絶剣を愛する転生者の物語   作:小木 琉山

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どうも、小木 琉山です。

昨日、五月二十三日はユウキの誕生日でした!なので、本日は記念に二話連続で投稿をしようと思ったのですが・・・時間が足りませんでした。申し訳ございません。

今回は、バリバリの戦闘シーンが入っています。そして、予告通り、いつもの数倍の駄文となっております。そして、作者のちょっとした厨二心も入っております。

できれば、皆さま、生温かい目で見守ってくださればと思います。

では、本編をどうぞ。




統一デュエル・トーナメント(後半)

 

キリトとの準決勝の決着がついた後、俺は次の決勝戦の準備のため、控え室に向かっていた。

 

控え室に向かう前に聞いた話だと、やはり決勝での相手はユウキになったそうだ。

 

今から期待で胸が高鳴ってしまう。

 

これでユウキと戦うのは2回目になる。恐らくユウキも何か対策をしてくるだろう。

主に、キリトとアスナさん辺りから情報を仕入れそうだな。

 

とはいえ、こちとら天界と現世合わせて100年以上みっちり修行してんだ。そう簡単に負ける気はない。

 

「おーい!シンヤー!」

 

いきなり声が掛けられたのでふと顔を上げてみると、毎度お馴染みのユウキが笑顔でこっちに手を振りながら、こちらに駆け寄ってきていた。

 

「あれ?ユウキじゃねーか。控え室は向こうの方じゃなかったっけ?」

 

そう、ここの控え室は向かい合うように決闘場を挟んでいる。その為、本来ここにユウキはいないはずなのだが・・・

 

まぁ、ユウキに会えたからどうでもいいけど。

 

「うん、だけど、決闘の前に少しシンヤと話しておきたいことがあって・・・」

 

・・・え、何、これは・・・あれか?あなたのことが好きですとか、そういった類のあれか?そうなのか?期待するぞ?

なんだよ、いつの間にフラグが立ったんだ?まぁ、何はともあれ、これで俺もリア充の仲間入りを果たし念願のユウキと恋人に

 

「えっとね、その、出来ればでいいんだけど。ボク、本気のシンヤと戦ってみたいんだ!」

 

なれるはずがない。うん、まぁね?分かってたよ?分かってたんだよ?だから、悲しくなんて無いんだからね!

 

というか、本気?どういうことだ?

 

「ユウキ?本気で戦ってみたいって、どういう意味だ?」

 

「えっとね、そのままの意味なんだけど。シンヤ、ボクと戦ってた時と他の人と戦ってる時、明らかに動きが違うから、手を抜いてたんでしょ?」

 

・・・はい?え、いやいや、俺、手を抜いた覚えがないんだが。

 

ユウキと戦ってる時もそれななりに本気で戦ってたつもりなんだけど・・・あれ?途中途中、ユウキ可愛いて、頭の中で連呼してた気がしてきた。

 

恐らく、ユウキと初対面だったから緊張で動きが鈍ってたんだろう。これは、仕方がない。自然の摂理だ。ユウキが可愛いのがいけない。

 

確かに、そう言う意味では本気ではなかったのかもしれない。

 

「そうか・・・分かった。今度こそ、俺も本気でやるよ。だから、お互い頑張ろう。」

 

初対面の時から、今現在に至るまで、俺はユウキとそれなりに親睦は深められた筈だ。最初は少しドモっていたが今ではそれもない。

 

ユウキの言う、前回の様にはならないと確信を持って言える。だからこそ、俺はユウキに宣言した。次こそ、本気で迎え撃つと。

 

「ありがとう!じゃあ、ボクもそろそろ行くね!」

 

「おう!また後でな。」

 

それは、ちゃんと、ユウキに伝わったらしく、ユウキは笑顔で走って行く。

 

そういえば、今気づいたんだけど。ユウキの足運びが、以前より何というか達人みたいに洗練されている様に見える。なんだろう、何処かで見たことある様な気がしなくもないのだが・・・

 

 

・・・気にしてもしょうがないか。

 

考えても仕方ないと悟った俺は、そそくさと控え室に入り、準備を始めた。

 

 

 

〜〜〜〜

 

『レディースアーーーンドジェントメン!!!!私、実況を勤めますジャミラスと申します!

