HSDD 転生生徒のケイオスワールド2 卒業生のアザゼルカップ   作:グレン×グレン

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VSナツミ! 第二ラウンド!!

イッセーSIDE

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺とレイヴェルは、宮白の試合を見るために会場にまで来ていた。

 

 すげええええええ!!! 正姫工業すげぇええええええ!!!

 

 俺達の目の前で、パワードスーツによる激戦が繰り広げられている。

 

 さらに、遅ればせながらナツミちゃんまで乱入してもう大変なことになってきたぞ!!

 

『ハッハーご主人! 覚悟しなぁ!!』

 

『いきなりサミーマモードかい!!』

 

 頑張れ宮白! 間違いなくナツミちゃんはお前が狙いだ!!

 

「人間の技術も、学園都市技術の流出で急激に発展しておりますものね。これは油断ができなくなってきましたわ」

 

 隣でレイヴェルが感心しながら試合を見ているけど、確かにこれはすごいことになってきた。

 

 正姫工業も本腰入れてアザゼル杯を狙ってるってことだよな、コレ。マジで大変なタイミングで戦うことになったんだなぁ、宮白。

 

「……あ、もしかして宮白と戦うことになるから引っ張り出してきたのか?」

 

「恐らくそうでしょう。宮白さまは間違いなく冥界の英雄の1人。そんな相手と戦った新兵器となれば、勝敗に関わらず注目されるものと思われます」

 

 なるほどなるほど。流石宮白の家族。抜け目がない。

 

 そして、その成果は間違いなく発揮されていた。

 

『これはすごい! 本当にすごい!! 斬撃猫一番チーム、あの神喰いの神魔チーム相手に大善戦!! 割とてこずっております!!』

 

 実況がそう告げるぐらいには中々混乱状態だ。

 

「なあ、レイヴェル。この試合どっちが勝つと思う?」

 

「下馬評通りなら宮白さまの方が有利だと思いましたが、こうなると数を大きく増やせるムラマサさまのいる斬撃猫一番チームの方が有利ですわね」

 

 レイヴェルは静かにそう言った。

 

 確かに、しっかり足止めされている以上、大量の人員を投入できるムラマサがいる分有利なのは間違いないよな。

 

「可能性があるとすれば、いまだ不明なことの多い異世界能力に有利なものがどれだけあるか……というところですわ」

 

 ああ、やっぱりそうだよな。

 

 宮白の奴、「今後の敵に情報はさらせないな」って言って俺たちにも結構黙ってるところあるからな。俺達も暁とか近平のことはよくわかってない。

 

 っていうか、年上の実弟ってなんだよ。なんで平行世界から悪落ちした宮白がやってくるんだよ。とどめにどんだけ大被害だしてんだよ!!

 

 ああ、この試合、まだまだそいつらのことがわからないから、わからないんだよなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side Out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なめてかかっていた! なめてかかっていた!!

 

 俺の親父と姉貴をなめてかかりすぎていた!!

 

 振るわれる両腕には破砕用のハンマーが設置されており、まともに喰らえば中級悪魔でも一発でアウトになりそうな破壊力を発揮してくれている。

 

 そんなパワードスーツの攻撃をかわしながら、そして警戒しなければならないのはエースのナツミ。

 

 バランスの優れているマルショキアスで軽快に攻め立てると思ったら、いつの間にかナフラになって豪快なパワーファイトへと変化する。

 

 加えて左腕は盾にするつもりで既にフェニクスにしており、攻撃をそれで防ぐという堅実な戦法を行っている。

 

 ええい! 流石は俺の愛するナツミだ!!

 

「強くなったなナツミ! 大好きだ!!」

 

「うん! 僕も兵夜大好き!!」

 

「そこ、いちゃつかない!!」

 

 うるさい姉貴! 今俺達は通じ合っている最中だ!!

 

「よそ見は厳禁だ!!」

 

 そして、その隙を突いてノーヴェが素早く蹴りを放つ。

 

 よし! これで一人足止め―

 

「―残念♪」

 

 ……効いてないだとぉ!?

 

 くそ、硬化系の能力を保有しているのか!? いや、それにしてもパワードスーツの方はへこんでもおかしくないはずだろ?

 

「私は、自分及び触れた者の強度を高めることができる能力でね!!」

 

 そのまま豪快にチェーンソーを振るって反撃を行うが、ノーヴェはやすやすと回避した。

 

「……仕方ないな。少しずつ削ってくか」

 

 とはいえノーヴェも冷静に対応して、すぐに持久戦へと切り替えた。

 

 切り替えたのは良いんだが、問題は―

 

「逃がすな! 追え!!」

 

「うぉおおおお!? ちょ、ちょっと待った!!」

 

 暁は身体能力が高いだけで、眷獣なしだとこの場合不利だな、オイ!!

