HSDD 転生生徒のケイオスワールド2 卒業生のアザゼルカップ 作:グレン×グレン
ここから激突が始まりますぜ、旦那!!
そして、何年もお付き合いいただいてありがとうございます。
皆様の応援のおかげで、一作は完結することができました。
この作品も完結できるよう頑張りますので、ご声援してくださるとありがたいです。
イッセーSide
遅いなー、アルサムさん。
しかも、なんか一か所で戦闘が勃発してるし。
あれ、確かなんか光ったものが飛んできた方向だよな。
俺たちの作戦にあんなのはなかったから、たぶんアルサムさん所の作戦なんだろう。でもあれなら俺の仲間も分かるよな。
たぶん結構集まっての乱戦になるんだろうけど、皆大丈夫かな?
……いやいや。俺の仲間たちはみんな実力者だ。
ゼノヴィアもイリナもアーシアもあの激戦を何度も潜り抜けてきた。ビナー氏は俺でもまともにやり合ったら結構な確率で負けそうな人だから心配ない。ボーヴァもタンニーンのおっさんの息子なだけあって、むちゃくちゃ強い。レイヴェルもライザーの妹に恥じない実力を持っている。
アルサムさん所の眷属やチームメンバーも頑張ってるけど、真っ向勝負なら遅れはとらないはずだ。
だから、俺は俺の勝負で勝ってくるだけだ。
そうだろ、ドライグ。
『そうだな相棒。相手が一騎打ちを望んでいるのなら、それにこたえるのが赤龍帝というものだ。青野小雪には悪いが、龍として誇りを捨て去るよりは、誇りを貫いて勝ってこそだろう』
だよなぁ。
いや、確かに俺は守りたいものを守る強さがほしいから、守れないのはあれなんだけどね。それでも、真っ向から挑んでくる相手には真っ向から応えてやりたいよ。
もちろん、卑怯な真似をしてくるやつらが相手なら俺も仲間の力を借りる程度のことはやるけどね! だってリアスやアーシアちゃんの泣き顔を見るのは嫌だしさ!
だから、俺はそう簡単にはやられないぜアルサムさん。
そう、だって俺は―
「俺たちは、神や魔王すら滅ぼせる赤龍帝だからな!!」
「……そうだ、それでこそ私が相対する相手にふさわしい」
俺の独り言に、返答があった。
そして、アルサムさんが姿を現す。
「遅れてすまんな。各個撃破の乱戦になってはこちらが不利故、少しそちらのメンバーをおびき寄せさせてもらった」
『なるほど。あの光は相棒の仲間たちをおびき寄せるためか。おそらく、光に色によって味方の集合地点が変わるようにしているのだろう』
ああ、あの光って其のためか!!
堂々と実力勝負に持ち込む気かと思ったけど、こういう策もできるんだ!!
「仮にも悪魔の王を目指すのだ。この程度の腹芸もできなければ片手落ちだろう」
そうドライグに応えるアルサムさんは、しかしすぐに穏やかな気配をかき消した。
次に放たれるのは、サイラオーグさんにも引けを取らない明確な戦意。
レーティングゲームでこのレベルの戦意を浴びるのは、雷光チームとの戦い以来だな。
ああ、この人は本気で挑みに来ている。
俺を、好敵手として真剣に見ているんだ。
「アンタと同じような戦意を見せてるやつは何人も見てきた。……例外なく強敵なんでな、こっちも本気で行くぜ!!」
「無論だ。全力の転生悪魔と渡り合えずして、なぜ魔王を名乗ることができようか!」
次の瞬間、アルサムさんはルレアベのオーラを開放する。
そして、周囲の建物や障害物がすべて吹き飛んだ。
なんつーオーラだ! さすが魔王剣だ!
先代の四大魔王四人の遺体をベースに作られた魔剣。文字通り、四大魔王の力があれに込められている!!
『気をつけろよ相棒! あれはまさしく魔王剣―悪魔の王の剣だ!! 全盛期の俺でも気を抜けばただではすまん!!』
ドライグがそこまで言うほどか。
いいね! それでこそだ!!
「我が名はアルサム・カークリノラース・グラシャラボラス!! いずれ悪魔の長の一人になるものだ!! ……いざ、尋常に勝負!!」
「もちろんですとも!!」
俺は答えるなり、真正面から相手をするべく本気を出す。
「我、目覚めるは、乳の神秘に魅了されし赤龍帝なり!!」
だったらこっちも出し惜しみなしだ!!
「無限に続く夢幻の煩悩とともに、王道を行く!」
相手が魔王なら、こっちは乳乳帝の本領で行く!!
「我、赤き乳の帝王となりて―」
手加減なんて考えない、できる相手じゃありえない。
だから、本気で行きますよ!!
