ハルケギニア黄金譚   作:てんぞー

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発端 - 3

「―――ふぅ、こうやってハイディア村に帰ってくるのも偉い久しぶりだな」

 

「ほぼ7、8年ぶりになるからな」

 

 歩きながらラ・ヴァリエール領内にある隠れ里、ハイディア村へと向かって道を進んでいた。ゲルマニアとの国境付近の山脈に存在するこの隠れ里は岩場を正しい順番で抜けた上で、エナジーを使わないと同じ場所をグルグルと回り続けるハメになるトラップが錬金術によって仕掛けられている。無論、これに関してはハイディア村出身の自分が良く知っているし、その維持とメンテナンスに関しても一枚噛んでいる。その為、思い出さなくてもほぼ反射的に体が村へと通じる迷路を抜けさせ、あっさりとハイディア村が見えるところまで出てくる。

 

 岩場を抜けた先は山脈の膝元とは思えない程緑で溢れた豊穣の大地へと変わり、山脈を削る様に上へと向かって伸びて行く山の斜面に張り付くようなハイディア村の姿が見える。地の錬金術エネルギー、つまりは地のエナジーによって大地は枯れることなく豊穣をサイクルで維持し、風のエナジーによって気持ちの良い風が吹き、水のエナジーによって水源は常に清潔に保たれ、そして火のエナジーによって生活に必要な命が支えられていた。ここ、ハイディア村は正しく錬金術の隠れ里だった。今使っている技術でさえ遺失技術の一部であり、かつての栄華の欠片ですらない。だがそれでさえここまで生活を豊かにしている。

 

 錬金術は本当に凄まじい技術だった。

 

「あぁ、まるで何も変わってないな」

 

「安心するか?」

 

「まぁ、な」

 

 貴族との会話や食事は本当に疲れた。その疲れが懐かしいハイディア村の姿を見ただけでだいぶ癒された気分だった。村の前の歓迎する大きなアーチ、そしてその奥に見える巨大な結晶化されたエナジーの塊であるエナジーロック。それはこの大地が潤沢なエナジーを保有しているという事であり、自然が生きているという証でもあった。自然の、錬金術のエナジーが集合し、そして結晶化したエナジーロックは触れるだけで疲弊したエナジストを一瞬で回復させる力を持っている。村の象徴の様なものだ。その光景を見ると頬が緩んでしまう。

 

 そんな事を考えながら歩いていると、アーチの向こう側から此方を待つ一人の姿が見えた。背を丸め、杖を片手についてひげを生やした老人は両目が閉じているように見えるが、此方をしっかりと認識して笑みを浮かべながら軽く杖を振った。それに応えるように此方からも手を振って返答を返した。そのまま焦ることなく歩いて近づき、アーチを抜けたところで待っていた老人と抱擁を交わした。

 

「爺さん! まさか待っていてくれたなんて」

 

「ほっほっほ、孫の帰郷なんじゃ、そりゃあ儂も見に来るわい。事前に連絡を入れておいてくれたおかげで大体何時頃か解っておったしのぉ。それよりも元気そうで安心したわい。シノも久しぶりじゃのぉ……年を経てますます綺麗になって。少々面倒な孫じゃが、しっかりと手綱を頼んだぞ」

 

「任せてください」

 

「おいおい、爺さんってばそんなに俺は信用がないのかよ……」

 

「ワシは未だにお前がグランドガイアで農場を吹き飛ばした事を忘れておらんからな」

 

「つ、使わないとどれだけの範囲に効果があるエナジーか解らないから……」

 

 地のエナジーの中でも最上位に属する範囲を持つガイア系のエナジー、グランドガイア。エナジストの中でも特に強かった自分はそれを覚えた頃、テンションに任せてぶっ放したという黒歴史が存在する。その結果、農場を丸々一つ吹き飛ばすという結果を生み出してしこたま怒られた話だった。言い訳させてもらうなら、この大地はエナジーが―――つまりそれはそれぞれのエレメンタルパワーと呼べるもので満ちている。特に錬金術に関連する土地であるせいか、この土地はそれが非常に強く、エナジーの後押しになっている。外の世界であればワンランク下のエナジーまでしか使えないだろうが、この土地に満ちるエレメンタルパワーの力を借りれば、ワンランク上の力を発揮できるだろう。

