ただ書いてるのが深夜なので、とても眠く、上手くかけてる自信が余りありません。
それでも良い方は読んでいってください。
英雄姫ギルちゃん【一】
最近ウルクの城の中にて一つの噂が流れていた。
『ギルガメッシュ王子とエルシュ王子、あの2人は兄弟でありながら禁断の恋仲になっている』といった噂だ。
当然城の中に住んでいるギルガメッシュにもその噂が耳に入ってくる。だが、その噂を聞いてもギルガメッシュは特に嫌な気持ちにはならなかった。
しかし、その噂を聞いた数時間後に彼は聞いてしまった。
エルシュと城の兵士の会話を。
『エルシュ様、一つお伺いしたいことが』
『ん?何?』
『エルシュ様とギルガメッシュ王子は大変仲がよろしいのですが……仲がよろしすぎて2人が禁断の恋仲になっているという噂が流れておりますが?』
『えっマジ?』
『はい、マジです』
『流石に弟に手を出すような性癖じゃないし、ギルくんもそんな事微塵も思ってないと思うぞ?』
弟を思っているからこそのこの言葉。ちょっぴり残念な気もするが、それが兄だ。
そう思ったギルガメッシュが引き返そうとしたその瞬間、その言葉がギルガメッシュの耳に飛び込んできた。
『まぁギルくんが女の子だったらもしかしたらそういうこともあったかも知れないな」
それを聞いてから約2時間、なぜ自分はこの様な姿で生まれてしまったのだろうと悩み続けていたのだ。
普段の悩み事だったら兄であるエルシュに解決法を聞くのだが、流石に今回のような件等は聞くわけにもいかない。
「はぁ、普通の女の子になれたらな………ん?女の子になれたら?」
ふと何かを思い出したように
ふと手を止めてゆっくりと引き抜くと、その手にはピンク色の液体が入ったビンがあった。
「(ゴクリ)これが………あれば…………」
ひとしきり見つめた後、何かの覚悟を決めたような顔をしたギルガメッシュはその液体を一気に飲み干した。
「う………あ…………!」
飲み干した瞬間、苦しそうに悶えるギルガメッシュ。
すると突然、ギルガメッシュの髪の毛が伸び始めた。
髪の毛はスルスルと伸び、最終的にはギルガメッシュの腰くらいまで伸びきる。その時、ギルガメッシュの体にはとある変化がもたらされていた……………。
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《エルシュside》
いやー、朝から驚くようなニュースが飛び込んできた。
なんでも城の人間はギルくんと俺が恋仲なのでは?と疑っているらしい。確かにギルくんは可愛いとは思うけど、流石に手を出そうとは思わない。
だって少し考えて欲しい。
俺は肉体年齢は7歳だが、精神年齢を数えると一体何歳になると思う?もうそろそろ三十路だよ?
そんなオッさんがギルくんみたいな美ショタに手を出してみろ………ただの犯罪者じゃねぇかよ。
あれ?でも俺って確か、魔猪討伐の時にギルくんのベットで一緒に寝てたよな…………。
あっあれはギルくんから誘ってきたし、セーフでしょ(震え声)!それに俺は至って普通の女の子が好きだし。
おっとそんな事を考えていたらギルくんの部屋に着いてしまった。実は今日、ギルくんと遊ぶ約束をしていたのだ。
「ギルくん、遊びに来たぜー」
………………………………………………
…………………………………
……………………返事がない。
おかしい、いつも部屋に引きこも………いやインドア派なギルくんが部屋から出るなんて事、そうそう無い筈だ。
………少し心配だし中を覗いてみるか。
「ギルくん、中に入るぞー?」
返事がないのを確認してからゆっくりと扉を開ける。
そして数秒後、すぐに扉を閉める。
一度部屋が間違いではないかと周りを確認する。
…………うん、ここはギルくんの部屋で間違いない。
一度目をこすり、もう一度扉を開く。
中は相も変わらず少し物寂しさが否めないが、床には王族に相応しいライオンの刺繍が施された赤い絨毯が敷かれている。
その絨毯の上にある………否、居ることを確認してもう一度扉をゆっくりと閉じる。
美少女がいた
比喩でも喩えでもない、美少女が居たのだ。
もう一度扉を開けて美少女を確認する。
中にいた美少女は少し困惑したような目でこちらを見ていた。
いや、流石に出たり入ったりを三度も繰り返している人を見て普通でいろという方が無理があるか。
その美少女をしっかりと確認してみると見間違いでもなんでもなく、とても可愛らしい少女だった。
まるで絹のように白く、シミひとつない綺麗な肌。
俺やギルくんと同じ金髪に赤い瞳。
黄金のような金色の髪。その一本一本が純金で出来ていると言われても信じてしまいそうになる程煌めいている。
そして瞳はルビーのように輝き、その瞳の中に俺の姿が映し出されている。
一言で言うなら、とても綺麗で可愛い。
まさに美少女という言葉が相応しく「お兄……ちゃん?」
「…………………ん?」
『お兄ちゃん』
何処からかそんな言葉が聞こえて来た。
俺のことをそう呼ぶのは俺の可愛い弟だけだ。
しかし、おかしい。
お兄ちゃんと聞こえたその時、目の前の美少女の口も一緒に動いていたような気がする。
ギルくんの部屋にお邪魔して、美少女の後ろにギルくんが隠れていないことを一度確認する。
やはり、居るわけがなかった。
ならばベットの下か?
