HSDD 転生生徒のケイオスワールド2 卒業生のアザゼルカップ 作:グレン×グレン
レーティングゲーム国際大会の開幕式、運営メンバーの一人でもある俺ことアザゼルは、こうして運営スタッフの一人として専用の特別席に向かっていた。
しっかし、俺の名前がついた国際大会とか、少し恥ずかしいな。
だが、こうして堂々と観戦できるのはなかなか楽しいもんだ。なにせ国際大会だからな。
帝釈天の奴は自分のところの四天王を堂々と投入してチームとして参戦。リアスのところもとんでもないのを参加させて参戦。オリュンポスとアースガルズは、テュポーンまで巻き込んでチームで参戦。
まだできたばかりで無茶が利くとは言え、これはまた大盤振る舞いだ。ノミネートした直後に参戦をやめたビビリもたっぷりいるぐらいだ。
ああ、だがその分諦めない奴らはきっと伸びる。
ヴァーリ、どうだ?
お前好みの強敵達が何チームも参戦してるんだぜ?
これはきっと楽しいはずだ、そうだろう?
そんなことを思いながら歩いていたら、意外な奴に出くわした。
「お、アザゼル元総督じゃねえか。ちょうどよかった、関係者席ってどこか知ってねえか?」
グランソードじゃねえか!?
おいおい、こんなところで何やってんだ?
「お前は関係者席じゃなくて参加者側だろうが。流石に
意外だな。こういうのはきちんと出席する奴だと思ったんだがよ。
宮白もたぶん参加してるはずだし、早くしねえと遅れるぞ?
だが、グランソードの奴はきょとんとした顔をして平然としていた。
「何言ってんだ? 俺は参加しねえぞ?」
「は?」
え、おいおいちょっと待て。
常識人とはいえ、自分がどこまでのし上がれるか試す為に禍の団に入った奴が、こんな激戦を安全かつ平和的に行えるチャンスを不意にするって? あり得ねえだろ!
「カッカッカ! つったって俺は元テロリストだからよ。今は協力してるからって、こんなイベントに積極的に参加するわけにゃあいかねえだろ?」
真面目だなおい!
「ヴァーリも曹操も堂々と参戦してんだぜ? 今からでもチームに入れてもらって来いよ」
「そりゃあいつらの面の皮が厚いだけだろ。俺はもうちょっと貞淑にやるさ」
こりゃ決意硬いな。今から行っても曲げたりしねえか。
魔王の名持ちで一番の常識人を名乗るわけだ。柔軟かと思えば意外とお堅いところもあるようで。
「……次の機会があったら参加しとけよ? お前みたいな奴らが人に迷惑かけずに強者に挑める。ここはそんなところなんだぜ?」
せっかく俺が苦労して作ってやったんだ。お前は冥界の英雄なんだからそれぐらいしたってかまわねえだろ。
宮白の眷属なだけあって、妙なところで硬いんだから困ったもんだぜ?
「ま、次は考えとくぜ。とはいえ
へいへい、わかりましたよ。
流石は俺らをリベラルすぎるといってくる奴の眷属だことで。少しはヴァーリの爪の垢を煎じて呑めってんだ。
「そんで? お前が抜けた穴はどうにかなんのかよ? 舎弟からか?」
「いや、あいつらも俺と同意見だ」
真面目な連中だな。少しは俺達みたいに肩に力を抜けってんだ。
だが、そんな状態で宮白が参戦するわけがない。
十中八九戦力を確保した状態で参加してるはずだ。そうでなければおかしい。
「つまり、凄腕揃いってことでいいんだな?」
「ああ? 俺の舎弟でも勝てる奴は一割以下の連中が揃ってるぜ?」
ってことは少なく見積もっても中級の上、下手したら上級悪魔クラスか。
その時、俺の脳裏にある連中の影がよぎる。
………ああ、確かにあいつらなら、中級悪魔クラスなら十分倒せるな。
「なるほど、そういうことかよ」
「お、わかったかい元総督」
ああ、あの野郎面白い趣向で来やがったじゃねえか。
こりゃ、この大会荒れるな。
「それで? その暁っていうのは今日は無理なんだな?」
「ああ、補習だそうだ」
朝に弱いって、吸血鬼らしいといえばらしいんだがな。
問題は―
「妹分の血を吸われて嫉妬した女の所為で学校が大打撃。その隙を突いて藍羽誘拐したテロリストが古代の超兵器を覚醒させて大暴れしたせいで、色々と単位がやばくなったらしい」
あいつどんな緊急事態に巻き込まれてんの?
