HSDD 転生生徒のケイオスワールド2 卒業生のアザゼルカップ   作:グレン×グレン

45 / 105
VS久遠 第一ラウンド!!

イッセーSide

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今回のゲームのルールはランペイジ・ボールかぁ。

 

「これは、宮白君たちの方が不利ですね、リアス姉さん」

 

「でしょうね。ルールとしてはかなり変則的ですもの」

 

 木場とリアスがそう言葉を交わすのも当然だ。

 

 レーティングゲームは基本戦闘な中、これは根っこは球技だもん。

 

 格闘技とスポーツは同一かとかはいろんな論議があるけど、スポーツとしての種類が違うからな。

 

 ヴィヴィオとアインハルトは格闘家だし、残りの人達も戦闘経験はあっても球技の経験はあまりないだろう。

 

 反面、桜花さんのチームメンバーの大半は、レーティングゲームを何度も見てきている人達だ。経験はともかく、知識としては知ってるはず。

 

 当然、戸惑いの方は遥かに少ないはず。

 

「宮白先輩はどうやって戦うんでしょうか? これ、特殊すぎるからたぶん練習とかあまりやってないですよね?」

 

「そうです。これは宮白さん、苦戦するんじゃないでしょうか?」

 

 ギャスパーとアーシアが心配そうにするけど、だけどどうしようもない。

 

 そもそもアザゼル杯では俺達敵同士だもんな。そうじゃなければ桜花さんも仲間だし。

 

 だから、ここは結構楽しんで観てる方がいいけど……。

 

「たぶん、最初は桜花さん達全力疾走すると思うぜ?」

 

「全力疾走とは?」

 

 ボーヴァが首をかしげるけど、他の皆は一斉になんか納得した。

 

 ああ、だって俺達、いい加減宮白との付き合い長いもんな。

 

 それに俺にいたっては幼馴染と言ってもいいし―

 

『さあ、試合開始のブザーがなりまし―』

 

『全員全力疾走で散開だよー!!』

 

 実況の言葉を遮って、桜花さんが声を張り上げながら奪取した。

 

 それと同時に松田と元浜も一斉に走り出すけど、残りのメンバーは少し出遅れてる。

 

 ああ、たぶん一応言われてはいただろうけど、それでも慣れてないからなぁ。

 

 それでも訓練が行き届いているのかすぐに走り出すけど、だけど遅い。

 

 ああ、この遅さはまずいなぁ。

 

 と、思った瞬間にすごい音が響いて、桜花さん達がいた辺りが吹っ飛んだ。

 

『うぉおおおおおおお!!!』

 

『死ぬ死ぬ死ぬ死ぬぅ!!!』

 

『予想通りだよ兵夜君ー!!』

 

 三者三葉の悲鳴を上げながら、桜花さん達は全力で破壊から逃げる。

 

 そして、試合会場はというと―

 

『こ、これはぁあああああ!!! 巨大な剣がフィールドに突き刺さり、数百メートルがクレーターにぃいいいい!!!』

 

 実況の言う通りだ。

 

 でかいクレーターが誕生していて、その中心には無茶苦茶でっかい剣があった。

 

 すぐにリプレイ映像が出るけど、試合開始後すぐに墜落地点の真上にその剣が出てきた。

 

 フィールドの高さギリギリにあるその剣は、普通に落ちているとは思えない速度で落下すると、勢いよく地面に突き立って、でかいクレーターを生み出した。

 

 まさに巨大隕石の墜落。シャレになんねえな、オイ。

 

『……やっぱり威力が低いわね。試合開始直後の真上からの強襲は効果的なんだけれど、三人逃がしたわ』

 

『降下距離が足りないか。レーティングゲームだと夜摩の黒剣(キファ・アーテル)は使いずらいな』

 

『チッ! 本陣から打つとすぐに気づかれてかわされると思ったが、同時攻撃にしておくべきだったか』

 

 シルシさんが確認して、暁と宮白がちょっと残念そうにする。

 

 ああ、やっぱり宮白の作戦だったか。

 

「あの、主殿、これは一体?」

 

「ああ、お前は宮白がよく分かってなかったよな」

 

