HSDD 転生生徒のケイオスワールド2 卒業生のアザゼルカップ 作:グレン×グレン
それに伴い書き溜めの消化も必要なので、連絡もかねて投稿いたします。
「……で?」
「どうするんだよ?」
「何がだよ」
俺は暁とノーヴェの視線に返答した。
今回の試合までに曹操達の強化をある程度成功させる必要もあり、割と忙しいんだが。
「忙しいんだがじゃないですの!! 正気ですの!?」
雪侶までなんで心を読んでツッコミ入れるんだよ。
まあ、言いたいことはわかる。
なんで敵に塩を送るんだってとこだろうな。
「とはいえ、必要なことではある」
ああ、これは必要なんだ。
「そもそもこの戦いは、来るべきE×Eとのもめ事に対処するための強者育成も多分に含んでいる。……その際当事者となるのは、初老の年代となった曹操達だ」
そう、神滅具保有者は基本的に一世代に一人。
つまり、40~50代の曹操達が、E×Eと揉めるときの尖兵となるのだ。
老いに関しては
ならば、イッセーがいたり木場が変則的な形で見せて、俺が形にした神器の拡張発展。
これは、ぜひ開発体制を確立させたい。
「それに、結夢ちゃんのリリスをどうにかするにもある程度の礼儀ってものが必要だ。魔術の基本は等価交換である以上、対価もなしに技術を貸してもらうのも気が引けるしな」
「あ、技術提供ってリリスをどうにかする為だったですね」
なんだと思ってたんだ、姫柊ちゃんや。
とはいえ、暁の文句ももっともだ。
なにせ敵は最強の神滅具のそのまた超優れた使い手である曹操だ。
人間主体のチームでは現状最強候補。本戦出場も確実視されている。
それがさらに強化されれば、確かに危険視する者もいるだろう。
だが、それでもこれは必要だ。
「ぶっちゃけ、曹操は本戦出場候補であっても優勝候補じゃないからな。優勝候補に迄強くしたうえで勝てないと、俺達の優勝確率はごっそり減るんだよ」
俺はうんざりしながらそう告げる。
なにせ、ほかのチームにやばいのが多すぎる。
帝釈天のチームは直下の四天王を全投入。
闘戦勝仏こと初代孫悟空のチームもかつての同僚全員投入。
北欧神話のスルトのチームも大暴れ。
さらに次期主神二人がタッグを組んだ巨人たちの戯れチーム。
うちの姫様に至っては、神器神滅具最有力候補ギャスパーも含めて、神滅具が三つ。それも駒価値八のミスターブラックをまだ投入してない。ついでに言うと戦車の駒分が開いている。
彼等に比べれば神滅具をリーダーにしているとはいえ、神器を禁手にした程度のメンバーなどたかが知れている。
「……おたくの結瞳ちゃんのことをどうにかするには優勝賞品がほしいところだ。あと俺が破産しないためにも」
「いや、本当にすまん……」
「そこをつかれると弱いですね……」
暁と姫柊ちゃんが同時に視線を逸らす。
うん、出費が甚大だからね。ホント。
俺、破産しないだろうか……。
微妙に暗くなってきた雰囲気をどうかするためか、ノーヴェは咳払いをすると話を元に戻そうと机をたたいた。
「それはともかく! 勝ち目あるのかよ、そんな状態で」
「勝たなきゃ優勝は難しいな。まあ、其のままの状態でも楽に勝てる相手ではないんだが」
実際大変だからな、曹操は。
「こと曹操の通常禁手が厄介だ。あれ、状況対応能力なら神滅具の中でも随一だからな」
そう、非常に実に厄介だ。
七宝による状況対応能力は極めて絶大。
最強の人間候補は伊達ではない。
「最大の問題は、女性無力化能力だ。女性陣の多い俺らでは完封されかねない。加えて男どもで挑むにしてもこれまた単独では不可能ときたもんだ」
「確かに。女宝を突破するのは単独で曹操と闘えるぐらいの土俵にないと無理ですものね……」
雪侶がため息つく通り。
