宝具5はあきらめました。宝具1でも、キミがいてくれればそれでいい。
歯車出ないのおおおお!!! 何で、素材にないのおおお!?
ちなみに次回、投稿日は未定です。申し訳ない。
12月26日、人理継続保証機関カルデア――。
「アラン君が無断でレイシフトを?」
「……参ったね、査察も近いのに。仕方がない。先方にはもう少し待っていてもらおう。幸い吹雪はまだ続くようだ。彼を呼び戻してほしい。どこかで迷子……なんて彼らしくも無いけれど」
アランがどこにもいない。
レイシフトのデータを参照した所、この地上のどこでもない――いわゆる時間神殿の亜種ともいえるようなところにレイシフトを行っていた。
同伴していたサーヴァントは不在。
「――行くのかい」
「おや、ホームズ。朝の内服はいいのかい?」
「あぁ、そんな気分ではないからね。……彼の下に行くつもりなら護衛はあった方がいい。転ばぬ先の杖とやらだ。道中、何があるかも定かではないからね。それと」
「?」
ホームズは加えていたパイプを放して、立香を見つめた。
それはまるで、祈っているようにも見える。
「いや、言葉にしてはならないか。何でもないよ。失礼した」
「……?」
「どうして天才って最後まではっきり言わないかなぁ」
「いや、キミもだからねレオナルド」
「ったく、何でアイツこんな趣味の悪い所にいるのよ……」
「喧しい、さっさと連れ戻すぞ」
護衛のアルトリア・オルタとジャンヌ・オルタを連れて、立香はアランがレイシフトしたと思われる場所にいた。
その風景は時間神殿と瓜二つだ。あの戦いは、あまり思い出したくはない。目の前で、親友が消えたのだから。光の雫となって消えたあの光景は、もう二度と。
「……いた!」
視線の先にアランが立っている。背中を向けているせいか、表情こそ見えないが、その顔は宙を見つめている。
駆け寄ろうとして、思わず足を止めた。
何かが、違う。鍛えられてきた直感がそう告げている。
「……げろ」
彼の声は弱々しく、衰弱しきっていた。
「逃げろ……っ! ここから! 俺が、俺じゃなくなる、前にっ!」
黒い泥が彼を飲み込んで、周囲を浸食していく。
――その周囲から魔神柱を彷彿させるような存在が次から次へと姿を現す。
「なっ……!?」
『なんだ、何があった!? 急に魔力が増大したぞ……!? 今そこに特異点が形成された!』
泥がはじけ飛ぶ。
そこにいたのは、かつてバビロニアで死闘を繰り広げたティアマト神。――ビーストⅡを彷彿させる巨大な獣と、その周囲を浮遊する無数のラフム。その数凡そ、七千。それらが宙に解き放たれていく。
『やはりか……!』
「分かっているのなら、さっさと言えホームズっ……!」
『彼のサーヴァントであるキミには悪いが、説明をしている時間は無い。――ともかく今すぐ帰還するんだ。幸い、レイラインは寸断されていない。今ならまだこちらにレイシフトで戻る事が出来る』
「でも、アランが……!」
『それは彼ではない。――目の前にいるのはビーストⅦ。本来この世界の誰かがなるべきであった名前で在り、この世界から倒されるべき敵だ』
シャーロック・ホームズはそう言い切った。
何の揺らぎも無い声音で、ただ淡々と、真実を口にした。
『だからもう一度言おう。それは、彼ではない。
キミ達と出会い、笑い、そして共に生きた彼ではない。その身体を利用した、最低最悪の現象に過ぎない』
「……っ!」
「――私が囮になる。この男の事は貴様に預けた」
「は!? いきなり何言ってんのアンタ!?」
「あの数を見ろ! 誰かが囮にならなければ、人類はここで終わるぞ!」