 唖然とするボーヴァに、俺は宮白がどういう奴かを簡単に教えることにする。

 

「宮白は今回のルールをこう考えるんだよ「一定時間後に復帰するってことは、一定時間は完全に気にしないでいられる」ってな」

 

「そうですわ。例え一定時間が経過して復帰されるにしても、その一定時間の間は人数が減ることに変わりはない。宮白さまはそこに価値を見出す人物ですわ」

 

 レイヴェルもすぐにそう続ける。

 

 そう、確かにこのゲームは撃破が勝利に直結しない。

 

 だけど、間接的に繋げることはできる。宮白はそう考える。

 

「全員潰せれば体力を浪費しない走りで悠々と先制点を取れる。よしんば全滅できなくても、人数が減る分数で負けている兵夜のチームは有利になるわ」

 

 リアスがそう言いながら、楽しそうに笑う。

 

「そして、いきなりあんな攻撃を叩き込まれた桜花さんのチームメンバーは、恐怖を刻み込まれても不思議じゃないし、どうしてもあの攻撃を気にしてしまう。……出ばなを挫くにはいい作戦だわ」

 

 うん。リアスも宮白のこと良く分かってる。

 

 この試合、戦闘能力の差が敗北に直結しないから数が素直に有利になる。

 

 だから、出ばなを挫いて試合の流れをいきなり一気に傾けたわけだ。

 

 でも、そう簡単にはいかなかったな。

 

 なにせ松田と元浜は俺の次ぐらいに付き合いが長いし、桜花さんは宮白をしっかり見てるはずだ。

 

 当然、このルールになったら先制攻撃を叩き込むことは予想していたはず。

 

 だって、このルールだとどうしてもいきなり大技が出てくる可能性は低いから油断するからな。

 

 一応言ってはいただろうけど、宮白に対する理解の差で追いつけなかったってところか。

 

 これは、桜花さんのチームメイトにはいい経験になったはずだ。

 

「きっと、これもまたお兄様やアザゼルがアザゼル杯で考えている目的の一つだわ。……実戦では死んでしまうような失態も、レーティングゲームならちゃんと経験として持ち越せる」

 

 リアスはそういうと、さらに微笑を深くした。

 

「桜花さんは兵夜に感謝しなくちゃ。愛弟子達にいい経験を与えてくれたんだもの」

 

 ああ、これがこの大会の神髄なのかもしれない。

 

 本当なら代償として命が奪われるような経験も、この大会なら痛い目を見るだけで済む。

 

 この大会、本当に色々と考えられてるよなぁ。

 

 と、大混乱があったけど、すぐに桜花さん達も持ち直してすぐにゴールとボールの近くへと辿り着く。

 

 そして、宮白達もすぐに辿り着いた。

 

『先制点はこちらがもらう!! 暁! 俺達が足止めするからお前が決めろ!!』

 

『それを聞いて許すとでもー? 二人とも行くよー!!』

 

『『うっす!!』』

 

 それぞれ全力疾走で三人が宮白達に割って入ろうとする。

 

 そしてその瞬間―

 

『プランB発動!! 須澄!!』

 

『OK! 分かってるよ兄さん!!』

 

 宮白と、その弟の近平がそれぞれ松田と元浜に全力で突撃をかけた。

 

 義足と聖槍がそれぞれ大出力で唸りをあげて―

 

『『死ね変態!!』』

 

『『うぁああああああああ!?』』

 

 

 殺す気満々の攻撃が放たれたぁああああ!?

 

『なにしやがんだ宮白!! お前、今股間に狙いつけただろ!!』

 

『いや、鳩尾辺りを狙ったつもりなんだが、狙いが狂った。マジマジ』

 

 バックステップでかわした松田の文句に、宮白は本当に狙いが狂っただけなのか素直に謝った。

 

 謝ったけど、すぐに鋭い視線を向ける。

 

『それはともかく松田。……お前の担当は俺だ』

 

『そして、そしてあなたの担当は僕だよ、元浜くん』

 

 兄弟揃ってかなり血走った目で、宮白と近平は構えをとる。

 

 ここは死んでも通さない。何が何でもその命を奪う。……って思っても全然おかしくないような、マジですごい目だ。

 

 あの、これレーティングゲームだって分かってる? 殺し合いじゃないよ、競技だよ?

