ダンジョンに金色の戦士がいるのは間違っているだろうか   作:しろーとー

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お久しぶりです
社畜です。久々に書いたのでヒドイと思いますが
読んでいただけると嬉しいです
ではどうぞ


第2話

 

―ロキの部屋にて―

 

現在部屋の主であるロキ、それとフィン、リヴェリアの3名が揃っていた

話の内容はもちろんゴハンのことについてだ

 

「・・・リヴェリアが嘘いっとらんのはわかる。でもおかしな点が多すぎるんや」

 

「それに関しては僕も同感だよ。彼の知識・・・おかしな部分が多すぎる。」

 

「やはり本人も交えて詳しい話を聞くしかないようだな」

 

「せやなぁ・・・とりあえず夕食にしよか」

 

「あぁそうしよう。続きはまた後で、だね」

 

「そんじゃ~いっぺんお開きや」

 

 

 

 

 

 

夕食が始まるころになるとファミリアのメンバーが続々と集まってきた

 

客人である悟飯もその中に混じって食事をすることになったのだが、徐々に周りの空気が変わっていった

 

それもそのはず。まだ年端もいかない子供が尋常ではないスピードで食べ始めたのだ

始めのうちはまだよかったのだ。周りにいた者達も「いい食いっぷりだ!」だの「負けるか~!」だの

笑いながら食事を楽しんでいたのだが、その衰えぬ食欲にだんだんと顔面蒼白になる

 

ガツガツガツガツ・・・ズズズー・・・ガツガツガツガツ

 

どんどん積まれていく食器達、慌ただしくなる厨房、笑顔が引きつっていく冒険者達・・・

そんなものお構いなし、といった感じで悟飯は満足するまで食事を楽しんだのだった

 

そんなこんなで悟飯が食事を終えると、タイミングよくロキがやってきた

 

「自分・・・めっちゃ食べるなぁ~!」

 

「あっ!はい、ごちそうさまでした!おいしかったです!」

 

清々しいくらいに綺麗に、大量に積み重ねられた食器。それに見合った満足そうな笑顔。もはやロキは感心していた

あるものは「なんだあのガキは!」と驚愕。あるものは「すごいのう・・・」と感嘆の声を上げていたのは別の話・・・

 

「お粗末さん!っと飯のことはおいといて、この後ちょっと話があるんやけど時間大丈夫か~?」

 

「はい、大丈夫ですよ!」

 

「んじゃ場所変えよか。うちの部屋まで来てもらうで、ついてきてや~」

 

 

 

 

ロキの部屋に着くと、中には既に先客がいた

 

「あれ?リヴェリアさんにフィンさん?どうして・・・?」

 

「うちが呼んだんや。気にせんで大丈夫やで」

 

「はい、わかりました」

 

扉を閉め、他の者がやってこないのを確認するとロキが話を切り出した

 

「早速やけど、いくつか質問させてもらってもええか?」

 

「はい、大丈夫です」

 

悟飯は元気よく答える

 

「ありがとな。んじゃまず1つ目、自分どっかのファミリアに入ってるか?」

 

「いえ、入ってないです。ファミリアがあるなんて今日初めて知りました」

 

「そんじゃ恩恵(ファルナ)とかも知らんよな?」

 

「ふぁるな・・・?えぇっと、初めて聞きました」

 

「せやろな~。そんじゃ次の質問や、ズバリ聞くが自分何もんや!」

 

「え?えーっと・・・僕は孫 悟飯で、地球生まれの―「それや!!」――え?」

 

悟飯の発言に食い気味にツッコんだロキ

 

「そのチキューっての!うちわからへんねん!」

 

「地球、という名前の星なんですが・・・そうだ、リヴェリアさんと話した時もそうだったのですがここは

地球ではないんですか?」

 

「・・・はっきり言うたるが、うちはチキューなんて星は知らん。見たことも聞いたこともあらへん」

 

「やっぱり、そうなんですね・・・」

 

「やっぱりってことは、自分薄々感づいてたんか?ちゅーか随分冷静やな」

 

「えぇまぁ・・・他の星にいった経験があったので。それに僕の住んでいた星の環境と結構似てますよここ」

 

ナメック星には行ったことのある悟飯だが、明らかにあの星よりも地球に近いと悟飯は思っていた

 

「へぇ、そうなんや・・・(アカン、頭おかしなりそうや)つまりあれや、自分異星人か!?」

 

「多分、そうですかね・・・一応言葉は通じているのであまり差はないと思いますけど」

 

「ん~、それもそうやな。よくはないけど、一旦よしとしよか・・・」

 

「はい」

 

「そんじゃ次いこか。ゴハン、自分なんか使命とかあるんちゃうか?」

 

ロキは先ほどリヴェリアから聞いていた、悟飯の記憶の穴について探ろうとしていた。

 

「使命、ですか・・・?僕は、えーっと・・・確か何か大事な戦いの最中で・・・」

 

「戦いか。どんな相手と戦ってたん?」

 

「はい、えっとすごく強い相手で。僕のお父さんはすごく強かったんですがそのお父さんでも敵わないような。

そんな絶対絶命の時、お父さんがお前なら勝てるって言ってくれて。僕は精一杯戦って、頑張ったんです」

 

悟飯は重い口を開き、それでもまだどことなく答えにたどり着けない。そんな様子で少しずつ語っている

 

「・・・ほう、それで?」

 

「それで、えーっと僕はその後頑張って・・・でも倒し切れなく、て・・・」

 

とても苦しそうに、今にも泣きだしてしまいそうな幼い少年の表情をみてたまらずリヴェリアは口を挟んでしまった

 

