通称黒猫について
『人であることを捨てた事は後悔してない』
人であることを捨てた人の言葉だ。
友と共に幽閉されるために人を捨て人造サーヴァントになったあの人は無表情で目も濁っていてとても優しげには見えなかった。
けれども見た目に反して優しくて、年下とか子供になつかれたりしても笑っていなくて気だるげにしていた。
ただ、マスター、いや友と居るときだけは笑っていた。優しげに少しだけめんどくさそうな雰囲気を出しながらも心から笑っていた。
彼は今何しているのだろう?
彼は全てを終えた時煙のように消えてしまった。友にすらなにも言わずに
マスターの方は笑っていた。
『いつもの事 いつもの事。あいつは猫。あちこち見て飽きたら帰ってくるさ。意外に旅先で見つけた嫁でも連れて』
と、彼がどこで何をしているかカルデアにはそれについて知る者は居ない。
俺は友人そして友人が召喚した英霊達と共にカルデアの地下に封印されている。されてはいるが、大きな部屋が割り当てられその部屋の中なら自由に動けるし時計も置いてあるわりと自由だ。
封印された理由それは、友人は単独での英霊の多数召喚しカルデアに危険と判断され拘束された。その日の夜に俺は、人であることを辞め友人と共に拘束されるため英霊となった。そして俺も友人と共に管理しやすいように世間から隔離され、カルデア地下に封印された。英霊なった方法?それはいつかの幕間の物語で語ろう。
そうして窓すらもない。真っ白な部屋に封印された俺、海原 新夜と友人物部 時宗。そして時宗が召喚した三人の女の英霊。この五人でもう一年ほどを共に過ごした。トイレや風呂場はちゃんと仕切りがあるからそっち方面のトラブルや事故は起きなかった。寧ろ問題は…
「新夜、勝負だ!!俺様が勝ったら耳と尻尾を触らせろ!!」
「勘弁してくれ…モードレッド…」
俺は黒の猫耳と尻尾をげんなりとさせながらそう言った。この猫耳と尻尾は英霊になった時に生えた物で元々の俺の髪の質は柔らかく触ると気持ちいいらしいのだが、その毛質が耳と尻尾にも現れてる様でモードレットや他の英霊二人が触ってくるのだ。俺自身元々触られるのが嫌いで自分から触らせるのはOKという完全な猫気質だから俺は滅多に触らせることはない。ぶっちゃけると触ってる時のモードレッドや、他の二人は可愛くて目の保養になるのだがそれでも触られる嫌気が勝つ。
「うるせぇ!!触らせろ!!」
モードレッドがそう叫びながらクラレントを取り出し斬りかかってくる。この部屋は対英霊用の牢獄でもあるようで宝具の展開に壁の破壊、部屋の中にいる存在へ傷を着けることが出来ないようになっている。その結果生まれたのが戦闘訓練方式のミニゲームの用な物。ルールは簡単。実践での致命傷になる攻撃を当てた方の勝ち。勝てば20分は俺の尻尾とかを触れるという物だ。最初は戦闘経験など喧嘩ぐらいしか無く負けまくっていたのだが今では…
ガキン!!