 

 そんなやばそうな雰囲気の中、しかし桜花さんは冷静だった。

 

 今ボールを持ってるのは、暁だ。

 

 なんでも実戦経験もあまりなくて、一昔前の俺たちみたいにトラブルに巻き込まれてるらしい。しかも能力が大火力な上に島暮らしなせいで、特訓する場所にも苦労するそうだってさ。

 

 その辺の戦闘訓練もかねて宮白は誘ったらしいんだけど、桜花さんの相手は厳しくないか?

 

 なんでも種族特性を活かして戦うと、加減がきかなくて島が沈むとかいうレベルだそうだ。この乱戦じゃ味方ごと巻き込んで吹っ飛ばしちゃうよな。

 

「桜花さまと暁さまの相性は最悪に近いですわ。なにせ大火力が使えない格闘技の初心者が、武術の達人である桜花さまを出し抜けるとは思えない」

 

「すぐにでもパスを出したいが、自分のポイントの高さを思えば躊躇するはずだ。その隙をつかれてボールが取られるといったところか」

 

 レイヴェルとゼノヴィアがそう予想するけど、俺もそう思う。

 

 ぶっちゃけ桜花さんって戦闘関係では隙があまりないからな。D×Dのメンバーの中でも、戦闘経験の多いベテラン勢だし。

 

 そんな桜花さんなら、慣れてないゲームに参加してる素人相手にボールを取るぐらい簡単だろう。

 

『先制点はもらうよー!』

 

 と、いうが早いか桜花さんは一瞬で暁の隣をすり抜ける。

 

 あ、これは確実にボール取られて―

 

『あれー? ボールはー?』

 

 ―いなかった!?

 

 え? あれ? ボールはどこに?

 

 その瞬間、いきなりブザーが鳴り響いた。

 

『ゴォオオオオオルゥウウウウウ!!! 桜花選手が暁選手からボールを奪ったかと思ったその瞬間、何故かポイントは暁選手による9ポイントです!! 何があったぁ!?』

 

 実況の人も驚く中、さっきの映像がスローでリプレイされる。

 

 桜花さんが踏み込んで素手の間合いに入る頃には、暁は何ともうボールを投げていた。

 

 そしてそのボールはまっすぐゴールの中心に入って、そして一気に9ポイント。

 

 え? ウソ、何事?

 

『ああ、そういえば言ってなかったな』

 

 松田を倒そうと攻撃を撃ちまくりながら、宮白がにやりと笑う。

 

『暁、元バスケ部で大会のMVPに選ばれたことがあるから。今回の役割は得点確保な』

 

 な、な、な、なんだって?

 

 大会でMVPって、半端なプロにも匹敵するよな?

 

 それが9点とれる女王枠って………

 

「何気に兵夜も引きが強いのよねぇ」

 

 リアスが苦笑するけど、本当にあいついい拾い物したよ!!

 

 そしてゴールを潜り抜けたボールを、ヴィヴィオからもらった暁は、其のまま走り出す。

 

 桜花さんは慌てて取ろうとするけど、その瞬間にはすぐにノーヴェさんにパスしていた。

 

『悪いな。戦争(ケンカ)は慣れてなくても競技(しあい)は得意なんだよ』

 

 あ、暁の奴、同性なのにかっこいい!

 

 こ、この試合展開が分からなくなってきたぞぉ!?




はい、兵夜がやらかしました。………いつもとは別の意味で。

一定時間『しか』リタイアしないのではなく、一定時間『まで』参加させずに済むと考えた兵夜。初手から大技をぶちかまして先制点をゆっくりとる作戦に行きました。

さらに、自分は徹底的に松田と元浜の足止め。自分の嫁のシルシはもちろん、自らスカウトした女性陣にセクハラをさせないと全力です。

そして案が忘れられてる設定だとは思いますが、暁古城はバスケ部のエースでした。なので、今回眷獣と違う理由で切り札たりえます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。