どうも、小木 琉山です。
今回は時間軸が前回より、少し進んでおります。
お付き合いのほど、よろしくお願いします。
では、本編をどうぞ
ユウキと買い物に出かけてから、早三週間と経った。
その間にも、俺は病院の方にお見舞いに行って楽しく取り留めのない事を話したり、明日奈さんがまたもや暴走したり・・・
ALOでは、偶に一緒にクエストに行ったり、何だかんだ、みんなでワイワイと楽しく過ごしたりと、充実した、平和な日常を過ごしていた。
こんな日々がずっと続いて欲しいと何度も祈った。
この瞬間を、永遠に過ごしていたかった。
だが、世界は常に変化を続けてしまう。
どんなに祈っても・・・。
どんなに願っても・・・。
良くも悪くも、世界が停滞する事などありはしないのだ。
そして、今正にこの瞬間も、世界は変化を遂げようとしていた。
「木綿季の完治と退院を祝して!
乾杯!!!」
『乾杯!!』
俺の音頭に合わせて、各々がジュースの入ったグラスを掲げ、唱和した。
簡易型のステージの上に立つ今回の主役たる木綿季は、少し恥ずかしそうにしながらも、心底嬉しそうに照れ笑いをしている。
場所はダイシーカフェ。
昨日、遂に退院を果たした木綿季を祝うために、俺たちは、ここで宴会を開いていた。
本当は退院当日の昨日に、開催したかったのだが、貸切に出来なかったり、クラインや倉橋先生など、社会人組が時間を取れなかったため、丁度、全員の予定の合った今日に開催する事となったのだ。
乾杯を終えたみんなは、各々で、用意された料理に舌鼓を打ったり、お喋りに興じたりと、様々な行動を取っている。
俺も、男性陣に混じって話をしていた。
「やっぱり、一番は明日奈だって!見ろ、あの聖母の如き愛らしい微笑み。基本的に穏やかで、尽くしてくれるんだぞ!明日奈より上の女性なんていないだろ!」
熱弁する和人に若干気圧されるも、俺とて一人の男だ、ここまで言われて黙っているなど、どうして出来ようか。
「いや、一番は木綿季だろうが!天真爛漫な笑顔に、時折見せる寂しさの入った表情の愛らしさ!しかも、努力家で好きな物には一直線に突き進んでいくのも、更に魅力を掻き立てるんだ!そんな木綿季が明日奈さんに劣るなど、万に一つも有り得るわけ無いだろうが!」
ぐぬぬ、ど、睨み合いを続ける俺と和人に、エギルが呆れたように、言葉を続けた。
「あー、お前らの愛の深さは十分分かった。
・・・だけどよ、本当の相手の魅力ってのは、何も他人に言いふらす物時なくてよ・・・自分だけの秘密にしとくもんだぜ。」
「なっ・・・・。」
「く、まさか、こんな所に思わぬ伏兵が居たとは・・・!」
不敵な笑みを浮かべ、大人の貫禄見せつけるエギルに動揺を隠せない俺と和人。
やはり、二人で紡いできた時間がここまでの自信と信頼与える物なのか・・・。
既に、エギルによって瀕死となって居た俺と和人だが、そこから、更なる追撃が、先程から傍観に徹して居た倉橋先生から放たれた。
「エギルさんの言う通り、魅力はあまり他人に言いふらす物では無いと僕も思いますね。
だけど、一つ言わせてもらうなら
魅力がどうこうよりも、ただ側に居てくれる。それだけで十分幸せですよ。」
「「「・・・貴方が神か。」」」
俺、和人、エギルの声が奇しくも一致する。
あぁ、俺たちは何て小さな事を争って居たんだろうか。
本当に倉橋先生の言う通りだ。
ただ、その存在そのものが愛おしい。それ以上でもそれ以下でも無い。
それこそが、愛の理だというのに・・・。
俺達は、崇めた。この崇高なる思想を思い出させてくれた、倉橋先生を。
「・・・何だろう。俺だけ置いていかれている気分になる。」
『クラインさん、頑張って下さい!きっと、いつか良い女性に巡り会えますよ!』
その横では、遠い目をしたクラインがプローブでこの宴会に参加しているユイちゃんに慰めてられて居た。
〜〜〜〜
「そういえば、エギル。そろそろアレ、やるか?」
「おう、準備はバッチリだ。」
宴会も中盤に差し掛かり、料理も量を減らしてきた頃。
俺とエギルは、前々から用意して居た物を店の奥から取り出してきた。
取り出してきたのは、大きなビンゴ用の装置だった。
高さは大体、二メートル。横幅は一メートル程だろうか。
数字の書かれた球の出口は下の中央あたりに設置されており、手動用のハンドルはかなりの存在感があった。
もちろん、そんな物がいきなり店の奥から現れれば注目を集めるのは必然だろう。
そんな注目を浴びる中、俺はマイクを手に口を開いた。
『さて、みんな、もう察している人が多いだろうけど、これより、ビンゴ大会を開催します!』
「お、良いじゃない!勿論景品もあるのよね?」
『OFF COURSE!
だけど、今回は普通のビンゴ大会とは、また違った独自の新ルールを儲けさせてもらった!』
そう言って、俺はもう一つ用意して居たものを取り出した。
「何だよ、普通のビンゴカードじゃねぇかよ。」
クラインが野次を飛ばすが、気にせず続行する。
『このビンゴカードなんだが。普通のビンゴは、出た球と同じ番号を一つずつ穴を開けていくってのが一般的だと思う。
だけど、このビンゴカードは、穴を開けると、天使マークか悪魔マークが出てくるようになってるんだ。
それで、悪魔マークを見事に当選した方には、ランダムな罰ゲームを受けてもらう事になる!』
「何それ、すっごく面白そう!」
「因みに罰ゲームって、例えばどんな事をするの?」
木綿季は、やはりこういうゲームが好きなようで、既にテンションが上がっている。
そんな木綿季を横目に、明日奈さんが、質問をしてくる。
まぁ、罰ゲームって、他の人がやるのはいいけど、いざ、自分がやるとなると、それなりに覚悟が必要だからな。
『そうだな・・・いくつかネタバレするけど、激辛キャンディを食べたり、スタンダードに誰かにデコピン、とかかな?』
その言葉に、目に見えてホッとする何人かの女性。
確かに、みんなの前で変顔したりとか、あるかもしれないもんな。
それが、無いと思って、ホッとするのも無理はない。
だが、それを裏切ってこその罰ゲームだろ?
『勿論、一発芸とか変顔も入ってるからな!』
そう言った瞬間、先程とはうって変わって、顔を青くする何人かの女性。
因みに、木綿季はそれを聞いてもピンピンしてます。
寧ろ嬉々としてやりそうな辺り、流石木綿季と言ったところか。
おっと、木綿季が万が一変顔や一発芸を披露する事になった時用に、カメラを準備しとかないとな。
そして、ビンゴカードを配り始める。
『あ、ちゃんと、ユイちゃん用にも作ってあるから安心してね。』
『本当ですか!?真也さん、ありがとうございます!』
データを送ってやると、嬉しそうにしているのがプローブ越しにも分かる。
『それじゃあ、みんな、ビンゴカードを持ったな?
ビンゴ大会、スタート!』
こうして、地獄のビンゴ大会は幕を上げた。
この度は、この様な駄文にお付き合い頂きありがとうございました。
次回は今回の続きからとなります。
誠にありがとうございました。