マスターと黒猫英霊の物語   作:戦闘狂の道化師

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カルデア職員の日記
英霊 黒猫観察記録
黒猫は滅多にマスターである物部 時宗の側を離れる事は無い。流石にトイレにはついていかないが風呂等は一緒に入ったりしてるようだ。大浴場が使える時だけの様だが…。趣味も合うのかアニメ、ゲーム等の話をよくしている。魔術の話や戦術の話はしない為、いささか特異点に送り出すのが不安になるが人理をちゃんと修復し帰ってくるので要らぬ心配だった。むしろあれば彼らが旅先でいつもの調子を保つためのルーティンなのかもしれない




解放 旅立ち

眠ってから一時間、それは急に起きた。

 

ドカン!!

盛大な爆発。それによって目を覚ました俺の視界に天井とエレナが映る。寝てた間にいつの間にか膝枕をされていた。エレナ達によると俺の髪を撫でやすくなるし寝てるといつもの仏頂面が可愛くなるからと、しょっちゅう寝ていると膝枕をされている事が多い。

 

「おはよ」

 

エレナに挨拶とお礼を言って爆発で被害が出てないか周囲を見渡すとモードレッド、アナそして時宗が正面のソファーに仲良く座っていて、いつもと同じの白い壁が傷一つ無く俺達を囲んでいた。ここには被害が今のところ無いが嫌な予感がする。俺達を殺すために爆破したのか?だが殺すなら一年前に殺すはず…様々な疑問が渦巻く中暫く時間が流れる。物部は気楽に、

 

「何かあれば誰か来るだろ」

と言っているがそう俺には思えない。ろくでも無いことが起きないと良いが…等と考えていると徐々に廊下を歩く音が聞こえてきた。モードレッド達に時宗の周囲にいるように言って外からの唯一の侵入口。電子ロックがかかっている扉を見つめながら鉤爪を展開。ドアが開くのを待つ。ドアが開き入ってきたのは…

 

「ロマ二、何のようだ?一人とは…上層部はお前を殺させてそれを餌に俺達を殺すつもりか?」

ロマニ・アーキマン。カルデア職員で医療関係の仕事をしている。最後にあったのは一年前で今でもその部署にいるかは知らないが。鉤爪を出したまま、軽くのせた殺意にびくりとしたロマニだったが覚悟ができたのか喋りだした。

 

「君達を封印しておいて非常に身勝手だが助けてほしい」

 

「本当に勝手なことを、お前らが危険だとか言って…」

 

「待て新夜。こいつが助けを求めて来た。それはこいつ以上の偉い奴が居ない、もしくは指示を出せないそれを意味してるきっと、それはさっきの爆発が原因だろう。話を聞こう?何が起きたか…それだけは最低限知っておきたい」

時宗はお気楽なようでそれなりに考えている。勉強は出来るし魔術の腕は一流。こいつがあんまり検討違いな事を言うことは無い。武器を消してさっきまで寝ていたソファーに座るように身ぶりで指示すると、ロマニは座り俺は時宗の後ろにエレナと一緒に立つ。

 

「人理が焼失し人類の未来は途絶えた。それによりマスターを召集し英霊と契約させ、原因となった特異点に送り込んだのだが今度はその部屋が爆発、マスターは一人を残して全滅した。手を貸してくれ。彼女達は先に特異点に行った。彼女達と人理修復をしてくれ。頼む」

 

ロマニはそう言いながら手を合わせ拝んで来た。俺達の反応は三つに分かれた。一つはモードレッド、アナ、エレナのマスター達がするなら手伝ってもいいと言う。前向きな反応。面白そうと楽しむ反応。これは時宗。俺は…

 

「人理が焼失すると何が起きる?」

判断材料が無く判断しかねていた。ロマニは重たく口を開く。

 

「人類は歴史全てから消える。ここにいる人間全員もだ。…いわば人類滅亡だよ」

 

「そうか…時宗。お前の意見は分かるから聞かんが俺はロマニに手を貸そうと思う。お前はこんな事が起きた理由に興味があるのかも知れんが俺はお前を死なせたく無いんでな」

 

「流石によくわかってる~♪。それなら交換条件を飲んでくれるなら助ける。助けて直ぐに殺されたりまた封印されたら叶わないからな。エレナ」

 

「はい、これでしょ?ギアスロール」

エレナから時宗に紙と羽ペンが渡される。時宗はその紙にスラスラと文字を書いていくが恐らくこれはギアスロール。書けば最後、魂すら縛られ書かれている事を実行しなければならない。逃れられない契約。もはや呪いレベルの…。

 

「内容は簡単だ。人理修復中はカルデア職員として扱う事。修復完了後、再度封印や、我々の殺害、拘束をしない事。上層部が復活して無理なら脱出の手助けをする事。要するに我々の自由を保証しろって事だ。どうだ?」

書き終わったギアスロールをロマニに差し出すとロマニはアッサリと名前を書き込んだ。カルデア職員であるからにはギアスロールがどんなものが知ってるだろうに、俺が意外に思ってるとロマニが口を開く。

