コーヒー豆をゴリゴリと削る悟空を眺める。
あの後、実は界王神様が助けてくれたのだ。
…まあ、途中で悟空を落としてしまったが。
なにやら自分達に修行をつけてくれるらしく、界王神界にいるわけだが。
まあ、眺めているということは自分は修行をしていないわけだが。
なんでか聞くと、ちらりと自分の尻尾を見て、クリアしているからだと言われた。
何のことかさっぱりだが、とにかく精神統一をして待つ事にした。
なんと、パンが無事だったらしい。
いや、正確には乗っ取られていたがブウが自分の体をちぎってそれをパンの体内に侵入させて卵を除去したらしい。
そのパンが、何故かブウとミスターサタンと共に新しい星に侵入していて…殺されかけている。
それを見て、悟空が老界王神に行かせてくれと言って…修行は中止になった。
そして手短に説明されたのは、悟空の尻尾を生やすためにやった修行だったという事。
だからクリアしている自分はやらなくて良かったらしい。
それによって自分達に眠る真の力を出すことが出来るらしかった。
悟空の尾てい骨あたりを叩いた老界王神は、頷いてすぐ時間が無いから生えかけの尻尾を引っ張り出す。と言った。
だから、その間に行ってくれと言われた。
…が、思わぬ助っ人が入ったことにより行かずに尻尾を引っ張り出す側になることになった。
ウーブがいたのだ。
嬉しく思いながらも、一刻を争うので引っ張り出すことに集中する事にした。
ウーブがやられた。
そしてベビーは、ブルマと共に飛び去って行ってしまった。
慌てた様に老界王神に、引き抜くのをやめて、行け、と言われた。
言葉を返す前に界王神に新しい星に送られた。
界王神を振り返ると、既にいなくなっていた。
「………お父は知らねえがおらはずっと昔から生やしてんだけどなあ…って言いたかったのに……」
何をしたらいいかわからないが、とにかく自分は真の力を信じて挑むしかない。
頬を叩いて気合を入れ直し、ベビーの元へ向かった。
戦っていると、復活出来たらしいウーブがやって来た。
戦っている自分の姿に嬉しそうに笑ってくれた。
…が、それよりも、何やら先程よりパワーが上がっているウーブに不思議に思ってベビーから距離をとって聞いてみた。
なんと、ブウと合体して強くなったらしい。おどろいたが、元は一つだったと思い直せば不思議ではなかった。
ボロボロになっている自分を見て、ウーブが
「悟白さんは少し休んで下さい。後は俺がやって見せます。」
と言ったので…というより有無を言わさずと言った感じであったので下がって見ることになった。
戦い始めた両者を見る。
それから、自分の手のひらを見る。
……特に、変化が見られない。
何が悪いかもわからない。
だって、いつも通りに戦っただけだから。
不思議だった。今も界王神界で尻尾と奮闘しているだろうみんなの事を思い浮かべながらも、心配でならないのだ。
だって、自分と同じできっと尻尾が生えるだけで特に何も起こらないだろうから。
でも、老界王神の目は嘘を言っていなかった。
だから、真の力を出す方法がないか、記憶を探った。
思い出せたことといえば、母に昔からずっと言われてきた言葉だ。
『ええか?尻尾抜かねぇでそのままにしとくのはいいが、絶対にこれは守るだぞ?』
___満月を見るな。
何のことかさっぱりわからないが、ずっと守ってきたのだ。満月の日は絶対外は見ずに部屋のカーテンも夕方前には閉めてすぐに寝ていた。
…サイヤ人は尻尾が生える。という事は、昔から悟空と一緒にいただろうチチは、もしかして満月を見た時に何かあったのだろうか。
…もしや、その時真の力に関係するような出来事があったのでは?
……言いつけを破ってしまうが、みんなを救えるのなら儲けものだろうと思って空に白銀の星を探す。
……見つかったのは地球だけ。
よく、探す。
……やはり地球だけ。
…そうだ、そう言えば今は昼ではないか?
どうしよう、これじゃあ思いついた可能性を試せない…!!
撃ち合いを始めたウーブが押され始めたのをみて急いでウーブの隣に行き、かめはめ波で参戦した。
「悟白さ、…!」
「集中すんだ…!!押し負けっぞ!!!」
「は、はい!!」
超サイヤ人になってパワーを上げる。
だが、こちらが巻き返せたのはほんの僅か。
2になって更に上げる。
だが、あちらもパワーを上げて巻き返しの分以上に押され始めた。
「ぐ、くっ……!!!波ああああああ!!!!」
超サイヤ人3になってパワーを上げたのに、変わらない。
何故だ、何故…!