少なくとも、英雄派と渡り合った頃のグレモリー眷属女性陣では不可能。まともに戦えたのは駒王学園関係者では久遠1人だった。
かといって一対一で久遠と同格の戦闘能力を持っている奴がいるかとなると、ノーヴェがギリギリといったところか。
しかし曹操も腕を上げているからこれも不安。
と、言うわけで俺か須澄か暁で挑むのが無難なんだ……といいたいが。
「ぶっちゃけ、三者三葉で不利だからな、野郎どもも」
グランソードさんや。わかってるなら今からでもリザーブに参加してくださいな。
実際曹操はうちのチームにとって鬼門だ。
女性陣は女宝で壊滅の可能性が甚大。かといって男どももそれぞれ別の意味で相性が悪い。
「まず俺だ。……ぶっちゃけ神格兼悪魔の俺は本気の奴に近づくだけで死ねる」
うん、絶望的に不利。
いぜんカモとまで言われたが、実際カモだ。
拡張させた禁手を使えば、神殺しの聖槍であるあれは俺にとって致命的なまでに効いてしまう。
まあ、そこは俺も拡張した禁手で対応可能だからまだましな部類だ。
「で、須澄は単純に相手が格上。っていうか禁手の方向性」
「うぐ、ぐぅ……。確かに一対一だと勝てる気がしないね」
ああ、禁手の方向性がこの場合相性を大幅に傾ける。
曹操の禁手は、ヴァーリ曰く自分一人でも神々と戦争することを考慮した禁手。故に個人での状況対応能力をここぞとばかりに挙げている。
反面須澄の禁手は一人でいたくないから生まれた禁手。使者を取り込み戦力を増やすため拡張性ならはるかにしのぐが、当人が増やす気がないのでこれは意味がない。しかもアップもトマリも女宝を喰らうとまずい。
そして須澄と曹操が一対一で戦ってどっちが強いかとなると……もうあれだ。
「バカな方の兄さんは、エイエヌはどうやってそんなのから聖槍奪ったの?」
「アイツ意外とうっかりしてるから、毒でも盛られたんじゃないか?」
須澄、現実逃避はやめよう。
「じゃあ、古城さんはどうなるんですか?」
と、ヴィヴィオが最後に残った暁の相性の悪さを指摘する。
まあ、これに関しては簡単だ。
「曹操は基本的に、大火力砲撃をまともに喰らわないからだ」
七宝の能力はその名の通り七つ。
女性の力の封印。
武器の破壊。
転移能力。
攻撃を受け流す。
飛行能力。
分身の生成。
そして大火力の一撃。
これら七つの機能を使うことで、曹操はあらゆる状況に対応する。
そして、大火力攻撃に対しては大きく分けて三つ対応できる。
転移して交わすなり、迎撃するなり、もしくは受け流してぶつけるなり。
「ぶっちゃけ一定以上の技量がなければパワータイプは奴のカモだ」
さて、どうしたものかと俺は考え、そして同時にメールに気づく。
「……お、グリゴリから通販のメールが来た」
こうなったら素直に頼るか。
「なんだ? なんかいろいろ映ってるが」
「デバイスか何かか?」
暁とノーヴェがのぞき込む中、俺は真剣に目を通しながら告げる。
「グリゴリの作った人造神器のチラシだよ。これぞいい機会だということで、テスターを募集したり売りつけたりしてるんだ」
ふむ、何かいいものないかねぇ。
俺はそれを見ながら何かないか考え―
「……あ、いいこと考えた」
ぽんと、手を打った。
「……てなものないか? 金はこれだけ出す」
『お前、相変わらずすごい発想で仕掛けてくるな』
「あれのデータを取るなんて、普通の方法じゃ不可能だろ? これもまたいい経験だと思わねえか?」
『ま、そういうことなら別にいいか。……なお、実験に失敗しても当方は一切関知しません』
「へいへい了解。だが、これができれば暁の問題も大幅に解決しそうだ」
『だろうな。だが、確かに発想としちゃありだな』
「じゃあ、注文の品はさっさと送ってくれ、アザゼル」
『わかってるよ。んじゃ、勝って見せろや、宮白』