「―汝に乳房のように輝く天道を魅せつけよう!!」
乳乳帝を発動させると同時、俺は真正面から殴りかかる。
青野さんには悪いけど、ここまで堂々と挑まれた以上、俺も応えないわけにはいかない。
それが、いまも戦っている皆に対する礼儀ってやつだ。
そういうわけでまずは一発!!
「うぉおおおおお!!!」
「……むん!!」
真正面からのストレートに対して、アルサムさんは同じく正面から切りかかる。
乳乳帝の拳と魔王剣の刃がぶつかって、火花が散った。
そして一気に攻防が始まる。
真正面から放たれるアルサムさんの斬撃を、俺は籠手で受け流しながら反撃する。
それをアルサムさんも迎撃するけど、しかし両手で別々に攻撃できる分、こっちの方がわずかに有利!!
だけど手加減はしない。この手のタイプはそんなことされたら絶対に怒るから。
だから、全力で倒すことで礼儀とさせてもらいます!!
Side Out
これは、激戦だな。
「あ、アルサムさんが押されてる……っ!」
「やっぱりいつみてもすごいな、あの能力は……」
ヴィヴィとノーヴェが息をのむ中、イッセーは猛攻を続けていく。
アルサムもその攻撃を捌いていくが、しかし完全に防戦へと追い込まれている。
アルサムとルレアベの組み合わせも、魔王クラス相手でもまともにやり合える化け物なのだが、乳乳帝はさらにその上を行くか!
『イッセー選手ラッシュラッシュラッシュぅううう!!! 正真正銘の猛攻に、アルサム選手防戦一方だぁああああ!!!』
『単純な一撃の威力だけなら魔王剣の方が上だが、総合的なスペックなら乳乳帝の方がファックに上だからな。攻撃の手数が多いこともあって、そのまま押し切る作戦なんだろーよ』
小雪の解説が続く中、イッセーはアルサムに猛攻を加えていく。
なにせ、乳乳帝はイッセーだけの力じゃないからな。アルサムも四大魔王の力を借りているようなものだが、しかしドライグのサポートがあることもあって、優勢に動いている。
これは、アルサムはまずいか。
だが、それでもチームは善戦を続けている。
と、言うより―
『……やはり、貴女を敵に回すのは恐ろしい』
『よく言うわね。それはこちらのセリフよ』
一か所だけ、激戦のレベルが数段違うのがあるんだけど。
『一方こちらは集団戦! しかしビナー選手とサムライブレード選手の戦闘が激しすぎて、ほかの選手が近づけないぃいいいい!!!』
なんか、あそこだけイッセーVSアルサムとは違う意味で質の違う戦闘が行われている。
……あの二人の裏事情についてはすでに把握しているが、しかし本当にシャレにならん。
「あの、あの二人っていったい何者? あれが無名だったなんて信じられないんだけど?」
「まあ、悪魔って姿を変えることができるからなぁ。たぶんだが、どっかの実力者が正体隠して参戦してるんじゃねえか?」
唖然とする須澄に、グランソードは訳知り顔で補足する。
うん、それ正解。
そして、そこ以外でも激戦は繰り広げられている。
『うかつに相手の射程に近づくな!! 一発一発確実に当てていけばいい!!』
『わかってる! この女、魔力だけならSランククラスだ!』
フォード連盟の六人は、フォーメーションを組んでレイヴェルちゃんを足止めしている。
なるほど、軍師を足止めして作戦指揮をさせない作戦ということか。
そして、ある意味注目株のリオとコロナは―
「リオさん、一撃入れましたね」
「こ、コロナ! そこ、そこ!!」
ハイディとヴィヴィが興奮している中、ボーヴァ・タンニーンと戦っていた。
『なんと! 十歳の小娘がこの俺とここまで渡り合うとは!!』
巨大な岩の塊と殴り合いながら、ボーヴァが驚愕の声を上げる。
だが、それはあまりにも致命的な隙。
其のままその巨大な岩の塊を駆け上がったリオが、莫大な魔力砲撃を叩き込んだ。
『リオ選手とコロナ選手! 十歳児とは思えない動きであの破壊のボーヴァと渡り合っております!! なんという戦闘能力でしょうか!!』
実況が褒め称える中、リオとコロナはボーヴァの反撃の炎を回避する。
でかい岩は躱しきれずに破壊されるが、しかし二人とも慌てない。
『コロナ! 私が時間を稼ぐから―』
『わかってる! 直ぐに直すからね!!』
そして、リオは真正面からボーヴァと対峙する。
『俺の姿を見て一切臆しないとは、なかなかやるな娘よ!!』
