3 / 3
3
気がついたら遊子とあたしが目の前にいた。
「あたしが二人!? 」
「私が二人いる!? 」
あたしと遊子の声が同時に響き渡った。
「「え? 」」
遊子も二人いた。
「いっとくけどあたしは遊子じゃなくて××××だ」
「わたしは××××だよ」
二人は自己紹介するが肝心の名前が聞こえない。
となりを見ると柚子も怪訝そうな顔をしている。
それをみたもう一人の遊子とあたしが悲しそうな顔をする。
「まだ聞こえないんだね」
しかし悲しそうな顔をしていたのはわずかな間だけですぐに表情を切り替えた。
「いそいでこの中から死神の力を見つけないと虚になる」
もう一人のあたしがそういうと、いきなり縦と横が逆になり周囲が崩壊しだした。
「夏梨ちゃんどうしよう」
遊子は霊子を固めて足場を作るとあたしを支えながらそういった。
足場を作りながらしばらく考えている名案が浮かんだ。
「霊絡を見ればいいんだ」
霊絡を見ると案の定赤い霊絡が二つあった。
引っ張ると端に斬魂刀が入った箱がある。
あたしと遊子が斬魂刀を引き抜こうとすると最初はなかなか抜けなかったが最終的にはなんとか抜くことが出来た。