っていうか古代の超兵器になんで現代のプログラマーが出てくるんだよ。
「それ、なんてロストロギアだよ」
「俺は神滅具思い出したよ」
自己修復機能に学習しての耐性獲得とかチートだろ。しかも龍王クラスの攻撃にも耐えるとか頑丈すぎる。そんなもん二桁もあるとか驚きだ。
問題は、その専門家がどれだけ頑張っても解けなかった制御コードを藍羽が数時間で解いたうえに、存在しなかった自爆コードを作ったということなんだが。
あいつ本当にチートすぎる。なんとしても今後の深い関係を結ばなくてはいけないだろう。いや、本当にシャレにならないチートなんでございますが。
……あいつが異世界の出身でなければ、解析中の学園都市技術のプログラムを解析して欲しいもんだ。
しっかし、想像以上にすごい数になったもんだ。
須澄もこんな舞台は初めてだからか、結構テンションを上げてきょろきょろしている。
「人、人が多いね。参加してる人何人ぐらい?」
「確かレーティングゲームって16人でやるんでしょ? それが千チームぐらいいるから……うわ、一万六千人!?」
アップが計算するが、確かに理論上の最大人数はそれぐらいあるだろう。
「そんなに入れるなんてすごい競技場だねっ」
「全員連れて来てる奴やフルメンバーの人達ばかりでもないですの。でも、数千人は間違いなくいますわね」
トマリと会話している雪侶の言葉が正しいがな。
一人で複数の駒価値を持っている奴なんて珍しくも何ともない。
イッセーに至っては一人で駒七つも埋めている。それも、転生者である俺が近くにいたことから発生するバグが原因だから本来なら歩兵の駒全部使ってるだろう。今ならそれでも足りないだろう。
ちなみに、転生者による駒のバグは修正することになっている。まあ、既になっている人に関しては「それも面白い」って感じで受け入れているそうだが。
助かるけど、自由すぎないか三大勢力。もうちょっとリベラル度合いを下げるべきな気もしないでもないが。
ちなみに、このアザゼル杯は駒のあたりが若干緩くなってる。
高位の神クラスの実力者でもなければ、本来駒価値が複数あっても一つの駒で運用可能だ。
最も、プロモーションの特性上ゲームバランスが崩れかねないということで
まあ、それでも八駒全部埋めることになった須澄は割と凶悪な部類だが。
能力も人数制限に喧嘩を売るような反則じみたものだ。流石にこれを他の駒で使うのはノンマナーな気がするし、須澄には兵士オンリーで行ってもらおう。
そういう意味では帝釈天とかテュポーン辺りは遠慮しろと言いたいが。どいつもこいつも高位神格クラスを何人も入れてやがる。テュポーンのところの「巨人たちの戯れ」チームに至っては、次期主神のウィーザルとアポロンが入っているという反則レベルだ。
次の機会があれば、神格クラスの人数制限ぐらいは入れてほしいものだ。これではほかのチームが勝ち目薄いだろうに。
まあ、聖槍持ちの須澄がいれば勝算はある。やるとなってもそう簡単に負ける気はない。暁、その時は絶対に入ってもらうぞ。真祖の眷獣なら、一体いるだけでもだいぶ変わる。
「待っていたわよ、兵夜」
と、そこに姫様が笑みを浮かべてこっちに近づいてきた。
「やあ宮白君。チームは準備できたみたいだね」
「色々あって抜けも多いがな」
苦笑交じりで木場にそう告げるが、しかし準備ができたことには変わりない。
もし、予定しているメンバーがフルで揃えば。
「勝ち目はありますよ、姫様にもヴァーリにも」
ああ、勝算は十分にある。
それを聞いて、姫様もまた不敵に笑う。
ああ、そうだろう。そこで怒り出すようなタマじゃないだろう、貴女は。
「その意気よ! 私も全力をもってあなたを倒してあげるわ。彼も連れてくるし、余っている戦車の駒も必ず埋めるわ」
ふふふ。あなたならそういってくれると思いましたよ。
そうでなければ面白くない!
「……そういえば、イッセーにぃはどこに行きましたの、義姉様方」
と、雪侶が辺りを見渡しながら首を傾げた。
あれ? そういえばイッセーの奴まだ来てないのか?
「イッセーって赤龍帝だよね? 独自にチーム作って参戦するっていう」
「あたしもそう聞いてる。だけどそろそろ開会式じゃないか?」
須澄とノーヴェも時間を確認しながらそういうが、あいつまさか寝坊してねえだろうな。
「どうしましょう? おっぱいドラゴンが遅刻だなんて、格好がつきませんわ」
「アーシア先輩とゼノヴィア先輩がいるなら大丈夫だと思いますが、少し不安になるますね」
朱乃さんと小猫ちゃんも少し心配そうにする。
おいおい、これってまずくないか?
「仕方がない。ちょっと連絡を取ってみると―」
「―ねえ、義兄さん?」
あ? なんだアップ。今ちょっと忙しいんだが。
「こっちの赤龍帝って、確か空飛ぶ船を持ってるとか言わなかったっけ?」
ああ、漁船みたいな名前つけてたな。
それがどうしたと思いながら振り返ると、アップは空を見て半目になっていた。
……まさか!
