Snow Fairly Blade Works   作:千本虚刀 斬月

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前半は型月ファンには今更な説明です。

あれ、これ違うくね?と言う部分もあるかも知れませんが、この作品内ではそういう設定なんだと思ってください。


ドキドキ?ワクワク?魔術講座 1

 この世には魔術と呼ばれる特殊技能が存在する。文字通りに魔力を用いて人為的に神秘・奇跡を再現する術の総称であり、それを成す事が出来る者達を魔術師と呼称する。とは言え、何でもありという訳では無く、等価交換が基本原則である。

 

魔術師は体内に魔術回路と呼ばれる擬似神経を有していて、自身の生命力(オド)を魔力に変換するのだ。魔術回路として機能している際は、生身の肉体が拒絶反応を引き起こす為に相応の苦痛を伴う。数が多いほど生成し扱える魔力量が多い。生まれながらに持ち得る数が決まっている為、増やす事は非常に困難。だが鍛える事で質を向上させる事は可能。術者の技量次第では自然界に満ちている星の息吹(マナ)を扱う事も出来る。

 

魔術を起動させるための動作として最もポピュラーなのは呪文の詠唱だろう。魔力を通すだけで魔術を起動させる一工程(シングルアクション)から、十小節以上の詠唱を以って簡易的な儀式と為す瞬間契約(テンカウント)まで様々ある。予め用意しておいた何らかの媒体を使用すれば大魔術を即座に発動する事も出来る。

 

魔術師は押し並べて世を隠れ忍び、人目を憚る隠者である。なにしろ魔術とは神秘であり、神秘であり続けるから魔術たり得る。逆に言えば、大勢に知れ渡り常識に為ってしまった知識は、もはや神秘では無いが故に魔術たり得ない。それ故に、各流派の真髄は門外不出の秘奥であり、一子相伝とされる。

 

ちなみに魔術と魔法は別物と定義されている。その時代の文明において、手間暇と資金を掛ければ達成可能なものが魔術。不可能な、正真正銘の奇跡が魔法である。実際、魔法使い連中は何奴も此奴も人間を逸脱しちまってる訳で。

 

「科学が未来に向かって疾走しているのなら、魔術師は過去に向かって疾走しているのだ。過去も未来も行き着くところは結局同じ。ゼロに向かって走り続けよ。」とはキシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ(宝石の魔法使い)の言葉だったか。

 

当然ながら個々人によって得手不得手な属性がある。西洋魔術においては一般的に、地、水、火、風、空の五大元素に架空元素の虚と無を加えた七つの種類を属性としている。無論これ以外にも特異な属性は存在するが、その場合は大抵が一芸に特化した異能者に為りがちである。

 

魔術属性とは別に、起源と言うモノが存在する。有り体に言えば、あらゆる存在が持つ、原初の始まりの際に与えられた方向付け。あらかじめ定められた物事の本質。無生・有生を問わず全ての物事は、抗えない宿命としてそれぞれ何らかの方向性を与えられて存在している。魔術師にとっては属性以上に重視せざるを得ない要素である。

 

 

 

 

 

 

「ここまでは概要の、()()()程度の部分なんだけど・・・ついてこれてる?」

 

響はシンフォギアの説明の時点で既にオーバーヒート。未来は辛うじて理解に努めようと頑張っているが、限界っぽい。まあつい数時間前に、あんな目に遭っていたのだから仕方ない事ではある。

 

まあこの二人については想定の範囲内だし特に問題は無い。固有結界内で聖杯(イリヤスフィール・フォン・アインツベルン)英霊(サーヴァント)の概要は既に説明済みだ。細かい部分はこれからじっくりと教えていけば良い。

 

問題なのは

 

 

「ふむ・・・つまり、魔術を使えば我々のような人間でもノイズと戦う事が出来るようになる、と言う事か?」

 

「いいえ、残念だけど難しいと言わざるを得ないわね。神秘はより高位の神秘によって打ち消され、敗れた側は空想に堕ちるのが道理だから。私としても忌々しい限りだけど、ノイズを問答無用で否定出来るだけの神秘は極限られるわ。」

 

「でぇもぉ、貴女はその手段を有している。そうでしょう?」

 

やはり食い付いてきた。まるで獲物を見定めた毒蛇のような剣呑な眼をしながら躙り寄ってくる。そして大型画面に映し出される、イリヤが『無限の剣製』を展開するシーン。

 

「先程も言ったけれど、魔術師にとって種明かしは致命的。切り札ともなれば尚更にね。まあ、今後は私もノイズ狩りのに参加する事になるんだし、概要位は遠からず話すつもりだけど。」

 

そもそも、魔術協会で講義を受講した状態でも、普通は基礎だけで数年かかる。仮に詳細を一通り説明したところで、一般人では神秘を貶めるに足るだけの理解など先ず出来まい。

