HSDD 転生生徒のケイオスワールド2 卒業生のアザゼルカップ   作:グレン×グレン

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皆様お忘れかもしれませんが、兵夜は一応領地持ちで、そこに魔術師たちを集めております。

そして魔術師たちの利権拡大なども兼ね、魔術による金銭獲得を割と真剣に考慮しておりました。

そして、兵夜は福利厚生をきちんと考慮する男。さらにはゼクラム・バアルから支援を約束してもらった男でもあります。









………どうなるかは、もうお分かりですね?


魔術研究都市メーデイア

 さて、まあなんというか、いろいろとあったもんだ。

 

 二年ほど前は本当に大変だった。限界にさらに向こう側に安全圏がある死線を潜り抜けろと言われるような激戦の数々だ。

 

 少し前も大変だった。

 

 破壊規模だけでいうなら、その死線を圧倒するほどの世界の命運をかけた戦いだった。

 

 そして今も大変といえば大変だ。

 

 そんな死線を潜り抜けた仲間との激突。ある意味一番きつい。

 

 そんな中、俺たちには何が必要だろう。

 

 まずは休息だ。

 

 過酷な環境において、休息を得ることができるのは望外の幸運としか言えないだろう。

 

 休めるときに休む。これを怠るわけにはいかない。

 

 そして、もう一つ必要なものは何か。

 

 それは単純な報奨というものだ。

 

 この激戦を共に潜り抜ける者たちに、恩返しをすることは必要不可欠。当然行うべき当たり前のことである。

 

 これは当然の礼儀や仁義の話だ。相手が気心の知れた気の置けない関係とはいえ、心の底から忘れるようでは張り倒されてしかるべきだろう。

 

 そういうわけで―

 

「来たぞ、湖!!」

 

 慰労会も兼ねた旅行だ!!

 

「本当にいいんですか、兵夜さん?」

 

「そうですよ。こんなことまでしていただくのは……」

 

 と、聞いてくるのは本日のゲストのヴィヴィとハイディ。

 

 ふっふっふ。だが安心しろ。

 

「気にするな。莫大な財源を確保している俺は必然的に金持ちだ。たまには贅沢しないと、下の連中が委縮してしまうからな。貯蓄は基本だが適度に豪遊するのが金持ちの義務と知るがいい」

 

 そう、仮にも領地を持つものとして、それ相応の執政をする必要があるのだよ。

 

 金持ちだからって金を使わなければならないという法律はない。むしろ金持ちとは不用意に金を使わない生き物だ。

 

 かつての俺がいい例だろう。その気になれば数千万の貯金を作れるのにもかかわらず、福利厚生を充実させるために金を使いまくり、あった貯金は百万ちょっとだ。

 

 だが、大金持ちになった今は違う。

 

 最上級一歩手前に位置する俺が質素倹約な生活を送っていれば、下の連中が「上が質素倹約なのに俺がお金使うのはまずい気がする!!」と委縮してしまう。

 

 ゆえに、ため込むのは基本として俺は適度に豪華な生活を送る必要がある。

 

 金持ちになるには金を使わなければいいだけだが、豊かにするには金を天下に回る物にしなければならないからな。

 

 今後悪魔の業界はどんどん発展していかなければならない。そう、ならなければならないのだ。

 

 迫りくるE×Eの脅威に対抗するためにも、悪魔という業界はより強くなる必要がある。

 

 そういう意味でもアルサムの活動は本来の悪魔の強化には必要不可欠。むろん、イッセーのように転生悪魔を迎え入れることも必要だが、これは全体の強化にはならない。

 

 事実上の国家ともいえる悪魔全体の士気を上げるには、悪魔全体が活気づくことも必要なわけだ。

 

 そういうわけで―

 

「全員まとめて今日は遊んでくれ。そっちの方が都合がいい」

 

「いや、アンタがそれでいいってならいいんだけどさ……」

 

 ノーヴェが周りを見渡しながら、首をかしげる。

 

「古城と雪菜はどうしたんだよ?」

 

「暁が補習でつぶれた」

 

 あいつ、本当に勉強大変なんだな。

 

 今度家庭教師でも送り込んでやろうか。歴史とかはともかく、数学ぐらいなら何とか支援できると思うんだが。

 

「にしても、この街すごいな。できたの最近なんだろ?」

 

「ああ、外周部の城壁を作ることに集中してたからな。まあ、こっちの区画は湖を挟んでるから比較的楽なんだが」

 

 なにせ、対岸まで三十キロは離れてるからな。安全と言い切れるレベルだ。

 

 そして、そんな湖の岸から半円状に城壁と堀を何重にも作ったこの学術都市は、ゼクラム・バアルが送り込んだ精鋭部隊もいることから、かなりの迎撃能力を誇る。

 