 

さぁ、遂に始まりを告げようとしている決勝戦!!西ブロックからは、いきなり現れた謎の剣士!繰り出すソードスキルは驚異の11連撃!

 

 

 

 

『絶剣』ユウキーー!!』

 

実況と共にユウキが歩いてフィールドに現れると、空も割れるような歓声が上がった。

 

ユウキは元気に観客に向けて両手で手を振っている。 ・・・可愛い。

 

というか、この実況なんかデジャヴを感じる。

 

『そして、東ブロックからは、剣の帝王の名を欲しいままにするこの男!!つけられた二つ名は数知れず!!だが、コイツに似合うのはやはりこれだろう!!

 

 

 

 

『剣帝』 シンヤーー!!』

 

そして、俺も、ユウキのいるフィールドへと歩いて行く。ユウキの時ほどではないがそれなりに歓声が上がっている。

 

「やっちまえーー!絶剣!!」

 

「絶剣様!!どうか我らの悲願の達成を!!」

 

「負けろ!剣帝!!」

 

違った、これブーイングだ。

 

泣きそうになりながらもユウキと向かい合う。

 

『それじゃあ、皆さま!ご唱和下さい!!カウントダウン、10、9、8』

 

滑らかな動作でユウキが抜刀する。

 

やっぱり、剣を持ったユウキって凛々しくて、普段に見られない魅力がある。

 

そうこう考えながら、俺も抜刀する。

 

『7、6、5、4』

 

ユウキが剣を引き絞り構えをとる。やばい、写真に収めたい。

 

と、そろそろ気を引き締めないと。

 

『3』

 

胸が高鳴る。

 

『2』

 

観客の歓声が遠のいていく。自分が集中しているのが分かる。

 

『1』

 

緊張がピークに達し。観客達が息を呑む中。

 

『決勝戦、開始!!!!』

 

二人は一気に解き放たれた。

 

互いに距離を詰め、勢いと体重を乗せた一撃を放つ。

それは甲高い金属音を上げギリギリとシンヤとユウキの中央地点で止まっていた。

 

そのまま、鍔迫り合いに持ち込むかと思いきや、シンヤは剣先を後ろ側に動かし、ユウキの剣を滑らした。力を込めていたユウキは必然的に前につんのめる形となった。

 

シンヤは、無防備な背に向け流れるように斬りつける。

 

瞬間、ユウキの剣が閃き、シンヤの剣をパリィした。そして、そのままの勢いで目も絡むような突きと斬撃の嵐。

 

(やっば!!)

 

さしものシンヤも目を剥いたが、咄嗟に相殺する。

 

そして、そこから、目にも留まらぬ連撃の応酬が始まった。

 

ユウキは、シンヤの斬撃を最小限の動きで躱しつつ、隙をみては、反撃を繰り返している。

 

シンヤも、ユウキの剣の軌道を逸らしては、攻撃に転じている。

 

一見、シンヤが優勢に見えたが。ゆっくりと、だが、着実にユウキの剣はシンヤに迫ってきていた。

 

(・・・明らかに前より速くなってる。何があったんだ?)

 

以前との速度の違いに困惑するシンヤ。それでも、自分の最善を尽くそうとする。

 

だが、少しずつ、タイムリミットは迫ってくる。このままでは、前回と同じく引き分けとなってしまう。

 

とはいえ、戦闘では焦った方が不利となる。焦りは禁物だ。

 

二人の放つそれは、正に、剣撃ではなく見るものを圧倒する剣舞のようであった。

 

未だ、互いのHPは全開のまま。

 

ふと、ユウキが一気に距離をとった。

 

そして、構えられた剣から青紫色の輝きを纏う。

 

片手直剣用OSS11連撃《マザーズロザリオ》

 

絶剣の代名詞とも呼べる奇跡のソードスキル。これで、見るのは二度目となる。

 

「・・・はぁっ!!」

 

一呼吸の後、裂帛の気合いを放ちながら、それはシンヤの左肩へと迫る。

 

だが、それは既に攻略済みだ。

 

左肩から右下への五連撃を剣の腹で逸らしつつ、ユウキへと一撃を入れる。ソードスキルは、強力な分、何処かに隙が生まれる。

 

