HSDD 転生生徒のケイオスワールド2 卒業生のアザゼルカップ   作:グレン×グレン

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超巨大兵器VS超巨大怪獣。

夢のバトルが遂にスタート!!



暴走している人は一発殴ってから話し合いを持ちかけよう。

 

 その巨体は、突如として現れた。

 

 そして圧倒的な巨体に由来する防御力により、生体ミサイルを全身で受け止めながら完全に防ぎきる。

 

 その事実に、レヴィアタンは警戒心を強めつつ、全力で排除するべき敵と認識した。

 

 これまでのただ単にふざけた真似をするものを倒す為のミサイルではなく、本気で倒すべき敵と判断したがゆえに大量のミサイルを一斉に放ち、さらにブルーエリジウムを破壊することも忘れずに、生体魚雷を一斉射撃。

 

 そして、其れに対してゆりかごもまた対応する。

 

「行って!!」

 

 かつての主を宿した最後の主に従い、聖王のゆりかごは攻撃を開始、

 

 五十を超える砲門から放たれる砲撃と、大量に射出されたガジェットドローンが、全てのミサイルと魚雷を撃ち落とす。

 

 しかしレヴィアタンもまたさる者。既に本命の攻撃である魔力砲撃を放っていた。

 

 だが、それをゆりかごは真正面から受け止める。

 

 魔力結合及び魔力効果発生を無効化するAMFを高密度に展開して、その砲撃を真正面から防ぎ切った。

 

 この時点でゆりかごの損傷は軽微。そしてレヴィアタンもまた無傷だった。

 

「……す、すごいんだけど。なにこれ、怪獣映画? それともSF?」

 

「どっちも超獣鬼(ジャバウォック)とまともに渡り合えそうですのね……」

 

 思った以上に派手なことになっている事実に、紗矢華と雪侶は唖然となる。

 

 と、言うよりこれは目立ちすぎた。

 

 あとでどうごまかすべきかと考えるが、しかしまあかまわないと雪侶は思い直した。

 

「まあ、こんな時こそ獅子王機関の役目ですの。こっちは無辜の民を守る為に全力を出して被害を最小限に抑えるという仕事を立派にこなしましたので、あとは上層部に丸投げするといいですのよ?」

 

「いや無理でしょ!! これ、どうやってごまかせばいいのよ!?」

 

 渾身のツッコミが飛んだ。

 

 当然だ。ちょっとしたメガフロートを上回る大型浮遊物体など、この世界にはない。

 

 アルディギア公国の装甲飛行船でも全く足りてない。しかも性能も段違いだ。

 

 しかもブルーエリジウムにはまだ数千人を超えるであろう人達がいる。目撃者が多すぎてどうしようもない。

 

「ちょっとどうするのよ!? あなた言い出しっぺなんだから少しぐらい何とかしなさいよ!!」

 

「……てへ?」

 

「可愛くいってごまかしても無駄なんだけど!!」

 

 そんな漫才が繰り広げられている中、戦闘は膠着状態になっていた。

 

 レヴィアタンとゆりかごは膠着状態になっているが、長期戦になれば不利なのはゆりかごの方である。

 

 もとより継戦能力に難のある実験武装である七式。素の魔力量も決して多いとは言えないヴィヴィオでは、長時間の運用は困難だ。

 

 中に動力源がある為、ゆりかごの維持は比較的楽であるとはいえ、この規模である為それでも甚大な消耗を生み出す。覇輝で稼いだ分が尽きればそれまでだ。

 

 覇輝が上手く効果を発揮して持続しているが、この巨大さだとそれもいつまで持つものかわからない。

 

 何とか足止めが成功しているうちに次の手を打たなければならない。

 

 ……そして、其れは来た。

 

「……来たわよ本命!!」

 

「よしっ! こっから本番っ!」

 

 アップとトマリがそれを認識して、ガッツポーズを入れる。

 

 そう、レヴィアタンの体に小さく空いた穴から、飛び出てくる人影があった。

 

 それは砲撃の合間を縫ってガジェットドローンⅡ型に飛び乗り、ゆりかごの上部へと舞い降りる。

 

 それを駆けつけて見据えながら、須澄は声を張り上げる。

 

「後は、後は頼むよ、第四真祖!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「良く持ち堪えてくれた、ヴィヴィ!!」

 

 何とか脱出に成功した俺は、レヴィアタンを押しとどめてくれたヴィヴィに礼を言う。

 

 ヴィヴィの七式が想定通りに起動すれば防戦は可能だと踏んでいたが、期待以上だ。褒めるほかない。

 

 ブルーエリジウムの被害はほぼゼロ。民間人の犠牲者はまずないだろう。

 

 あとは、このレヴィアタンを黙らせればすべてが終わる。

 

「……考えてみれば、レヴィアタン(アイツ)が一番の犠牲者だよな」

 

 心底同情の視線を向けて、暁がそう呟いた。

 

「まあ、そうね。ただ眠っていたら決戦兵器として使われたり、中で肉を抉られたりしたもの。訴えたら勝訴確定ね」

 