 学術研究都市ではあるが、そんな研究による疲れをすぐにでも発散できるように歓楽街も完備。さらに小規模ではあるが海水浴ならぬ湖水浴ができる場所も用意されており、遊びには苦労しない環境だ。

 

 名産品として研究中なのはワインとブランデー。また、各種薬草類なども品種改良が積極的に行われている。

 

 その名は、俺の相棒の名をとってメーデイア。

 

 この世界に流れ着いた魔術師たちの住まう場所。冥界に存在する魔術師たちの最大研究地区。

 

 そう、そして―

 

「兵夜、アンタこんな都市を領地に持ってるんだな。どんだけ金持ちだよ」

 

「ふふふ。最上級悪魔に届いたことのある転生悪魔を舐めるなよ?」

 

 俺の領地でもある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、ここまで読んでくれている人たちなら当然知っているだろうが、俺は領地持ちだ。

 

 なにせ、グレモリー家次期当主リアス・グレモリーの眷属悪魔だ。下級とはいえ土地を下賜されたのだ。

 

 その時はアーチャーもいたため、彼女の協力の元グレモリー領でも最高峰の霊地を領地として確保。その際に時計塔ほどではないが学術研究都市をつくるひな形はできていた。

 

 我が義兄(候補)サーゼクス・ルシファーや恩師アザゼルの協力の元探し当てた魔術師たちに、この霊地という極上の環境を餌に寄せ集めを行い、それと同時に研究施設として砦を建設。ここまではうまくいった。

 

 その後、思想上魔術師と相性のいい大王派の裏のトップであるゼクラム・バアルの協力を取り付け、本格的に都市建設計画はスタート。

 

 娯楽施設となる歓楽街の建設なども行いつつ、悪魔の駒の技術とアーチャーの手腕によって開発された、小間使いとしての人造魔術師たちも用意して、積極的に都市開発計画は行われた。

 

 むろん、俺は魔術を利用した技術発展も行っている。魔術礼装の技術を流用した人造神器。魔術によって品種改良を行った植物類。それらを研究費用の捻出のためと説得し、大規模農園として運用可能にする。

 

 それらを流通させる会社などを誘致し、魔術回路の力によって己を発展させようとした魔法使いなども集めた。その結果、人口数万人の地方都市が完成したのだ。

 

 それが冥界最新の都市、魔術研究都市メーデイア。

 

 俺の領地だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……しかしまあ、我ながらよくここまでのものを作れたものだと驚いてる」

 

 結果として中止になったが、俺が最上級に手が届いたというのも街を大きくした要因だろう。

 

 このメーデイア。割と冥界では活気のある方だ。

 

「兵夜さんって、すごい仕事してるんですね」

 

「すげえだろう、ヴィヴィ。大将の奴、所用で次元世界に行ってるとき以外は、常にメーデイアの事気にかけてるからな」

 

 はっはっは。俺はこれでもすごい奴なんだよ、ヴィヴィ。

 

 そしてグランソード。ヴィヴィ達が気を使いかねないからそれは言うな。

 

「まあ、上位の悪魔となればいくつもの仕事を兼業して当たり前の風潮があるもの。サーゼクス様なんていくつもの企業を兼業してるし、異形社会じゃ二足の草鞋なんで珍しくもないわよ」

 

 そうさらりと返すのは我が嫁シルシ。

 

 うん、さすがに悪魔側の出身なだけあってその辺はさらりと言ってくれるな。

 

 でも、大変なんだぞ? 言うほど楽じゃないんだぞ?

 

 だから俺はこれ以上の責任なんてしょい込みたくないです。

 

 人からワーカーホリックとは言われている。だが、これでもゆとりと余裕を持ちたいとは心から思っているのだ。

 

 万年生きれる悪魔になったというのに、数百年で過労死とか笑えない。長生きに興味はないが、悪魔として人並みに寿命ぐらいは持ちたいんだよ。

 

 そんな風にだべりながら、到着するのは食堂だ。

 

「お待ちしておりました、兵夜様」

 

 そういって傅くコックの後ろには、作られたばかりの料理の数々が。

 

「ああ、ご苦労様。あとは良いから少し休んでくれ」

 

「お心遣い、感謝いたします」

 

 ああ、しかし注文してみるもんだな。

 

 ……フライドポテトを高級料理店で作るとこうなるのか。うわ上品。

 

「なんかすごくうまくできてるから、冷めないうちに食べな」

 

「はい! いつもありがとうございます!!」

 

 そんなにお礼を言われることじゃないんだがな。

 

「いいっていいって。俺としても君たちには世話になってるんだから。食事をご馳走するぐらいでそんなにお礼言われたらこっちが困るよ」

 