ビーストⅦとその周囲を飛び囲むラフム。
それらが立香を見つけるのに、そう時間はかからないだろう。
加えて、補足されればレイシフトが困難になる事だってあり得る。
どちらかを選ばなくては。あの時の、新宿と同じように。
彼の仲間のどちらかを、切り捨てなくては――。
どうする、どうすればいい。サーヴァントを呼ぶ? それこそ否。無用な犠牲者を出してしまう。
「殿はお任せを。お逃げください、汎人類史のマスター」
凛とした声。
見れば魔術協会のローブに身を包んだ誰かが立っている。
「貴方は……!?」
「消滅した世界の忘れ子、とでも申しておきましょう。私の事は気になさらず。早く撤退を」
聞き覚えのある声。けれど、決定的な何かが違う。
――だが、今はそれを気にしている場合ではない。
「引くぞ、立香!」
刀を手に、その人物はただ振り返る事無く、ビーストⅦと対峙する。
それ以上を言葉にする事も無く、ただ立香は踵を返して走り出した。
ビーストⅦ。未だに拡大と変容を続ける獣を前に、彼女は静かに息を吐く。
「……お許しを、
私は結局、貴方からの主命を全う出来ませんでした」
あの後、彼女はカルデアを離れ彼を救う術を探し続けた。
世界中を彷徨い、この世のどこにもその手掛かりがない事を知り――また別の世界を彷徨う事を選んだ。
「どの世界でも、貴方は変わらなかった。優しく、そして穏やかで、震えながらも立ち上がる。
この身、一時は狂い果てた事もありましたが。それでも貴方は変わらずに私を受け入れてくださった」
あの顔が、その手が、瞼の裏にこびりついて離れない。
たった一人を――救えなかった。その無念が執着へ成り果てるのに、そう時間はかからなかった。
「……最後に飛んだこの世界では貴方は救われていたとばかり思っていましたが……。やはり、どうしても。運命は変えられないのですね」
その手に炎が灯る。
灼熱の光が、暗闇の中で僅かに光る。
「お供いたします、マスター。この旅路の果てまで。ただ、どこまでも。
それが、私の役目であり――貴方から賜った日々に報いる、ただ一つの返礼なれば」
鈴の音と共に、業火が炸裂する。
神殺しの槍を以て、一人の大英雄がここに降り立つ。
「――手を貸そう、日ノ本の武士よ。アレだけの数、さすがに単身では厳しいと見える」
「……どこのお方か存じ上げませんが、感謝を」
「感謝は不要だ。事情は既に把握している。ソレがオレの務めだ。
――アレが、誰の成り果てた姿かなど語るに及ばず。ならばこの力を振るう事に迷いはない」
空に太陽が顕現する。灼熱の焔を以て、新しいヒトのカタチを否定する。
「露払いを、お願いできますか」
「無論。我が槍に不足なし」
世界を喰らう獣と何もかもを焼き尽くす劫火――それが今、激突する。
カルデア、管制室。
そのモニターがビーストⅦを捉えている。
「状況を説明するよ。……彼は現時刻を以てして、ビーストⅦへ変貌した。
時間神殿の時とは違う、不完全なカタチじゃない。本当の、ビーストだ。
……詳細を頼めるかい、ミスターホームズ」
カルデアの空気は重苦しい。
「ビーストⅦ――本来なら、全てのビーストが倒されて初めて完成する終局の悪を示す。
聖杯戦争のシステムと同じだ。魂が一つ捧げられる度に、器が満たされていく。――本来なら防衛機構が働くはずだが、まだ倒されたビーストの数は三体。つまり、何らかの原因で不完全な覚醒を果たしたと考えられる」
「……それで。彼はこのままだとどうなるのかな」
