とある屋敷の一室で一組の家族が寛いでいた。楽団演奏の番組を見ながらの団欒はリラックスした物だった。
「ヒイロにシャルロット、来月から日本だがどうだ?」
「主任の引き継ぎや代表候補生との顔合わせは済んでいる」
義理の息子であるヒイロ・デュノアの答えに茶髪の壮年の男性、アルベール-デュノアは苦笑を浮かべる。
「ヒイロ、アルが聞きたいのはそういう事じゃないの」
「そうだよ、兄さん。お父様は日本は楽しみか聞いてるんだよ」
そんなディルクを援護するように藍色の髪の美女、ロゼンダ・デュノアと娘のシャルロット・デュノアが口を開く。
そんな二人にヒイロは表情を変える事なく答える。
「俺が楽しむ事ができるのはこういった家族団欒かISの開発くらいのものだ。正直なところ、楽しみかどうかはわからない」
「そうか、なら楽しんで来なさい。学園生活は一生で一度の物。私もロゼとリリナに出会ったのはハイスクール時代だ。IS学園で出来た友人は大切にしなさい」
「そうよ、久しぶりの故郷なのだから楽しんでらっしゃい」
「わかったよ、義父さん、義母さん」
『番組の途中ですがここで緊急ニュースをお伝えします』
緊急ニュースという事で四人の視線は自然とテレビに集まる。
『先程日本にて二人の男性のIS操縦者が発見されました』
「何だと!?」
流石のアルベールもこれには驚いていた。息子もISを動かせるがそれはとある事情故である。その為これ以上男性操縦者が出る事はないと考えていたのだ。そんなディルクの思考とは裏腹にニュースキャスターは台本を読んでいく。
『操縦したのはかのブリュンヒルデ織斑千冬さんの弟の一夏君と秋十君との事でただ今日本政府に保護されているとの事です』
「一夏!?」
ここで滅多に表情を動かさないヒイロが驚愕のあまり立ち上がる。
「ヒイロ、知り合いか?」
「俺の幼馴染だ。もう一人に関しては思い出したくもないが…」
「そうか、しかしこれは…」
「ああ、世界が動く…!」
アルベールとヒイロは立ち上がり身支度を始める。
「私は本社に行く。対応を急がねばならん」
「俺はパリに飛ぶ」
「兄さん、ボクも行くよ」
「わかった、30分後に出るぞ」
「アル、私も行くわ」
「わかった、準備が出来次第車を回すから支度が終わったら玄関前に出ていなさい。ヒイロとシャルロットもだ。空港まで送ろう」
ヒイロは気付いていなかった。7年前から既に運命の歯車が