誰もいない。
しかし何故か俺の写真が隠すように置かれていた。
ただ、見えたのは俺の顔だけで、それ以外の部分は見えなかった。というか見ようとしたら何故か背筋に寒気が走った。
というかなんでこの時代に写真があるんだよ。
ギルくんの財宝の一つを使ったのか?
一応、色々な部分も探してみた。
クローゼットの中?
いない。
タンス?
いない。
机の下?
いない。
部屋の何処にもギルくんはいなかった。
いや、一つだけまだ確認していない所………というか人がいる。あの美少女だ。
念の為…………そう、あくまで念の為くらいで聞いておこう。
「君は…………まさかとは思うが、ギルくん?」
そう聞かれた美少女は、花が咲くように笑顔になる。
「お兄ちゃん………!やっぱりお兄ちゃんは僕がどんな姿になっても、僕が僕だって分かってくれるんだね……!」
感動したような顔になる美少女。
まさかのまさか、ビンゴでしたってことか……。
えっマジ?マジでギルくんなの!?
可愛すぎない!?
いやでも、言われてみたら髪や目の色が一緒だし、顔もギルくんの面影がある。
ギルくん、宝具を使えるだけでなく女体化までしてくるとは……あっ頭痛くなって来た。
ふとギルくん………ギルちゃん?の座っている場所の隣に瓶が転がっているのが見えた。
多分あれが女体化の薬なのだろう。
…………そういえば、さっきから全然立ち上がろうとしないなギルちゃん。
もしかして
「ギルくん…………ギルちゃん?
さっきから立とうとしないけど、もしかして立てないの?」
「うん、実はさっきから立とうとしてるんだけど、どうしても立ち上がれないんだ。………ギルちゃん?」
首をかしげるギルちゃんはとても可愛らしいな。
しかし、何故立てないんだ?
薬の効果?女の子になったせいで、体の構造が変わったのか?
後で城の研究員にでも調べてもらうか。
瓶を拾い上げそんな事を考えていると、突然ギルちゃんが首に手を回して来た。
抱き付かれているような体制になっているため、ギルちゃんの息が俺の唇に当たってくる。
俺が少し前に顔を出すだけでキスしてしまうほど距離が近い。
「お兄ちゃん………今の僕をみて………どう思う?///」
「とても可愛いです」
「そ、そう?……えへへ///………ありがとう///
僕、あんまり可愛いって言われても嬉しくないけど………お兄ちゃんに可愛いって言われたらすっごく嬉しく感じる///」
おっと脊髄反射で返してしまった。
俺に可愛いと言われたギルちゃんはとても嬉しそうに少し強めに力強く抱きしめてくる。
しかし、下半身に力が入らないためか、こちらに倒れかかって来るように体を預けてくる。
ふむ……………
「意外と柔らかいな」
「どうしたのお兄ちゃん?」
「何でもない」
さて、これから城の研究員に薬品の研究とか、ギルちゃんを元に戻す………必要あるのかな?まぁ一応からもやる事に加えておくか。
それと何より、あの父に見つかるのが一番やばい。
政略結婚とか何とかで、自分と対立している奴の息子とギルちゃんを結婚させようとするに決まっている。
まぁ最も?そんな事しようとした瞬間に半殺しにするし、ギルちゃんを嫁にしようと近づいて来た男どもは去勢の刑に処すがな。
「えへへー、お兄ちゃんを独り占めー///」
…………やっぱり今はいいや。
とりあえず今はこの幸せを堪能させてもらうとするか。
また、なんかあるような気がするな。