調子に乗って続き…的なものを書きました。
最後にイメージ画を置いておきます。
「おっしゃ、時間がねえ。すぐフュージョンに取り掛かっぞ。」
そういう悟空を見て、その後悟空の目の前に立つ二人、悟天とトランクスを見る。
自分が兄と慕っているトランクスは、悟空を何処と無く…胡散臭いとでも言うように見詰めていた。
「やるけどさあ…その、フュージョンってほんとに凄いの?」
「ん?やってみりゃあ分かるさ。」
そういうと、その後小さい声でトランクスがなにやらブツブツと言っていた。文句を言っているようにも見える。
「名前強そうだから凄いんでねぇかな…」
「あー…いや、名前だけってのもあるだろ?」
自分が言った言葉に気でも抜けたのか、トランクスに少しズッコケられながらそう言われた。
無意識に人差し指を口元に当てながら、自分は参加出来ない寂しさでそっと悟空に近寄って、足に抱き着いた。
「ん?ああ…悟白。兄ちゃん達の修行見たいんか?」
「…んー」
時間が無いし、忙しい事も分かっているが、自分の欲には勝てずに返事を返さずにただ悟空の足にしがみつく。
「んー、困ったな……おし、んじゃあもしかしたらいつかおめぇも使う時が来るかも知んねぇからな。オメーもちょっと練習してみっか」
「!い、いいんけ?」
「端っこで練習するくれぇなら問題ねえさ。んじゃ、始めっぞ。」
頭を撫でられながらそう言われ、嬉しくなってすぐに離れて、悟空の指示を待つ。
「さ、超サイヤ人になってみろ」
「分かったよ…」
そうトランクスが言うと同時に、2人が超サイヤ人になる。
それを見て、自分も久しぶりとなるが、ぐぐ、と力を込めて、「波ッ!!」と声を上げ、超サイヤ人になる。
自分は超サイヤ人にはならず、ずっと通常のままで修行をしていたので…今は悟天と同じ7歳で、修行を始めたのが3歳だから…約4年はなっていない。感覚が鈍ってないか心配だったが、心配はなさそうだった。
「お…悟白もなれんのか…」
「すげえ久しぶりになったから…ちょっと自信ねぇけんど…」
「大丈夫、ちゃんとなれてる。おし、んじゃあ次は最大まで気を上げんだ!」
「悟白もやっぱりなれたんだね!」
「ふーん…やっぱなれるもんだなあ…っとと、よーし…悟天、ビビらせてやろうぜ」
「うん!」
「「波ァーッ!!!」」
2人が気を高めているのを眺めていると、隣にいる悟空に頭をトントンと指で叩かれた。何だろうと見ると、
「オメェもやっていいぞ?」
と言われたので、
「ここは邪魔しちゃ行けねぇとこかと思って…」
と答えた。
「大丈夫、一緒にやっていいぞ。」
「そ、そうか…?じゃ、じゃあ…」
なんとなく緊張して、かるく深呼吸をする。
「よ、よし………波ァァッ!!」
強く強く、力を込める。
最初は緊張で気が散り、兄達の気を感じたりしていたが、だんだん調子が戻っていき、周りが気にならなくなってきて、もっともっと、気を高める。
次第に、もう無理だという所まできて、最後にめいいっぱい絞り出し、それをキープすることに心掛ける。
「…おし、悟白もそこが限界だな?」
「へ、あ、は、はい」
「…やるなあ悟白…兄ちゃん達よりもだいぶデケェぞ。」
「な!?」
驚いて目の前を見ると、ポカンとしてこちらを見ている兄達の姿。
「悟白…凄いねぇ…」
「お前、マジかよ…」
「あ、……」
顔がだんだん熱くなってきて、力のキープを忘れて、気が弱くなってしまう。
「はは、恥ずかしがり屋だなあ。小せぇ頃のチチそっくりだぜ」
「え、お母…?」
「ほっぺ真っ赤にしてよぉ、キャーキャー言ってたんだ。真っ赤になるとこ、まんまだぜ!」
指を指して笑う悟空に、また恥ずかしくなって、頭全部が熱くなった。両頬を両手で包んで、気がヘナヘナになってしまっているのも気にせず
「も、もうやめてけれぇ!お父、勘弁してけれぇ!」
と叫んだ。
「わ、そっくりそっくり!懐かしいなあ、ははは!」
「~!」
どうとも表せない感情に、堪らず目の前にいる悟天に抱き着いた。
「わ、もー悟白ー修行出来ないよお」
言葉は迷惑そうだが、悟天の表情や声色は嬉しそうにしている。
バレバレである。
