IS-二つの力を合わせる男-   作:甘々胡麻ざらし

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ISの新作ゲームの情報に驚いてます。


新たな力

試合が終わり、倒れた一夏と秋十がアリーナから運び出されるのと同時に、セシリアがISを纏った状態で飛び出してきた。いや、正確に言えば吹き飛ばされてきた。

 

「オルコット君!?あれは!」

 

セシリアが飛ばされたピットを見る多数の茶色の仮面ライダー《ライオトルーパー》が30人ほどいた。

 

「な、なんだあのISは!?」

 

「なんだか怖いです…。」

 

モニターを見た真耶たちも驚きの声をあげる。そしてライオトルーパーたちはピットからアリーナに侵入し、セシリアに近づく。

 

「た、大変です!あれ?織斑先生、五十嵐先生は?」

 

「なに!?いない…?」

 

真耶たちが振り向くと航の姿は既に無かった。

 

 

「な、なんですのこの集団は?」

 

ギリギリでISを展開し、吹き飛ばされたセシリアはライオトルーパー達を見て疑問を浮かべた。

 

「ライオトルーパーだよ。」

 

「だ、誰ですの!?」

 

自分が居たピットの方を見るとペルソナが歩いてくる。

 

「これは貴方の仕業ですの?」

 

「そうだよ。君と織斑秋十の中にある"ソウル"を頂きにね。」

 

「ソウル?なんですのそれは?」

 

「君が知る必要はないよ。」

 

ペルソナは黒いストラトスキャナーを構え、二枚のカードを取り出す。

 

「ゼットンさん!」

 

《ゼットン!ピポポポポ》

 

「デスリュウジャーさん!」

 

《デスリュウジャー!いくぜ!》

 

「獰猛なる恐竜の力、お借りします!」

 

《フュージョンライド!》

 

黒いカミキリムシのような姿をした宇宙恐竜《ゼットン》と、青い姿に胸にスピノサウルスのエンブレムを印した獰猛な戦士《デスリュウジャー》の姿がひとつになる。

 

《ライド・オン・ペルソナ!ゼツリュウジャー!》

 

そこには二本の角とトサカを持ち、右手にはデスリュウジャーの武器《フルートバスター》を持った青いスーツに黒い鎧を着たペルソナがいた。

 

「行くよ!」

 

「っ!」

 

ペルソナはフルートバスターをブーメランのように投げセシリアにダメージを与える。セシリアも反撃しようとするが、秋十との戦いのダメージが体に残っており、すぐにISが危険と判断し、強制解除された。

 

「きゃあ!」

 

「さて、君の中に眠るソウルを貰うね。」

 

ペルソナはカードデッキから何も書かれていないインフィニットカードを取りだしセシリアに向けると、セシリアの胸のところから金色の光が零れはじめ、インフィニットカードに吸い込まれていく。

 

「な、なんですの!?ああ!体が…苦しい…。」

 

「大丈夫だよ。すぐに終わるからさ。」

 

インフィニットカードから絵柄が現れ始めた瞬間、突然背中を斬りつけられる。それと同時にセシリアから光が消える。

 

「何?君には用が無いんだけど?」

 

「セシリアから離れろ!」

 

そこには白式を展開した一夏がいた。

 

「織斑一夏さん?SEは尽きたはずでは?」

 

「あいつらが侵入してからこっそり補充してきたんだ!これで戦える!喰らえ!零落白夜!」

 

一夏は零落白夜を使うがあっさり片手で止められてしまう。

 

「その勇気は感心するけど、実力が伴ってないよ?」

 

ペルソナは一夏を蹴り飛ばし距離を取るとフルートバスターにデスリュウジャーの力を込めた電池《デスリュウジャー獣電池》をセットする。

 

「魔楽章 デーボスフィニッシュ!」

 

そしてそのままフルートバスターをブーメランのように投げ、一夏のSEを一気に削り取った。

 

「な、一撃…だと…!?」

 