 

 そして発揮した結果がそれだった。非常に懐かしい思い出だった。

 

「ま、そんな事より爺さん」

 

「うむ、解っておる。細かい話は家に帰ってからにするとしようかの」

 

 外で話し続ける内容でもない。祖父―――このハイディア村の村長である彼をエスコートするようにハイディア村の奥へ、つまりは上へと向かって行く。エナジーを使って生きているという事は自然と心身共に鍛えられるという事であり、祖父である村長は見た目は老人なものの、普通に元気に足を止めずにハイディア村の階段を上り下りしている。そしてそんな村長と共にハイディア村を進んでいると、続々と村の中から懐かしい顔が見えてくる。

 

「お、アレンじゃねーか! まさかまだ生きていやがったのかお前! 後で酒場に来いよ! たくさん外の話をお前に話して貰わないと困るんだからな!」

 

「お帰りアレン、お前の家はそのまま、中は定期的に掃除してあるから好きに使えるようにしてあるぞ……ところで結婚はしたのか?」

 

「おー! アレン兄ちゃん帰ってきたのかよ! で、今回はどんな冒険をしてきたんだよ! というかついに俺もムーブのエナジーが出来るようになったんだよ! 後で見てくれよ!」

 

 ハイディア村はそう広いコミュニティではない。だから村の人たち全員が家族の様なもので、みんなが顔見知りだ。一人、また一人と村長宅へと向かう途中で顔を出しては言いたいことを言ってくる。相変わらずハイディア村は平和らしく、変化という変化がないらしい。時間がゆっくりと流れ、俗世からほぼ切り離されているこの場所は世間からは取り残されてすらいた。ただ、ここの人の良さは中々外の世界では感じられない事だった。苦笑しながら先へと進んで行く。

 

 やっぱり、故郷は良い場所だ。

 

 

 

 

 自然とシノと肩を並べるように座ると、村長が軽く微笑ましそうに笑うのがイラっと来るが、テーブルを挟んで座ったところで、漸くハイディアに帰郷した本題へと入ることが出来た。一番最初に出す話題は当然ながら、

 

「ラ・ヴァリエール公爵との契約は無事に完了した。一週間や二週間でどうにかなるわけじゃないけど、ゆっくりとラ・ヴァリエール領内でもエナジストが異端ではなく通常の扱いを受けられる様になる筈だ」

 

「うむ、此方でも手紙で確認させてもらった。良くぞ成し遂げた。三世代、四世代先の事が不安じゃったが、これでこの村の未来も明るいじゃろう」

 

「人口低下による隠れ里の過疎化問題か……どこへ行こうとも同じような問題はあるのだな」

 

 まぁな、とシノの言葉に答える。隠れ里である以上、出入りする人間は制限されているのが当然だ。しかしそうなってくると()()()()()()()()()()()()のだ。そうすると自然と血縁関係が多くなってきて、それで人口が徐々に減って行く事になる。それを解消するためには外から嫁を連れてくる必要があるが、エナジストという身分と異端認定、偏見がそれを阻害する。

 

 だが今回、領主であるラ・ヴァリエール公爵がエナジストに関しての扱いの向上を約束してくれたおかげで、それが領内で認識されるようになれば普通に外に出て嫁を作ることもできるようになるだろう。或いは里が潰れても外の世界で普通に生活する事もできる。ハイディア村の未来が繋がったという事だ。これが本題その一である。この話が終わったところで村長は愛用のパイプを取り出し、それを咥えながらそれで、と言葉を置いた。

 

「……どうじゃったか?」

 

 真剣に聞いてくる言葉に軽い頷きを返した。

 

()()()()()()()()()と断定できる。たぶんウェイアードも狙って滅ぼされたんだと思う。いくつかの遺跡を見て回ったけどありゃあ滅んで残されたような形じゃなくて、証拠を隠滅するように入念に破壊されたような形跡が見られた」

 

「そうか……」

 

 パイプを吹かしながら考え込む村長の姿を眺めて、此方も息を吐く。それにシノが疑問を浮かべた。

 

「アレン、確かお前の言葉では6000年も発展も衰退もなく文明が同じレベルで維持されているのはあり得ない、だったな」

 