「おい、孫。遊んでいる暇は無いはずだが」
ピッコロが掛けた言葉により、話の本筋が戻ってくる。
「おっとと…悪ぃ悪ぃ。悟白…」
「………」
悟天の腕の中からじとりと見詰めると悟空が申し訳なさそうに両手を合わせてごめんの格好をしている。
「…」
渋々離れて、悟空の隣に戻る。
ブスくれたまま、再び気を高める。
「おーし…悟天より、トランクスの方がちょっと気がでかいな。」
そう言われると、悟天の方を見てトランクスが得意げな顔をする。
「フュージョンをするには二人の気を同じにする必要がある。トランクス、悟天と気を同じにしろ。」
「え、お、同じに?」
「そうだ。やってみろ。」
「う、うーん…このくらいかな…」
トランクスが、悟天の気を見ながら自分の気を絞める。
「それは小さすぎだ、もう少し大きくしろ!」
「んー…」
トランクスが悪戦苦闘している間、自分も悟天の気に合わせようと奮闘する。
「もう少し!悟白、お前はもう少し小さく。」
「んだ…」
ほんの少し小さくすると、悟空から、
「それはちょっと小さくしすぎだ、あとちょっと大きく!トランクス、もう少し!」
「ふ、ぬぬぬ…」
「おし、トランクスも悟白もいいぞ!3人とも元に戻れ。」
そう言われて、すぐ元に戻る。
「…結構大変だ…」
「疲れるなあ…にしても…なんで俺が悟天に合わせなきゃなんないんだよ…」
「ごめんねトランクス君…」
目の前で繰り広げられる会話を、体育座りをして尻尾を悟空の足に巻き付けながら眺める。
「仕方ねぇだろ、フュージョンはそうしなきゃなんねぇんだ。それに、トランクスは悟天より歳上なんだろ?我慢しろ。弟の悟白は文句言わずにやったぞ」
「!」
それを聞いて、トランクスがぐ、と詰まったような顔をした。
その後やってきたブルマの一悶着があり、修行を再開しようとすると、バビディとかいうやつからのテレパシーがきて、西の都のC.C.へ行こうとしている事が伝えられた。
もう1度やってきたブルマと悟空が言葉を交わし、ドラゴンレーダーも消えてしまうとブルマが言ったことにより、悟空がトランクスをC.C.に向かわせた。
トランクスを見送った悟空が、悟天と自分に待つように言い、瞬間移動で行くのを見送る。
「お父とトラ兄、行っちまっただな…」
「うん…」
なんだか時間が勿体なく感じて、前にみたピッコロの瞑想を真似て浮き上がり、座禅を組んで気を集中させる。
「わ、それピッコロさんのやってたやつ!」
悟天は悟白を見、ピッコロもその姿を見ながら、心中で自分の一番弟子である悟飯を思い出していた。
(髪型や格好のせいもあるだろうが…あの頃の悟飯そっくりだな。
眠っている力はおそらく、悟飯と同等か…それ以上か以下か…)
瞑想をやめて2人で組手を始めたのを見ながら、悟飯の幼い頃の事を思い返して時間を潰した。
目をキラキラとさせた兄達が、戻ってきた悟空を尊敬の目で見ている。それを、尻尾の毛の絡まりを直しながら見ていた。
先程までの緩んだ雰囲気は消え去り、真面目に悟空の言うことを聞き、先生と読んでいる兄達。
気を同じにするところからやり直すらしく、自分はそれを眺める事にした。
稲妻が走る程強く気を高める2人を、眩しそうに眺めた。
「兄達、すんげぇだな…」
「はは、お前の気も凄かったじゃないか。」
「クリリンさん…」
後ろにいたクリリンが、自分の肩を叩きニコリと笑っていた。
「おらは…そんなに凄くねぇ。奥にある…なんか…キラキラしたもんが、おらはこんなに修行してるのに、ちっともだせねぇ。おら…何が足りねぇんかさっぱりわかんねぇんだ。」
「んー、なんだろうなあ…多分、セルと闘った時の悟飯と、今のお前は似てるんだろうなあ。」
「…え?」
「あ、セルってのはすんげえ悪いやつでさ…ま、それはいっか。悟飯の怒りのパワーってやつを引き出そうと、悟空やベジータ、俺、ヤムチャさん、天津飯さん、ピッコロに、未来から来たトランクス…みんなを痛め付けたんだ。悟飯は…怒る事をセルに強要されてな。
その時、あいつは…多分、『早くその力を出したい、そしてその力で倒したい』って思ってた。」
