HSDD 転生生徒のケイオスワールド2 卒業生のアザゼルカップ   作:グレン×グレン

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兵夜「正直匙に同情した」

イッセーSide

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 宮白の奴、自爆癖がついてるんじゃないだろうか?

 

「イッセーさま。たぶん今、宮白様が聞いたら怒りそうなことを考えておられませんか?」

 

「ぎくっ」

 

 鋭いなレイヴェル! っていうか、まさか小猫ちゃんから俺の心を読む能力を会得したというのか!

 

 いや、まさかそんなことないよね? 考えすぎだよね?

 

「あらイッセー。兵夜と仲が良いのは分かるけど、親しき仲にも礼儀ありよ」

 

「分かってるさ、リアス」

 

 ああ、リアスの言う通り、ちょっと失礼なことを考えすぎるのはやめとかないとな。

 

「それで、宮白君が新しくスカウトした子達だけど……大丈夫なのかい?」

 

 木場が心配そうにそう言って会場を見る。

 

 ああ、確かに気になるよなぁ。

 

 なにせ、ヴィヴィオとアインハルトは二人ともすっごい子供だ。

 

 いや、俺達もまだ大学生と高校生だけど、二人はまだ小学生ぐらいの歳だしなぁ。

 

「正直宮白くんが何を考えているのか分からないよ。あの歳の子供にアザゼル杯は荷が重すぎる」

 

「確かにそうですわね。いざ闘うとなると、いくらレーティングゲームでも気が滅入りますわ」

 

 木場の意見に朱乃さんも同調する。

 

 ドSの朱乃さんも相手は選ぶ。少なくとも痛めつけていい相手とそうでない相手はきちんと判別できる。

 

 だから、十歳と十二歳の子供を相手にするなんて気が引けるのは分かるけど……。

 

「いや、木場達の意見は考えすぎだろう」

 

 ゼノヴィアが、同じく会場を見ながらそう断言する。

 

「マスターリアスも加減の仕方を間違えない方がいい。特にアインハルトの方は、油断するとこちらが死にかけると断言できる」

 

 ああ、確かに。

 

 ゼノヴィアの言う通りなんだよなぁ。

 

「お言葉ですがゼノヴィア殿。人間の、それも小学生程度の子供にそれほどの力があるというのですか?」

 

 俺の臣下になったタンニーンのおっさんの息子であるボーヴァが首を捻るけど、しかしそれはちょっと甘い。

 

「いえ、ゼノヴィアさんの言う通りでしょう」

 

 ロスヴァイセさんもそう断言する。

 

「宮白君の人事選球眼を舐めてはいけません。あの子達は、既に下級悪魔程度なら余裕で返り討ちにできる実力者です」

 

 ああ、そうなんだ。

 

 フォンフの襲撃を助けに行った俺達は、その戦いぶりをよく見ている。

 

 ヴィヴィオもアインハルトも、魔獣創造で作り出されたモンスターを相手に一歩も引かない戦いをしていた。

 

 はっきり言って、修学旅行で英雄派と戦った時の俺達ならまともに戦えるだろう。

 

 戦力として考えるなら、十分すぎる程に強いのがあの子達だ。

 

「リアスも木場も、手加減はしない方がいい。油断してると、本当に返り討ちに合うからさ」

 

「貴方が言うのなら、それは本当に恐るべき相手なのでしょうね」

 

 リアスは俺の言葉に苦笑を浮かべる。

 

 そして、立ち上がると会場を直接見下ろした。

 

「まあ、それもこの試合を見ればはっきりするのでしょうけれど」

 

 そういって、リアスは面白そうな笑顔を浮かべた。

 

「兵夜の集めたフルメンバー。その本領を見せてもらうわよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side Out

 

 さて、そういうわけで俺達は遂に会場入りする。

 

『レディース&ジェントルメーン! アザゼル杯も盛り上がり続けておりますが、本日もまた注目の一戦です!!』

 

 実況がテンションを上げて声を飛ばす中、俺達は相手チームと一緒にリングへと上がる。

 

 そこにいるのは、黒い髪をなびかせて戦闘を歩く久遠の姿。

 

『チームD×Dに参加した、リアス様とソーナ様のエース戦力の1人ずつが、チームを率いて参戦します!!』

 

 そう、俺達はそれぞれ独立してチームを率いて参戦した。

 

 まあ、俺は独立した以上そっちのが筋だし、久遠に関しては駒価値の評価が色々変化された為、自発的に抜けたのが近い。

 

 久遠の奴、駒価値四だったそうだ。禁手に目覚めていることが原因だな。

 

 まあ、それはそれとして若手の育成とかも考えてのことなんだけどな。

 

 お互い、色々と考えて苦労しているもんだ。

 

 そんな気持ちのまま見つめたら、久遠も同感だったのか苦笑を返す。

 

 ああ、それはそれとして試合は本気で挑もうか。

 

『さて、宮白兵夜選手と桜花久遠選手のレーティングゲームといえば、一昨年の一戦が思い浮かぶものも多いでしょう!! そう、桜花選手が見事に愛人枠を勝ち取ったあの一戦です!!』

 

 その実況の言葉に、俺は盛大にずっこけた。

 

「兵夜さん! 大丈夫ですか!?」

 

「あ、ああ。ちょっと驚いただけだから……」

 

 ヴィヴィが慌てて手を貸してくれるのが実に嬉しい。

 

 ああ、人間って、とっさの時の優しさに目が染みる生き物だよなぁ。俺、悪魔だけど。

 

 っていうか、子供も見てるのに何を言ってるんだこの実況は!