その衝撃でISが強制解除され、地面を転がる。

 

「実力がない人は人を守ってはダメだよ。むしろ邪魔だよ。」

 

「違う!俺は皆を、俺に関わる全ての人を守るんだ!そしてその力を手に入れたんだ!」

 

「あっさりやられたくせに。人が守っては良い範囲は自分の手の届く範囲じゃないと。」

 

そのままペルソナは一夏に近づき、殴って気絶させた。

 

「さて、セシリアは一旦あとにして、運び出された織斑秋十の方は…。あら、これはビックリだね。」

 

秋十が運ばれた方を見ると30体居たはずのライオトルーパー達を全て倒され、眼鏡を外した秋十が立っていた。

 

「なるほどねぇ。君は"憑依者"だと思っていたけど"覚醒者"なのか。」

 

秋十はペルソナの方を見ると思い切り睨み付ける。

 

「覚醒者だかなんだか知らねーが、お前が使ってるそのデスリュウジャーの声、なんかムカつくんだよなぁ。」

 

「中の人が同じだからだよ。」

 

「は?何わけのわかんねぇこといってんだ?」

 

「気にしないで。それにしても覚醒者は困ったなぁ。ソウル貰えないし…。」

 

ペルソナはうーんと唸るがすぐにニヤリと笑みを受かべる。

 

「まぁいっか。君を生け捕りにして、一気にソウルを二つもらうよ!」

 

ペルソナはフルートバスターをブーメランから真っ直ぐにして秋十に斬りかかる。

 

「へぇ。じゃあそのソウルってのをじっくり聴かせてもらおうか。」

 

だがその刃はストラトスバスターを持った航に阻まれた。

 

「遅くなってごめん。避難誘導と怪我人の治療をしていたら遅くなっちまった。」

 

航はカードデッキから一枚のインフィニットカードを取りだし、ストラトスキャナーにスキャンする。

 

《ヒール!》

 

ストラトスキャナーから緑色の光が放出され、秋十たちの怪我を治す。

 

「三人ともよくやってくれたよ。君たちの行動がなかったらどうなっていたか…。はやく安全な所へ避難してくれ。」

 

航は三人に感謝を述べ、ペルソナの方に向き直る。

 

「さて、うちの生徒を傷つけた罰。受けてもらうぜ?ストップするなら止まらず進む!行くぞステラ!」

 

《はい!》

 

「打鉄!」

 

《打鉄!》

 

「リヴァイブ!」

 

《ラファール・リヴァイブ!》

 

「二つの力、今こそ一つに!」

 

《フュージョンライド!ライド・オン・ストラトス!アインゲイル!》

 

航はストラトスを展開し、ペルソナと戦い始める。

 

 

「こっちだ女!」

 

「は、はい!」

 

一夏を担いだ秋十はセシリアと共に逃げていた。だが逃がすまいと目の前にライオトルーパー達が現れる。

 

「チッ!まだ居やがったか。ゴキブリみたいに沸いてくるな…。」

 

「ど、どうしましょう…。囲まれてしまいましたわ…。」

 

「…仕方ねぇ。おい、女。少しだけ目を閉じてろ。」

 

「え?」

 

「いいか?絶対開けるんじゃねーぞ?」

 

「は、はい。」

 

セシリアはギュッと目を閉じる。そしてしばらくすると目を開けて良いと声が聞こえ、目を開けると既にライオトルーパー達は消えていた。

 

「な、何が起こったのですの?」

 

「知らなくていい。行くぞ。」

 

秋十は再び一夏を担いで逃げようとするが、アリーナで爆発が起こり足を止める。

 

「あれは相当不味いかもな。」

 

「っ!先生!」

 

セシリアは思わずアリーナに向かって走り始める。

 

「あ、おい待て!」

 

秋十も思わず止めるがセシリアはそのままアリーナの方へ向かった。

 

 

「はぁ…はぁ…。クソッ!」

 

