーンダウン!ポイント3!ヒソカ6-2!!』
オーラを
例としてはヒソカの念を消して外すとか。まあこれは私にしかできないけどね。後はその人の能力しだい、ミヅキだったらできるけど、あれは相当面倒だよ。まああとは直接ヒソカを叩くしかないかな?
「さて………ここで問題、当たればタダで一発殴らせてあげよう♥」
大サービスさ、そんな心の声が聞こえそうな、これはまたすごい余裕な発言。まあ今のゴンに【
「僕はいつキミのほっぺに【
選択肢は三つ。
ヒジテツの時。
クリーンヒットの時。
クリティカルの時。
………………て、正解の『性格分析の時』が入ってない!これが変化系という奴らですか!
「③だ!!両手で殴ったときだろ!!」
「ブー、答えは『④オーラ別性格分析の時に飛ばしてつけた』でした♠」
なんて汚っ。きっとゴンも同じこと思ってるね。しかもわざわざ〝④〟とつけている辺り、ヒソカもかなり嘘つきクイズを楽しんでるし。
「ヒソカのあの能力、やろうと思えば攻撃と同時に付ける事もできるんだろ?」
「うん。素手での攻撃でも、物を飛ばした時でも、割と自由に付けられる。シンプルだから便利だよね」
だからこそ、ヒソカの攻撃を受けずに躱さなければ、ヒソカの【
例えゴンが最初から【凝】をしていようとも、今の結果は変わらない。このあたり念の技術もそうだけど、戦闘経験の差だね。
一先ずついてしまったのならしょうがない。どうする、ゴン!
(逃げられないなら、向かうまでだ!!)
【
【
ゴンはヒソカの拳に向かって引き寄せられ、顔面に拳をくらい倒れるところを、ヒソカにまたも引っ張られ拳を当てられた。だが、ゴンも引き寄せられるのに慣れてきたのか、今度はなんとかガードした。
倒れてもすぐに起き上がり、再び闘士を漲らせる。
『両者クリティカル!!プラス2ポインッ!!プラスダウンポイント1!!ヒソカ!9-4!!』
「えっ!?ダウンじゃないよ!!すぐ起きたもん!!」
ゴンが審判に抗議するけど、首を横に振るだけで審判は取り合わない。その事にはほかの観客もブーイング。
「確かに。なんか判定ヒソカ寄りじゃない?」
「ふむ。何ヶ月もここにいた僕から見ると、審判的にはすぐにでもこの戦いを終わらせたいんだな」
「なんで?」
「実力差がありすぎるからな。ヒソカに点を与えてゴンが大怪我する前には終わらそう……と考えてるんだろ」
「なるほど。すまんな審判のおっちゃん」
まあなんにしても、10ポイントでTKO負け。次に攻撃を食らった試合終了。
反撃のチャンスはあと1回あるかどうかだね。
「くくくく、油断大敵だよ、ゴン♦右の方を見てごらん♠」
ヒソカの言葉に、警戒するようにゴンは右側に視線を向けると、
ゴッ!!
ゴンが視線を向けた反対側から、石版の破片が飛んできてもろ顔面にくらってしまった。
まさかあんな手に引っかかって終わるとは、若干拍子抜けというか予想外。ちなみに当てた方法は、ゴンについていた【
そしてゴンの頬に吸い込まれるように破片がぶつかりました、と。
『ダウン&クリーンヒット!!プラス2ポイン11-4!!TKOにより、勝者ヒソカ!!』
「たいした成長だ♦でもまだまだ実践不足♣あと10回位戦えばいい勝負できるようになるかもね♥あくまで天空闘技場の中でだけ、だけど♠だからもうここでは君とは戦わない♣」
口には出さないけど、その言葉の奥には〝君はまだ弱い〟という言葉が隠れている。だから、まだヒソカはゴンとは本気で戦わない。武器も使わず、念能力も十全に使わずに、ただ
「次はルール無しの
そう言ってヒソカは闘技場から出て行った。
***
「さてと、ゴンはもうヒソカに借りは返したしもう天空闘技場離れるの?」
「うん、キルアとオレの家行こうかなって。ヒノ達も来る?」
「ん~、今回はいいや。久しぶりの家に大人数で押しかけちゃ申し訳ないしね。それに元々、ミヅキを家に連れて帰るのが目的だったし」
「あ、そうだったの?」
実はその通り。あ、そういえば言って無かったっけ?
「あれじゃあ今度会うとしたらヨークシンで、だね」
「うん!二人とも元気でね」
「じゃあな。ゴン、キルア」
「じゃあねヒノ、ミヅキ」
「またな」
ようやく目的を果たし、清々しい表情をして、ゴンとキルアは笑顔で去って行った。
そしてそれを見送った私達は、飛行船の発着場に向かった。
「さてと、それじゃ私達も帰ろうか」
「体が鈍ってるし、じいちゃんに稽古つけてもらうか」
「私は、う~ん………とりあえず何してよう?」
「………ま、帰ってから考えてもいい。時間は、まだある事だし」
「そうだね」
次にゴン、キルア、クラピカ、レオリオと会えるのは、ヨークシン。
それにクロロを筆頭にした、旅団の皆共また会えるのも、ヨークシン。
「どうした、ヒノ。なんだか楽しそうだね」
「ん?そう見える?だって………実際に楽しみなんだもん♪」
この後は、天空闘技場~ヨークシンの間の話を少し書こうと思います。
それと、元々アットノベルスではヨークシン編の途中までしか書いて無かったので、その辺り練り直すので少し投稿するのに日が空くと思いますが、あまり時間を掛けないようにしたいと思います!
あとできればオリジナルで登場したキャラクター紹介をヨークシン編前には一度入れたいと思います。