 シノの言葉に頷いた。そう、それが自分が探検をしている間に一番驚き、そして困惑している事実なのだ。遺跡を探り、証拠を集め、そしてそれをまとめながら調査をしているとどうしても考えてしまう。この文明は非常に歪であるのだ、と。なのでいいか、と言葉を置く。それにシノが頷いた。

 

「文明ってのはな、発明と文化を重ねる事によって前へと進むもんなんだ。どっかの誰かが一つの動きを作って、それが浸透した。その結果それを見て覚えた人たちがそれを生活の一部とした。そしてそれをベースに構築されるライフスタイルってのがつまり文化だ。そして文化が生まれると人は知性を経て、さらなる進歩を生み出そうとする」

 

「もっと楽に、もっと自由に、であろう?」

 

 そうだ、と言葉を挟んだ。

 

「人間とは堕落する生き物だ。働かないで済むのなら働かずに済ませる。だから基本的に楽に、楽になると選択肢を選ぼうとする。そしてそのための努力を欠かさないのが人類って生き物だ。だからこそ人間は発明という形で常に生活を楽にしようとしてきた。俺たちが飯を作るのに使う竈一つだっていったい何十、何百と試行錯誤を重ねた? もっと美味しい飯を作るその為だけに数え切れないほどの失敗と、発展を繰り返してきた筈だ。そしてそうやって今、美味い飯を作れる竈が出来ている訳だ」

 

 つまり元ある姿からの発展、そして無からのアイデアの創造。これが人間に根本にある考えでありムーヴメントだと思っている。楽をするための努力。これは人間という種全体にある考えだ。

 

「で、だ。俺たちは日常的に研究し、そして新しい物を生み出す人類の姿を見ている。そうやって生活も楽になっている。トリスタ二アから来る時に乗った馬車、覚えているか?」

 

「あぁ。確かサスペンション、だったか? そんな技術のおかげでまるで揺れなかった覚えがあるな」

 

「そう、つまり既存の技術の発展が正しくなされている、という訳だ……だけどこれ、おかしいとは思わないか?」

 

 シノはその言葉に首を傾げ、村長は煙を吐き出しながらまぁ、そうじゃろうな、と呟く。

 

「シノちゃんや。その技術は数百年前には存在したんじゃよ」

 

「……ん? 前からあった技術なのか?」

 

「あぁ、あった()なんだ。だけどまるで新発見の様に今、馬車に組み込まれている……これ、すごくおかしい事だと思わないか?」

 

 その言葉にシノは頷いた。彼女もこちらの言葉を理解した様だ。

 

「それではまるで発展ではなく一度退化しているようではないか」

 

 そうなのだ。明らかにそうなのだ。だからこそハルケギニアの歴史はおかしいのだと断言しているのだ。

 

「俺は4000年前、2000年前、そして1000年前の本を調べたことがある。というかほとんど生活に関する日記で、ほとんど重要だと思われていない内容の本だ。だけどこいつを確認して読める日常生活は()()()()()()()()()()()()だったんだよ。そうだ、確認できる4000年も前からまるで文明に対する成長や発展が見れないんだ。それどころか一定のラインまで文明が成長したらストップがかかったかのように退化している」

 

「明らかに文明の成長と発展の法則に逆らっているのじゃ、これが」

 

「成程、だから今の文明はおかしいと言っているのか」

 

 確認できる4000年は確実として、政治や経済、科学や学術のレベルがまるで発展していないのが明らかに発展の理に反しているようで違和感しかない。それにそれだけの時間があれば大陸の外側へともっと人々が進出していてもいいはずだ。飛行船なんてものもあるのだから、この狭い大地を捨てて更なる発展を望むはずが、それすらない。

 

 まるで思考そのものにロックがかかったかのような違和感だった。

 

 これ以上人類が発展しないように、無意識レベルで抑え込まれている様な、そんな違和感だった。そしてこの文明成長の唯一の例外というのが歴史に存在する。それが、

 

「ウェイアード文明、という事か……」

 

「我々の起源となる文明ウェイアードは錬金術という今までにはなかった技術を使って一気に文明レベルを引き上げた。自然への理解。法則への理解。技術の発展。様々な恩恵によって人類に黄金期をもたらした。だがそれもたった数百年。たった数百年でウェイアードは滅んでしまったんじゃよ……まるで狙って滅ぼしたかのように」

