悟空宅にブルマ、ブラがやって来て一緒にチチの料理を食べていた。
パンはブラに、如何に悟白お兄ちゃんがかっこいいか論をかたっていた。
…恥ずかしいので目の前ではちょっとやめて欲しい…
チチの料理が美味しいと言っているのを聴いていると何だか嬉しくなる。
だが、料理の名前を聞いた途端うげ、と言いたそうな顔になっていた。
ムカデウナギとかナナイロイボガエルとか聴いてそうなったが何が悪いかよくわからないが、とりあえず自分は一番好きな毒ヤマウミウシ炒めを食べる事にした。毒はチチの長年の料理の腕で完璧に抜かれているので安心だ。
遅かったトランクスがやっと来たかと迎えるとボロボロになってやってきた。
倒れかかって来たのでとにかく支えたが、どうやら気を失ってしまったらしい。
運ぼうとすると、パンが外を見て不思議そうに呟いた。
「な、なんなの、あれ…」
何かと思って見ると、空に大穴が開いていた。
奥からは邪悪な気が感じられた。
悟空が何やら1人で話し始めたが、界王様と話しているらしかった。
「なんかよ、この世とあの世がくっついちまったんだってよ。
それがあの大穴らしいぞ。」
「…となると…この邪悪な気は地獄にいるやつらのものですね」
「そうなるな」
「…と、とにかくトラ兄さを運ぶべ」
と、自分が話を一度区切っておわらせた。
今は怪我人に意識を集中させるのが良いだろう。
起きたトランクスが説明するには、会社の車で悟空宅に向かっていると突然目の前に現れた17号が自分を攻撃し、そして上の穴が地獄に繋がっていて、そして悟空に伝えろ、とこう言ったらしい。
「もし、俺達と戦う勇気があるのなら一人で地獄へ来い。
…だそうです」
「地獄に来い、かあ…ふーん?」
「…罠な気がすっけどなあ、おら」
「お父さん、ちょっとテレビ見てください!」
悟空が悟飯に呼ばれて向かったので、自分達もテレビを見ようとリビングに向かった。
テレビに映るのは、大穴からわらわらと出てくる敵、敵、敵。
見たことの無い敵たちから、見た事がある敵まで今まで倒した敵が出てきていた。
「やつら、本気なんだ…」
「うーん、こうあちこちで暴れられたんじゃふせぎようがねぇなあ」
「これでセルやフリーザまで生き返っちゃったら…一体どうなっちゃうのよ…!」
焦るブルマに、悟空は
「へっ、奴らの狙いはオラなんだろ?
行ってやっぞ!地獄でも何処でもよ!」
と返した。
「ちょっとアンタ!気軽に言うけどねえ…!」
「面白ぇじゃねえか!セルやフリーザがどのくらい強くなったか相手してやんのもよ!」
そう言って立ち上がった悟空。
…ま、そう言うと思ったが。
そして拳を手のひらに勢いよく当てて
「なんかオラ…」
「ワクワクしてきたぞ、だべ?」
言うべきセリフをチチに言われ、パンは面白そうだと言って立ち上がった。
「はぁーあ…アンタ達にはついていけないわ…」
と、呆れながらも笑ってブルマがそういった。
「セルっちゅうのは結構名前聞いてたから戦って見たかったけど下にいっかなあ」
「分かんねえけどそのうち鉢合わせんじゃねえか?」
「んだな、じゃあおらも外出るべ。フリーザも戦ってみてえなあ」
「駄目だ!オラが戦うんだ!全部持ってくのはずりぃぞ!」
「わかってるわかってる。お父、気ぃ付けるだぞ」
「そうだべ悟空さ、絶対無事に帰ってくるだぞ?」
「おう!」
悟空が地獄に向かったのを見送って、トランクスと自分、そしてパンは各地に散った。
トランクスの気を探ってみると、どうやら悟天がいたらしくそこへ向かっているらしい。
パンは…ミスターサタンか。
自分は…そうだな、特に行くあてもないので先ほどテレビに映っていたピンクのイガイガのいる所へ行くか。
至る所で孫悟空、孫悟空、と叫ばれ襲いかかられ1発で返り討ちにしているわけだが、一番気になることを残った一人に聞いた。
「おらそんなお父に似てるけ?」
「何!?父親…?貴様孫悟空の息子か!?」
「んだ」
「ちっ…こうなったら血筋だけでもおご!?」
「残念だがおめえとおらじゃだいぶ差がある…さよならだ」
大穴が、閉じた。
罠だと思っていたのが当たったらしい。
「お父…!」
悟空が、地獄から出られなくなった。
突然の事に感情が追い付いてこないが…とにかく自分に出来るのは悟空の代わりにみんなを守る事だけだ。
何が何でも敵を倒して、守る。
サイヤ人なのだろう長髪の男が気弾を放ったので弾き飛ばしてやると、なにやら驚いたようにカカロット、と呼ばれた。
「かかろ…いや、そんな名前じゃねぇ」
「貴様…!良くも兄を殺しやがったな…!」
「いや、おらにそんな長髪の兄はいねえぞ」
「何度も言ったが、俺はお前の兄貴なんだ!それをナメック星人と協力して殺しやがって…!」
「…そりゃあいつのはなしだ?」
「…エイジ761」
エイジ761…?たしかその頃は悟飯が4歳くらいの頃ではなかっただろうか?
