今回は伝承に触れてますが、文章間違いが多い自分なのでもしかすると間違えている可能性が極めて高いです。ワロスwwwと笑って流してくだされば幸いです。
ぼく「ストーリーが思いつかん……とりあえず書きたい事を」カキカキ
『性転換』
ぼく「作者がTS初心者!」ビリィ
ぼく「まだ作者は新しい扉を開いたばかり……。性転換して黒髭と絡む話も考えたが、ニッチ過ぎる。ましてや黒髭は紳士だからそんな事しないんじゃ……。オルタ達の前でモブおじさんにオリ主が掘られる方がまだいい……」
ぼく「せめて誰でも共感できるものを……」カキカキ
『ガチャ結果』
愚者「感想欄!」ビリィ
愚者「わざわざ感想を送ってくれた読者の皆様にも、作品を投稿させて頂いている運営の方にも申し訳ない事をした……。せめて前置きに注意書きを入れとけばよかったんじゃ……。自分への戒めとして話は消さんぞ……」
ぼく「そうじゃ。よく考えたら男キャラに触れていない……」カキカキ
『サーヴァント同士の絡み』
ぼく「……」
ぼく「……これじゃ」
「……プレゼント?」
「はい、その、暦上ではもうすぐ父の日と聞いていたので何か送りたいと思ってですね」
立香のマイルームで、マシュから話を切り出される。
もうすぐ父の日であり、マシュにとってはロマンが父も同然ではあるが、彼女の中にいた英霊ギャラハッドにとってはランスロットが父親である。
元々逆強姦紛いによって生まれたギャラハッドからすれば、実の父であるランスロットとどのように接すればよいのか分からないだろう。ましてや彼の行いが円卓崩壊の引き金を引いたと言われれば、辛辣になってしまうのも分からなくはない。
――ランスロットは特異点Fの際に召喚に応じて来てくれた古参の一人だ。人理修復の際にもその剣技は大きな助けとなった。
「……確かに、世話になったしなぁ」
俺自身も何度か助けられたし、数少ない同性であるため精神的にも楽になった事も多い。
人理修復の後、何も贈り物をしていなかったと思い出す。
「じゃあ俺、ドクターからレイシフトの許可もぎ取ってくる!」
「頼む」
立香にレイシフトの依頼を頼み込む。
ここカルデアは南極に位置しており、レイシフトを使わなければ買い物は難しい。わざわざ南極へ物資を届ける苦労に比べれば、そちらの方が僅かに有用であるからだ。
レイシフトは本来、莫大な費用が掛かる筈だがヴォーダイムとアニムスフィアの両家が私用分は賄っており、緊急の際は国連負担となっている。さすが歴史ある魔術師の家計は財力も違う。
加えて過去へ飛ばないレイシフトであれば、難しい話でもない。過去の世界を観測し続ける事に比べれば極めて容易。
――ただしむやみやたらなレイシフトの使用は、国連から目を付けられる可能性もあり、自重するようになっているのが現状である。
「その、ありがとうございますアランさん。
ランスロット卿の贈り物は何がいいと思いますか?」
「……一応、マシュはどう考えてるんだ?」
「えっと、その……お、お菓子とか」
ランスロットの生まれは確か現在のフランス。王の息子であった筈だ。両親は早くに他界し、湖の精霊に育てられた。武者修行のため旅に出ていた所をアーサー王と出会い、その器に惚れ込み、仕官した――と俗に言われている。
さすがに彼からどのように生きてきたかまでは聞けていない。一説に過ぎない以上、過信は禁物。
閑話休題。
確かにフランスは菓子やケーキが有名だ。特にマカロンやエクレア発祥の地であり、料理人達が修行の一環として、フランスを目指す事もある。確かエミヤもフランスに滞在していた時期があったとか。
さすがに俺も菓子作りまでは得意ではない。日本の家庭料理とかなら得意なんだけど。
「菓子かぁ……。悪くないな」
故郷の地で育ったモノはランスロットにとって確かに喜ばしい一品だろう。
けど俺としては。彼のマスターであり、彼に何度も救われた俺としては。もう一つ何か欲しいと言うのが本音だった。
「ケーキにしてみようか。一人分なら丁度いいと思う。
後は……花でも添えてみようか」
ランスロットからアイリスと言う花を貰ったことがある。花言葉の意味にも詳しいのだろう。プレイボーイとか言われてるし。――ただ、貰った後オルタ二人の視線が怖かったのは内緒だ。
それはさておき、花言葉にも詳しいのならばこちらも用意しておいて徒労には終わらないだろう。
花言葉に詳しいサーヴァントに話を聞こうとも考えたが、マシュの気持ちを考えれば内緒にしておくのが吉だろう。ランスロットは意外にもカルデアの空気の変化にも敏感だ。
協力してもらう人物は最小限に留めた方がいいだろう。
「花、ですか……」
「確か、父の日は黄色のバラを送る習慣があるんだっけか」