「この世界に直接の影響は無いだろう。カルデアが攻撃を受けているという証拠も、世界各地で何か事件が起きたという報告も無い。無尽のラフムを、放出しているにも関わらずだ。
つまり、アレは別の世界そのものに、攻撃を加えようとしている」
「別の、世界? 何で……」
「この世界にとって彼こそが悪であり、彼の世界にとってキミ達こそが悪であるからだ。これ以上話すと長くなるから割愛させてもらおう。
全ての世界を喰らった獣が最後、どうなるかは分からない。ただ私として言える事は……止めるなら今しかないという事だ。
ビーストⅦはまだ蛹の段階に過ぎない。羽化でもさせてしまおうものなら、我々に止める手段は無くなる」
それはつまり――ビーストⅦをここで撃破しなくてはならないという事。
だが、それは。それが意味するのは。
「カルデアは――」
「カルデアはもう一度、彼と言う存在を殺さなくてはならない。
それがビーストⅠを撃破したボク達の運命であり、人理修復のための最後の戦いとなる」
ロマニ・アーキマンは押し殺した声で、食いしばるように、もう一度藤丸立香に告げた。
「立香君、これは無理に行く必要はない。人理修復とは違う。
共に歩んだ仲間を討つ――それをキミに背負わせようなんて思わない。けど、もし。
もし、行くのであれば。これだけはずっと、覚えていて欲しい。
キミだけがその責任を背負うんじゃない。アラン君を、彼を救えなかったのはボク達カルデアの力不足が原因だ。
だから、選んでいいんだよ。今度は強制はしない」
立香は職員を見た。
誰もが顔をゆがめている。泣き出している者もいる。かつて救えなかった者を、もう一度この手で殺す。
それをたった一人の少年に背負わせようとする事が、何を意味するのかを。彼らは理解している。
「――行かせてください」
かつて七つの特異点の旅路を告げられた時と、同じように。
藤丸立香は決意した。
「サーヴァントだろうがビーストだろうが、それでもアランは俺の、大事な友達なんです。
苦しんでいるのなら、それをただ見ているだけなんて出来ない」
「……」
「行きます、ドクター、皆。
最後のレイシフトを、お願いします。またこれからの時間を、皆で一緒に生きるために」
そこはかつて英霊達が激闘を繰り広げた末世の果てだった。
あの時の何もかもが、再現されている。
「これ、は……」
『……あぁ、時間神殿の空間を再現している。これは……』
『ビーストⅠであるゲーティアのモノだろう。ビーストⅦは倒された獣の魂を取り込んでいる。なら、時間神殿を再現できたとしても、何一つ不思議ではない』
中央最深部――そこに佇む巨大な獣。かつてのティアマト神が冥界に降臨した姿を模倣したモノがそこにいる。
それは、彼らを視界に収めると大きく咆哮し、同時に無数のラフムが放出されていく。それらは更なる宙へ飛翔する者もいれば、ただ真っ直ぐに立香達を狙う者もいる。
「皆、ラフムを殲滅しつつビーストⅦを叩くぞ!」
第七特異点でおおよその戦い方は掴んでいる。
ラフムを殲滅しつつ、本体を叩く。それは変わらない。
英霊達の宝具が炸裂する――捧げられた信仰がカタチを成す奇跡。
『……何?』
だが、それらを受けて、ラフムの数は一切減っていない。――否、それどころか全くの無傷だ。
『――そのラフムはバビロニアとは違う!
そいつら一体一体が、ビーストに匹敵する霊基を持っている! グランドでもない限り、攻撃が通用しない!』
「なっ……!」
思考が止まる。
グランドの力を振るえるサーヴァントは二人。山の翁とマーリンのみ。
こちらのサーヴァントと比較しても、敵の方が数も質も反則に近い。
“どうする……!”
