IS学園1年1組
今日から入学となったこのクラスの少女たちの視線は三人の少年、ヒイロ-デュノアと織斑一夏、織斑秋十に集中していた。
その視線に一夏は机に突っ伏し秋十は驚愕の表情でシャルロットを見て、ヒイロは我関せずでシャルロットと雑談をしていた。
そんな中教室の扉が開き一人の女性が入ってくる。
「みなさん、おはようございます!1年1組の副担任を務めます山田真耶と言います。よろしくお願いしますね!」
真耶の自己紹介に拍手を返すヒイロとシャルロット。
それでハッとなった他の生徒たちも拍手した。
「ありがとうございます。では出席番号順に挨拶をしていってください」
次々と自己紹介していく生徒たち、そしてとうとう一夏と秋十の番となった。
「織斑秋十です。男ですが仲良くしてくれると嬉しいです」
「お、織斑一夏です。特技は剣術と家事全般です。よろしくお願いします」
「ふむ、お前達にしてはマトモな自己紹介だったな織斑兄弟」
「あ、千冬ね『スパンッ』イッテエ…」
「織斑先生だ織斑兄。山田先生、遅れてすみません」
「いえいえ、会議お疲れ様です」
千冬は真耶に頷くと黒板の前に来ると前を向き口を開いた。
「織斑千冬だ。これから1年間、お前達にISの基礎を叩き込む。覚えろと言われたものは意地でも覚えろ。分からんところは教師に必ず聞け。ISは人を簡単に殺せる物だ。進級前にそれを安全かつ正しく扱えるようになれ。いいな!」
『はい!』
ミーハーな叫び声は上がらなかった。否上げられなかった。そして彼彼女らは再確認させられた。自分達が扱う
(流石だ、千冬さん)
「さて時間も押している。最後にデュノア兄、自己紹介をしろ」
「はい」
ヒイロは立ち上がり自己紹介を始める。
「ヒイロ-デュノアだ。特技は強いて言うならIS操縦と開発、整備だ。開発や整備に興味のある者がいたら是非声をかけてくれ。以上だ」
「では1時間目の授業を始める。準備しろ」
「お久しぶりです、ヒイロさん」
ヒイロは自分にかけられた声の方へ振り返るとブロンドの美少女がいた。
「久しぶりだな、セシリア。最後に会ったのは2月の合同演習以来か?」
「そうなりますね」
「セシル!」
「シャル!お元気そうでなによりですわ」
「セシルも元気そうだね」
「ええ、健康管理は候補生としての嗜みでしょう?」
ガールズトークに突入したシャルロットとセシリア、そんな二人を微笑ましげに見守るヒイロ。
しかしここで乱入者が現れた。
「ねえ、君たち」
爽やかな、しかし聞くものが聞けば欲が滲み出ているのが分かる声にシャルロットとセシリアは笑顔を作り物に変えて振り返る。
ヒイロも視線は向けずとも意識だけして推移を見守る。
「君たちシャルロット-デュノアさんとセシリア-オルコットさん?」
「そうですが貴方は織斑秋十さんでしたわね」
「うん、よろしくね」
そう言って爽やかな笑みを浮かべる。
周りの女子はその笑みに黄色い悲鳴をあげるがシャルロットとセシリアはニコニコと作り笑顔を浮かべるのみ。
「ところで何か聞きたい事があるんじゃないかな?」
「ああ、そうだった。実は先日国が僕らに専用機を支給するって連絡があったんだ。そこで代表候補生である君たちにIS操縦についてご教授願いたいんだけどいいかな?」
女心をくすぐる甘いマスクで尋ねる秋十。
それを聞いた二人は作り笑顔を消して冷たい視線を秋十に向けた。
「へえ、おかしな事言うね?」
「そうですわね、おかしいですわね」
「あ…え?」
二人の反応に戸惑う秋十。そんな秋十を見ながら二人は口を開く。
「ご教授願うのでしたら最初に行く相手が違いますわ」
「そうだね、ここにもっと優れた操縦者がいるのにね………。ねえ、なんでフランスの国家代表である兄さんを無視して僕たちに頼んだの?」
「いや、その知らなくて」
「ボクの事を知っているなら兄さんの事も知ってないと不自然だよ?」
「あ、いや」
「舐められたものですわ。これでも私は貴族の当主、シャルもデュノア家の令嬢です。社交界にて笑顔の仮面の裏を見抜かねばならない場面などザラにありましたわ。貴方の欲にまみれた下心に気付かないとでも?」
そこでセシリアは目を細めて冷たく苛烈に言葉を紡ぐ。
