HSDD 転生生徒のケイオスワールド2 卒業生のアザゼルカップ   作:グレン×グレン

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第21話

 

 とりあえず、あまり大所帯で行くのも何なので、俺達はMAR研究所前で待機していた。

 

「さて、それでこれより俺達は対策をとるぞ!!」

 

「ええ、そういうと思ったわ」

 

「まあ、大将はお人よしだからなぁ」

 

「これで性格が悪くなければ最高ですのに」

 

 ハイそこ外野うるさい。

 

 確かに外様極まりない俺達がいちいち介入する必要はないのだろうが、しかしだからといって放っておいても寝覚めが悪い。

 

 何よりそんなことをしたらイッセーに胸を張れんからな。眷属には悪いが付き合ってもらう。

 

「グランソード。こっちに派遣してあるPMCに合流して、脱獄囚捕縛に動いてくれ」

 

「応、大将! そういうのが一番楽でいいぜ」

 

 この中でも最強のグランソードは戦闘優先。お前なら心配することなく任せられる。

 

「雪侶。お前は藍羽を探して合流してくれ。アイランドガードは色々と大変で手が回らないだろうし、藍羽には悪いが手伝ってもらう」

 

「藍羽さんも飛んだ貧乏くじですわね。兄上、後で何か奢ってあげなさい」

 

 むろんだとも我が妹よ。俺は金払いはいい男だ。

 

 まあ、藍羽なら暁が頼めばすぐに聞いてくれそうだがな。それでも前もって事情を説明した方がいいだろう。

 

「で、シルシはスマンが俺に付き合ってくれ。これからちょっとスーパー探すぞ。雪侶とグランソードは五千円渡すからそれで何とかしてくれ」

 

「スーパー? いったい何するのよ?」

 

 ん? そんなもの決まってるだろう。

 

「暁達の晩飯だ。……たぶん暁、そろそろ倒れてもおかしくないぞ」

 

 どうも空腹なのか貧血気味だったからな。顔見ればわかる。

 

 どうやら体を入れ替えている間、優麻とやらは飯もそこそこに動いてたらしい。

 

 そろそろぶっ倒れてもおかしくないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなこんなでスーパーを探して、チャーハンの材料を購入。そして俺達はゲストハウスまで歩いている。

 

「しっかし、本当にトラブルに巻き込まれすぎだな、あいつらも」

 

「一番巻き込まれてるのは兵夜さんじゃない? あなた、二年前から一年ほどすごい密度の戦闘を潜り抜けてきたじゃない」

 

 言わないでくれシルシ。俺も自分でいうのもなんだがそう思っている。

 

 一時期はイッセーが中心になってたからそっちが中心かと思ったんだが、どうやら俺の方がたいがいのようだ。

 

 いや、これはつまりトラブルを誘引する者との縁を結ぶ素質でもあるんじゃないか? そういう起源の可能性もある。一度、真剣に調べてみる価値はあるかもしれない。

 

「なあ、シルシ。……お前は良いのか?」

 

「なにが?」

 

「いや、つまり俺の側にいると必然的に神話戦闘級のトラブルに巻き込まれるというわけだぞ?」

 

 ああ、まったくもって否定ができない。

 

 レイナーレとのもめ事から始まり、俺の戦いはどんどんインフレが激しくなっている。

 

 期待のルーキーであるライザーから、堕天使幹部のコカビエルという異例のヒートアップ。さらにそこから禍の団の主要派閥とのもめ事が頻発。挙句の果てにクリフォトと戦い、そしてフィフス一派との最終決戦。

 

 それがすんでからも小規模なもめ事や残党との戦闘、暴走した能力者との戦いは割と参加してる。

 

 そして息抜きもかねて異世界探索に出てみれば、エイエヌとの世界の命運をかけた大激戦。終わってアザゼル杯に突入しても、暁がらみでまた結構なハイスペックバトルに巻き込まれている。

 

 ああ、なんていうか俺の人生、たぶん程度はともかく相当トラブルに巻き込まれることになるだろう。

 

 思えば、それまでに駒王の番人なんて称号を裏でつけられる程度にはトラブルの対処はやっている。

 

 極道の抗争。麻薬がらみの侵略に対する対抗。加えていえば、それがらみで縄張り内でも悪行三昧を叩き潰すために色々と行動してきたわけだ。

 

 ああ、女を食い物にする外道とかは容赦しなかった。ああ、それは容赦しないというかしてたまるかというか。

 

 ……え? イッセーの覗き? まあ警察に捕まったとしても無罪にはしないよ? 遠慮なく女子には通報してるしね!