「…なるほどな。誰だか知らねぇがそこからおめぇの時間は止まってるわけだべ。」
「ラディッツだ!兄の名前くらい覚えろ!」
気はさほど大きくない。
地球人の戦士のみんなで充分なくらいだ。
それに、兄の癖に人を見分けられないらしい。
「残念だがおらは孫悟空じゃねえ。息子の孫悟白だ!じゃあなおじさん!」
噴射型の気弾を放っておじさんを吹き飛ばした。
あたりの敵は全て片付いた様だったので、今1番向かうべき場所を探す。
ベジータの所には…Dr.ミューと…あと2つの気がある。
悟飯は…リルドと。だがその近くに悟天、トランクス、パン、ミスターサタン、ウーブがいるようだったので近々解決するだろうと思ったので、ベジータのところへ行くことにした。
一度離れて対峙していたらしかったのでベジータの後ろに降り立った。
「ベジータさ!」
「…悟白か、何しにきやがった」
「敵が多かったんで助太刀に。」
「いらん。」
「えっ」
「俺の勝負に水を指すな。貴様はそこで指をくわえて見ているんだな」
「えっ、ええ…?」
少しだけこちらに耳を向けてくれていたがすぐに前を向いて構えてしまった。
やっぱり味方が多くてもあちらに行くべきだったろうか…
「そうか…!孫悟白…貴様もいたのだったな…!」
「孫悟白?知らない名だな」
Dr.ミューがこちらをみて忌々しそうにそう言ったのでそちらを見ると、そばには似たような老人が立っていた。
そして、ベジータと対峙している相手は、たしか18号の弟の17号だったか?あの人だった。
「Dr.ゲロ、やつは孫悟白。孫悟空の次に面倒な奴だ」
「なに?」
そうして本当かと言うようにこちらをみてきたDr.ゲロ。
ベジータは17号と対峙しているのなら自分はこの2人と戦おうか。
「ベジータさの邪魔はしねえ。おらはあっちの2人をやるべ」
「そんなことさせると思うのか?」
そう言って二人の目の前に立ちはだかった17号。
「なんだべ、させてくれねぇべか?」
「Dr.ゲロ様達に手を出させるわけには行かないんでな」
「なら、意地でも出させてもらうべ」
と、構えた時、ベジータに横から睨まれたのを感じた。
「…水を指すなと言ったはずだが?」
「あ…そ、そうだったべ…どうぞ…」
「フン」
そうしてすぐに構えて飛んでいったベジータ。
じゃあこの隙に…
……まあ、そんなに上手くは行かなかった。
行こうとすれば戦っている最中の17号がこちらに飛んできては邪魔して来るし、オマケに
「そんな命令しか出来ない雑魚共なんていつでも倒せる!これ以上ちょっかいを掛けて俺の勝負に支障をきたすのはやめてもらおう!」
と、ベジータに言われてしまった。
仕方ないので待つことになった。
なにやら、あちらはリルドをたおして向かってきているらしい。
それまでは待機、と言ったところか。
目の前の光景に唖然とする。
合体した17号が、超サイヤ人になって挑んだみんなをコテンパンにしたのだ。
超サイヤ人2になってスナイパーライフル砲を放ってみたが、なんと避けるようにして通り過ぎて行った。
超17号の番だ、といったDr.ゲロの言葉で一瞬で迫った超17号。
応戦しようとすると自分の想像以上の速さで驚いてしまい、その隙に殴り飛ばされてしまった。
遥か上空で自分達をコケにしてきたDr.達。
頬の擦り傷を強く撫で付けて無かったことにし、起き上がった悟飯達と共に気を上げた。
みんなは超サイヤ人。自分は2になっていたので3になった。
「そんな虚仮威しに何の意味もないことが、まだ分かっていないようだな。
…しょうがない。少しだけ技を見せてやろう。」
そう言って浮き上がっていった超17号。
「フラッシュボンバー!!!!」
そう言い放ち棒立ちの状態で雨のように気弾を降らせてきた。
冷静に判断し、周りに大きなバリアを張った。
負担がかかるので散り散りになっている悟飯達を掻き集めてバリアを小さくし、強固にした。
「す、すまない、悟白…!」
「くっ…くぐ…!」
降り止んだらすぐにバリアを消して息を整える。
煙が晴れたら反撃だ。
だんだんと煙が晴れ、超17号の顔が見えた瞬間全員が構え直す。
「…さっきは防いだみたいだが、どうやらそれでもまだお互いの力の差を理解出来ないようだな」
「黙れ!!俺の、新必殺技…!」
隣にいるベジータか叫び、右腕を下に構えた。
すると、その手には緑色をした気弾が作られた。
「ファイナル、シャイン…!!」
そして勢い良く前に突き出した。
「アターーーック!!!」
放たれた緑の光は、超17号に直撃し、大爆発を引き起こした。
腕でガードして爆風を防ぎ、収まるだろう頃に顔を上げた。
「へっ、俺もまだまだ、捨てたもんじゃないぜ」
確認の為気を探った。
「……いや、待ってけれ…これは…!」
煙の中から現れた超17号は無傷であった。
「それが、どうした?」
「な!?なんて野郎だ…!!!」
笑いながら再び両手をこちらに向けてきた。
まずい…!
