どうも、小木 琉山です。
今回は前回の続きからとなっております。
では、本編をどうぞ。
「ぷはぁ!美味しかった〜。」
スプーンを置きながら、満足気な笑顔を見せるユウキ。
その前のテーブルには、確かに限界まで盛られていた筈のパフェの容器が、四つ程空っぽになって陳列している。
「ありがとうね、シンヤ。ご馳走様でした!」
「・・・おう、満足そうでなによりだ。」
そう言うユウキに、若干の苦笑いで返す俺。
おかしいな、パフェはサイズ的にユウキの顔が余裕で隠れるレベルなんだよな。
更にそれが四つともなると・・・軽くユウキの身体の容量は超えてると思うんだけど・・・
当のユウキは、幸せそうにニコニコしているだけで、身体に変化は無さそうだ。
「な、なぁ、ユウキ。結構な量を食べてたけど、苦しかったり辛かったりしないか?もし、そうなら早めに言ってくれ。」
隠しているだけであって、実際には辛いというか可能性もある。
ユウキはそういう事を隠しそうだからな。・・・まぁ、かなり嘘をつくのは下手だから分かる時は直ぐに分かるんだけど。
「特にそんな事は無いかな?お腹的には後6杯は食べれるかも。」
成る程、あれだけ食べてもまだ半分もいってないのか・・・。
報告、ユウキが大食いキャラの称号を持っている模様。
「あー、でも、リズとかリーファはその倍くらい食べれると思うよ。」
追加報告、リズベットさんとリーファさんは大食いの化け物であった模様。
・・・にしても、いくらVRでもこんなに食べれる物なのか?
いや、もしかしたら、現実でもこのくらい食べれるのかもしれない。・・・あれ?だとしたら世の中の女の子は全員太っていても可笑しくは無い筈・・・
・・・あぁ、だから若い頃からダイエットをしようとする女の子が多
「シンヤ、それ以上考えない方が身のためだよ?」
「ひぃっ!?は、はい!!」
得体の知れない威圧感の篭ったユウキの声に、思わず悲鳴を上げてしまった。
え、これって女の子にとってのタブーだったりするのか?それともユウキにとっての・・・
と、とりあえず、この話題に触れるのは頭の中でも止めておこう。
「ほ、ほら、確か次に行くのって道具屋だったよな。食べ終わったことだし、そろそろ行かないか?」
「うん、そうだね。それじゃあ、出発!」
そして、俺はユウキの先ほどの面影が微かにも見えない笑顔に安堵しつつ、会計を済ませてユウキと店を出て、道具屋へと向かった。
〜〜道具屋〜〜
「あ、シンヤ!見て見て、これ!」
「何々?『世界樹の枝より作られし圧力鍋』?って、まんま圧力鍋かよ!」
思いの外大きかった道具屋へと着いた俺達は先程と同じように、また、様々なアイテムを物色していた。
「これで料理したら、調理速度が上がったらするのかな?」
「さぁ?試しに買って使ってみるか?・・・まぁ、料理スキルが無いユウキは使っても、ダークマターが早く作れるだけの装置になるだろうけど。」
「む、失礼な!今は、料理スキルをとって少しずつ熟練度上げてるんだよ!」
え、そうだったのか。
まぁ、アスナさんも料理スキルは熟練度を最大まで上げてるからな。それに影響されてもおかしくは無いか。
・・・っは!という事は、ユウキの手作り料理を食べれる日も近いということか!?
よし、今度アスナさんには、キリトの秘蔵写真トップシークレットを贈呈しよう。
「へぇ、因みに今の熟練度は?」
「・・・」
俺の質問に先程までの元気は何処へやら、沈黙が流れる。
聴こえなかったのか?
俺は再びユウキに聞いた。
「今の、熟練度は?」
「・・・16、です。」
ほうほう、16か。
確か、熟練度の最大値って千だったよな?
・・・それを・・・16。
「それって今日、出かける前に始めたんだよな?」
「・・・一週間ほど前から始めました。」
項垂れながらそう言うユウキに、もはや、呆れを通り越して愛しさを感じる。
・・・あれ、いつもと変わらないな?気にせず行こう。
それにしても、一週間で16はかなり酷いぞ。そのペースだと最大値まで一定のスピードで上がるとしても62.5週間。一年と二ヶ月以上かかるぞ!?