もう昔の家族の顔も名前も、いたかもどうかすらも思い出せない。思い出す方法も無いだろう。それこそ別世界にレイシフトでもしない限り。
けど今の俺にはカルデアの人々がいてくれるから。寂しさなんて無いのだ。
「ふむふむ……ではよろしくお願いしますアランさん!」
「まぁ、気楽にね」
他のサーヴァントにも花を贈ろうかなぁ。
……オルタ達は好んでくれるだろうか。正直分からないのが本音だ。まぁ、贈らないよりはいいだろう。
カルナやキアラにも贈るし、アーチャーにはしっかり意味を込めてあげよう。いつか彼と再会出来る事を願って。
レイシフトの許可をもぎ取り、早速東京の新宿にレイシフトした。
エミヤの話曰く、新宿の方が立香も土地勘があるし、そちらで材料を調達した方が失敗しないだろうと。どの時代にも客に高値を売りつける商人は存在するとの事だ。
メンバーは俺、立香にマシュ。念のため護衛としてカルナと新宿のアサシンも同行している。戦力過剰ではあるが多めに見てほしい。
女性サーヴァントは人目を引きすぎるのだ。面倒ごとは避けるに限る。オルタとか連れてきたら絶対トラブルになる。
『何かあれば連絡してくれ。もう帰還準備も終えてあるからね』
「すみません、ドクター。手を焼かせてしまって」
『いいさ、他の技術職員にとってもいい経験になる。レイシフトの観測なんて実践じゃないと積めないし』
「じゃあ何か買ってきますよ。ドクターも和菓子好きでしょ?」
『本当かい? じゃあオルガマリー所長の分も頼むよ。あの人、ドライフルーツしか口にしてないからね。
食事は人間らしさを保つ上で大事な事だ』
「勿論。楽しみにしていてください」
通信を切る。
新宿――かつて立香が修復した特異点の一つ。その時は1999年であったが、今は2018年である。
人混みも街並みの活気も桁違いだ。
「マスター、どうする? 事は速やかに進めるべきだろうが、買い物と言うのは慣れなくてな」
「慣れない? 経験があるのか」
「あぁ、ロールケーキとゲームソフトを買いに行かされた。それも瀕死の状態でだ」
マジかよ。
もうちょっと労わってあげようよ、当時のマスター――いや、でもカルナも大事な事に気づかせてくれたと言ってたから、その返礼ぐらいに彼は思っているのだろうか。
「おいおい……。ソイツぁ人使いが荒い主だねェ。まぁ俺も人の事は言えないけどさ」
新宿のアサシンも人間関係で苦労したクチだしなぁ。
周囲に恵まれなかった者同士としてはこう感じるモノがあるのだろう。
「……よし、デパート行こうか」
早速食材売り場に直行だ。
デパートの中は平日にも関わらず人混みが凄まじい。
さすが新宿。ホームズが賑わいのある都市と言うだけある。
「いやぁ、いいねぇ。こう活気があると笑みがこぼれるもんだ」
「同感だ。やはり彼らはこうであるべきだろう」
――サーヴァント達の会話も、立香とマシュの会話も聞いていて笑みがこぼれる。
彼女もつれてきたら良かっただろうか。
着物の購入で大分手持ちが飛んだが、彼女が喜ぶ顔が見れたからそれでいい。
「何を送ったら喜ぶかな……」
やはり彼女は俺にとって一番思い入れのある存在だ。
それに、俺の我儘にも最後まで付き合ってくれた恩もある。
オルタや他のサーヴァントを軽視する訳ではない。だがそれでも彼女は俺にとって、特別な――
「それは勿論、この一時よ。マスター」
その声に足を止め、振り返る。
黒と桜の着物、彼女に似合う花を探して俺が作った簪。
何故ここにと言おうとして、彼女のスキルを思い出し納得した。
「……キミに隠し事は出来ないな」
「それは勿論。例え何があっても、終わりを超えて貴方を追いかけるわマスター」
何か清姫化してませんか、彼女。
「おー、こりゃ剣の姐御。また悪戯でも?」
「今日の私は淑女ですもの、侠客さん。それに主を立ててこその従者でしょう?」
「そいつは耳が痛いね。護衛には俺と槍の旦那で充分と思うが。それにアンタまで来たらもう怖いもんナシだ」
あぁ、うんまぁ。
そろそろ彼女に吸われている体液の量は考えたくも無い。
この間、ふと目を覚ませば眼前に彼女の顔があったのだ。あれはさすがに心臓に悪い。
「……これは他のサーヴァント達の分も買わないとなぁ」
予定変更。
俺の財布はまたどうやら悲鳴を上げるらしい。
カルナにはまた宝物庫で頑張ってもらわねば。
作戦決行当日。
アランはランスロットをマイルームに来て貰うように通達していた。きっとマシュは上手くやるだろうし、ランスロットも合わせてくれるはずと言う彼の判断であり、立香もそれに同意した。
ランスロットが部屋に入ると、どこか緊張した面持ちのマシュが待っていた。
「マス……おや、マシュじゃないか。何故我がマスターの部屋に?」
「そ、その……ら、ランスロット卿。
貴方に渡すモノがあって……。ど、どうぞ!」