じわじわと迫り来る光線に、ウーブだけでも逃がそうとそちらを見ると、ウーブもこちらを見ていた。
「!」
「ご、悟白さん…!!助けに入ってもらったのにすみません、申し訳ないけど…!!」
「!?」
ウーブに強く押され、気弾の範囲外に出されてしまった。
「ウーブ!!!!!」
ウーブが、チョコにされた。
それを嘆く間もなく自分はベビーに首を締めあげられた。
「ぐ、あ…!」
「ようやくお前のサイヤパワーとボディを頂く時が来たようだな…」
そう言って、決定的な切り傷が無かったらしく、首筋に爪でざくりと刺され、肉を抉られて傷を付けられた。
「ゔ、うぅっ…!!」
上に上げられ、目の前に見えるのは地球。
ベビーであろう気持ちの悪い銀色の液体が、ベビーの腕を伝ってゆっくりとこちらへ迫ってくるのが視界の端に見える。
自分では絶対に敵わないと確信してしまっている。
だから、地球を悔し涙を流しながら見つめる。
色んな思い出が詰まるあの星。
母、悟飯、悟天、自分で過ごした日々。
そして、1日だけ悟空が戻ってきた時から始まった魔人ブウの件。
そこからの自分1人の旅が始まった10年の日々。
戻ってきて、すぐ悟空とウーブの島へ旅立ったあとの5年の日々。
……沢山の出来事。沢山の思い出。
大切なこの思い出を、目の前のやつに、めちゃくちゃに。
拳を強く握り締めた。
みんなを守る…みんなを取り返せる程の真の力。
自分に眠っているなら、早く姿を見せてみろ。
久しぶりに奥底に感じた一段と大きく光るキラキラした物。
感じて、そちらの方へ手を伸ばした。
地球が、滲む。
涙が流れて、ベビーの手に落ちた。
ドクリ。
自分の体が、大きな心臓の音と共に、跳ねる。
ベビーの手がいつの間にか剥がれていた。
同時に、落ちていく自分。
だが、ずっと跳ね続ける体。
目の前が、赤く染まる。
……なんだ?これは、一体…??
ちらりと体を見れば、肥大化し、体毛が生えていっている。
そして、それは収まらず…服を破いた。
顔が、何やら変化しているように思う。
??何なんだ?これは一体…?
どしゃり、と地面についた瞬間、一気に体が変化し出したのを感じた。
「ぅ、…ぉ、あ、あああ、あぁぁぁぁああぁぁぁああああああああああああぁぁぁぁああああぁぁぁあああ!!!!!!!!!!」
___________
「そうらみろ!!変化が始まったぞい!!」
悟白のピンチで急いで向かおうとした時、老界王神がそう叫んだ。
なんだなんだと走りよってみれば、悟白が金色の毛に包まれ、大きくなって行っていた。
「こりゃっ……大猿じゃねぇかよ!!あれ、でもなんか…ちげえ?
毛が金色だ…??」
「なんでもいいわい!悟空!お前も便乗してこい!」
「え??お、おう!」
何が何だか分からないが、とにかく尻尾生やすっていう老界王神の言うことは間違いではなさそうだということは確かだ。
「おっしゃ、オラも行くぞ!」
「はい!」
大猿になってからどうするか。気を確かに持てるのか。
そんな事は別にいい、とにかくやって見ればわかる!
そう考えて、界王神にあの星に送ってもらった。
________
知らない自分の変化に、猿のような自分の手を見る。
何だ、これ。
「貴様…!地球を月の代わりにしたのか…!」
「は…?」
重低音と響く自分の声に驚きながらもベビーを見た。
…小さい?
身体中を見回した。
金色の毛に全身が覆われている…それで猿のような足。
…とにかく、これか真の力かは知らないが、やるっきゃないだろう。
やって来た悟空に言われたことによると、何やらこれは大猿というらしく、これになると力が10倍に跳ね上がるらしい。
悟空も、なると言って遠くへ行ってしまっているが、自分は余りすごいと思えない。
何か…違う。
ベビーは今何処かに隠れている。
だから、考える暇はいくらでもある。
「…何か、違う」
「悟白さん!!」
「え?」
肩あたりに現れた界王神を見る。
「腕を振るうだけではダメです!」
「で、でもどうしたら…」
「いつも通り、気をコントロールして下さい!それで、あなたは超サイヤ人4になれます!!」
「す、超サイヤ人4??」
初めて聞いたその名前に首を傾げる。
「とにかく、1度コントロールしてみて下さい!では!」
「え?」
質問をする前に界王神が帰ってしまった。
仕方ないので、ベビーも出てこない事だし、目を瞑り気に集中する。
……すると、何か、体の中で変化が起きたように感じた。
体が、なにやら急速に変わっていく。
気をコントロールすることに集中したまま、変化に身を委ねる。
なんとも形容し難い変化が、身体に起き始めた。
地に足をしっかりと付け、目を開けた時に見たのは、元の自分の体だった。
だが、少し違った。赤みがかった体毛に腹筋と胸部、手以外が覆われ、下はしっかり履いていた。
髪も…背まで伸びているようだ。
「へえ…?」
自分の口から漏れた声は、いつもより理性的で、低く…例えるなら大人の悟空と似ている。いや、悟飯か?…まあ、どちらでもいいか。
おそらく、悟空は今頃大猿になった頃だろうか。
向かってみると、なんと悟空らしくない行動ばかりをする金色の大猿が岩山を渡り、登っていた。
そして、その後ろからなにか小さな影がついて行っている。
…あれは…パン?