「・・・さては、熟練度上げが面倒になったな?」
「うっ!」
反応を見るに図星らしい。
仕方ないとは思うがな。料理スキルの熟練度上げってのはかなり面倒くさいから、どう見てもアウトドア派のユウキには合わなかったのかもしれない。
「いや、本当は料理を作ってみんなを驚かそうと思ってたんだけど・・・一人でやってると、どうにも続かなくって。」
あー、そういうことか。俺も一人でやるのは億劫だったから、よくエギルとか付き合わせたりしてたしな・・・
そこで、俺は思いついた。
・・・もしや、これはチャンスでは無いのか?
「なぁ、ユウキ。もし良かったらなんだけどさ。」
「ん?どうしたの?」
よし、言え!言うんだ桐本真也!取り敢えず断られたら泣けばいいさ!!泣きたく無いけど!!
「その熟練度上げなんだけど、俺と一緒にやらないか?」
これで、第一関門は突破した。後はユウキ次第だ。ここで、嫌そうな顔をされてたら立ち直れないぞ!?
恐る恐るとユウキの反応を伺って見ると。
「え、本当!やったあ!シンヤの料理が食べられる!」
想像とは裏腹に嬉しそうな顔をして喜んでいらっしゃった。
「料理するのは俺じゃなくてユウキだからな?まぁ、手助けくらいならできるとは思うし。」
「十分だよ!よろしくね、シンヤ!」
うん、良かった!やってやった!これで、合法的にユウキと一緒にいる口実ができた!
いやぁ、これまでみたいに、ユウキの行く場所に潜伏しながらついて行ったりせずに堂々と隣に居れる。
最高の気分だ!!
その後も、物色しつつ、色々なアイテムを見て楽しんだ。
そうこうしている内に、時間も経ち。そろそろ、日が沈み始める時間になった時。突然ユウキが言った。
「あ、そろそろ時間だ。ねぇ、シンヤ。最後に行きたいところがあるんだけど良いかな?」
「あぁ、勿論だ!それで、何処に行くんだ?」
「うーん、着いてからのお楽しみ!」
やけに勿体ぶるユウキを見るに、これが今回のメインなのだろうと思う。
何処に行くかは全く予想が付かないが、問題はないだろう。
「こっちだよ!急ぐから少し走るね!」
と、そう言ったかと思えば、ユウキはいきなり俺の手を取り、走り出した。
ここで問題だが、彼女いない歴を魂レベルで超えている男が、いきなり、意中の女の子に手を握られたらどうなると思う?
(え少し待ってどういうこと俺死ぬのか死んじゃうのかいやでもこんなに幸せだしもう夢心地だしもう生涯一片の悔いなしというかなんというかユウキの手柔らかいし暖かいしありがとうございます!!!)
結果、壊れる。
数分走っていただろうか定かでは無いが、ユウキは高台のような場所で止まった。
周りには特に人影もなく。屋台も無い。辛うじて手すりがあるのみ。
本当に高台だけがあるような場所だ。
ユウキはここで何をするつもりなんだ?
ふと、ユウキを見てみると、目を輝かせながら一方向をジッと見つめている。
何があるのかと視線を辿ると
「・・・成る程、これが見たかったのか。」
幻想的な夕日が、山の向こうへと沈みながらも街を照らし、その光を受けた街は、その活気を示すかのように輝いていた。
「うん、アスナが教えてくれたんだ。本当に綺麗だね。」
それを聞いた俺はふと思いつき。記録結晶を取り出し一歩後ろに下がってシャッターを切った。
そこには、輝く夕日と街を背景にして微笑むユウキが写っていた。
こうして、俺にとってのデート(実際には違う)は幕を閉じた。
その後、俺の撮ったその写真は勿論、今回のMVPたる、アスナさんにキリトのトップシークレットと共に送っておいた。
この度はこの様な駄文にお付き合い頂き誠にありがとうございました。
はい、自分の表現力の無さが恨めしく思いました。
いつか、自分が満足する出来の話を書くことができる日は来るのでしょうか。・・・来ないですね。
次回は今回より少し時間が進みます。
やっと、物語が進みますね。まさか、たった一週間程の物語をここまで伸ばしてしまうとは思いませんでした。
この様な、全く物語の進まない作品を読んで下さる皆様には感謝してもしたりません。
この度は誠にありがとうございました。