 

「先輩! とにかく捕まらないでください。この膂力は直撃をもらうと動けなくなります!!」

 

「とにかく頑丈なうえに熱対策も万全なようね!!」

 

 姫柊ちゃんとシルシも、火力不足がたたって苦戦気味。

 

 そしてまともに渡り合えるはずの雪侶はというと―

 

「魔剣なんて反則ですの! 反則ですのよ!!」

 

「現地作成ですお嬢様!」

 

「そういうわけで我慢してください!!」

 

 ……対魔法用の魔剣をムラマサが作ってた所為で大苦戦!

 

 あっはっは。そうだよ、魔剣創造はこういうのができるんだよ!!

 

 おのれムラマサ!!

 

『神喰いの神魔チーム大苦戦! ノーヴェ・ナカジマ選手は堅実に戦闘をこなしていますが、新規参戦の暁古城選手と姫柊雪菜選手は意外とてこずっております!!』

 

 仕方ないじゃん、相性悪いんだから!!

 

 ええい! このままでは目的が達成できん!

 

 まだか! まだビットは発見できないのか!!

 

 俺たちが何とか頑張ってしのぎながら、その最重要の報告を待っていたその時だった。

 

『……発見したわ! Cの4!!』

 

「待っていたぁああああ!!! 姫柊ちゃんとシルシ、レッツゴー!!」

 

 俺はバックステップののちに援護射撃をしながら、二人を先行させる。

 

 しかし、今俺たちがいるのがCの2であることを考えるとかなり近いな。

 

「抜けられたぞ、追え!!」

 

「いや、ムラマサさんが既に人形を送ってる!!」

 

 ああ、そうだろう。

 

 ムラマサの能力を利用した、人海戦術はかなりの脅威だ。少なくとも、既に広範囲に展開して調べているのは分かっている。

 

 だからこそ、この作戦は効果的なんだ。

 

「シルシ! 軸線を合わせろ!!」

 

「ええ! 暁くんと姫柊ちゃん、そしてビットは一直線よ!!」

 

 良し! ならいける!!

 

「暁、撃て!!」

 

「くそ! マジでやんのかよ……」

 

 嫌そうなのは分かるが、しかしこれは必要なことだ。

 

 大丈夫大丈夫。それはお前がよくわかっているだろう。

 

焔光の夜伯(カレイド・ブラッド)を継し者、暁古城が汝の枷を解き放つ―」

 

 これでようやく本領発揮。ああ、待ってたぜこの展開を!!

 

疾く在れ(来やがれ)、五番目の眷獣、獅子の黄金(レグルス・アウルム)!!」

 

 そこから放たれるのは雷でできた巨大な獅子。

 

 暁が最初に掌握しただけあり、比較的制御ができる眷獣でもある。

 

 だが、今はあえて制御しない。

 

 躊躇はあっても遠慮はない全力の雷撃が、一気に放たれた。

 

「姫柊、防げよ!!」

 

「はい先輩!!」

 

 そして、この作戦の肝は姫柊ちゃんにある。

 

 なんたって、彼女の槍は魔力を無効化する特別製。

 

 そして対第四真祖用の装備である以上、第四真祖の攻撃を防ぐことも可能なわけで―

 

「獅子の巫女たる高神の剣巫が讃え奉る」

 

 必然的に!

 

「破魔の曙光。雪霞の神狼。鋼の神威を持ちて我に悪神百鬼を討たせたまえ!!」

 

 放たれた攻撃を防ぐだけなら簡単なのさ!!

 

『ななななんとぉおおおおおおお!!! 暁選手の放った雷撃の獅子がムラマサ選手の魔剣の群れをたやすく粉砕!! しかし姫柊雪菜選手が槍を一振りしただけであっさりと無効化されましたぁあああああ!!! なんかものすごいことが二連続で行われています!! どう思いますが、ルシファー様!!』

 

『これはすごいね。単純な出力なら龍王や魔王クラス。それをあっさり無効化できるあの槍は、つまりそういうことに特化した武装なのだろう。伝説の聖剣や魔剣にも匹敵している』

 

 はっはっはっは! そうだろうそうだろう!

 

 とにかくこれで有象無象はごっそり減った。このチャンスは一切逃さない!!

 

「さあ行けシルシ、姫柊ちゃん!! そのままビットを確保してくるんだ!!」

 

「分かってるわ! さあ、行くわよ姫柊ちゃん!!」

 

「はい!」

 

 フハハハハ!! これで一気に状況は有利になった。

 

 今頃須澄たちも向かっているだろうし、ムラマサを抑えることも不可能ではないだろう。

 

 あとは俺達がナツミ達を足止めするのみ。そしてビットの場所が分かっている以上、こちらも遠慮をする必要はない!!