渡されたのは小さな小包。
白い箱に青いリボンが施された、丁寧な細工であった。
「これは……」
「ええっと、今暦には父の日と言うモノがあってですね! ランスロット卿には今までお世話になりましたし、その、ギャラハッドのお父さん、ですから。
彼には力を貸してもらいましたし、そのお礼と言うか何と言いますか――う、受け取ってくださいお父さん!」
「――――マシュ……。
正直に言うと、私はキミと出会った時からその力の正体に気づいていた。私の息子、ギャラハッドの存在を感じたんだ」
「……」
「マスターから聞いたかもしれないが、私がギャラハッドと親子のように接した事はあまり無かった。
子は皆、祝福されて生まれてこなければならないんだ。彼は生まれた時、その出生を、そして私を恨んだだろう。いくら正気でなかったとはいえ、私のした事は許されるべきではない。
キミの想いは彼の言葉だ。――ありがとう、マシュ」
彼の笑みにつられて、マシュも笑った。それは一つの親子のようにも見える。
そしてここまでの感謝を向けられるとは思ってもいなかった。
「――じ、実は」
故に全て話した。その感謝は彼女一人が受け取るのではなく、手を貸してくれた人達にも向けられて然るべきと考えたからだ。
その言葉に、ランスロットは改めて決意する。
“マスター、貴方に我が剣を改めて捧げたい。
貴方とカルデアの善き人々に、私は全てを尽くしましょう”
「そ、そそ、それでですね、ランスロット卿。
実は先輩がレイシフトの許可を取ってくれてまして。……何の変哲も無い草原、なのですが。父の日、なのですからそこに食事でもどうかと……」
「さすがにそれ以上は……。――いや、今日ぐらいはお言葉に甘えよう。
では、行こうかマシュ」
「は、はい!」
レイシフトが行われた事を確認する。
マシュとランスロットが無事、辿り着いた事にほっとした。少し不安もあったけれど、マシュならば努力するだろうし、ランスロットは彼女の努力をしっかり受け取ってくれるだろうと思っていたから。
「ありがとう、アラン。俺達の我儘なのに、手まで貸してくれて」
「いいさ。ランスロットには何度も世話になったし、これで生前の悔いも軽くなったのなら」
「……マシュもさ、ずっと気にしてたんだ。どうしても彼には辛辣に言ってしまうって」
親子の時間が無かったし、それにランスロットは困っている女性を放ってはおけない人間だ。それで嘗て酷い目にあったと言うのに。騎士としても理想的過ぎたんだ。
だからギャラハッドもどういえばいいか分からないんだろう。父親として接した事も無いし、騎士と呼ぼうにも彼は自身をそう呼ばれる事を苦手としているから。
――カルデアに呼ばれ、そこで躊躇いなく剣を振るい道を開いてくれた。そのお礼としてはきっとささやかなものだろうけれど。それが彼の心に届いて、そして残ってくれれば幸いだ。
「よし、じゃあ俺ちょっと逝ってくる」
マイルームに行く。
あぁ、やっぱり。オルタ達が苛立ちを隠せない表情で俺を待っていた。
特にアルトリアはランスロットを部下としていた。ならば彼女に話を聞くのが一番の筋道であったかもしれない。でもブリテン崩壊の事にはあまり触れたくないから彼女には声を掛けなかったのだ。
――だがそれを言ったところで、俺に情状酌量の余地がある訳ではない。
「――何が言いたいか分かっているな、貴様」
「――何が言いたいか分かっているわよねぇ、アンタ」
「ハイ、ワカッテマス」
怒ってる。これはかつてない程怒ってる。原因は多分アレだ。新宿に行くときに声を掛けなかったこと。そして「」と二度目の買い物をした事だ。二人ともまだ一回しか行っていないと言うのに。
ランスロットならこの状況切り抜ける術を知っていると思う。
だが彼は今、親子の時間を過ごしている最中でありそれを邪魔するわけにはいかない。――即ち単騎で高難易度を突破しなければならない。
この暴風すら生易しく思えるほどのオルタ前線を。
「なぁ、太陽のダンナ。アンタ何で言わなかったんだ。姐御がついてくる事くらい知ってただろ」
「――単純な事だ、アサシン。彼女がいなければマスターの身が危うい。既に彼女はその身全てをかけて守護し続けている。彼女の行為に無駄は無い」
「……へぇ、それはつまり。アンタやオレでも勝てないヤツが、主とその御友人を狙っていると」
「狙われているのは我がマスターだけだ」
「……いっちょ鍛えてくるかぁ。こいつはノンビリしてられないな」
「――足掻け、我がマスター。今度のお前の敵はこの世界に生じたモノでは無い。
外の宇宙より降臨するモノ。本来待ち構えていた正史において、地球の漂白を目指していた存在だ。
今度の戦場からは正規の召喚やレイシフトは望めないだろう。俺も本腰を入れねばな」