『悪いけど、おっきいドラゴンは前にキャロさんに見せてもらってるし、ヴォルテールの方が大きかったから―』
振り下ろされる拳を前に、リオは一切躱す様子を見せず―
『―そんなんじゃ驚きません!!』
真っ向から打ち下ろしを受け止めた。
そして、それは受け止めるだけに止まらない。
『……えぇええええい!!』
そのまま全身に力を籠める。
そして数秒後、ボーヴァの足が浮いた。
『な、貴様……俺を持ち上げるだと!!』
『パワーだけならアインハルトさんよりありますから!』
ボーヴァは飛ぶなり振り払うなり対処の方法があったが、小柄な女の子に膂力で負けたショックで反応が遅れた。
そしてそのまま地面にたたきつけられる。
むろん、その衝撃で我に返ったボーヴァはすぐに振り払って立ち上がるが、しかし状況は一気に変化していた。
『いまだよ、コロナ!!』
『しまった!?』
後ろに立つ巨人の陰にボーヴァは振り返るが、しかし遅い。
顔面に岩でできたこぶしが叩き込まれて、さらに思いっきり吹っ飛ぶ。
そのまま建物の一つを粉砕して、そして埋もれるボーヴァ。
『やったね、リオ!』
『うん、コロナ!』
そのままハイタッチを交わす二人だが、しかしすぐに表情が引き締まる。
瓦礫を勢い良く吹き飛ばしながら、ボーヴァが起き上がったからだ。
その全身はプルプルと震えている。
感情の名は怒りだろう。だが、其れはリオとコロナに向けられたものではない。
小娘二人にいいようにされていることは確かに屈辱だろう。だが、それ以上にそんないいようにされてしまう自分のふがいなさに怒り狂っているのだ。
『……いいだろう。大人げないが仕方がない。お前たちを強敵と認め、全力で叩き潰す!!』
そして、ボーヴァは一気に突進して攻撃を開始した。
『ボーヴァ・タンニーン選手、全力です!! 元龍王のタンニーンさまの息子の中で最強と言われるボーヴァ選手を本気にさせるとは、あのちびっこコンビすごい、すごすぎる!!』
『あの兵夜が評価するんだからできる奴らだとは思ってたが、まさかここまでとはな。ファックにやるじゃねえか』
実況と小雪が感心するなら、さらに戦闘は白熱する。
『連携戦闘で畳みかけろ! 我らが押し切れるかどうかが勝利のカギだ!!』
『『『おう!!』』』
『舐めるなよ。連携戦闘なら私とイリナはかなりできるぞ?』
『どれだけ一緒に修羅場を潜り抜けてきたと思っているのかしら? さあ、アーメン!!』
一方右腕四天王は、イリナとゼノヴィアのコンビを相手に戦っている。
四天王などと名乗るだけあって連携はうまいが、ゼノヴィアとイリナもツーマンセルで任務を成功させてきた実力者だ。そう簡単にはやられない。
なにせデュランダルとオートクレールだ。聖剣の中でも高ランクのこの二振りに、エクスカリバーまで揃っているようでは禁手四人組とはいえ苦戦は必須だろう。
そして、最後の一人は―
『ここで倒させてもらいます!』
『そうはいきません。私も、アルサム様の眷属なのですから!!』
シェンはシェンで、ロスヴァイセさん相手に何とか食いついていた。
ドーピング技術の一環であった幻想兵装を、シェンは聖杯の余りを使って完全に肉体に適合させた。
これにより切っ先に触れた魔力を消滅させる雪霞狼見たいな能力を持つ
魔法のフルバーストを散弾状にすることによって、あくまで穂先にしか効果のない紅薔薇に対応している。
シェンもまた魔力すら使って善戦しているが、彼女が一番苦戦しているだろう。
この調子でいけば、シェンがやられて形勢がイッセー側に傾き始める。
そう、誰もが予想したその時―
アルサム眷属善戦。
感想の返信でも書きましたが、一対一では若手の領域を圧倒している規格外だらけの乳乳帝チームには劣ります。ですが、アルサムも馬鹿ではありません。
右腕四天王は連携できますし、フォード連盟からもチーム単位で呼び寄せております。リオとコロナもトレーニング仲間なので当然連携可能。それらチーム単位での連携を視野に入れたうえで、乳乳帝眷属と戦っております。シェンに関しては一対一という難易度ですが、彼女の技量と英霊の力を宿していることを踏まえて足止めは可能と判断しての采配です。
そして、アルサムの初見殺しは明確に突き立ちます。これは彼女はおろかその血族の将来的にも大打撃となるでしょう。
それでは、今年も一年ありがとうございました。
できれば、来年も感想と応援をいただけると幸いです。