「消えなさい。不愉快ですわ」
秋十は呆然とするも一瞬ヒイロを睨みつけて自分の席に帰って行った。
「全く、あれがかの名高いブリュンヒルデの弟とは嘆かわしいですわ」
「まあまあセシル。家族とは言え必ずしも織斑先生みたいに良い人だとは限らないんだし」
「そうだ、シャルを見てみろ。こんな無愛想な兄に似ずに太陽の様な温かい美少女に育ったんだ。性格に家族はあまり影響は無い」
「び、美少女……」
ヒイロの言葉に悶えるシャルロット。
「過ぎた自分の過小評価はいけませんわよ。貴方に救われた人達にとっては余りいい気分ではありませんわ」
「そうだよ兄さん」
「…善処しよう」
「授業を始める前にクラス代表を決める。クラス代表は一般的な学校のクラス代表の仕事に加えてクラス代表戦への出場義務がある。自推他推は問わん。ただしデュノア兄は除くぞ。こいつは既に国家代表上位クラスの実力がある為会議にてクラス代表から外す事が決まっている」
「はい、織斑一夏くんを推薦します!」
「私も!」
「じゃあ私は織斑秋十くんで」
「私も秋十くんを推薦します!」
「お、俺?」
「言っておくが拒否権は無いぞ織斑兄。他にいないのならこの二人から決めるぞ?」
「納得いきませんわ!」
「セシリア」
ヒイロの制止の声を聞かずセシリアは立ち上がる。
「男というだけでクラス代表を決めるなど正気とは思えません。しかも選ばれたのは仮面を被った薄汚い色情魔とその兄!到底認められませんわ!」
セシリアの言葉にクラスの女子が騒めき出す。
「(え~、秋十くんそうだったの?)」
「(オルコットさんの思い込みじゃ無い?)」
「(でも貴族って言うし社交界で人を見る目を磨いてそうだよね)」
「(え、じゃあそうなのかな?)」
「(さっきも一悶着あったみたいだし)」
「静粛に。では1週間後、織斑兄弟とオルコットの三人で第一アリーナにてISバトルを行いその勝者が決定権を持つことにする」
夜
夕食後、一人部屋を当てがわれた秋十は内心混乱していた。
(クソクソクソ!シャルロットは入学時点でいるわセシリアは原作の様な女尊男卑じゃくなってやがるしどうなってやがる!?)
そこでハッとして顔を上げる。
(まさかあのフランスの国家代表でシャルロットの兄とか言うヤツも転生者?いや、あの
秋十は一人、醜く歪んだ笑みを浮かべた。
その頃一夏は同室の箒と共にお茶をしていた。
「イテテテ、容赦なさ過ぎるぞ箒」
「ふん、ノックもせずに女の部屋に入るお前が悪い」
「ぐう」
一夏は分が悪いと話題を探す。すると先程彼女が自分を粛清するのに使った木刀が目に入った。
「それってやっぱり」
「ああ、
「道理で痛みの割に怪我が無いわけだ」
一夏はそこで一旦言葉を切り真剣な表情で箒を見る。
「なあ、箒はどう思う?」
「それはヒイロ-デュノアの事か?」
「ああ」
「正直な所、顔立ちも雰囲気も別人だが何か引っかかる」
「箒もか?実は俺も違和感を感じていたんだ」
「千冬さんにはこの事は?」
「話してない。もしそうだったとしても吉良さんが生きているとは限らないし」
「そうだな。取り敢えず様子を見るに留めるしかないか」
「それしかないか。よし、今日はもう寝よう」
「む、そうだな。あの男の愚行で一夏は余計な面倒ごとに巻き込まれたんだ。明日に備えて直ぐにでも休んだ方がいい」
「そうだな。おやすみ、箒」
「ああ、おやすみ。一夏」
「それじゃあまだ三人には打ち明けるつもりは無いんだね?」
「確実に篠ノ之束が一枚噛んでいるからな。二つの家を一家離散に追いやるなど関係者ではあの天災以外ありえない」
同じ頃、ヒイロとシャルロットは部屋で今後について話し合っていた。
「黒幕は確実に
「そう、ならアイツにはいずれ生きてきた事を後悔させて無惨に殺してやる」
目からハイライトを消して言うシャルロット。ヒイロは悲しげに顔を歪めシャルロットを抱き締める。
「に、兄さん?」
「そんな事を言うなシャル。俺は義妹であるお前にそんな事をして欲しく無い」
「でも!」
「憎しみは確かにある。だがそれ以上にお前を含めた家族や友人を失いたくない」
「……分かった」
「いい子だ」
(もし
俺が