IS-二つの力を合わせる男-   作:甘々胡麻ざらし

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専用機

「こちらが整備室です。」

 

「あ、ありがとうございます。」

 

リブラ・ゾディアーツとの戦いを終え、秋十たちは整備室へと着いた。中に入ると一人の少女がキーボードでISをデータを打ち込んでいたが、軽く会釈をしてある壁の前に立つ。

 

「あの、壁なんですけど?」

 

「少々お待ちください。」

 

クロエは左腕にはめている腕輪を壁の前に見せると、鈴の音が鳴りそのまま中に入っていった。

 

「ええ!?」

 

「さぁ、こちらですよ。」

 

「あ、はい。」

 

戸惑うように秋十も壁の中に入っていくと目の前には機械に囲まれた部屋があった。

 

「織斑秋十さんを連れてきましたよ。」

 

バンとある扉が開き航がこちらに向かってくる。

 

「おそーい!まったく、心配したんだからってギャアアアアアアア!」

 

航が秋十たちの怪我に気付き思わず悲鳴をあげ急いで救急セットを持ってきて治療した。

 

「怪我して来たからビックリしたよ…。」

 

「す、すみません。」

 

「どこか他に痛むところとかない?」

 

「大丈夫です。」

 

「兄さんは心配しすぎです。」

 

「当たり前だろ。大事な妹と生徒が怪我したんだぞ?兄として、そして先生として心配するのは当然だろ。」

 

「このくらい平気です。」

 

「お前は女の子なんだから跡が残ると大変だろ。」

 

「気にしません。」

 

「しろよ!?」

 

ギャーギャーと喧嘩を始める二人を見て秋十はあることを聞く。

 

「もしかして二人は兄妹なんですか?さっき兄さんって言ってましたし。あ、でも苗字が違うか。」

 

「いや、兄妹であってるぞ。まぁ血は繋がってないけどさ。」

 

「へー。とっても仲良しですね。なんか羨ましいな…。」

 

少し秋十の顔が曇り、場の空気が少し重くなった。

 

「…あ!そういえば秋十君に渡したいものがあったんだった。」

 

その空気に耐えきれず航は立ち上がり、大きめのコンテナの内一つを開けた。

 

「じゃじゃーん!」

 

そこには全身が銀の装甲に覆われ、所々に赤い装甲が付けられたパワードスーツが立っていた。

 

「これは…?」

 

「これはアリス社で開発された四大パワードスーツの一つ。その名も《ULTRA SYSTEM》だ。」

 

「ウルトラ?」

 

「そう。実は秋十君とテレビで見たあの黒い巨人以外に他の巨人も各地で発見されてね。アリス社では巨人たちを超人、《ウルトラマン》と名付けた。そして巨人たちの映像から作られたパワードスーツがこのULTRA SYSTEMだ。」

 

「でもなんで僕に説明を?」

 

「おいおい。言っただろ?君に渡したいものがあるって。」

 

航はこれだと示すようにパワードスーツの肩をポンと叩く。

 

「え?まさか…!」

 

「織斑秋十君。君にはアリス社のテストパイロットとしてこの専用機を使ってほしい。」

 

秋十は専用機が貰えることの意味を理解していた。世界に467個しかコアがないISを丸ごと一つ渡させる。つまり選ばれた人間となる。だが目の前にはあるそれはISを越える可能性を秘めた最新型のパワードスーツ。そしてその初号機パイロットになることは自分がアリス社の命運を背負っていることになる。

 

「む、無理ですよ!いくらなんでも僕には荷が重すぎます!」

 

「まぁ普通はそうなるよね。でも相手はイギリス代表候補生。それに君の兄も男性のデータ収集とはいえ専用機を支給されるそうだ。だが残念なことに君には支給されない…。」

 

航は苦虫を噛んだような顔をした。秋十には自分が専用機を渡されないことを理解してる。落ちこぼれの自分より優秀な兄に渡した方が良いに決まっているからだ。

 

「だがそれだとあまりにも不公平すぎる。だからこそ君にはこれを使ってほしい。」

 

「…どうして僕にそこまでしてくれるんですか?」

 

「え?」

 

「どうして落ちこぼれの僕にここまでしてくれるのか聞いているんです。」

 

秋十はずっと気になっていた。何故優秀一夏ではなく落ちこぼれの自分にこうもサポートしてくれるのか。だが航はニコッと笑みを浮かべて口を開いた。

 

「俺は誰にも認められないのが嫌いなんだよ。勝手に期待して、期待通りじゃなかったら落ちこぼれ扱いされる人。少しの失敗で欠陥の烙印を押される人。その人の本当の良さを見られずに勝手に切り捨てられる人。俺はそんな人たちを救いたいんだよ。自分勝手なのはわかってるけどさ。」

 

航の本来の目的は秋十を一夏から救うことだ。そのためには専用機を渡すことなどあたりまえだ。だがそれ以上に航は一人の友人として秋十を想っていた。

 

「だから俺は秋十君にならこいつを使いこなせるって信じてる。俺は"ブリュンヒルデの弟"でも"天才の弟"でもない。"織斑秋十"という一人の男に可能性を感じたんだ。」

 

「僕の…可能性…。」

 

秋十は航の手を握りハッキリした声で言った。

 

「よろしくおねがいします!」

 

「ありがとう秋十君。さぁ!クラス代表決定戦まで頑張るぞ!」

 

「はい!」

 

「ではこれから一週間は私があなたのコーチをします。言っておきますが私はスパルタですよ?」

 

「よろしくおねがいします!クロニクルさん!」

 

「クロエでいいですよ。」

 

こうしてクラス代表決定戦までの特訓が始まった。




文章大事か心配…。

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