「みんな!!!!避けろッーーー!!!!!」
ボロボロの体では避けきれなかったのか、みんなが地面へ落ちていく。
四、五発当たったが避けきった自分はサッと降りてみんなを見回す。
超サイヤ人化が解けている。
悟飯に駆け寄ったパンとミスターサタン。
パンは、自分に向かって叫んだ。
「悟白お兄ちゃんっ…!お願い、お願い…!助けて…!!」
そうだ、自分はみんなを守ると言ってまた…!!
「よ、くも…みんなを…!」
「なんだよ。力の差ってやつをちゃんと教えてやっただけじゃないか。何が悪いんだ?」
「おまえぇ!!」
一気に飛び出し、超17号に殴り掛かる。
軽々と避けてくるので今用いている戦い方とは違う戦い方での戦い方に変更してラッシュを仕掛けるとものの見事に当たった。
「へえ、お前はちょっとだけやるようだな。」
そう言ってパンチを仕掛けてきたので避けてやった。
「ちょっとは楽しませてくれよ?」
あちらがこんどはラッシュを仕掛ける番になり、守備に回る。
昔憧れの人が言っていたように、気の強さや動きを掴むのが重要だ。
だから、焦らず相手の気の動きを読みかわしていく。
ある1点で空きを見つけたのでそこをついて気弾を放ってやり、一旦離れる。
そして、畳み掛けるように超サイヤ人3で放てる全力のかめはめ波をお見舞いしてやった。
だが、煙の奥から出てきたのは少しボロボロになっただけの超17号だった。
それが分かったのは、地面に吹き飛ばされてから。
「いっ…てて、くそ!」
「待ってよ悟白!一回休んで!ここは僕が行くよ!」
「え!?ちょ、天兄さ!!」
悟天が突っ込んでいった。
両手で別々の気弾を作って合わせて放った悟天だったが、脇腹に重たい攻撃を受けて飛んでいった。
それをみたトランクスが今度は向かっていき、殴り掛かろうとしたが鳩尾に拳をくらい胃液を吐き、腹を蹴られて飛ばされた。
「天兄さッ、トラ兄さ!!!」
「トランクスさん!」
「…馬鹿共が。」
そして、離れたところで見ているDr.達が命令すると、超17号が左腕を外して備え付けられていたらしいガトリングをウーブへ浴びせた。
「この野郎…!」
ベジータが前へ出た。
慌ててその前に出た。
「悟白…貴様、」
「…正直、3であれなら敵うわけねぇ。
いけるかと思ったけど、仕方ねえ。
…4になって戦う。」
「!」
「…ベジータさ、あぶねえからさがっててけれ」
ベビーは倒せたかもしれないがじゃあまた同じように倒せる、という訳では無い。
だが、今自分に出来る一番の事、と言ったらこれしかないだろう。
「…たく、嫌味な野郎だぜ…!」
「え?」
何故か退かされた。
「俺がやってやる。お前は下がっていろ」
「え?!いや、ベジータさっ、そりゃ」
「無謀だと言いたいのか?」
「あ…それは…」
「奴が帰ってくるまでの時間稼ぎくらいしてやる」
「やつ?」
「カカロットだ。」
「え、でも穴は…」
「やつが帰ってこなかったことがあったか。」
穴がないのだから自分1人で。
そう思っていたのに突然一つの希望を芽生えさせられた。
「やつは絶対帰ってくる」
「…」
「それまではこの俺が時間を稼いでやる。」
「なら、そんな事言うならおらがやるだ!」
「お前は駄目だ」
「何でだ?」
「お前は目の前の敵より味方の無事を気にする傾向にある。
そんなやつが全力で殺しにかかってくるやつと対峙して勝てるわけないだろうが」
「そんなわけ!」
「違わない。どうせみんなが危ないとかみんなを守らないととか考えているに決まっている。保守的なんだよお前は。もっと革新的な考えで戦え!やつは守るなんて目的でやってるんじゃないんだ。
やつは守るものなんて存在しないから本気でやってくる。壊すだけなんだからな!」
そう言われて、もう1度反論しようとしたが、口は動かなかった。
味方を守ることに重きを置いていて、相手を倒す事より相手を味方に近付けないようにする事しか、確かに、考えていなかったからだ。