「…その時のその気持ちが、おらと似てる…?」
「ん。って言っても場面が全く違うけどな。
でも、早くその力を出したいってのは全く一緒だからな。きっと場面が違うだけで、同じなんだと思うんだ。
っと、全然違う話して悪かったな。なんか、お前見てると悟飯のこと、色々思い出しちまうなあ。あ、終わったみたいだぜ。」
頭を撫でられ、終わったと言われて見てみれば、そこには気を収める直前の二人の姿があった。
次は、フュージョンポーズを実演してくれるらしく、悟空が見ていろよと言っていた。
自分も覚えようと真剣に見つめる。
すると…悟空はなんとも珍妙なポーズをとった。
思わずぽかんと、ポーズを解除した悟空を見続けた。
「…どうしよう…凄いダサいぞ……」
「う、うん………」
流石の兄達もいくら尊敬の念を抱いても、これは受け入れられなかったらしい。
「あの格好…真似するんだか…?」
自分も…いくら悟空が大好きでも、少し理解が出来なかった。
ずっと兄たちの練習を見続けていると、すっかり覚えてしまって、腕の角度や腕を持っていくタイミングなどをはかったりしていると、兄達が突然フュージョンの練習をやめた。
どうしたのだろうかと見ていると、超サイヤ人3を間近で見たいと言い出した。思わず口を挟んでしまう。
「んなことしたら、お父が地球にいられなくなっちまうだ!時間がただでさえねぇだぞ…!それに、お父のエネルギーが…!」
「そうだぞ、孫!やめておけ!」
自分に続いてピッコロもそう言うが、悟空は、
「大丈夫だ。大丈夫…」
と、それだけ返してやろうとしている。
兄達は、ただただわくわくとした表情で悟空を見ている。
…どうして?
「兄達…なして…?なして、それでもみたいだか…?」
「え、だって……結局もうすぐ行っちゃうなら、今の内に見たいなって…」
トランクスが、そう答えた。
「おらやだ!そんなん見るくれぇなら残り少ない時間ずっといてぇ!」
「で、でもさあ…」
どちらも、子供のわがまま。
真っ赤になって半泣きになりながらそういう一番小さい弟分に、たじたじになりながら、少し勢いが消えたようだが反論しようともごもごと口を動かすトランクス。
「だ、だ、だって…それやったら、お父ともう会えねえべ…?おらたち、二度と会えねえんだ…そんななら、おらっ…おら、」
「悟白」
「!!」
今すぐにでも爆発しそうな感情に、服を握り締めると同時に、悟空から名を呼ばれた。
「おとぉ……」
「大丈夫」
「え、」
「ぜってぇ、また会える。」
確証もないのに確信したように放たれたその一言に、ぽかんとしながら鼻をすする。
「はは、泣くな泣くな悟白ー」
「うぅ…」
愚図りながら悟空に近づいて行くと、そのまま抱きとめられる。
「よーしよし…」
犬を撫でるように言いながら両手で包むように撫でられる。
頬を弄られて言葉にならない声が口から出る。
「あわぅ…、」
「ははは、変な顔になってら」
「ひひぇるの、おほ…」
してるのはお父だ、と言いたかったが全く言えなかった。
「……な、悟白。」
「?」
「おらはな、フュージョンでしか、ブウを倒すのはぜってぇ無理だと思ってる。だから、あいつらにはぜってえにフュージョンを完成してもらわねぇとなんねえんだ。」
「……」
「その為なら、超サイヤ人3みせるなんてかりぃもんだ。」
「で、でも見せるだけでもお父はっ」
「結局、どっちにしろもうすぐいかなきゃなんねえんだ。」
「ぅ、」
「ああっ、泣くな泣くな…!」
心の中で葛藤が続く。
さっきもトランクスに似たようなことを言われたが、本人に、こうも真剣に真っ直ぐに言われるのとはわけが違う。
だが、トランクスと本人の悟空に同じ事を言われたことで、そんな事は無い、という嘘であってほしいと思う心が砕かれた。
もう一緒にいられる時間なんてたった数分しかないのだ。
そして、いまから行うことで、それが一瞬で、なくなる。
でも、結局ほとんど一緒。
どっちをとっても、変わらない。
どれだけ悩んでも、一緒。
「お…あ……、ぅうう…、」
「ご、悟白ぅー…」
今にも泣き出しそうな自分に本当に困ったように悟空が眉を下げる。
