IS-二つの力を合わせる男-   作:甘々胡麻ざらし
<< 前の話 次の話 >>

2 / 21
変身

「うん?ここは…?」

 

航が目を覚ますと自分は公園のベンチに寝ていて、体を起こすとそこは自分がいた世界とよく似ている風景があった。そして枕の替わりにしていたトランクケースに目が行き、それを開けると。

 

『コレの手紙を読んでいるということは、どうやら無事に転生したようですね。ここはインフィニット・ストラトスの世界です。そしてあなたが倒すべき人物はこの世界の主人公に憑依した"織斑一夏"です。』

 

「なるほど。確かに主人公ならハーレムを作るには丁度いいからな。」

 

『そしてあなたの特典として専用機を与えます。』

 

「専用機?」

 

航は手紙と一緒に入っていた物を手に取る。

 

「これは…、カードデッキとスキャナーか?」

 

そこにはカードデッキが入っていて、中には何も描かれていないカードが数枚あり、他にもカードを読み込ませるであろう銀色のスキャナーがあった。そしてそれと一緒に説明書のようなのが付属していた。

 

『それはISの力を秘めたインフィニットカードとそれを読み込むストラトスキャナーです。使い方はストラトスキャナーを腕に巻き付け、インフィニットカードを二枚スラッシュスキャンし、ストラトスキャナーのグリップにあるトリガーを押すことであなたの専用機が現れます。つまりオーブやジードみたいに二つのISの力を合わせて戦うのです!』

 

「へぇ~。なんか格好いいな。」

 

そういい航は早速ストラトスキャナーを腕に当て、グリップを握ると、自動的にベルトが射出され、腕巻き付き固定された。

 

「そういえば俺って今何歳ぐらいなんだろ?」

 

ドォォォォォン!

 

突然近くで爆発音が鳴り一瞬ふらつく。

 

「な、何が起きたんだ!?」

 

航はトランクケースに手紙とカードデッキを仕舞い爆発音のしたところにいった。そこには…。

 

「あはははははは!男なんて死ねばいいのよ!」

 

ISの一つ、ラファール・リヴァイブを纏った女がアサルトライフルを乱射していた。恐らく近くにあった展示品でも触れたのだろう。

 

「うわぁ!」

 

慌てて航も近くの物陰に逃げたが、手を見るとブルブルと震えていた。それもそうだ。元々航は戦いなど無関係の一般市民。突然銃を乱射されたら逃げるし怖い。

 

「(くそっ!いきなりこんなのってありかよ!ヒーローの資格があるとか言ってたけどこんなの無理だろ!)」

 

航はこっそり逃げようとしたが、その足を止めた。

 

「ヒック!グスッ!」

 

「…僕どうしたんだ?」

 

「お父さんとはぐれちゃったの…。僕怖いよ…。」

 

「そっか…。でもここは危ない。早く一緒に逃げよう。」

 

「でもお父さんが…。お父さんが…。」

 

男の子の不安そうな顔を見て航は拳を握りしめた。

 

「…。(俺は何をしているんだよ…。この子の不安を増やすことして。俺がこの世界に来たのは逃げるためじゃない。この子のような人たちの笑顔を守るためだろ!)…大丈夫だよ、僕。ヒーローは必ずやって来る。あんな悪いやつ倒しちゃうよ!」

 

「ほんと?」

 

「ああ!俺がお前のヒーローになる!」

 

航はトランクケースからカードデッキを取りだし、腰に付けてISを纏った女の前に出た。

 

「おいお前!これ以上罪もない人を傷つけるな!」

 

「はぁ?男の癖に偉そうにいうんじゃないよ!」

 

バン!と発砲音なり咄嗟に左にかわすと腕を弾が掠めた。

 

「っ!(いってぇぇぇ!)」

 

その後もなんとか物陰を利用して自分に注意を反らし、その隙に周りの人たちも避難を始める。

 

「はぁ…はぁ…。(さっきの男の子は…。よかった。お父さんに会えたみたいだな。)」

 

「しつこい男ね!いい加減に死になさい!」

 

女は銃を連射し航は死を覚悟したが、弾丸が届くことはなかった。恐る恐る見ると二枚のカードがバリアを張るように空中に浮かんでいた。

 