「そんなやつに、いくら俺より強かろうが前に立たれたくはない。
甘ったれるな!貴様は下がって指でもくわえていろ!」
そう言ってベジータが飛んでいってしまった。
ブルマが確か昔言っていた。
『ベジータはさ、すんごいきっついこというけどさ。
ちゃーんと真意を汲み取ってやればすんごい優しい事言ってるのよ。
今度キツイこと言われたらさ、しっかり復唱して何言いたかったか考えてみなさい。
自分の為になること言ってくれてるかもよ?』
少しだけ離れて意味を考えることにしてみた。
『保守的なんだよお前は。もっと革新的な考えで戦え!』
『守る為に味方の前に立つな。守る為に相手の前に立て!』
…!
そうか、そういう事か…!
意味がようやくわかり、目の前を見た。
ベジータが鳩尾を殴られ続けていたのだが上へ放り投げられて超巨大な放射型気弾を撃たれていた。
…こういう時の移動手段だろう!!
二本指を眉間に、当てた。
初のお披露目だ、驚いてもらわなければな…!
ベジータの気を、引っ張るイメージ!!
「来いッ!!!」
景色が一瞬で下からの黄色い光と、ベジータになった。
左手でベジータを引き寄せ、パンの気を探り先ほどと同じように引っ張るイメージを浮かべて小さく来い、と呟いて瞬間移動を成功させた。
…完璧と言っていいだろう。
「お、お兄ちゃん!?そ、それ…!!」
「へへ…説明は全部終わってからだべ。…ベジータさ」
「……き、さま…」
「…ベジータさの言いたい事、分かったんだ。
おらは…敵の前に、今までずっと立ててなかったんだな…」
「……フン…遅いんだよ、お前は…大人になってから、理解しやがって…馬鹿、ヤロー…」
そう言って、ベジータは気を失ってしまった。
「……そうだな。今まで何も分かってなかった。ブウの時だってそうだっただな…」
ベジータの額に流れる血を左手で拭って、手に握った。
ここまでして、ベジータ自身倒す気で行っていただろうが、それでもこの中だと一番強い自分を下がらせてまで、自分に気付かせてくれた。
「……おら、ベジータさが師匠に見えるだよ。あなたは…ずっと支えてくれていただな。
…弟子に何たるかを教えてくれる師匠そっくりだべ。
……ありがとう、ベジータ師匠」
本人が気絶しているのなら、こういう呼び方をしてみてもいいだろう。
人生ではもうこの呼び方をすることもないだろう。
笑って、その場から離れた。
「パン。…ベジータさを任せただぞ」
返される言葉は聞かずに超17号の前へ降り立った。
「……良くもまあやってくれただな。」
構えをとって、相手を睨みつける。
ここからは後ろは気にしない。
目の前の相手に失礼だからな。
超サイヤ人4になろうとした時、こちらに向かう一つの気を感じた。
…これは…
「お父。おかえり」
「おう。」
「な、孫悟空!?」
Dr.ゲロを嵌めて自分の言うことしか聞けないようプログラミングしたというDr.ミューが驚愕に目を見開いているらしい事が伺えた。
「ええい、その息子だけでも面倒だというのに…!やってしまえ超17号!」
「はい、Dr.ミュー様。」
悟空の帰還を喜ぶ暇もなく、二人して構えをとった。
そして同時に超サイヤ人になる。
「まさか、地獄から出てくるとはな…」
「へ!地獄はオラにゃあ合わねぇぜ!食いもんも合わねえしな!」
「ほざけ!わしの17号がお前の息子と共に地獄に送り返してくれるわ!」
「そいつはどうかなぁ?」
「やってみねぇとわかんねぇぞ?」
悟空と目を合わせ、頷きあって飛び込んでいく。
目の前に迫る気弾を弾き、超17号に2人でぶつかる。
ベジータが折角ああまでしてくれたのだ。
必ず勝つ。
絶対だ。
閲覧ありがとうございました!
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