気が向いたら書く、というのがこの小説のスタンスなので平気で2、3ヶ月更新しないかもしれません。
それでも良かったら、是非稚拙な文を読んでいってください。
「っく」
思わず下唇を噛んでしまう。
誤算だったといってもいい。
輸送中のジュエルシードが襲撃されてばらまかれてしまったのだ。
責任者だった僕はそれを回収しに管理外世界にやって来た。
だがこの管理外世界は魔力が上手く馴染んでくれない。
お陰で暴走するジュエルシードを止められそうになかった。
封印に失敗し、魔力が尽きて徐々に視界がぼやけてくる。
(こんな所で、僕は……)
魔法に関して知識のない管理外世界にばらまかれたジュエルシード、その災厄は想像を絶することになる。
予想外の大事に泣きたくなってきた。
世界はこんなはずじゃなかったはずのことで満ちている。
『誰か…僕の声を聞いて、力を貸して、魔法の……力を』
最後に念話で助けを求めて、彼、ユーノ・スクライアは意識を手放した。
結界が張ってあった場所へと私たちは急行していた。
お母さんにジュエルシードという、ロストロギアを探して欲しいと頼まれた。
初めて母から頼られた、という嬉しさから1も2もなく承諾し使い魔のアルフと共に第97管理外世界、地球へとやってきたのだ。
そして探索開始早々1日目にして、彼女は当たりを引いた。
結界が張られた、即ち魔法がないこの世界ではそこで魔法に関わる出来事が起こっているということ。
そしてそれはこの世界ではジュエルシードそのものに他ならない。
アルフと共に繰り出した彼女達はそこへ到着する前に1つの念話を聞いた。
『誰か…僕の声を聞いて、力を貸して、魔法の……力を』
その声を聞いて彼女、フェイト・テスタロッサは判断する。
「私たちの他にも魔道士がいる」
「でもそいつ、やられちまってるよ」
アルフの言うことに頷き、さらに加速する。
ジュエルシードが近くにある、それも彼女が急ぐ理由の一つである。
だが、それだけではなかった。
(助けを、求めてた)
それが心に刺さっていた。
あの声に不純な気持ちなど、一切読み取れなかった。
あったのは悔しさと申し訳なさ。
(放っておけ置けない)
それが彼女を動かすもう一つの理由だった。
バルディッシュを強く握り、現場へと降り立つ。
現場には魔力の痕跡が色濃く残っており、近くに魔力反応が確認できる。
探査するまでもない、まだ遠く離れてなどいないのだから。
「そこ!」
素早くフォトンランサーを展開し、近くの草むらへ射撃を開始する。
高速の魔力弾が4発着弾し、その誘いを受けたジュエルシードが顕在化した黒い影が草むらから飛び出してきた。
魔弾を放ったのがフェイトと判断し、突進してくる。
だが避ける必要はない。
「私を忘れてもらっちゃ困るね」
そう言って後方から勢いよくアルフが飛び出し、黒い影を殴りつける。
ゴスっと鈍い音を響かせ吹き飛ばされる影。
フェイトがこの好機を逃すはずもなく、怯んだ影に素早く肉迫する。
「Scythe Form」
バルディッシュは主人の意を汲み、形態を変える。
サイズフォームにとって最適な間合いに入る。
影が気付き動くには致命的なまでに時間が足りなかった。
「はぁっ!」
掛け声と共に高速の一閃が振り下ろされた。
「aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!」
響き渡る悲鳴とともに影は消え去り、ジュエルシードが姿を現す。
「ロストロギア。ジュエル シード、シリアル21。封印!」
透き通るような声で、しかし何の抑揚も無く封印処理を施す。
彼女の魔力がジュエルシードを包み封印はなされたのだった。
ふわりと彼女の手に収まるジュエルシード。
それをフェイトは固まったように芒洋と眺めていた。
「フェイト、お疲れ様」