 

「ウェイアードが滅んだ時期、ウェイアード以外に滅んだ文明が存在しないってのが臭すぎるんだよなぁ……」

 

 ふぅ、と一息を付きながら椅子の背もたれに寄り掛かった。ウェイアード関連の遺跡や探検を駆け巡るのは自分とこの祖父の中にある、文明や現在のハルケギニアに対する違和感を解消する為のものでもあった。何故ハルケギニアはこの6000年間まるで成長していないのだ? 何故大きな発展を行わずに唐突な衰退が発生するのだろうか? 何故頑なにエルフという別種族とにらみ合いを続けている?

 

 ハルケギニアの謎は深い。既にこの謎に挑戦しだしてから10年が経過している。ガリアでヘルメスの水を追いかけている時だって遺跡の調査で忘れる事はなかった。だが残された情報は多くはなく、伝手もある訳ではない。一度、許可をもらってトリスタ二アにある王立図書館を確かめた事がある。だが錬金術はタブーとされており、関連する書物は全て昔に念入りに燃やされて処分されていたらしい。

 

「まぁ、今回の報酬にトリステイン魔法学院にあるフェニアのライブラリにアクセスする権利を一筆してもらったからな。運営の為に寄付している公爵からの一筆ともなれば学院側でも到底無視はできないだろうし、フェニアの方はまだ錬金術関連の書物も残っていると聞く」

 

「探るんじゃな?」

 

「まぁ、程々にな。正直な話、この内容に関しては底知れないものを感じるからな。泥沼にはまらない程度に探って、それが終わったら秘宝の一つ、テレポートのラピスを探しつつロバ・アル・カリイエへと向かうよ。あっちはまだ探検したことがないからなぁ……」

 

「そうか、そうか……東に行くのか……また何年もあえなくなると思うと寂しいのぉ……」

 

「まぁ、ラピスを見つければ解決する問題だけどまるで見つからんしなぁ……」

 

 エナジー、とは時に訓練して体得するものではなく一部の宝石や道具に年月を重ねる事で宿り、それを装着する事によって新たなエナジーを使う事が可能となる。これはエレメンタルパワーが媒体に対して力を与える為に発生する現象なのだが―――その中でもラピスという石は非常に貴重で、テレポートというエナジーを発現させる。これは大陸の反対側であろうが、使用者を一瞬で転移して運ぶことが出来るという恐ろしいエナジーになる。

 

 故にテレポートを習得させるラピスであるテレポートのラピスは秘宝とさえ呼ばれている。必死にガリアの中を探してなかったという事はおそらくガリアにはないのだろう。そうなると宝石の産出量的に考えてゲルマニアが濃厚だろうか? まぁ、トレジャーハンターとして、探検家として、狙っている獲物の一つだ。

 

 それ以外にも秘宝は存在する。

 

 錬金術の叡智、その結晶とも呼ばれるスター。触れたものに全知と不死を与える黄金。海を進み、空を飛び、そしてあらゆる環境でも問題なく航行できる船。

 

 伝説の金属オリハルコンは回収して剣に加工して貰ったり、なんか暗黒っぽい物質で武器を作ってもらったりしているから、もっぱら、狙っているものは実用品ばかりである。なにせ、錬金術によって生み出された道具には経年劣化とかいう概念が全く通じないのだから。

 

「ふぅ、それにしても実家は落ち着くな」

 

「やはり故郷は忘れられないか」

 

「まぁな」

 

「ほっほっほっほ、ここに骨を埋めても良いんじゃぞ?」

 

「やめてくれよ、確かに故郷は恋しいけど俺が定住するような人間じゃないってことは爺さんが一番知っているだろう?」

 

「まぁ、それもそうじゃのう。お前と来たら昔から飛び出しては冒険家の話を聞いて外の世界を知りたがっておったからのぉ……まぁ、何時かは確実に飛び出してゆくとは思ってたわい。だがここまでやってくれるとはな」

 

「ま、才能があったのだろう、こいつには」

 

「単純にこの生活が合っているって話だろ」

 