 

 何ていうか、妻にして眷属であるシルシは必然的にそれに巻き込まれることになるわけで。

 

「眷属やめて家を守るってだけでも、だいぶましになると思う―」

 

「―そこまで」

 

 俺が続けようとする前に、シルシは人差し指を俺に押し付けた。

 

 む。やっぱりちょっと怒ってるか?

 

()()? 私は、貴方の力になりたいと思ってるから、眷属になってるの」

 

 ……そういえば、そうだったな。

 

 シルシは真剣な目で、俺の目を真正面から見つめる。

 

「足手まといなら仕方がないけど、そうでないならついて行きたいわ。少なくても、力になれる私でいたいと心から思ってるのよ」

 

 その目は、不満というより不安の色を宿していた。

 

 ああ、そうだな。

 

 そうだった。

 

「充分力になってるし、活躍してるよ。エイエヌ事変の時にもいっただろ?」

 

 俺は心から真実を告げる。

 

 シルシの千里眼は間違いなく優れた力で、俺にとっては大事な戦力だ。

 

 フェニックスの不死の力がなければ、俺は神格で長時間戦闘をとれないし、いてほしいと心から思ってる。

 

 それは誓って嘘じゃない。

 

「いてくれて助かると思ってる。心強いって心から思うさ」

 

「だったら、言う事はそうじゃないでしょう?」

 

 ほっと安心すると、シルシは俺をからかうような笑みを浮かべる。

 

「これから大変だから、力を貸してほしいって言いなさい。私はその言葉を望んでるんだから」

 

「………ああ。わかったよ」

 

 これは、俺の完敗か。

 

 ああ、力を借りないとまずいしな、うん、これから気を付けよう。

 

 そんなシルシが寄り添ってくれるのを受け入れて、俺は素直に感謝しながらインターホンをならす。

 

 そのとたん、ドタバタと音をたてながら、なぜかナース服の姫柊ちゃんが飛び出してきた。

 

「……宮白さんにシルシさん!? す、すいません、人を呼んできてください!!」

 

 なんだ? まさか敵襲?

 

「あ、暁先輩が真っ白な顔で倒れたんです!! 意識も失っていて―」

 

「ああ、やっぱり」

 

 俺は軽くため息をついた。

 

 やっぱり、空腹が限界だったか。

 

「兵夜さんの予測が見事に当たったわね」

 

「ああ。……慣れてないときついんだ、長時間の空腹は」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほら出来たぞー。どんどん喰えよ長丁場になるぞー」

 

 ああ、手早く作るためにサンドイッチにしてみたが、中々良い出来だ。

 

 我ながら本当に料理の腕はいいな。褒めて遣わすぞ、俺。

 

「本当に美味いなこれ。いや、本当に美味い!」

 

「それはおなかがすきすぎていたのも理由じゃないかしら?」

 

 暁、まさか朝から何も食べてなかったとは……。

 

 そりゃ倒れる。おそらく仙都木優麻は朝から色々とやっていたようだ。むしろ、今まで倒れなかったのかが不思議なぐらいだ。

 

 とはいえ、気があるお二人さんとしてはそれで納得できるわけでもないようで、そのお二人さんはまだ不機嫌だったが。

 

「倒れるなら倒れるって言いなさいよ。……死ねばいいのに」

 

「全くです。先輩はいつもそんな感じですね」

 

「仕方ねえだろ、優麻が俺の体で何も食べてないなんて知らなかったんだから。むしろ気づいた宮白がすごいだろ」

 

「舐めるな。相手の体調を把握してフォローするのは、人心掌握としてそこまで不思議なことではない。俺はその辺気を遣う男だ」

 