そう声をかけてきたアルフもフェイトの様子がおかしい事に気付いた。
「おいフェイト、大丈夫かい」
そう声をかけながら揺するアルフ。
それのおかげかフェイトがゆっくりと顔を上げた。
「アルフ、私、やったの?」
「ああ、立派に出来てたよ」
フェイトの問いかけに即座に返事をするアルフ。
そして次の言葉をアルフがかける前にそれは起こった。
「や、やったよアルフ、来てすぐに1つ目が手に入るなんて幸先がいいね。
この調子で集めていけばすぐに集まってお母さんもきっと喜んでくれるよね!」
そう言ってアルフに抱きつくフェイト。
最近のお母さんはイライラしてることが多い。
でもそれはお母さんの研究がうまくいってないからだ。
それを私達が手に入れたジュエルシードでで解消できて、そのおかげでお母さんに褒めてもらえる。
初めての成功で舞い上がり気味のフェイトにアルフは顔を顰める。
尤も顔を顰めた理由はフェイトが舞い上がっているからでは無くて彼女のお母さんによるものだった。
(あのババァがそんなタマかねぇ)
日頃の行いを見るにどうにもフェイトとの話に違和感を隠せない。
だが、そんな様子は億尾にも出さず笑顔を纏いアルフも今回の成功を喜ぶ。
「だね、私もこんなに上手く事が運ぶとは思わなかったよ」
ここで何か引っかかったのだろうか、フェイトが何かを疑問に感じたような顔をする。
「ああ!」
そして気付く、自分たちに助けを求めた者の姿が見えないことに。
アルフにそのことを話すと、
「ああ、そんなのもいたねぇ」
っとそういえばといった感じで思い出したようだ。
辺りを探すと魔道士は見当たらなかったが代わりに使い魔と見られるフェレットが横たわっていた。
「フェイト、コイツどうする?
このネズミもジュエルシードと戦ってたみたいだけど……ガブッといっとく?」
アルフの言葉に少し考えてから、言葉を選びつつ返事を返した。
「この子のご主人様は居ないみたい。
それにね、魔力のパス途切れてる。
放っておくと死んじゃう」
つらつらと言葉を並べるフェイトに、何を言いたいのか理解したアルフは呆れたように溜息を吐いた。
「フェイト、今ここでこいつを助けたらフェイトが使える魔力量が減る。
それでジュエルシードを集めるのが遅れてもいいのかい?」
その言葉に少し考えてしまうフェイト。
お母さんに初めて頼りにされたこと、幸先の良いジュエルシードの獲得出来たこと、そして……必死に助けを求めて身を粉にしてジュエルシードを封印しようとしたこの子のこと。
(私が少し怒られれば済む話だよね)
その気持ちがアルフにもラインを通して伝わってきた。
「ダメに決まってるよ、そんなの」
その言葉にむっとして反論しようとフェイトは顔を上げたのだが。
「怒られるのは二人じゃなきゃね」
その不敵な笑みを浮かべてアルフの言葉に全て飲み込まれた。
「アルフ……」
すっかり心を見抜かれているのに少々の恥ずかしさと、全身に感じる嬉しさとでいっぱいになり、フェイトはきゅっとアルフの手を握った。
それにアルフは当たり前と言わんばかりの態度で目の前の瀕死の使い魔を見おろした。
「あんた、フェイトの魔力を使うんだからしっかり働いてもらうからね」
アルフの言いように笑いを噛み締めつつ契約の魔法を行使する。
力強く美しい光り輝く魔法陣が展開された。
魔法陣は傷ついたフェレットを覆いラインを繋げてゆく。
彼女の魔力がフェレットに流れていき、完全に繋がった。
この日彼、ユーノ・スクライアは彼女、フェイト・テスタロッサの使い魔となった。
そして彼女、フェイト・テスタロッサは彼、ユーノ・スクライアのマスターになった。
無茶苦茶したのは知ってます。
有り得ないだろと言うツッコミも甘んじて受け入れます。
でもね、ユーノ君なんですよ!
何か使い間属性的な物を持ってると思いませんか?
……すいません、調子に乗ってたと思います。