ハリーは筋力キャラ
「まほおおおぉぉぉぉぉ」とか叫びながら拳で殴る
タイトルは
ハリー・ポッターと筋肉の魔法
あたりで。
続きは書きません。
飛行術の授業の始まるのを目前としてグリフィンドールとスリザリンの一年生は興奮を隠しきれず各々の友人と空を飛ぶということについて語り合っていた。
やれ家で飛んでいた。やれ親に箒を買ってもらった。期待に胸膨らます様はほほえましい限りである。
「ロン!やっぱり魔法使いも空を飛べるんだね!箒で飛ぶとか物語のまんまだ!」
「もちろんさ!ねぇハリー。君、クディッチをしってるかい?箒に乗ってやるスポーツなんだ!魔法界で人気ナンバーワンなんだぜ」
ハリーとロンも多分にもれず盛り上がっていた。
「なんだ、ポッター。魔法界の英雄様は空を飛ぶことも出来ないのかい?僕は父上に買っていただいた箒で毎日のように飛んでいたよ。飛ぶことに関しては自信があるね」
せっかく盛り上がっていたのにドラコに水を差されてロンが露骨にいやな顔をした。ドラコはかまわず続ける。
「そこの貧乏人のウィーズリーだって飛んだことがあるというのにねぇ」
ニヤニヤと笑みを浮かべるドラコにロンが噛み付いた。
「ハリーは今までマグルに育てられてたんだ!飛べなくっても仕方の無いことだろう?!そんなこともわからないのか。マルフォイ」
「え?僕飛べるよ」
「「は?」」
いつもの如く口喧嘩が始まるかと思いきや、ハリーの発言でロンとドラコはポカンと口をあけて固まった。
「ただ箒を使って飛ぶ方法がわからなかったから、ちょっと不恰好なんだよ。見てて」
そう言ってハリーは校舎に向かって全力で走り出した。そのまま壁にぶつかるかと思いきやスピードに任せて壁を垂直に走り上っていった。
「「いやいやいやいや」」
ロンとドラコがありえないものを見たとばかりに首を振る。
そんな二人をよそに、屋根まで駆け上がったハリーは屋根を踏み切って大きく空に跳びあがった。
「ハリー。それは飛行じゃなくて跳躍よ」
偶然近くで様子を見てたハーマイオニーがポツリとつぶやいた。確かに跳躍である。ただしその跳躍高度はヒトの限界高度を超えていた。
「なぁ、マルフォイ。人間ってあんなに高くジャンプ出来たんだな」
「待て、ウィーズリー。確実にあいつだけだ」
空高く跳躍するハリーを二人は半ば呆然としながら見上げていた。
そしてそろそろ跳躍も最高高度に到達して、あとは落下するばかりだろうと誰もが思ったその時。
ハリーは空中を蹴ってさらに高く跳びあがった。
「「は?」」
見上げる全員が呆然とする中、空中のハリーは何も無い空中を縦横無尽に蹴ることで前後左右上下好きな方向に移動していた。
「なぁ、マルフォイ。悪いんだけど僕の頬をつねってくれないか」
「かまわないが、僕の頬もつねってみてくれウィーズリー」
呆然としながら互いの頬をつねる二人だったが、その痛みから夢でないと諦めた。
「最近僕思うんだけど、ハリーに魔法っているのかな?」
「魔法使わなくても魔法と同じこと大体出来るよな」
ロンとドラコは大きくため息をついた。
ハーマイオニーは死んだ魚のような目で、空から手を振るハリーに手を振り返していた。
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