「よしよし。できる男は大好きよ」

 

 うん、もっと褒めるといいシルシ。

 

「まあ、それはともかくやるべきことは数多い」

 

 一通り作り終えたので、俺も食事に参加するべく席に着く。

 

 とりあえず一個食べてから、俺は話を先に勧める。

 

「仙都木優麻の完全治療には魔女の強力が必要不可欠だったな、姫柊ちゃん」

 

「はい。魔女と守護者の契約は、現代の技術でも解析できないので、これ以上の回復には高位の魔女の協力が必要不可欠だそうです」

 

「加えて、監獄結界を考慮することも考えれば、囚人達よりも先にその人を確保する必要があるのは必然ね」

 

 姫柊ちゃんに続けて発言するシルシの言う通りだ。

 

 俺達がやることはその仙都木優麻の回復と、監獄結界の復活。そのどちらにも必要不可欠なのが南宮那月だ。

 

 最早これは、俺達と囚人達による南宮那月争奪戦と化している。

 

 ここにフォンフも加わるのだから、飯を食ったらそろそろ動かないと出遅れも甚だしい。

 

「さて、アイランドガードと連絡を取って連携を取りたいが、それもまた難しい」

 

「でしょうね。まだLCOの残党と戦闘を続けているでしょうし、今のままだと難しいかも」

 

 煌坂の言う通りだ。

 

 そもそもこの一連の騒動はLCOのテロ活動に端を発する。おそらく奴らはまだ動いているはずだ。

 

 どうしたもんかと思いながらサンドイッチを食べていると、俺の携帯に電話が。

 

 とりあえず、全員通話モードにして繋げると、普通に雪侶だった。

 

「なんだ雪侶? 今嫌な報告とか聞きたくないんだが?」

 

『残念ながらそうですのよ。藍羽さんと合流できませんの。キーストーンゲートにも家の方には帰られてないようでして』

 

 マジか。ちょっとそれは不安だな。

 

 たしか、そのハッキング技術を買われてテロリストに誘拐されたりしたこともあると聞いている。もし脱獄囚がアイツの存在を知ったとしたらどうなるか。

 

「仕方がない。お前はキーストーンゲートの近くで待機していてくれ。藍羽は俺達が電話で呼び出す」

 

『最初からそうしてくださいまし。わりと本気でうっかりですわよ?』

 

 それもそうだったな。悪い雪侶。

 

 ふう。とりあえず呼び出すなら暁の携帯からにするのが一番か。

 

「なあ、暁……」

 

「……先輩、似てませんか、あの子」

 

 と、姫柊ちゃんがテレビ画面を指さす。

 

 そこには、なぜか一日着まわしてるような印象の恰好の藍羽と、なんていうか小さくて可愛らしいドレス姿の女の子がいた。

 

 なんだ、藍羽の奴あんな所にいたのかよ。

 

 一緒に連れてるのは親戚か何かか? なんだかんだで面倒見いいからな、あいつ。懐かれたんだろ。

 

 そんな風に少し微笑ましい表情を浮かべる俺だったが、事態はちょっと深刻だった。

 

「……ああ、那月ちゃんにそっくりだ」

 

 へ?

 

「そういえば、南宮那月は時間そのものを奪われたのよね? だったら身も心も子供になってもおかしくないんじゃ……」

 

「まって。この映像、絃神島のどこにでも中継配信されているはずよね?」

 

 な、なんかどんどん緊急事態になってきてる!! これ、マジでやばいぞ!!

 

 あんな人口密集地に、あの質の悪い連中が集まったりなんてしたら……っ!?

 

「……雪侶にグランソード!! 誰でもいい、人員をパレードやってる地区に集めろ!! 戦争になるぞ!!」

 

 クソッタレ! いくらなんでもこれはやばいだろうが!!

 




一端空気が和んだかと思ったら、やばい事態に。

冷静に考えると一歩間違えたら死人が山のように出ていたことでしょう。あと絃神島が基本的な舞台だから、民間人の被害の危険性がD×Dを超えるよな、ストブラ
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