 シルシも心底同意する中、暁は一歩前に出る。

 

「お前が怒るのも当然だ。だが、恨むならフォンフと俺を恨めよ……!」

 

 その言葉と共に、暁から魔力がほとばしる。

 

 何とか脱出に成功した以上、あとはレヴィアタンをどうにかすればことは終わる。

 

 幸い相手は野生の獣と言っていい。知的生命体みたいに、恨みつらみの為に命まで捨てる可能性は低いだろう。

 

 故に、こちらの最大火力をもってして死なない程度にボコる。

 

「ヴィヴィ!! 揺り籠を着水させてくれ!! 防波堤に使う!!」

 

『はい!! あと、そろそろ限界だから早めにお願いします……っ』

 

 わかってる。どっちにしても一撃で決まらなければ長丁場だ。

 

 そんなことになれば、周辺被害は甚大なものになるのは確定的に明らか。

 

 俺らが総力を挙げれば潰すことはできるだろうが、それでは殆ど意味がない。

 

 つまり、これで決着をつけないと事実上詰みになるわけで―

 

「決めろ、暁!!」

 

「わかってる!!」

 

 さて、あとはこの一撃で勝負が決まるかどうか……!

 

焔光の夜伯(カレイド・ブラッド)の血脈を継ぎし者、暁古城が、汝の枷を解き放つ……っ」

 

 それは、暁古城が保有する眷獣の中でも火力だけなら最強の一品。

 

 下手すると絃神島が一発で沈みかねないし、レーティングゲームでも使い勝手が悪すぎてあまり使えなかった代物。

 

 だが、火力勝負ならこれの右に出る者は俺もそうは知らない究極クラスの一振り。

 

 現れるのは、全長数百メートルにも及ぶ巨大な剣。

 

 重力制御により超高速で落下するそれは、もろに喰らえば主神クラスでもただでは済まないとんでもない代物。

 

 その名を―

 

疾く有れ(きやがれ)、七番目の眷獣、夜摩の黒剣(キファ・アーテル)ッ!!」

 

 その超加速の一撃は、レヴィアタンをもろにぶち抜いた。

 

 そして発生するソニックブームと津波だが、レヴィアタンがクッションになったこともあって何とか防ぐことができた。

 

 だがそれが限界だったのか、流石にゆりかごの顕現が解ける。

 

「シルシ! ヴィヴィのカバーを!!」

 

「言われなくても!!」

 

 ヴィヴィのカバーはシルシに任せ、俺はラージホークを展開して暁達をカバーする。

 

 ………さて、レヴィアタンの方はどうなった?

 

 レヴィアタンはかなりのダメージを負っている。流石は第四真祖の最大火力だ。

 

 だが、その目には間違いなく敵意と怒りが残っていた。

 

「……チッ! まだやる気か!!」

 

「どうしますか? ゆりかごなしではブルーエリジウムはおろか後ろの絃神島も……っ!」

 

 だよなぁ。流石にヴィヴィも限界だろうし、こっから先が大変だぞ。

 

 だが、レヴィアタンを放っておいたらどっちにしても島が大打撃だし……!

 

 どっちにしても大被害が生まれかねない二者択一に迫られたその時だった。

 

 後ろから、歌が聞こえてきた。

 

 とっさに視線を後ろに向ければ、既に結瞳ちゃんが起きて、夢魔としての翼を広げていた。

 

「結瞳! 下がれ! もうレヴィアタンにリリスの精神干渉は効かない!!」

 

 ああ、既に耐性を獲得している以上、よしんば効いても狙いをそらす程度が限界だろう。

 

 そんなことになればブルエリのさらに向こう側にある絃神島にまで大規模な被害が出る。

 

 そんなことになればどれだけの死傷者が生まれるかなんて、考えたくもない……!

 

「待ってください! レヴィアタンの様子が……っ」

 

 姫柊ちゃんの言葉に振り返ってみれば、レヴィアタンの敵意が明らかに薄れている。

 

 そして、その動きに合わせて結瞳ちゃんもまた前に出て、翼を広げて空に飛ぶ。

 

 そうか、これは精神干渉じゃない。

 

 これは、歌だ。

 

「まさか、レヴィアタンを説得しているのか?」

 

「なるほど。強制的な干渉ではなく、あくまで対話なら強制力がない以上理屈の上では可能だな」

 

 その結瞳ちゃんの歌に、レヴィアタンは動きを沈めていく。

 

 そして、背を向けるとそのまま海に沈んでいった。

 

 おお、成功したよ。

 

「ははっ。なあ、宮白、見てみろよ」

 

 いつの間にやら朝日が昇り始める中、結瞳ちゃんは力尽きたのか海に落ちていく。

 

 慌てて姫柊ちゃんが駆け出す中、暁は尊いものを見つけたかのように笑顔だった。

 

「何が最強の夢魔だ。むしろ天使じゃねえか」

 

 確かに、まさに天使だな。

 

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