目で追っていくと、悟空は一番高いところに上り、そこで地球に向かって手を伸ばしている。
悟空らしくない…まさか意識を大猿に持っていかれている?
大変だと思ってベビーの件を一度置き、悟空の元へ向かった。
向かっている間、パンが悟空の前に行って何やら説得しているようだ。
悟空達のはるか上空で止まり聞いていると、昔の思い出を話して気が付かせようとしているようだ。
悟空の事は任せておこうかと飛び去ろうとしたが、パンが悟空に弾かれてしまい、まずいと思って瞬時に降下し、投げ出されたパンを抱きとめて立たせてやった。
「大丈夫か、パン」
「ぅ…え、え???」
ギュッと目を瞑っていたパンが痛みが来ないのを不思議に思ってゆっくり目を開けた。そんなパンに言った。
「声を掛け続ければ多分、きっと父さんはこの姿…超サイヤ人4になれる筈。どうか頑張ってそれを続けてくれ。俺はベビーの所へ行く。…頼んだよ」
「ま、待って!!あなたはもしかして悟白お兄ちゃんなの!?ねえ!」
後ろの言葉には後で答えてやればいいだろうと答えずに飛び去った。
力を試す為ゆっくりとベビーを痛め付けてベビーと自分の差を理解した所で、後方で気が発されたのに気付いた。
悟空が覚醒したようだ。
やっぱり。悟空なら絶対になれると思ったのだ。
そろそろベビーで遊ぶのはやめることにする。
殴りかかってきていたベビーの手を鷲掴んだ。
「…いける、とでも思っていたのか?」
「な、」
「互角に見えていたんだろうが…明らかに俺とお前だけでも大層な差があるぞ。」
「…は、ははは。強がるのはよしたらどうだ!?」
分からないのか、声を上げるベビー。
「じゃあ、半分の半分、力を出してやろうか。」
そう言って、ベビーの後ろへ移動する。
やつが気付いて後ろを向いた瞬間、4分の1くらいの力でベビーを地面へ脳天割りで叩き落とした。
同時に到着する悟空。
「よぉ…先越されちまったみたいだな」
隣に来た悟空を見ると、自分とは少し違う毛の色をしていた。
瞳は金色らしい。
「あいつ、父さんと戦いたいみたいだけど。」
「ああ…俺も丁度自分の力を試したいと思っていたところだったんだ。悟白、代わってくれ」
「勿論。」
言葉を交わし、後ろの方へとさがった。
「ああ、そうだ。父さん一人でやったりしないでほしいんだ。
俺だって…あいつは許せないから」
「ああ、分かってるさ。」
それだけいって、会話は途切れる。
すると、頭から血を流したベビーが上に上がってきた。
自分を見ていたが目の前に悟空が立っていたことですぐに標的が変わった。
自分達とベビーでは天と地の差がありすぎる。
勿論、自分達が天だ。圧倒的に余裕なのだ。
だから心配だってしていない。
心配するとしたら、悟空1人でやってしまうのではないかという事くらいだ。
ベビーに一方的に殴られてやっている悟空を見ながら、自分の出番を待つ事にしたのだった。
悟白が一番乗りに超サイヤ人4に覚醒!
見た目はこうなっております
【挿絵表示】
序盤のパンの流れですがブウなら出来そうという事でやってもらいました。魔人ブウはベジットとかの身体の中に入って内側から爆散させようとしてたので…出来ると思いました…はい。
あっさりなれた理由ですが、1人くらいは苦労無しになれちゃってもいいと思いました。
悟空…理性が無くパンにより理性を取り戻して覚醒
ベジータ…ベビーに乗っ取られながらも何だかんだあって覚醒
(悟白…最初から理性を持っていて、気のコントロールをするだけであっさり覚醒)
こんな感じで公式超サイヤ人4陣は苦労してるので、
これをZで超サイヤ人に苦労してなったのに、悟天トランクスが苦労せず超サイヤ人になれたのと当てはめてみてみて同じ感じになってます。多分。
(多分次回ちょっと時間飛びます)
閲覧ありがとうございました!