 

「暁!! それじゃあまずは五割から行ってみようか!!」

 

「あ、ああ!! ……そういうわけで半分ぐらいなー」

 

 ああ、ここでしっかりと暁の眷獣の訓練もしておかないとな。

 

「全員後退。巻き込まれるぞ!」

 

「え、ちょっと待ちなさい兵夜! いくらなんでもこれ魔王クラス―」

 

「ああ、だから制御のためにも練習相手になってくれ。マーケティングしてしてたんだからお相子だろ?」

 

「本当に性格悪いわねアンタぁああああ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Other Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 近平須澄は、発生した雷光を見て本当にやりやがった的な感慨を浮かべていた。

 

「流石、流石兄さんだ。本当に練習させてるよね」

 

「うんうんっ。全力の半分ぐらいかなっ?」

 

 半目の須澄に頷きながら、トマリは視線をアップに向ける。

 

「無双……したかった……っ」

 

「はいはいアップちゃん泣かないでっ。また次の試合で無双させてくれると思うよ?」

 

「そう、そうだよ! 僕からも頼んでみるからさ?」

 

 言いながら割と早いスピードで森の中を駆け抜ける。

 

 既に雷撃で破壊された森の残骸が見えてきており、この調子ならばビットの発見も時間の問題だろう。

 

 そして、すぐに味方と合流できた。

 

「雪菜ちゃんにシルシちゃんっ! 待ってたよっ!」

 

「トマリさん! ビットはこの先です!!」

 

「距離にして概算100メートル! だけど早いからすぐに走らないと追いつけなくなるわよ!!」

 

 シルシが言っているように、ビットは独自に行動する能力を与えられている。

 

 だからこそ、今回のゲームはなかなか大変であるわけだが、今回は相手が悪かった。

 

 なにせ、広範囲にサーチャーを展開できるアップや、大量の人員を疑似的に確保できるムラマサがいるのだ。必然的に勝負は短期決戦(ブリッツ)になる。

 

 必然的に、向こうもビットの存在を発見しているのだ。

 

「見つけたで、ビットには触れさせへんで!!」

 

「うわ、敵の(キング)っ!?」

 

 強襲を仕掛けてくるムラマサの攻撃を回避しながら、トマリが悲鳴を上げる。

 

 そしてそれを聞き流しながら、ムラマサは魔剣を生み出すと即座に切りかかった。

 

「させない、させないからね!!」

 

「ああもう! 無双したいけどトマリが最優先だし!!」

 

 それを同時に受け止めながら、須澄とアップが連携でムラマサを攻め立てる。

 

「お、中々やるやないかお二人さん! これはヴァーリも気に入りそうやな」

 

「それは、それはどう……も!!」

 

 出力だよりで強引に押し切りながら、須澄は一歩でもビットに近づこうと足を前に進める。

 

 だが、それでもムラマサの方が一歩速い。

 

「そんじゃまぁ、そろそろ禁手も見せようか!!」

 

 いうが早いか、ムラマサの魔剣達が一斉に集めると形状を変化させる。

 

 そこに生まれるのは巨大な鎧。それも、全てが魔剣で出来た鎧だった。

 

「これこそマイ禁手(バランス・ブレイカー)! 剣鎧創造(ソード・バース・ブレードメイル)!!」

 

 魔剣で出来た巨人が、さらに巨大な魔剣を生み出して須澄に切りかかる。

 

 もらえば一撃でアウトだと確信し、須澄はわき目も降らずにアップとトマリを掴むと走り出した。

 

「うわ、うわ、うわぁああああああ!?」

 

「お、落ち着いて須澄くんっ! 別にリタイアになっても死ぬわけじゃないんだしっ!!」

 

「……トマリ、どうしよう。逃げる時に真っ先に抱えてくれることが嬉しくて動けない」

 

「アップちゃんも照れてる場合じゃないからっ! あ、でもそう考えると嬉しくて吸血衝動が出てきちゃうかもっ?」

 

「発情してないで戦線に戻ってくれないかしら!?」

 

 こんなところでもいちゃつきを示してくる三人に鋭いツッコミを入れながら、シルシはしかしビットを見逃さない。

 

 一度発見さえしてしまえば、ビットの性能でシルシの千里眼から逃れることなど不可能だ。

 

 とはいえ、面制圧で探すムラマサも厄介であり、ムラマサの人形に気づかれれば逆転の目もありうる。

 

 上手く操作するムラマサを引き付けてくれるかどうかが勝利を分ける。

 

「さて、それじゃあ姫柊ちゃんも足止めをよろしくね」

 

「はい! でも、先輩達は大丈夫でしょうか?」

 

 雪菜の気がかりも当然といえるだろう。

 

 なにせ、相手は残りの斬撃猫一番チーム全員と、それ以上に厄介な実力者。

 

「ナツミちゃんを相手に、どこまで戦えるのかしら彼らは」

 

 




ようやく出せた、ムラマサの禁手の名称。

これそのものはキャラクターができたとのほぼ同時にできたのですが、なかなか詳細を言う機会がなくて残念でした。

こういったことができるのも、後日譚の魅力です。書いててよかった!!
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