『まずはビーストを剝がすしかない。アレに付属しているのはビーストⅢ/R、ビーストⅡ、ビーストⅠの三体だ。それらの能力全てを兼ね備えている。
アランの意識は、ビーストⅢに堕とされ、ビーストⅡに溶け込み、ビーストⅠに組み込まれている。このままでは呼びかけても、意味がない』
「……どうやって!」
「――えぇ、一つだけ分かったことがあります。私が何故彼と出会ったのか。
それはきっと、この時のためでありましょう」
魔性の声がする。立香達の眼前に殺生院キアラがいる。
『キアラ君……?』
「あのラフムとやら一匹一匹にもビーストⅢ/Rの能力が付与されているご様子。それは恐らくビーストⅦからもたらされたモノ。
――呪いを祓うは、私の手で」
彼女の霊基が黒く染められていく。その羽織が金色へと色を変えた。
「アラン様、貴方は私にユメを与えてくださった。一人の少女のユメを見させてくれた。
そうでありながら、私は貴方に何一つ報いる事が出来なかった」
人になれなかった者に、人の幸福を与えてくれた者。
その関係はまるで、ある童話のようで――。
であるのなら、彼女が消え去るのも、運命だったのかもしれない。
『待ちなさい。まさか……!』
「サーヴァントであるこの身では泡沫となって消え去りましょうが。
所詮、苦も楽も同じこと」
『霊基反応大幅に増幅!? キアラ君、何を……!』
「そう難しい事ではありませんわ。
あの人の中にある、ビーストⅢ/R。その全てを、打ち消すだけです。
参ります――!」
蓮の花が天に咲く。
月の聖杯戦争――そのシステムの中枢が、仮初の空間となって顕現する。
「済度の時です。生きとし生ける者、全ての苦痛を招きましょう」
女はその日々を思い出す。
深海の底で出会った、ほんの一時。冷たい心に血を通わせた、一人の少年を思い出す。
「衆生、無辺、誓願度。歓喜、離垢、明地、焔、難勝、現前、遠行、不動、善想、法雲」
ただ楽しかった。少女のユメを見る事が何よりも。
ただ怖かった。このユメがいつか醒めてしまう事が。
――でも、きっと。
ユメは醒めるからこそ、こんなにも名残惜しいのだ。
「十万億土の彼方を焦がし、共に浄土に参りましょうや――」
彼女の体から溢れる光。かつてのビーストⅢ/Rが備えていた罰の全てを、解いていく。
“あぁ、醒めていく”
脳裏を駆け巡る、眩しいばかりの日々が泡沫に消えていく。
でも、悔いは無い。
“あのヒトのために、この命が使えるのなら、それはただ、幸福な末路でしょう”
蓮の花びらが、落ちていく。
残っていた全てが、解け落ちると共に。世界は現実へと立ち戻る。
「善哉、善哉……」
その体は、ただ小さな泡となって。静かに消滅した。
「キアラさん……っ」
『ラフムとビーストⅦのステータスダウンを確認した! 前を向くんだ!
それが彼女の遺したモノに報いるたった一つの答えなんだから!』
「■■■――――!!!」
一部のサーヴァント達が放つ宝具でラフム達が消し飛んでいく。
ビーストⅢ/Rの能力であるKPの全てが、解除されたのだ。
「これなら、まだ……!」
ふと、視界をノイズが駆けていく。
見えたのはカルデアの姿。そこを行く立香、マシュ、ロマン、ダヴィンチちゃん。――そこにいないのは。
なら、この光景を想っているのは――。
“俺は死人だから、あの中に入れない。入っちゃ、行けないんだ……”
「っ……!」
『精神干渉か……! 立香君、惑わされちゃいけない!
