落書き倉庫   作:kageto

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ゲンドウがゼーレ側じゃない
バルディエル戦



エヴァ 再構成 男前ゲンドウ

『ぐぅっ』

 

 モニターから響くシンジの苦悶の声。バルディエルに馬乗りで首を絞められている初号機のダメージがフィードバックしているのだ。

 

「伊吹二尉。ダミーシステムの準備だ」

 

「し、しかし。ダミーシステムの使用には赤城博士の許可が…」

 

「パイロットを死なせたいのかっ!」

 

「りょ、了解です」

 

 普段見ることのないゲンドウの激情にマヤはダミーシステムの起動準備に取り掛かる。

 

「シンジ。返事はいらん。集中しろ。こちらが合図をしたらグリップから手を離して首に力を入れろ。首を折られないという強い意志を持て」

 

『な、なに、を…』

 

「返事はいらんといっただろうが。反撃に出る。鈴原君を助けたければ言う通りにしろ」

 

『た、すける…』

 

「今だ!手を放せ。ダミーシステム機動」

 

 ゲンドウの声にシンジは手を離して首に力を入れる。同時にダミーシステムが起動して操縦権をシンジから奪い、暴走と変わらない動きでバルディエルを圧倒し始める。

 

「時間がない。よく聞け。お前の技量ではエヴァを乗っ取った使徒には勝てん。戦闘はダミーシステムに任せろ。降りてきたバイザーの横に緊急停止スイッチがあるのはわかるな。それを押せばダミーシステムは止まる。ダミーシステムが使徒にとどめを刺す直前に緊急停止。操縦権を取り戻しエントリープラグを回収。できるな」

 

『それでトウジが助かるならやってやるさ』

 

「いい返事だ。集中しろ。タイミングを間違えるな。緊急停止から操縦権復帰までのタイムラグは心配するな」

 

『了解』

 

 短い返答を返してシンジは戦闘の行方に集中する。ゲンドウはすぐに二号機に通信をつなぐ。

 

「惣流君」

 

『状況把握。シンジが復帰する時間を稼げばいいのね。けど私じゃ腕二本が限界よ』

 

「十分だ。レイ」

 

『はい。残りの二本は私が止めます』

 

「総員戦況に集中しろ!我々大人のミスで子供に人殺しをさせるな!誰一人死なせず使徒を殲滅する!」

 

 《了解》

 

 司令室の各所から返事が返ってくる。ゲンドウはサングラスを外し、戦闘を見逃すまいとモニターを注視する。

 

『アスカ!綾波!』

 

 シンジが叫びながら緊急停止ボタンをたたくように押し、グリップを覆っていたカバーを蹴とばした。

 

『ファースト右!』

 

 二号機が零号機に声をかけると同時にバルディエルの右側の腕二本を抱きつくように抑え込んでバルディエルの体をうつ伏せにひっくり返した。ワンテンポ遅れて到着した零号機が右側に回ってきたバルディエルの左腕二本を抑え込む。

 

『トウジをかえせーーーーーっ!』

 

 操縦権を取り戻したシンジがエントリープラグを引き抜く。

 引き抜いたエントリープラグを左わきに抱え込みながら右手でプログレッシブナイフを背中から参号機のコアにつきたてた。

 

「初号機ATフィールド全開!殲滅後の爆発からエントリープラグを守れ!」

 

 ゲンドウの声にパイロット3人の動きは早かった。ナイフの先端がコアに刺さると同時に初号機が離脱。ATフィールドを展開しながら背を向けて逃げ出した。次いで零号機が腕を離して二本目のナイフを突き刺し初号機と同じようにATフィールドを展開しながら初号機とバルディエルの間に立ちふさがった。最後に二号機が腕を離すと同時に二本のナイフを思いっきり踏みつけてコアに押し込んだ。踏み込んだ勢いを使ってバク転を繰り返しながら零号機の背後に着地すると零号機のATフィールドに重なるように自身もフィールドを展開して衝撃に備えた。

 パイロット3人に言葉でのやり取りはない。シンジが動き出したと同時に二人が考えをくみ取ったのだ。

 

【この至近距離ではATフィールド越しでもエントリープラグは持たない】

 

 何度も使徒と戦闘をこなしていたパイロットだからこその判断だった。

 

 こうして第13使徒バルディエル殲滅は一人の死者を出すことなく終わりを告げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「よう、センセ。辛気臭い顔しとんなぁ」

 

 ネルフの病院の一室。トウジが目を覚ましたとの知らせを受けてシンジは病院に駆け込んできていた。もう一つの知らせも同時に受けて。

 

「トウジ…」

 

 ベッドに横たわるトウジは顔をシンジに向けはするが、体を動かさない。

 

「体のこと…」

 

「動かんようになってもうたわ」

 

 神経接続が切れていなかったため、エントリープラグを抜いた際に首周りの神経にダメージがフィードバックしていたのだ。

 

「ごめん。ごめんトウジ」

 

「なんやセンセ。泣くこたないやろ。生きとったんや。それでもすごいこっちゃ」

 

 明るくふるまうトウジにシンジの涙は止まらなくなる。

 

「それにな。センセのおとんがきよってな。ネルフの最新治療とリハビリで治してみせるて豪語していきよった。ネルフの技術はスゴイんやろ。きっと治るわ」

 

 シンジは泣きながら何度も何度もうなずいた。

 

「なぁシンジ」

 

 トウジからセンセではなくシンジと呼ばれたことに驚いて、シンジは顔をあげた。

 

「前に、殴ってすまんかったな。戦闘に首突っ込んですまんかったな。今回エヴァにのって思い知った。怖いで。めっちゃ怖い。わかったつもりになっとったけど、想像以上やった。やから、すまんかった」

 

「いいよ。トウジが治ったら一発殴らせてくれたら許すさ」

 

「許すのに殴るんか。ひどいやっちゃなぁ」

 

「トウジ風にいうなら根性ババ色だからね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 病室の外でアスカは壁にもたれながらヒカリの頭を胸に抱きしめていた。

 

「泣いときなさい。でもあの馬鹿の前では笑っとくのよ」

 

 アスカの胸で声を殺すようになくヒカリは、トウジが生きていた喜びと、体が動かないほどのけがを負った悲しみにのまれていた。

 

「ごめんヒカリ。私たちがもっと強ければあんな状態にならなかったかもしれない。ごめん」

 

 胸の中で首を横に振るヒカリを感じながら、アスカは奥歯を強くかみしめた。

 

(強くなる。今よりもっと。三人で)

 

 それは決意ではなく、誓いだった。




もっと描写を書き込みたいなぁ
この話のプロローグはすでに書きあがってたりします。
ゲンドウ率いるネルフとゼーレの戦いという構図の作品です。
ただ、連載として書くのはかなり先になるだろうなぁ



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