アリーナでは航がペルソナの前で膝をついていた。

 

「どう?数々のウルトラマンを苦しめてきたゼットンと、トバスピノの力を持つデスリュウジャーを合わせたパワーのお味は?」

 

ペルソナは航にフルートバスターを振り上げるが体に電撃が走る。

 

「…まだ調整が必要ね。勝負はお預けにするよ。生きていたらだけどね。」

 

《ライオトルーパー!》

 

ペルソナはカードをスキャンし、ライオトルーパーを呼び出す。その数合わせて100体。

 

「じゃーね。」

 

ペルソナはそのまま姿を消した。

 

「…これは流石に多すぎだろ…。つーかどんだけ呼び出せるんだよ…。」

 

航はライオトルーパー達に囲まれてしまうが、頭上からレーザーの嵐が降り注ぎ、ライオトルーパー達を撃ち抜く。

 

「あれは、オルコット君!?何故戻ってきた!?」

 

「あの仮面の人が言ってましたわ。人が守っては良いのは自分の手の届く範囲だけだと。ならば私は手の届く範囲で先生を守りますわ!」

 

ライオトルーパー達はセシリアに照準を合わせ一斉に撃つ。だがその弾丸は航が全て受け止めた。

 

「せ、先生!?」

 

「まったく、先生は生徒を守らなくちゃならないのに情けないな。ありがとうオルコット君。君のお陰で気づかされたよ。」

 

「先生…。」

 

セシリアが笑みを浮かべると、セシリアの胸元から金色ではない青色の光が溢れ、航のカードデッキに入っていく。

 

「これは…?」

 

航がカードデッキから青色に光る何も描かれていないインフィニットカードを取り出すと、カードにブルー・ティアーズの絵柄が現れる。

 

「私のティアーズ?」

 

「オルコット君。君の力、使わせてもらうよ。」

 

「はい!」

 

セシリアは航から少し離れ、航はブルー・ティアーズのインフィニットカードを構える。

 

「ティアーズ!」

 

《ブルー・ティアーズ!》

 

「蒼き滴よ、俺に力を!アームズライド!」

 

《アームズライド!》

 

航がトリガーを押すと、電子音が鳴り、ブルー・ティアーズが合わさり、ストラトスにブルー・ティアーズの武器《スター・ライト》と六機のビットが出現し、右腕が青色に変わる。

 

《アインゲイル!プラスブルー・ティアーズ!》

 

「さぁ、躍りな!俺が奏でるレクイエムで!」

 

航は右手に持ったスター・ライトと四基のレーザービットを操りながら、ライオトルーパー達を撃ち抜く。

 

「す、凄いですわ…!」

 

セシリアは航の動きに関心を抱く。なぜなら自分ではまだ出来ていないビットを操りながら銃を撃つことが、彼には出来ているのだから。

 

「一気に終わらせる!」

 

《フィニッシュ!》

 

航がストラトスキャナーのトリガーを押し、エネルギーをチャージする。ライオトルーパー達は逃げようとバラバラに散るが、四基のビットに行く手を阻まれ、いつの間にか一ヶ所に集まってしまう。その光景はまさに檻に入れられた獣同然だった。

 

《アインゲイル・インパクト!プラスブルー・ティアーズ!》

 

「ティアーズ・ジェイル!」

 

航はスター・ライトのトリガーを二基のミサイルビットを発射し、ライオトルーパー達を全て倒した。

 

「ふぅ…。」

 

それと同時にISを纏った教師たちが来るが、時既に遅く既に片付けられてしまっていた。

 

「貴様何者だ!」

 

ISを纏った教師から質問されるが、航は声を変えて答える。

 

「私の名前はストラトス。覚えておけ。」

 

《テレポート!》

 

航はテレポートのカード使い、そのまま姿を消した。その後セシリアは教師に保護され、秋十と一夏も無事に保護された。こうして波乱のクラス代表決定戦は幕を閉じた。


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