「そうですの。兄上は問題行動も多いのですから、こういう時ぐらい問題のない行動をとってもらわないと困りますの」

 

 雪侶うるさい。

 

 まあ、それにただもてなすだけってわけでもないしな。

 

「……じゃ、そろそろ時間だな」

 

 ノーヴェが時計を確認してそう告げる。

 

 ああ、そろそろ時間だ。

 

「アルサムさまとイッセーくんの試合、そろそろよね」

 

 ああ、その通りだシルシ。

 

 この時間から、イッセーとアルサムの試合が始まる。

 

 今回呼んだのは其のためでもある。

 

 注目度が高いせいでVIP席を取れなかったんでな、いっそのこと城で見た方が手っ取り早いと判断したんだ。

 

 できれば暁と姫柊ちゃんも来てほしかったが、補習では仕方がない。学業優先なのは契約だし仕方がない。

 

「……さて、俺としてはどっちに勝ってほしいかというのは難しい問題なんだよなぁ」

 

 個人的にはイッセーに勝ってほしいと思うけど、アルサムに負けてほしくもないんだよなぁ。

 

「リオとコロナ、大丈夫かなぁ。アルサムさん、どうなんでしょう?」

 

「難しい話だろうな。……乳乳帝と覇剣抜刀なら、いい勝負にはなると思うが……」

 

 とはいえ、外部供給であることを考慮すれば、間違いなくイッセーの方が長期戦が可能だ。

 

 あれは消費が激しすぎる。さらに時空管理局でのテロ騒ぎで、イッセーに知られてしまったことも大きい。

 

 数の上では確かに勝っているが、しかし乳乳帝チームは修羅場を潜り抜けてきた若手の化け物ぞろい。

 

 すなわち―

 

「―はっきり言おう。アルサムが不利だな」

 

「そうですか……」

 

 ハイディも少し不安げな顔をする。

 

 ああ、それに関しては仕方がない。

 

 だが、しかし圧倒的な差というわけではない。

 

「……隠し玉とかがある可能性があるが、それ抜きで考えれば3対7でイッセーが勝つな」

 

 むろん、アルサムが3である。

 

「それほどまでにお強いのですか、その、兵藤さんとそのチームメイトの人たちは」

 

「まあなぁ。エイエヌとの最終決戦クラスの修羅場を、何度も潜り抜けてきた正真正銘の化け物共だからなぁ」

 

「若手悪魔の水準でいえば、文句なしに冥界最強格ですの。というより、努力も才能も環境も抜群ですので、勝とうと思う方がルナティックですの」

 

 ハイディの質問に、グランソードと雪侶が答えた。

 

 ああ、なにせどいつもこいつも規格外だからな。

 

 聖剣デュランダルの持ち主にして、完全復活したエクスカリバーすら装備した転生悪魔ゼノヴィア・クァルタ。

 

 天使長ミカエルのAにして、聖剣オートクレールを保有する転生天使紫藤イリナ。

 

 かつてアースガルズの主神オーディンの側近を務め。トライヘキサの封印術式すら手を届かせた戦乙女ロスヴァイセ。

 

 かの龍王の血を継ぐ存在にして、その中でも最強と称されるボーヴァ・タンニーン

 

 それに比べれば数段劣るが、レイヴェルとアーシアちゃんもまた、割とチート側の特性を持っている。

 

 さらに魔王クラスの戦闘能力を持つ、謎の女悪魔ビナー・レスザン。……まあ、俺は正体を知っているがそれは内緒で。

 

 そして、それを率いるのは規格外。乳の力で覇すら凌駕した、歴代最優の赤龍帝にして、赤龍の乳乳帝、兵藤一誠。

 

 どいつもこいつも時代が時代なら歴史に名を遺す存在になっていただろう規格外。冗談抜きで将来的に英霊の座に迎え入れられそうだ。

 

 単体でいうならアルサムも座に存在を刻むような規格外だが、しかし残念なことに個人でだ。

 

 女王枠のサムライブレードなら対応できるだろうが、どうしても質においては大きく劣っているというほかない。

 

 そう、ゆえに勝てるとするならば―

 

「アルサムが、隠し玉をどう使うかが勝敗を分けるだろうな」

 

 そこが、最大の分かれ目なのだろう。

 




はい、領地がすごいことになっております。

魔術師たちの福利厚生や技術のフィードバックのために企業も誘致しており、転生悪魔の領地としてはかなりすごいことになっております。









そしてイッセーVSアルサムのゲームもスタート。

人数においてはアルサムの方が有利ですが、なにせ相手は若手の化け物兵藤一誠とその眷属及び臣下。全員が本来若手のレベルでいていい存在じゃない規格外。

相対的に見ればアルサムの方が不利ですが、果たして勝敗はどう転ぶのかご期待ください。
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