 自分は鳥の様なものだと思っている。一か所でとどまる事の出来る性質の人間ではない。旅をして、いろんなものに触れて、そして未知を知りたい。そういう人間だ。だから一か所にとどまるという事が出来るとは思えない人間なのだ。だけどまぁ、フェニアのライブラリへのアクセス権をもらったし、一年ぐらいはトリステインでゆっくりするか、というのがこれからの計画だった。

 

 

 

 

「自分の家も久しぶりだな。お、マジで掃除してある」

 

「変わらんな、お前の家も」

 

 村長宅、つまりは元実家で話を終えてから合鍵を使って家に帰ってきた。二階建ての家はかつて、父と母と三人で使っていたものだが、今では自分一人が使うものとなっていた。あとで裏の墓で報告しなきゃいけないなぁ、と思いつつ家の中を見渡せば、綺麗に保たれているのが解る。俺がいない間も定期的に掃除してくれていたらしいし、感謝の言葉しかない。そんなことを考えながら壁の方へと視線を向けた。

 

 そこには昔の冒険で入手する事に成功した数本の剣が飾られている。長旅から帰ってきたのが解っているのか、歓喜か、或いは自己主張でエナジーを鞘の中から溢れさせているのを感じられる。落ち着け落ち着け、と片手を振る。

 

「お前ら余計な欲を見せるようだったらインゴットに逆戻りだからな?」

 

 その言葉を聞いた二本の剣が揺れを抑え、三本目がほれみろ、と薄く光っている。魔剣や聖剣の類は強力な能力を秘めているが、存在自体がジンに近いから自己主張激しいんだよなぁ、と溜息を吐く。武器に宿る奥義とも呼べる必殺技、通常であれば使い込んで使えるようなものだが、魔剣クラスともなると鞘から抜かなくても勝手に発動するもんだから困る。まぁ、それとは別に強力すぎるから持ち歩けないという理由もあるのだが。

 

「ふむ……棚の中には新しい茶葉が入っているな。どうやら取り替えてくれたらしい」

 

「マジか。本格的にあとで感謝しに行くか」

 

 流石にもうハイディア村へと戻ってこない可能性も高いし、しばらくは魔法学院で調べ物をする手前、貴重品を家に置いておくのも流石にもったいないだろう―――集めて来た道具のほとんどが実用に耐える錬金術由来の品だし。一度に持てる数には限りがあるのは事実だが、それにしたって持っていかないのはもったいない。

 

「まぁ、今度の冒険にはお前らも連れて行くから―――暴れるな、暴れるなよ」

 

 今更ながらコレクションの剣を持ち歩く事に不安を覚えて来た。鞘から引き抜くと美しい刀身を見せたり、どこからどう見ても呪われていたり、隕石を落としたりで持ち歩く事には躊躇していたのだが、ロバ・アル・カリイエへと向かう予定がある以上、エルフの領域を超えないといけない。

 

 エルフに対してはコネを一応一つは持っているのだが、それでどうにかなるわけでもない。場合によっては正面衝突する可能性もある。その時はやはり抜くんだろうなぁ、これ、と壁にかかっている剣を見ながら呟いた。なるべくなら一生封印しておきたい代物だった。

 

 ……まぁ、偶には使ってやらないと拗ねるからしょうがない、と言い訳しておく。

 

 それはジンの方にも通じる言葉だが、連中に関しては常に冒険に引き連れているから、不満のコールを体内から向けてくることがないのが安心できる要素か。

 

「アレン、茶が入ったぞ」

 

「ん? あぁ、今行く。とりあえずしばらくは骨休みをするか」

 

 シノに促されるようにテーブルへとつきながら、久方ぶりの帰郷を楽しむ事とする。

 




 風のエナジーにはリードとかいう他人の心を読める超高性能エナジーがあってじゃな……まぁ、その代わり戦闘系列はサポ周りばかりなんじゃが。てんぞーは風のエナジストを賢者で固定してたなぁ、クラス……。

 殺意高い必殺武器3人衆
 毎回奥義ブッパエクスカリバー。
 うるせぇ、死ね! ダークサイドソード。
 召喚じゃなくても隕石は落とせるソルブレード。

 エクスカリバーとダークサイドソードはそろえるのに何百回もゲームリセットしながら鍛冶頼んだなぁ、という思いで。セレスレジェンドだけはほんと威力の次元違う。

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