絶剣を愛する転生者の物語   作:小木 琉山

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どうも小木 琉山です。

・・・話が・・・進みません・・・!!

では、本編をどうぞ


『雛祭りの悪夢』

 

二月も終わり、三月に入ってすぐにあるものと言えば、過半数の人が雛祭りと答えるだろう。

 

雛祭り、それは女子の健やかな成長を祈る節句の行事。

 

雛人形やが飾り付けられ、菱餅や雛あられを供え。料理ではちらし寿司を食べる。

これが一般的な雛祭りというものだろう。

 

ここALOでも、この行事にかこつけてアップデートと共に新たなイベントやオプションなどが追加されていた。

 

そんな、おいしい行事を既に廃人と呼ばれてもおかしくないレベルでやり込んでいる俺たちが見逃すはずもなく。

みんなで攻略するべく、キリト達のログハウスに集まっていた。

 

幸いにも、特に用事があるという者もおらず。皆が攻略に熱を注ごうとしていた。

 

そう、していたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

「・・・待って、お願いだから色々と待って!」

 

「大丈夫だよ、シンヤ。だからそんなに逃げないでこっちにおいでよ♪」

 

「キリトくんだって頑張ってるんだから、シンヤ君も頑張らないと♪」

 

「ははは、良いんだ良いんだ。どうせ、GGOでも同じような格好をしたさ。」

 

「言うな、キリの字。お前はまだ似合ってるからいいじゃねぇか。俺たちなんて・・・」

 

「寧ろ可愛い部類に入ってるんだから元気出せよ、キリト。・・・ん?おい、この服小さくないか?其処彼処からギチギチ音が聞こえるんだが。」

 

ログハウスの中では、壁を背にして逃げ場が無くなっている俺の前に《女性物》の服。主にスカートやワンピースなどを持ったユウキとアスナさんが迫り。

 

その後ろでは、既にその毒牙にかかりウィッグを付けGGOでのアバターその物となり、その身に純白のワンピースを纏ったキリトが乾いた笑みを浮かべ。

 

シリカさん、リズベットさん、リーファさん、シノンさんは撮影係のようでカメラ片手に様々なアングルからシャッターを切っている。

 

その横では、化粧をして最早、見ることでダメージを受けるのではと思えるほどの気色悪さとなったクラインと、服のサイズが合わず、もう少しで後光さんが仕事をしそうになっているエギルがキリトを遠くから励ましていた。

 

 

本当になんでこうなったのか。

 

時は数時間前に遡る。

 

 

 

 

 

〜〜〜〜

 

「・・・あ、ねぇ、アスナ。これ面白そうだよ!」

 

「え、どれ?・・・確かに面白そうね!」

 

ソファに座り、今回のアップデートの内容をチェックしていたユウキがアスナさんに画面を見せながら言った。

 

後にして思えば、これが全ての始まりだった。

 

「どうしたんですか?」

 

「なによ、何が面白そうなのよ。」

 

「なにがあったんですか?」

 

「楽しそうだけど、何かあったの?」

 

 

反応したアスナさんの声に惹かれたのか。シリカさんやリズベットさん、リーファさんにシノンさんの四人もその画面を見に集まって行き。

取り残された、俺達は男陣営にそれが何なのか知るすべもなく。女子陣営が和気藹々と話しているのを不思議そうに見ていた。

 

「そうと決まったら!」

 

「実行あるのみです!」

 

「ちょ、早い早い!!」

 

「貴女同じケットシーの筈なのに何でこんなに力が強いの!?」

 

「「いってらっしゃい!」」

 

 

数十分ほど話していたかと思うと、リズベットさんとシリカさんにシノンさんとリーファさんが引っ張られる形で、凄じい勢いで走り出て行き。アスナさんとユウキはそれを見送っていた。

 

その数十分間、暇になった俺達は、トランプタワーに興じていたのだが、その衝撃で段数三十段という力作が崩れ去ってしまい。悲鳴と共に俺達も崩れ去ったのは記憶に新しい。

 

「あんまりだぁぁぁぁ!!!」

 

「・・・これが、人間のすることかよ!!」

 

「許さん、許さんぞぉ!!」

 

「・・・久しぶりだな、こんなに怒り狂うのは・・・」

 