 

だが、櫻井 了子は違う。少なくとも固有結界を理解しているのだ。『無限の剣製』の核心部分にはいまだ至っていない様だが、それも時間の問題かも知れない。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「━━━━━━━━━━━━━━━━━━」

 

両者の間には緊迫感、と言う程でも無いが似た空気が生じる。

 

その中で、風鳴 翼は意を決した様にイリヤに問う。

 

 

天羽 奏は薬物を過剰投与しノイズとの戦闘に臨む。この5年間、そんな事を幾度となく繰り返してきたのだ。おまけに、学業とアイドル活動もある。特に、最近は異常な程に立て続けにノイズが出現していた所為で、身体を回復させる暇も無かった。当然、身体はもう限界寸前な状態である。何とかしなければ、このままでは最悪の事態になる可能性が高かった。

 

風鳴 翼はイリヤの魔術に、何とか出来る可能性を期待しているのだ。切実に。

 

「・・・結論から言えば可能よ。」

 

「!!本当かっ!?」「!!本当にっ!?」

 

「自分だけで賄いきれないのなら、余所から持ってきて補うのが魔術師だもの。」

 

「頼む!アタシにその魔術を教えて欲しい。お願いだ!」

 

天羽 奏は頭を下げる。彼女のみならず、パートナーである風鳴 翼と、二課長の風鳴 弦十郎までもが。それに対してイリヤは暫し瞑目し

 

「さっきも言ったけれど、魔術は常に死が付き纏うモノ。もし魔術師同士の争いに巻き込まれでもしたら、死んだ方がマシと思うような目に遭わされる事だってある。其れでも?」

 

「ああ!頼む!」

 

「・・・分ったわ、いいでしょう。・・・そうね、貴女には『宝石魔術』を教えます。正直、私の専門では無いけれど、それでも基本くらいなら問題ないし。」

 

「へぇ、どんな感じの魔術なんだ?」

 

「簡単に言えば、その名の通りに宝石や鉱石なんかを触媒にする魔術よ。予め宝石に魔力を貯蔵させて、有事の際にその魔力を解放してブースターにするの。用意に手間暇は掛るし、宝石は基本的に使い捨てだからコストも嵩むのが欠点だけどね。」

 

「成程ね~、確かにそれなら奏ちゃんの身体に掛る負担も軽減させられるわね。なにせ、自分自身で生み出したエネルギーなんだから。無理な投薬と違って拒絶反応も殆ど無い。」

 

「あと、使ってるシンフォギアの来歴を考えると『ルーン魔術』の適性もあるかも知れないわね。」

 

「そう言えば、奏ちゃんの『ガングニール』の本来の持ち主オーディンは戦争と死を司る神で、ルーン文字を考案する為に自分自身を神槍で貫いた状態のまま世界樹ユグドラシルの枝に縄を結んで首を括った、何て逸話があったわねぇ。」

 

「へ~、そうなのか。」

 

「本当に識らなかったの?オーディンの逸話の中でもかなり有名なエピソードだと思うけど?」

 

「いやぁ、アタシは使えてさえいればあんまり細かい事は考えないから。たははは」

 

まあ、諸々の詳細については、響と未来と一緒にこれから教えていけばいいだろう。と言うか、無理矢理にでも覚えて貰う。

 

「立花 響、小日向 未来、天羽 奏。貴方達3人には魔術を教えるに当たって最初に言っておかなければいけない事があります。いいですか?」

 

3人は姿勢を正し、固唾を呑む。

 

「魔術を学ぶということは、常識からかけ離れるということよ。死ぬ時は死ぬ。殺す時は殺す。私達の本質は生ではなく死だからね。魔術とは自らを滅ぼす道に他ならない。貴女達に教えるのはそういった争いを呼ぶ類のものよ。―――だから一番大事な事はね、魔術は自分の為じゃなくて他人の為だけに使う、という事よ。そうすれば魔術使いではあっても、魔術師ではなくなるからね。」

 

それは奇しくも、かつて切嗣が幼き士郎に言った言葉と同じであった。

 

 

 

 

 衛宮邸に帰り着いた頃には、夜明け間近となっていた。イリヤだけで無く、響と未来も一緒である。小日向家と立花家には既に連絡済みで、話し合った結果ほとぼりが冷めるまでの暫くの間は衛宮邸に住むことになったのだ。

 

3人とも揃ってとても疲れていた。布団を敷いたら秒で眠れるだろう位には。だがしかし、その前にどうしても話しておかなければならなかった。ハロウィンの仮装用小道具にと用意した()()()()()()()()()と。

 




ぶっちゃけ設定の摺り合せが思ってた以上に面倒くさい(´・ω・`)

よし、キメた!取敢えず3期以降の錬金術師共は無視しよう!
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