金属と金属がぶつかり甲高い音をたてて切り結び互いの武器から火花が散る。展開した俺の武器、両手に付いた腰から足首まである長い真っ直ぐな鉤爪で防ぐ事も一年間も続けてきたこのゲームのお陰で余裕になった。受け止め慣れた俺を見てモードレッドが獰猛に笑う。
そう来なきゃなと言わんばかりに…。
嫌な予感がしてバックステップで下がるとモードレッドは腹に蹴りを叩き込もうとして対象が居なくなりバランスを崩しかける。これを好機と感じに前に踏み込み右手で避けにくい胴体を狙って斬りかかる。
が、紅い風の様なものに弾かれてその場で左の方へ回ってしまった。紅い風の様な物は過去にも何度もやれた放出された魔力の塊だった。弾かれた瞬間、モードレッドの剣が俺の左の方に構え直すのが一瞬だけど見えた。やられかけた胴を狙った攻撃をするつもりだろう。普通、避けるにはしゃがむ事で避けらるが弾かれた俺はそんな暇はない。だから俺はモードレッドの頭の上をバク転で飛び越えて避けた。人では無理でも英霊と化した俺には余裕で越えられる。そのまま俺はバク転を三回して距離を取って構え直す。
「やるな~新夜。俺様の上を越えていくはなぁ?思い付きもしなかったぜ。だが、まだまだだ。上を越えていく間にも一撃は叩き込めただろうが?」
「さてな。でも、そういうお前も俺のバク転中に踏み込むか、昔やったみたいに剣を投げれば狙えただろうに…」
「誰が、お前程度に投げるか!!」
「けど、一回「黙れ」…了解。俺の記憶違いだ」
真っ赤になって否定するモードレッドを弄ってみるとかわいくてもう少し弄ろうとしたがドスの聞いた声を聞いて止める。
少し沈黙が流れる…。
「次で決めるぞ、新夜。読み合いなんてめんどうせぇ」
「分かった」
モードレッドが仕切り直す様に、踏み込みからの袈裟斬りをする為、クラレントを掲げ前屈みに踏み出す。踏み込みと同時に魔力放出をして速度を稼ごうと言うのだろう。俺も宝具を使わないで出せる最速の攻撃を用意するために四つん這いになり猫が、威嚇するようなポーズを取る。クラウジングスタートの要領で速度を稼ぎ、それだけでは無く自身の魔力を身体強化に回して更に速さを上げ一撃目を避けられた際の事は考えずただただモードレッドの胴体に鉤爪を叩き込む事だけを考えた。お互いに踏み込む!!そう思った時。
「二人とも止めろ。朝っぱらから金属音がうるさい」
と時宗が止めに入ってきた。俺は武器を直ぐ様消したがモードレッドは少しいじけたように少ししてから武器を消した。
「本当です、新夜。狂犬 モードレッドの言うことを律儀に聞く必要はありません…」
「本当よ。煩いからせっかく楽しく本を読んでいたのに台無しになっちゃったじゃない。どうしてくれるの?」
残り二人の英霊。アナとエレナも出て来て文句を言う。アナは紫色の髪の少女で本人がアナと読んでほしいと言っているのでそう呼んでるが偽名で、真名はメデューサ。石化の魔眼で有名なあのメデューサだ
。だが、アナはまだ幸せだった女神の姿で召喚されており本人と不思議に思っているがそれでも俺は彼女は彼女なので気にしないことにした。もう一人はエレナ・ブラヴァツキー。マハトマとその集合体であるハイアラキの言葉が聞こえる物知りなキャスター。本人いわく生前死ぬまで若い姿のままでいたらしい。
「モードレッドがこいつの尻尾とかを触りたくなるのも分かる。俺でも触りたくなるほどだしな。だから、すまんが新夜…」
「分かったよ。嫌だがお前が言うなら仕方ない…ホレ、触るなら触れ」
と近くのソファーに座り尻尾でソファーをペチペチ叩きながら言うとモードレッドは尻尾に飛び付きモフモフとなで回したりし少女の様な表情を見せる。だが、触っているのはモードレッドだけでは無かった。右耳はアナ左耳はエレナがモフモフしている。文句を言うかと思ったがこちらも幸せそうにしてるため言う気が削がれなされるがままにして、俺は眠りに入った。
こんなが俺達五人の封印されてからの日常。こんな日々が死ぬまで続くように思ってた。一時間後、爆発音で起こされるまでは…
海原 新夜
人造英霊。表情が無表情から変わらず、声の揚々すらも基本的に変わらないし眼も濁っている。その為基本的に怒っている勘違いされがち。
だがそれを理解してくれる友人を慕っていて基本的に彼の側にいる。
友人が封印されると知った際は自分自身をサーヴァントに変えてまで時宗の側を離れなかった。
服装は黒のジャケットにシャツ黒のズボンとfate/zeroのセイバーの様な服装をしている。
元々カルデアのマスター候補であったが魔力の量しか取り柄はなく補欠要因だった。が、サーヴァントになった事により戦闘な才能が開花していき今では本気のモードレッド達相手でも互角で戦えるほどになった。
クラスはアサシン。
猫だからか?と本人はクラスに関しては対して気にしてない様で、時宗の為なら相性が悪かろうが殺して見せると豪語してる。
猫耳等が着いてはいるが性格は忠犬、令呪を使わなくても無条件で手伝うが時宗の指示以外は全くもって聞かない。
それどころか他者には興味は微塵もなくあんまり会った事無い人とは会話すら拒み業務連絡程度しか話さないが時宗の指示なら態度を軟化させ会話をする。
暫く側にいると態度は変わりかなり喋るようになるため何がしたいか等が分かりやすくなる。