振り返ると、そこには巨大な船が浮かんでいた。
しかも舳先にはイッセー達がおそろいの服を着て勢揃い!!
確かあのでかいドラゴンはボーヴァとか言う奴!
それと、誰か見知らぬ女性もいるな。なんか仮面をつけてるせいで悪目立ちしてるんだが。
「イッセー! 遅かったじゃない」
「ごめんなリアス。ちょっと準備してたら遅くなっちゃって……」
そういって謝るイッセーに、何人ものチームが挨拶に訪れる。
サイラオーグ・バアル、ヴァーリ・ルシファー、曹操、匙、他にも何人も―
「人気あるんだな、あの旦那」
「そりゃもう。変態なのが難点だが、人から好かれるに値する立派な奴だよ」
そういいながら、俺もイッセーに声をかけようとするが―
「やっほー兵夜くんー!!」
後ろから瞬息で抱き着かれて、俺はつんのめった。
「く、久遠!?」
お前、いきなり抱き着くなよ!!
「ふふんー! 試合であったらライバルだよー! その時はお互い全力でねー!」
そう不敵な表情を浮かべる久遠の後ろから、見覚えのある顔が出てきた。
「まったくだ! 俺の大活躍の為の礎となるがいい」
「そう。俺達のハーレム街道の為の贄となるんだな」
松田と元浜が煩悩に燃える男の目で、俺達を見据えながら自信満々に歩を進める。
「ソーナさまー! ゲームであったら容赦しませんのでよろしくお願いしますー」
……そう、今回のレーティングゲーム。久遠はあえて独自にチームを率いて参戦した。
上級悪魔に昇格しているので何の問題もないし、俺もあまり驚いていない。
今の久遠の戦闘能力は駒価値が何駒も使われるレベルだろう。必然的にシトリー眷属はある程度埋まってしまうはずだ。
だから、あえて久遠は一人別のチームを率いた。
その名もシュトリズセイバーチーム。久遠が指導している京都神鳴流の剣士達で構成されたチームだ。
最も、いきなりこんなド派手な舞台に出るのに気後れしている人は多いので、松田や元浜など、駒王学園出身の異能関係者や異能力者などを入れて数を埋めているようだが。
「イッセーくんも負けないよー! 勝負では遠慮しないからねー!」
「ああ! 俺も負けないからなめるなよ?」
「おーおー。燃え上がってんな、オイ」
そこに現れたのは小雪だった。
小雪は、堕天使側のチームで参戦している。
堕天使バラキエルのチームのメンバーとして参加だ。父親代わりと言ってもいいし、むしろ自分から売り込んだんだろう。
「こんなにファックに面白そうなのは滅多にねーしな。思う存分こっちも楽しませてもらうぜ?」
「……カッハハハ! そりゃそうだな、おい」
「実質こちらは真剣勝負なのですが。ミカエル様の名代とは言いませんがあまり楽しめないかもしれませんね」
更にナツミやベルまで出てきたよ。
ちなみに、二人ともそれぞれ別にチームで参加している。
特にナツミのところは驚くべき構成だ。なんていうか、頭が痛くなるような感じだったり。
「なんか、前途が意外と多難というかなんというか」
俺の愛する女達は、基本的にどいつもこいつも俺より強いからなー。
「まあ、兵夜君ならいい線いけると思うけどねー」
「うんうん。兵夜と戦うことになったら遠慮はしちゃだめだよね」
「ファックな作戦展開しそうで怖いけどな」
「実質、遠慮は致しませんよ」
おいおい、もうちょっと愛する男に加減してくれよハニー達。
うん、だがまあ。
「ああ、いい勝負をさせてもらうぜ?」
こいつらの男として、それにふさわしい勝負だけはきちんとしないとな。
そして、そんな俺にシルシが並ぶ。
「さて、それじゃあそろそろ始まるし、一言言ってあげなさい」
そういって指し示すのは、俺を見据えるイッセーだ。
ああ、親友。
「……遠慮なしだ。本気で俺はお前に勝つぜ?」
「ああ。俺も全力を出してお前に勝ってやるよ!」
俺達は拳を打ち合わせ、そして開会式が始まった。
ヴァーリと曹操はグランソードの爪の垢を煎じて飲むべき。
そういうわけで、グランソードはアザゼル杯には参戦しません。こいつの性格だと散々テロやっておいてこんな大舞台に立つのは躊躇すると思ったのです。
あと、聖槍+守護霊二人の須澄や、低く見積もって龍王クラス12体(実は11体)をその身に宿す古城とかはアザゼル杯のルールでも兵士の駒全部や女王の駒を使わないと対応できそうにないと思ったのも理由ですね。兵夜も反則ギリギリなのは自覚してるのでそれぐらいのフェア精神は見せます。
そして、兵夜ラヴァーズは四人そろって別々に参加。彼女たちはそれぞれ兵夜やイッセーの難関として立ちふさがります。一度、ガチバトルさせたかったんです。