「これは…。うわっ!」

 

突然カードが光り、目を開けると神秘的な空間が漂っていた。

 

《あなたは力を使う資格を手にいれました。そこで問います。あなたはこの力で何をしますか?》

 

「俺は…俺は目の前で傷つく人を見たくない!これから先も手の届く限り誰かの笑顔を守る!立ち止まってる場合じゃない!"ストップするなら止まらず進む!"」

 

《それがあなたの答えなのですね。》

 

突然再びカードが光り、目を開けると先ほどまで真っ黒だったカードが機械の絵柄が描かれたカードに変化し、それを受け取る。それと同時に光が消え現実に戻される。

 

「な、なにが起きたの?」

 

ISを纏った女はあまりの光景に後ずさりする。

 

「…見せてやるよ!俺流のヒーローを!」

 

そう言い航はインフィニットカードとストラトスキャナーを構える。

 

「打鉄!」

 

《打鉄!》

 

「リヴァイブ!」

 

《ラファール・リヴァイブ!》

 

二枚のカードをスキャンするとカードに描かれた打鉄とラファール・リヴァイブが出現する。

 

「二つの力、今こそ一つに!」

 

《フュージョンライド!》

 

ストラトスキャナーのトリガーを押すと二機のISが粒子となり航の全身を覆い、特撮ヒーローを彷彿とさせる緑と灰色の姿になった。それと同時に銀色だったストラトスキャナーの色が緑と灰色の二色に変わる。

 

《ライド・オン・ストラトス!アインゲイル!》

 

「お、男がISを装着した…?」

 

またしても女は驚きの声をあげる。

 

「さぁ!いくぜ!はぁっ!」

 

ISを纏った航は地面を蹴り拳を喰らわそうとしたが。

 

「うわっ!ぶへっ!」

 

何故か20メートルほど飛び上がってしまい地面に顔をぶつけた。

 

「いてて…。なんだこれ?体がビックリするぐらい軽いぞ?」

 

《それはそうですよ。だってあなたの体は今この"ストラトス"の力で強化されていますから。》

 

「スキャナーが喋った!?ってその声…。」

 

スキャナーから声が聞こえて思わず驚きの声をあげたが、それは先ほどの航があの神秘的な空間で聴いた声だった。

 

《はい。私はこの機体のAIであり、あなたのパートナーでもあります。今は初戦ですし私がサポートします。》

 

「そっか。頼むぜステラ!」

 

《ステラ?》

 

「そう!お前の名前。気に入った?」

 

《…ええ。これからはステラが私の名前です。》

 

「何をごちゃごちゃ言ってるのよ!」

 

女はこの光景にイラつき銃を撃つが。

 

「無駄無駄!」

 

「がっ!」

 

先ほどとは違い弾丸を全て避け、右肩に拳を喰らわせた。

 

《このISはスキャンした機体の武器を使うことも出来ます。》

 

「わかった!こい、葵!」

 

航は自分がスキャンした打鉄の刀型近接ブレード《葵》を展開させ斬りかかるが、女は持っていた銃で接近する航を撃つ。しかし航は強化された動体視力で弾丸を全て切り、一撃、二撃と攻撃を喰らわせる。

 

「こんなの…ありえない!男に負けるなんて!」

 

「へっ!せいぜい刑務所で喚いてな!トドメだ!」

 

《フィニッシュ!》

 

ストラトスキャナーのトリガーを再び押すと電子音声が鳴り響き葵の刀身が緑色に発光する。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

《アインゲイル・インパクト!》

 

そしてトリガーをもう一度押し、葵をそのまま降り下ろして、女のISのSEを0にした。ISを解除された女は必殺技の威力が強すぎたのかそのまま気絶した。

 

「ふぅ…。なんとか…倒せ…た…。」

 

しかし航は傷のせいで出血があり、そのまま地面に倒れた。

 

「ふーん。君面白いね。」

 

「誰…だ…?」

 

消え行く意識の中航が目にしたのは、紫色の髪をした不思議の国のアリスだった。



※この小説はログインせずに感想を書き込むことが可能です。ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に
感想を投稿する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。