「な、泣くなってぇ…ご、悟白…な、ぜってぇ会えるから!な?悟白、だからさあ…泣かないでくれって、なあ…」
服をキツく握り締めて、目をぎゅっと瞑りポロポロと静かに涙を流し始めてしまった自分に、悟空がおろおろとしだす。
「あ、あー…あー、うーん………」
「お父さん、お父さん…」
「ご、悟天?」
「あのね…」
悟天がなにやらひそひそと言うと、悟空が小さな声で「え、それでいいんか?」と言ったのが聞こえた。
しばらくすると、自分の身体を暖かい体温が包む。
「おと、?」
「ごめんな…悟白…」
「…、」
「ゆっくりも出来なかったし…」
「…」
鼻をすすり、
「仕方、ねぇ…だ、て…こんなこと、なっちまった。
…また、会えるだな?」
と小さく呟いた。
「ああ、勿論だ。」
悟空が力強く頷いたのをみて、目を乱暴に拭って、「じゃあ、もう、いいだ…」と答えた。
「そっか、…ごめんな。」
悟空が抱き締めたまま1度頭をぐしゃりと撫でて、自分を離して立ち上がった。
「さ、悟天と一緒にトランクスんとこまで離れてくれ。」
悟空の近くに寄ってきていた悟天の腕にしがみついて、移動する。
そしてトランクスの横に来て、トランクスの腕にもしがみついて、目の前の悟空を見た。
その時にトランクスが「暑苦しいって…」と言われたが、そこまで嫌そうにしなかった事で、特にそう思っていないことが分かった。
悟空はその光景を見て、漠然と仲が良いんだなぁ、と笑った。
悟空の気に吹き飛ばされ、収まった頃に捕まっていた柱から手を離して悟空を見ると、超サイヤ人3になった悟空の姿。
髪が伸びていて、眉も消えていた。
黄金の輝きに目を奪われていると、兄達が「すっげえ!」「すごいすごい!」と駆け寄っていた。
直後に悟空がバランスを崩して片膝を着いた。
「お父!」
「孫!」
「大丈夫、大丈夫だ……」
そう言って、悟空は通常の状態に戻った。
フュージョンの練習を真面目にする事を確認し、占いババが時間だと伝えに来るのはあっという間の出来事であった。
酷い絶望感に、青い顔をして地面を見た。
悟空が、帰る時が来た。皆と別れの挨拶を済ませている悟空は、なんとも普通で、また明日な、とでも言いそうなものであった。
じゃあな、と言って行こうとする悟空を、悟天が言葉でない声を漏らして引き止めていた、
「?」
「あ…」
「あ、分かった…悟天、おめぇ悟空さにだっこして欲しいんだな?」
「え?ああ!そんなことか!そんな事なら言えばいいのにー!」
悟空は悟天に近寄って、脇に手を差し込んで抱っこをしていた。
悟天は、震えて、泣いているのだろうか。
抱き寄せられた瞬間悟空の腕の中で丸まってしまった。
「悟天、母さんと悟白の事、頼んだぞ?」
「ん……うん……、」
「せっかくだ、悟白も抱っこしてもらえ?」
「え」
「ん?悟白もか?ほれ、来い!」
悟天をおろして、自分に目を向けて手を広げる悟空。
思わず、たじろく。
「?」
「ほれ悟空、ほんとに時間じゃぞ」
「あ、あー。待ってくれ占いババ。…しゃあねえ。」
「!!」
悟空が歩いてきたかと思ったら、自分も悟天と同じ様に抱き上げられた。
驚いていると、そのまま同じく抱き寄せられる。
「おめえも…もしものとき。もし、悟天が動けなくなったら。母さんの事。それに、みんなの事…頼んだぞ?」
「……!……は…はい!頑張ります…!」
「!……へへ、いい子だ。」
最後に強く悟空に抱き締められ、それからおろされた。
「おし、いいぜ、占いババ。」
「よし、ではゆくぞ。」
みんなが、別れを告げながら大きく手を振る。
自分は嗚咽で何を言っているかわからないから、何も言わずに手を振る。
悟空は消える最後、「死んだらまた会おうぜ」、となんとも縁起の悪い事を叫んだ。
クリリンは、泣き笑いながら、「あいつ、最後に縁起の悪い事言いやがって…」と呟いた。
あの世に帰った後、悟飯が生きている事による嬉しさで飛び回っている時、悟空は悟白を思い出し、
「悟白のやつ、大抵あんな調子だけどやれる時はやれるって思うけどなあ…、……大丈夫かなぁ」
と呟いたのであった。