「う、ううん…。」
航が目を覚ますと知らない天井が目に入り、顔を横に向けると赤髪の少年と目があった。
「あ、おい、秋十。あの人目を覚ましたぞ。」
赤髪の少年がそう言うとドアが開き、黒髪に眼鏡をかけた少年が入ってきた。
「ホントか?悪いな弾。」
「別にいいって。俺とおまえの仲だし。」
「君たちが俺をここに?」
「あ、お水どうぞ。」
航が体を起こして少年たちの方を向くと水を差しだしてきたのでそれを飲み干す。
「はい。倒れていたあなたを見つけたので僕が運んできたんですよ。」
「で、俺の家にまでおぶってきたので少しだけ簡単な治療をしました。」
「そうか。それはありがとう。俺は五十嵐航だ。」
航が名刺を出すと少年たちは驚いたような顔をした。
「アリス社!?しかも五十嵐航って…。」
「どっかで見た顔だと思ったら超有名人じゃねーかよ!」
「え、俺ってそこまで有名なの?」
「「知らないんですか!?」」
航は少し顔を引きつらせ興奮する二人を落ち着かせる。
「まあ、俺が有名なのは置いて君たちの名前を教えてくれないか?」
少年たちは少し恥ずかしそうな顔し、先に赤髪の少年が自己紹介をした。
「じゃあ俺から。俺の名前は五反田弾です。」
「五反田君だね。(つまりここは弾の家か。となるとこっちの少年が御手洗君なのかな?もしかしたら織斑秋十の情報を聞けるかもしれない。)」
しかし航の考えはすぐに打ち砕かれた。
「僕は織斑秋十です。」
「…え?」
まさかの本人だった。
「どうかしましたか?」
「あ、いや。気にしないでくれ。それよりも近くに飲食店でもあるかな?実はお昼がまだで…。」
「じゃあうちで食べますか?飲食店してますし。」
「いや、他のお客様もいるのに申し訳ないよ。」
「今日店休みですから良いですよ。」
「そうなのか。ではお言葉に甘えさせてもらおう。」
その後航は五反田食堂で遅めの昼食を摂った。
「いや~。とても美味しかったよ。うちの社員の皆にも紹介しておくよ。」
「それはありがたいねぇ!ところで大企業の人がなんで倒れてたんだ?」
厨房からガハハと笑うのはこの店の店主の五反田厳さんだ。アニメで出てきたことがないからどんな人なのかと思ったらかなりいかつそうな人だった。
「えーっと、実は会社から帰るときに巨大な化け物に出くわしまして。その被害で倒れてたんだと思います。」
「巨大な化け物って言やぁニュースでやってたな。確かに怪獣とか言ってたっけ?」
「そうそう。黒い巨人と戦っていましたね。」
「いや、秋十。あの黒いの人って言えるか?見えなくはないけどあれも怪獣だろ。」
「そうかな?」
「どっちでも構わねぇよ。あんたが無事で良かったな。」
「はい。」
その後航は秋十たちとの会話を楽しんだ。気がついた頃にはもう日が傾いていて、航は帰る支度をした。
「色々とありがとうございました。でもお金払わなくて良いのですか?」
「怪我人がグチグチ言うな。また食べに来い。」
「はい。織斑君…じゃなかった。秋十君と弾君も本当にありがとう。またどこかで会ったら声をかけてくれ。」
「「はい!」」
航はバイクのカードをスキャンし、愛車を呼び出して帰った。家に着くと束が飛び出し航を押し倒す。
「ワタルン何処に行ってたの!?心配したんだよ!?」
「ごめん母さん。帰りにペルソナに出会してね。なんとか勝てたけど…。」
「もう!後でクーちゃんにもちゃんと謝るんだよ!心配してたよ!」
束は立ち上がり、いかにもご立腹のようにカチューシャに着いている機械のウサ耳がピーンとしていた。
「クロエか…。三時間ほど説教になるなこれ…。あ、ところで例のISに追加して欲しい武装があるんだけど間に合う?」
「どんなの?」
航がリストを見せると頭に?を浮かべる。
「別にこれくらいなら簡単だけどどうしたの?
指先を鋭利な爪にしたり、メイン武器を金棒に変更したり。」
「それは使ってからのお楽しみで。」
航はニヤリと口元に笑みを浮かべた。ちなみにクロエからは謝る前に開発の話をした罰で、グーパンチと説教を三時間、夕飯抜きを喰らったとさ。
次回!原作介入!
あと五反田たちの雰囲気あってるか心配!
間違っていたらコメントください!