「お、おいロキ!もうその辺で「リヴェリア少し黙っとき」―ッ」

 

だが、ロキは許さない。まるで厳しい父親のように。これはとても大事なことなのだ。といわんばかりに

 

「続き、思い出せるか?」

 

「はい、えーっと・・・仲間が傷ついて、僕も後一歩のところで大きな怪我をしてしまっ、て。そして【ヤツ】が―ッ」

 

「ゴハン!?大丈夫か!?」

 

だが悟飯に言葉は届かないまま、頭を抱えてうずくまってしまう。ダンジョンで見たあの表情だ―

なにか恐怖に満ち溢れたように、拒絶するように小さくなる少年

 

「あ、頭が―ッぐ・・・ボク、ノ、セイ、デ、ミンナ―みんなぁ、ああああああああああああああああ!!!!」

 

ズゴゴゴゴ・・・

まるで悟飯の悲しみで大地が吠えるように、悟飯の叫びに呼応するように地面が大きく揺れ始める

 

「―!?ま、まずい!話は中止だ!!ゴハン、落ち着くんだ!!」

 

フィンが悟飯に呼びかけるが、届かない。

 

「な、なんや!?どないしたっちゅうねん!」

 

「まずいよ!何かしらのリミッターが外れたんじゃないか!?」

 

「嘘やろ!?」

 

「嘘じゃないのは君が一番わかっているだろう!!いいから早くここから逃げないと!」

 

フィンは冷静に、だが一刻も早くロキを抱えて逃げようとしていると

 

「―ッ!ゴハン!!!」

 

リヴェリアが悟飯へと駆け寄っていく

 

「ちょ、リヴェリア!?危険だ早く君も「黙れ!!!」―ッ!」

 

「・・・ゴハン、大丈夫だ。ほら、落ち着け。」

 

リヴェリアは優しく、宥めるように悟飯へと話しかける。だが悟飯は泣き崩れ止まらない。まるであの時の―

【ヤツ】との戦いの最後をずっと、ずっと後悔してるかのように。

 

リヴェリアは【ヤツ】のことを一切知らない。知る由もない。だが心の底から思う―

こんな純粋な優しい少年の心に、深いトラウマを植え付けたことを絶対に許さないと。そして負けない、と

 

(この傷は私が、私達【ファミリア】が絶対に治して見せる)

 

「僕は・・・僕はぁあああああ!!!!」

 

「悟飯!!!」

 

ビクッと肩を揺らす悟飯。大きな、それでいてとても優しい声。そして肩に触れる真っ白く柔らかい手

 

「・・・大丈夫だ、私を見ろ。」

 

目を合わせ、じっと見つめる。ほんの数秒。だが悟飯にはとても長いような時間に感じられた

吸い込まれるような緑色の綺麗な瞳。とても落ち着く。

 

「リヴェ、リア、さん」

 

「安心しろ、怖がることはない。・・・ほら」

 

「あっ・・・」

 

優しく包み込むように抱きしめる。慈愛の女神にも似た温もり。やがて泣きつかれた赤ちゃんのように

悟飯も落ち着きを取り戻し、いつの間にか揺れも収まっていた

 

「悟飯、今日は疲れただろう。このまま寝るといい」

 

そういい頭を撫でてあげると、悟飯は幸せそうに目を細め次第に寝息を立てる

 

「スー・・・スー・・・」

 

「一件落着、かな?流石だねリヴェリア」

 

「流石ママや!」

 

「・・・ロキ」

 

「は、はいぃっ!!ビクッ」

 

「悟飯を布団へ寝かせたら、わかるな・・・?」

 

「はいわかっております・・・」

 

そういって即座に正座をし待機するロキ。苦笑いをするが止めることはないフィン

そんないつも通りのやりとりだが正直安堵していた。

 

リヴェリアが一旦出ていき、それを確認するとまたロキがしゃべりだす

 

「・・・孫悟飯、こりゃ大波乱の予感や」

 

そういいつつも最後にぼそっと独り言をいうロキ

 

「最後の質問、うちのファミリアに入らへんか?・・・んなもん聞く必要ないわ、絶対入れたる」

 

 

 

― short story ―

 

悟飯を部屋ヘ送り届け、寝かせようとベットへ預けると違和感を感じた

―悟飯が服の袖を握って離さないのだ。

 

「なんという強い力なんだ・・・引きはがせん」

 

「んっ、リヴェ、リアさん・・・」

 

「ん?っと寝言か。ふふっ、可愛いな」

 

頭を撫でてあげるとニコッと笑う悟飯

 

――キュン///

 

リヴェリアはハートを打ち抜かれてしまった!

 

「しょ、しょうがない・・・少しだけ、少しだけ付き合ってやるか」

 

そういうとリヴェリアは添い寝するような形で寄り添う。

そして自然と悟飯が裾を離すまで小一時間、付き合ってあげるママであった

 

― 一方そのころ ―

 

「僕はそろそろ自室に戻らせてもらうよ」

 

「えっ?フィン?うちをヒトリにするんか?裏切るんか!?」

 

「だって僕は言われてないし、んじゃ先に失礼するよ・・・頑張ってんね」

 

「嘘やろ・・・待って!!!リヴェリアさん!?放置プレイはやめてぇえええええええええええ

はよ戻ってきてやぁああああああああああごめんてぇええええええええええ!!!」

 

こうして足の痺れた神様は悶え苦しむ夜を迎えるのであった ―終―

 




書き方が変わっているかもしれません
お見苦しいと思いますがご勘弁を・・・

なにかご指摘、ご要望などありましたら是非コメントください
では失礼します

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