 

「勝手に僕の妹みたいに思っている子も特異点に行ったんだ。ここに来る前、無事を確認したがだが戦いなれていないマシュとそのマスターと所長ではかなり危険だろう。さらに一人で二人を守るんだ。いつ危険になってもおかしくない。悩んでいる暇はないんだ。それに僕は彼女達を助ける為なら自分が出来る事なら何でもするさ、仲間を殺せとでも言われない限り僕に出来ることならね。僕には戦う力とか無いしね」

 

一年前にヘタレなイメージを持ってたのもあって少しこいつが強いようにも見えたが二ヘラっとしてきたので気のせいだなと思考を打ち切る。必要なの情報はカルデアに所属し人理を時宗と修復する事だけ。それ以外は気にする必要は無い。

 

「早速人理修復をお願いしたい。特異点の名は特異点F。2004年の冬木市だ。もう一度言うが何が起きても可笑しくない。覚悟しておいてくれ…」

ロマニはそういうと俺達をタイムトラベル…レイシフトをするための部屋に連れてきた。あちこちが爆発の影響で壊れ鼻に濃厚な血の臭いが届く。時宗は気にしてない様だから恐らく俺の鼻が敏感なのだろう。この部屋に来るまでに様々な話を聞いた。爆発は急に起きてマスターがカルデア所長オルガマリーに部屋から追い出された女しか居ない事。護衛には人とサーヴァントの融合体のデミサーヴァント、マシュが一人いる事。部屋でも聞いた通りオルガマリーも特異点に居る事。これが俺にとっての一番の苦痛だ。オルガマリー…カルデア所長で魔術の才能は無く、かといって俺みたいに危険を犯してまで魔術に関わろうとしないが、上から目線で言ってくる女。はっきり言って鬱陶しい。魔術は奥が深いが危険を犯さずに得られる知識は、才能が無い者は微々たる物しか得られない。その癖に保身だけを考えていると来たものだ…。

 

「あぁ、虫酸が走る…」

 

「誰の事を言ってるかは分かるが押さえろ。恩を売れば此方が助かる可能性が上がるのだからな」

 

分かってる。短く答えると俺は周囲の破損状況の確認を始める。爆発は確実に見つかりにくく周囲の人間を殺しやすい場所にセットされておりかなりの殺意を感じる。嫌がらせじみた爆発が事故とは考えにくい。最悪の事態に備えるか…そう思い時宗とロマニが準備を終えるまで時宗と話した。結果はアナとエレナをこちらに残し万が一に備え、時宗、モードレッドと俺が特異点に行く事になった。床から爆発を逃れた三つの機械が出て来て俺達三人が中に入る。そしてアナとエレナが手を振る中、レイシフトは開始され光が収まり俺達が最初に見た光景は、無惨に破壊された町の残骸と紅く町を染め上げる炎だった…。

 

「これは酷いな…何が起きたんだ?こんなの普通じゃねえぞ」

 

「まぁ、覚悟はしてきたからな。さて、先ずは合流か?」

 

「あの女に会わないといけないのか…気が進まない」

転送されたビルの上からの景色を見ながらモードレッド、時宗、俺の順番にそう話していると何処からか金属音が聞こえてくる。下を見ると大きな盾を持った女が骸骨を叩き潰したり盾で女二人を矢から守ったりしているのが見える。

 

「ロマニ、あれがお前の言ってた最後のマスターか?」

 

『そうだね。彼女と時宗君が我々に残った最後の希望だ。彼女達と合流してくれ!!』

 

ロマニはそう言うが嫌な金切り声が聞こえる。オルガマリーだ。自分がマスターでもないのに盾を持った…確か名前はマシュだったか?そいつに指示してマスターであろうオレンジ髪の女にあーしろこーしろ等と騒いでいる。あれでカルデア所長なのだから今までカルデアが持っていた事が不思議だ。

 

「時宗、先にモードレッドと共にアイツらに合流していてくれ」

 

「お前は?」

 

「周囲の状況、他の敵の索敵。使える資材の確認をしてくる」

時宗は、気を付けろと一言言うとモードレッドと共にビルから飛び降りた。途中で時宗の魔力を感じた事から恐らく魔術で衝撃を殺したのだろう…。嫌いな女の声が聞こえ無意識に手を強くにぎりしめてしまう。俺は鉤爪を展開しいつでも戦えるように気を配りながら資材のありそうな場所。ビルの上からの見えたデパートに向かって移動する。所々に骸骨を見かけたが俺はアサシン。影に紛れてスルーしていった。敵の種類がある程度分かるまでは戦うつもりはなく無事に、戦闘を避けデパートに侵入。適当なリュックを拾い水分と食料品を入れ移動を始める。時宗に報告する為、ロマニに位置を聞くとどうやら最初の位置からは離れ大きな橋の近くで正体不明の黒いサーヴァントと戦ってるそうだ。ただ防衛対象が多くてモードレッドも攻めあぐねていると報告付きで。俺は橋を目指して建物の屋根と言う屋根を乗り継ぎながら夜の町を走り抜けて行った…。

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