それは彼の記憶を利用した、ビーストの仕業に他ならない!』
世界が変わる。景色が変わる。
彼の抱え続けてきた過去が、現実として映し出されていく。
『やだ、やだやだやだ! 誰か助けてよ! まだ、まだ誰にも認めて貰ってないのにっ!』
あの時、目の前で一人の少女が死んだ。
誰かに認めて貰うために、ずっと重荷を背負わされ続けてきた最期は、余りにも残酷だった。
“死にたくない”
まるで、自分の未来を見せつけられているようで。
自分の無力さを呪いながら、それでも僅かな未来を拾い上げたくて。
“死にたくない、死にたくない、死にたくない”
カルデアの職員の七割が死んだ。
それでも戦い続ける意思を、彼らは示した。
『それが、自分に出来る事なら』
分からない。
その声は弱くて、手足も震えている。だというのに、視線だけは真っ直ぐ未来を見つめている。
“何で……”
どうして、そんな事を言える。どうして諦めない。
目の前で、誰かの死を見せつけられて。これから先、過酷な七つの旅が待ち受けているというのに。
その両肩に、僅かな生存者と人類の未来を背負わされているのに。
“……俺、は”
自分が余りにも小さく見えて。
死にたくないという思いだけで、生きている自分が薄汚れているようにしか見えない。
『アラン』
カルデアの人々、召喚したサーヴァント達。
この先があるかどうかすらも分からない状況で、懸命に生き続けている。
明日には死ぬかもしれない日々の中で、強く笑っている。
“……”
その日常が、遠い。
それもその筈だ。だって、自分は己のためだけに彼らを裏切ろうと決めたのだから。
そんな自分が、幸せになっていい筈がない。
だから、これは報いなんだろう。この恐怖も、この夢も、この現実も、何もかも。
“まぁ、でも”
皆が生きているのなら、それでいい。
『……先輩っ!』
「っ!!」
その声が、現実に引き戻す。
眼前にはビーストⅦと交戦するサーヴァント達。だが、攻撃が効いた様子が見られない。
『……マズいな、精神面が不安定になりつつある。今のがもう一度来たら、一気に崩れるぞ』
『立香君、しっかり! キミ達の旅は、確かに苦しいモノだった! けれど、それ以上に美しいモノを見てきた筈だ!』
「……」
『あぁ、くそっ。まだ……!』
『! キャスター、マスターに防御を! もう一波が来る!』
再度、視界にノイズが走る。
死にたくない死にたくない死にたくない。
でも、それは違った。この体が恐れていたのは何も残せない事だったから。
光を見た。理想を見た。そのように生きてみたいと、願った。
確かに報われない人生だったかもしれないけれど、最期は自分らしくいられたのなら。
『……俺は死人だから。生きてる人に道を譲るくらいはするさ。今までだって、そうしてきた』
ピシリと、罅が入る。
彼はあの時、生きててほしかったと言った。このカルデアが消えるのを見たくないと。
――ならば、彼をこの運命に追いやったのは一体誰だ?
紛れも無い。カルデアと藤丸立香に他ならない。
憎い、憎い憎い憎い。
この運命が、この人生が。数々の出会いの全てが、何もかも……っ!
「違う……!」
俺は生きたかった。死にたくなんかなかった。でも、アイツには帰る場所があるから。
とっくに死んでいた俺には、もう帰る場所なんて無かったんだよ。
「違う……っ!」
なぁ、リツカ。お前が死んでくれてたらさ、俺は生きていられたのに。
「――あ」
許さない、赦さない、
俺を死に追いやった、お前を、カルデアを決して――
「――欲を出したね、ビーストⅦ。少し静かにしていてくれ。
彼が、そんな事を言うワケないだろ。彼は誰かを恨むくらいなら、自分を憎む性格だ」
聞き覚えのある声に顔を上げた。
見覚えのある白衣、後ろで一纏めにしたオレンジ色の髪。
「……ドクター?」
「ここからはボクの仕事だ。よく頑張ったね、立香君」
ドクター・ロマンが、そこに立っていた。
「……そっか」
ビーストⅦの見せた光景は、カルデアの管制室にも届いていた。
それらすべてを見届けて、彼は小さく息を吐く。
「? どうしたんだい、ロマニ」
「ちょっと、用事を思い出してね。忘れ物があったんだ」
そういって、彼は管制室を出ていった。