この時、初めて、HPバーが減少を見せた。

 

一撃を入れられたにも関わらず、ユウキは勢いを減らすどころか更に増して放ってくる。

 

右肩から左下への五連撃。

 

更に勢いを増したそれは、遂に、シンヤへと届き得た。合計10連撃目にしてようやく、シンヤのHPバーを減らした。

 

これでHP的には五分。

 

そして、最後の一撃

 

「やぁぁっ!!!」

 

かつてないほど光り輝く閃光を纏いながら迫るその一撃を、シンヤは真正面から、向かい打った。

 

「はぁぁっ!!!」

 

気合いを発しつつユウキの一撃と同じ軌道で、最大の突きを放つ。

 

同じ軌道を描いた二つの線は、真ん中で衝突し、凄まじい突風と煙を生み出した。

 

二人共に、余波で一割ずつHPが減っている

 

ユウキは大技の後のディレイタイムで動けないはず。それに対してこちらは今すぐ動ける状態だ。つまり、これで終了だ。

 

そんな予想を裏切るように、薄紫色の今までにない程激しい閃光が前方から発せられる。

 

その正体は、ユウキの再び引き絞られた剣から発せられる、ソードスキルの光であった。

 

システム外スキル《スキルコネクト》

 

確か、キリトが編み出したとか言って、ユウキにも教えていた。だが決して成功率は高くなかったはずだ。

まさかこの土壇場で成功させるとは。

 

だとしても、OSSである《マザーズロザリオ》から繋げられるソードスキルは無かっ・・・いや、一つだけ考えつくのは、

 

 

 

OSSから、OSSへのコンボ。

 

つまり、ユウキは更にもう一つ、新しいOSSを生み出したということになる。それも、切り札から繋げられる真の切り札。

 

(・・・面白い!)

 

シンヤも構えた。今現在で、自分の作り上げた。最高のソードスキルで迎え撃つために。

 

片手直剣用OSS一五連撃《ザ・ラスト》

 

ユウキの引き絞られた剣から放たれる、十五の強力な刺突。

 

片手直剣用OSS一六連撃《ザ・ビギニング》

 

シンヤの構えた剣から放たれる十六方位の斬撃。

 

二つのOSSがぶつかり合う。

斬撃 刺突 と、互いの剣が交差して繰り出される剣撃に、観客も息を呑んで身動きすらせず、その二人が繰り広げる剣舞に見入っていた。

 

シンヤとユウキのHPが、絶えず減少を繰り返す。

 

だが、二人共止まらない。止まれるはずがない。ここで止まってしまえば、互いの剣士としての誇りに泥を塗ることになる。

 

「「負けるかぁぁっ!!!!」」

 

そして、互いに最後の一撃を放つ。

 

先程以上の爆発が起こり、フィールドを爆煙が包み込んだ。それと同時に試合終了のブザーが鳴り響いた。

 

誰もが、固唾を飲んで結果を待つ。

 

そして、煙が晴れてHPバーが見えた。

ユウキはレッドゾーンに入ってはいるもののまだHPが尽きてはいなかった。

 

一方、シンヤは・・・

 

『勝敗をお知らせいたします!!

 

『絶剣』ユウキ残りHP14%!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『剣帝』シンヤ残りHP15%!!

 

よって、統一デュエルトーナメント優勝は

 

 

 

『剣帝』シンヤだぁぁぁ!!!』

 

 

『ブーーーーー!!!』

 

「・・・いい加減、泣くぞ!!」

 

凄まじい激闘の後の余韻を感じさせないような、ブーイングの嵐。

 

シンヤは堪らずといった様子で叫んだ。

 

こうして、統一デュエル・トーナメントは幕を閉じた。

 

 

 

 

 





この様な駄文を読んで下さり誠にありがとうございました。

次回は、統一デュエル・トーナメントのちょっとした後日談を書こうと思っております。

そして、戦闘シーンについてですが、余程のことがない限り。いつも通りの戦闘シーンなしの物語になります。タグ詐欺をしてしまい、申し訳ございませんでした。

それでは、最後に1日遅れではございますが。誕生日を迎えたユウキへ一言書かせて頂きます。

ユウキ誕生日おめでとうございます!!!

・・・以上です。

この度は誠にありがとうございました。

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