・・・若干ネタに走っている辺り、あまりダメージを受けていなかったのかもしれない。無駄にメンタルは強いのだ。

 

ユウキとアスナさんはそんな俺たちに、呆れ半分、企み半分の視線を送っていた。

 

 

 

 

 

数分後、四人が帰ってきた。

 

なにやら、大きな荷物を持っている辺り、インベントリに入りきらなかったのが分かる。

そこは分かるのだが、何故いきなりそんな物を持ってきたのかが分からない。

 

いちおう、聞いては見るものの上手く誤魔化されて何も情報を得れない。

 

この時点で、かなり悪い予感はしていた。

 

その後、女性陣は再び話し合うと、俺達に外に出て合図と共に一人ずつ入って来るように言った。

 

まず呼ばれたのは、キリトだった。

 

呼びに来たアスナさんがいつも以上の優しい笑みを浮かべていたため、警戒していたキリトも、少し安心して入っていった。

 

だが、側から見ていた俺達は、見てしまった。

 

扉を閉める瞬間、アスナさんの目がギラリと肉食獣のそれになっていたのを。

 

それを見た瞬間、俺達は駆け出した。

 

これはヤバイ。ロクなことにならない。キリトには悪いが、囮になってもらう!!

 

もう少しで逃げ切れる、そう思った矢先。

 

 

俺たちの前方にいきなり数本の矢が突き立った。

 

「「「な!?」」」

 

バッとログハウスの方へ振り返ると、窓からこちらを鋭く見つめるシノンさんの姿があった。

 

ここからログハウスまで約100メートルほど。

 

因みに、シノンさんの狙撃の最長記録は俺の知ってる中でもおよそ200メートル。

 

 

その事に思い至った俺達はトボトボと、まるで処刑台に送られる、死刑囚のようにログハウスに歩いていったのだった。

 

 

到着すると直ぐに、クラインが呼ばれた。

 

クラインを迎えに来た時のアスナさんのその目は俺とエギルが互いに遺言を語り合った程恐ろしかった。

 

その後、エギル。そして俺の順番で呼ばれて今に至る。

 

 

 

〜〜〜〜

 

「頼むから待ってくれ!せめて、せめて理由だけでも聞かせてくれ!」

 

どうにか突破口を見つけるための時間を稼ぐために必死で口を動かす。

 

この事件の発端にもなった理由だ。もしかしたらそこに突破口があるのかもしれない。

 

「・・・まぁ、そのくらいなら。ユウキ、説明してあげて。」

 

「了解しました、アスナ隊長!」

 

またどこか、キャラ崩壊を起こしているアスナさんから言われたユウキは俺に画面に一つの記事を表示して見せて説明をした。

 

「えっとね、なんでも、今回のイベントはシンヤも知ってるだろうけど。パーティごとのポイント取得性のイベントで総得点が多いほど報酬が沢山貰えるんだって。

 

どうせやるなら、全部手に入れたいんだけど。そのままだと、どう頑張ってもイベント終了に間に合わなくて、困ってたんだけど。

 

ほら、この下の方にある書き込みなんだけどね。

 

今日は雛祭りって事で、男性が女性の衣装を装備してポイントを獲得すると、そのパーティの獲得ポイントが二倍になるんだって!

 

だから四人に協力してもらおうってなったんだけど・・・これを話したら逃げるだろうから、こうしたんだよ」

 

・・・確かに、今回のイベントはポイント制でボーナスポイントがないと、コンプリートは難しいんだけど・・・それに話されたら逃げる自信があるし・・・

 

それでも、ほら、流石に男としての尊厳というものがありましてですね・・・

 

俺は、ユウキから見せられた記事と女性陣の顔を交互に見ながら言った。

 

「・・・今回のイベントは諦めない?」

 

「「「「「「まさか!!」」」」」」

 

次の瞬間、女性陣による集中放火を受けた俺は。呆気なくキリト達と同じ末路を辿った。

 

 

 

これが、四人の男性陣に語り継がれる。

 

 

『雛祭りの悪夢』である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 





この度はこの様な駄文にお付き合い頂き誠にありがとうございました。

次回も、またALOでの話になります。

誠にありがとうございました。
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