 

 冥界というか異形社会は、もうちょっとあり方を考え直した方がいいと思うんだ。俺やイッセーみたいなのが基準値なのは間違ってる!

 

『あの戦いは、リアスさまがソーナさまを下したことで決着がついてしまい、二人の戦いは流れてしまった印象があります。さて、今回の戦いでその決着を見せてくれるのか!!』

 

 ふむ、確かにその通りといえばその通りだ。

 

 あのまま行っていたら勝てるかどうかは分からない。そして、今の段階では間違いなく勝ち目がない。

 

 だが、この戦いは俺達が大将となっての集団戦だ。これは一味違う。

 

「兵夜君ー。遠慮はしないから遠慮しないでねー。ま、その辺は安心してるけどねー」

 

「当たり前だ。お前相手に遠慮何てしてる余裕は欠片もないしな」

 

 お互いに笑みを浮かべて、俺達は握手を交わす。

 

「ふっふっふー。私は負けないからねー。ダメもとだけど、やりたいことがあるからねー」

 

 と、割とやる気に満ち溢れた言葉を久遠は紡ぐ。

 

 ふむ、若手の育成を目的としているのかと思ったが、どうやら違うらしい。

 

「一応聞いてもいいか? ……何が目的だ?」

 

 なんだろう。すごい嫌な予感がするぞ?

 

 そして、久遠はすごくきれいな笑みを浮かべる。

 

 思わず見惚れたその瞬間―

 

「元ちゃんに、彼女をあと二人作ることだよー!」

 

 大声で、はっきりとそんなことを言った。

 

 俺はもう一回ずっこけた。受け身が取れなかったので頭が痛い。

 

「……あの、久遠さん? それってどういう……?」

 

 シルシが俺を気遣って代わりに聞いてくれる。

 

 ああ。俺が聞くのもいいけど、なんていうかすごい頭痛がするからできれば休みたかったんだ。

 

 ありがとう。俺は良い嫁さんを持った。

 

 だが、久遠は不思議なことを言われているとは欠片も思っていないのかきょとんと首をかしげる?

 

「え? だって次のデートをする時シルシさん達が困るでしょー? だけど人数に偏りがあると、元ちゃんに悪いかと思って―」

 

「ダブルデート前提かお前は!!」

 

 しかも全員!? 何考えてるのお前!!

 

「宮白、なんていうか……お前の彼女らしいな」

 

「どういう意味だ暁!!」

 

 言いたい事はなんとなく分かるが、それにしたって色々と問題あるわ!!

 

 あ、なんか実況側が騒がしくなってきた。

 

『あ、お待ちください匙選手!! 勝手にマイク取らないで―』

 

『宮白ぉおおおおおお!!! 桜花の優勝だけは絶対阻止しろ!! 絶対だぞ!?』

 

「ああ分かってる!! ていうかソーナ先輩が説教すればいいだけじゃね?」

 

『顔真っ赤にして黙り込んじまったよ!!』

 

「そんなに照れなくてもいいのにー」

 

「『恥ずかしがってんだ、バカ!!』」

 

 ああもう! なんていうかグダグダにも程があるだろうが!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『……駄目よ。ソーナちゃんのお婿さんは最低でもサーゼクスちゃんを倒せるレベルじゃないと』

 

 なんか魔王少女がすごいこと言ってきた。

 

「……匙、必要とあらば共闘するぞ? 流石にそれはハードル高すぎだ」

 

「誰かの力を借りれることも立派な素質だからねー。全力でサポートするよー」

 

『ありがとう、ありがとう……!』

 

『そんな!? 兵夜くんはともかく久遠ちゃんが裏切るなんて!?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「試合開始前から、胃が痛い」

 

「まあ、何ていうか個性的だな」

 

 ノーヴェ。変人ってはっきり言っていいぞ?

 

『さて! それでは気を取り直して今回のルールを発表いたします!!』

 

 その言葉と共に、今回のルールが発表される。

 

 そこに映った文字は、ランペイジ・ボール。

 

 なるほど、これが出たか。

 

『出ました! 今回の競技はランペイジ・ボールです!!』

 

「ランペイジ・ボールって、球技でしたっけ?」

 

「ああ、そうだ。……より厳密に言えば、ファール行為前提の球技だよ」

 

 ヴィヴィにそう告げ、俺は作戦を即座に考える。

 

 このランペイジ・ボール。簡単に言えば球技だ。

 

 そして、戦闘でもある。

 

 簡単に言えば、あらゆる妨害行為を行いながら、ボールをゴールに入れる競技だ。

 

 ポイントは入れた人の駒価値だけ手に入り、王は一律10ポイント。

 

 そして、このゲームの最大のポイントは―

 

『このゲームにおいて、リタイアした選手は一定時間を経過すれば、すぐに復活することができます! 事実上、体力が尽きるまで試合に参加し続けることができるのです!!』

 

 そう、倒すことが戦力低下に直結しない。

 

 時間制限の間の体力だけが問題なのだ。

 

 さて、これは色々と面白い試合運びになりそうだぞ?

 




思わぬレベルでセラフォルーの妹婿に対するハードルが高すぎたので、直前で修正しました(苦笑

それはともかくランペイジ・ボール。

………うすうす想定していると思いますが、今回も兵夜がやらかします

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