絶剣を愛する転生者の物語   作:小木 琉山

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どうも、小木 琉山です。

今回は若干戦闘シーンが入っています。・・・申し訳ございません!

いや、言い訳では無いんですが。やっぱりどうしてもどこかに戦闘シーンが入ってしまうんです!

・・・・・・できる限り無くすように努力いたします。

では、本編をどうぞ。


BOB本戦(後半)

 

「うわっ、何あのスピード。どんだけやり込んだらあんなスピードでるくらいステータス上がるんだよ。極振りでもキツイだろうに。」

 

キリトと別れて狙撃位置の岩山についたシノンさんは、すぐさま狙撃体制に入ってその愛銃『ヘカートⅡ』のスコープに既に《闇風》を捉えているらしく緊張が伝わっくる。

 

因みに、俺はというと殆ど保険というか、万が一にも死銃の攻撃がシノンさんに当たらないようにするのが役割なので、今は双眼鏡らしきものでシノンさんに注意を配りつつ闇風を見ていた。

 

そんな状態で少し時間が経った。いきなり視界の端からキリトに向かって放たれたであろう銃弾が横切っていった。

 

キリトはそれを回避してその発射源に向かい走り出した。

 

一方闇風は予想外の銃撃に身を屈めて制動をかけて、近くの岩陰に方向転換しようとした。

 

無論その好機を無駄にするシノンさんではなかった。

 

ヘカートⅡのトリガーを引きしぼり凄まじい音を繰り出して巨大な弾頭を打ち出した。

その銃弾は見事に闇風の胸を貫いた。

 

シノンさんはそれを見届けることなく次の目標である死銃にヘカートⅡを向けた。

 

そして、再び轟音。だが死銃もこちらに気が付いているようでシノンさんが引き金を引くと同時にあちらも引き金を引いた。

 

その銃弾はヘカートⅡのスコープをそしてサイレントアサシンのレシーバーへと着弾した。

 

スコープは跡形もなく吹き飛んでもはや遠距離射撃は不可能だろう。

対してサイレントアサシンは中心部がポリゴンとなり吹き飛んだ。

 

これで両者ともに遠距離武器は無くなった。

 

これで後はキリトと死銃の正真正銘、一対一の決闘だ。

 

「後は任せたわよ、キリト」

 

「負けんじゃねーぞ!」

 

そして、遂に交錯まで後5秒のところで死銃は行動に出た。

 

両手でバレルを水平に掲げて両手を大きく左右に開くとそこには細い金属棒が右手に握られていた。

 

「あっ・・・・!!」

 

「ん?あれエストックだよな?何でこんなゲームにあるんだ?」

 

シノンさんは鋭く喘ぎ。俺は疑問がつい口をついてでてしまった。

 

「なぁ、シノンさん。このゲームってナイフや光剣以外の剣が存在するのか?」

 

「いいえ、そんな話・・聞いたことも・・・」

 

シノンさんも疑問に思っているのか呆然と目を瞠っている。

 

キリトも背を強張らせたように見られたが、動きを止めずに黒の剣士の代名詞とも言える技。《ヴォーパルストライク》を模した剣技で光剣を真っ直ぐに突き出した。

 

だが、死銃はキリトの技を完璧に読んでいたかのように回避してカウンターの一撃をキリトに浴びせた。

 

「・・・・キリト!!」

 

シノンさんが叫ぶ横で俺はというと

 

 

 

 

「エストックに赤目って。あいつ、もしかしてザザか?」

 

 

 

親友のピンチにも関わらず、今更ながらに死銃の正体に気づいた。

 

確かphoの幹部で、ジョニーブラックとよく一緒にいたやつだ。ラフコフ討伐戦でキリトと戦ってたからその因縁でキリトに絡んでたのか?・・・まぁ、今気にしてもしょうがないか。

 

考えている間にもキリトと死銃の闘いは激化していく。

 

ふと、シノンさんに目を向けると今にもトリガーに指を掛けようとしていた。

 

「ちょっ!シノンさん!?堪えて堪えて!今撃っても唯のギャンブルだから!」

 

「・・・ええ、分かってる。だけど何か他に支援する手段が無いのか・・・」

 

「いや、流石にこの距離からの支援となると無理が「・・・あった!」あるって、はい!?」

 

「照準予測線で動揺を誘えるかもしれない!効果があるか分からないけどやってみる価値はある!」

 

そう言うと、シノンさんは再び射撃体勢に入った。

 

直後シノンさんの持つヘカートⅡから一条の赤いラインがキリトと死銃の元へ伸びていった。

 

それに気がついた死銃は本能的な動きで、大きく後方に跳んだ。

 

キリトは、シノンさんの作ったチャンスを無駄にすることなく左手の剣で下から切り上げて防御を崩して右手の剣で左上から斬りつける、二刀流重突進技《ダブルサーキュラー》の動きで左手でハンドガンを抜き打ちして光剣で斬り捨てた。

 

そしてキリトと死銃の闘いはキリトの勝利で幕を閉じた。

 

 

「はぁー、冷や冷やしたさせんなよあいつ。・・・まぁ、勝ったから良いんだが。あ、シノンさん取り敢えずキリトと合流「ごめんね?」・・・は?」

 

シノンさんの謝罪と思われる声に振り向くとそこにはハンドガンを構えるシノンさんがいた。

 

ドパンッ!

 

というヘカートⅡに比べて小さい音で俺に打ち出された銃弾は俺の頭を貫いた。

 

そして気づけば俺はログアウトの待機画面が浮かぶ暗い空間にいた。

 

「・・・なぜだぁぁぁぁぁあ!」

 

正直俺にとって、とても不本意な終わりとなった。

 

 

 

その後、病室でキリトがログアウトするのを待っていると。ログアウトしてきたキリトはすぐさま警察に連絡をしていた。なんでもシノンさんの家に今回の死銃事件の協力者がいるかもしれないかららしい。

 

「なんか俺の知らないところで色々ありすぎだろ!あぁ、このままだと俺だけ何もしなかったことになるんじゃ・・・」

 

「シンヤ、早くシノンのとこに行かないといけないんだ。だから菊岡さんへの報告は頼んだ。」

 

「あ、おい!何一番面倒くさいとこ押し付けてくれてんだ!・・・て、もういない。」

 

・・・まぁ、今回殆ど何も出来なかったんだからこれくらいするべきか。と、諦めて俺は菊岡さんに連絡を入れた。

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜

 

それから数日。死銃事件の主犯格である新川兄弟は無事に逮捕されたらしい。

 

ひと段落ついた時キリトはアスナさんとリズベットさんと共に調べごとをしていたみたいだが詳しいことは知らない。

 

だが、シノンさんがトラウマから一歩前に踏み出せたらしいことは聞いた。

 

・・・そういえば、シノンさんもALOを始めるみたいだ。最後の背後からの銃撃について詳しく聞きたいものだ。

 

 

そして、死銃事件は幕を閉じた。

 

 

 





・・・長かった。本当に長かった・・・


・・・と、いうわけで



次回より、マザーズ・ロザリオ編です!!



キャリバー編?・・・ユウキの前には全てが許される筈です。

思えばこのサイトで投稿を初めて半年以上も経っていました。

始まってからずっとヒロイン不在のこのような作品を読んで下さっている皆様には感謝の言葉がつきません。

このような駄文にお付き合いくださり、ありがとうございました。

次回からもお付き合いのほどよろしくお願い致します。

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