HSDD 転生生徒のケイオスワールド2 卒業生のアザゼルカップ   作:グレン×グレン

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VSヴァーリ! 第二ラウンド!!

 

イッセーSide

 

 

 

 

 

 

 

『それでは試合開始!!』

 

 実況の声と共に、戦闘が開始される。

 

 今回のゲームは文字通りの短期決戦。すぐに決着がつくだろう。

 

 しかもヴァーリはノリノリ。これ、すぐにでも決着がつきそうな気がするなぁ。

 

 基本的にヴァーリチームは個人主義が多いこともあってか、戦術はシンプルにヴァーリを中心にフィールド中央に進撃するというスタイルだ。

 

 全員が相当に強いから隙が無い。そういう意味では宮白にとっては苦手なタイプだろうか。

 

 さて、宮白はどう動くか―

 

 と、思った次の瞬間、蛇が現れた。

 

 魔力でできた巨大な蛇。いや、東洋の龍にも見える。

 

 そして、それを引き連れるのは金髪の吸血鬼。

 

 今回のリザーブ枠、ディミトリエ・ヴァトラーが楽しそうに笑いながら先頭を歩いていた。

 

 そして、同じく先頭を進むのはヴァーリだ。

 

「……戦いたかったよ、ヴァーリ・ルシファー。なんでも”賢者”(ワイズマン)を一蹴したんだっけ?」

 

「多少は歯応えがあったが、根本的にはサンドバッグだった。暇つぶし程度にしかならなかったよ」

 

 そんな会話をする二人は、しかし隙が感じ取れない。

 

 一瞬でも隙があれば、即座に全力の一撃を叩き込もうという意志が感じられる。

 

 あのヴァトラーって人、なんというかヴァーリを数段やばくした感じがする。

 

 何ていうか、今までの経験が告げている。

 

 ヤバイ奴だ、あの人。

 

 そんな感覚に思わずつばを飲み込んだ時、フィールドの一部で爆発が起きた。

 

 その瞬間、蛇の眷獣が攻撃を放ち、それをヴァーリが受け止める。

 

 完全には受け止め切れなかったのか後ろに下がる中、ヴァトラーは笑みをより深くした。

 

「いいね。今のを止めるのなら楽しめそうだ」

 

「俺もだ。ようやく歯応えのある相手と戦えるようだ」

 

 ヴァーリも、同じ様に笑みを深くしている。

 

「さあ、勝負しようか」

 

「いいとも。さあ、来てくれ愛しの白龍皇よ!!」

 

 その瞬間、映像が途切れた。

 

『……あ、戦闘の余波で監視用の術式が吹き飛びましたね』

 

『ある意味当然の結果か。今後は術式の再構成が必要になるだろうね』

 

 えぇええええええ!? ちょっと勘弁してくれよ!!

 

 遠方に設置された術式で流れる映像からは、フィールドがポンポン吹き飛んでいく光景が映っていた。

 

 おいおい、どんだけだよ。シャレにならない火力がすごい密度と数で放たれてるじゃん。

 

 ドライグ、俺、あいつらに勝てるかな?

 

『一発勝負なら、乳乳帝を瞬間的に放てば行けるだろう。長期戦でも、乳を順次補給すれば対抗できる。だが―』

 

 その間だとヤバイってことか。俺の周りは強い奴が多くて困るぜ。

 

 とはいえ、他にも戦闘が勃発しているはずだ。

 

 そっちを移す方向に行くつもりなのか、映像が切り替わる。

 

 その瞬間、俺達は目を見開いた。

 

『ぶひぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!! いい、いいですお嬢様ぁあああああああああああああああああああああああ!!!』

 

『さあ泣きなさい!! 泣いて懇願しなさいこの子ブタ!!』

 

『この卑しい豚にお慈悲ぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!』

 

 魔力でできたロープに雁字搦めになった現猪八戒が、アップさんに振り回されて壁に叩き付けられている。

 

 現猪八戒はすごいMだ。それは知ってた。

 

 アップさんは弱い者いじめが大好きだ。これも聞いてた。そしてそれはつまりSっ気が強いってことだ。

 

 SとMが戦場で会った。つまりそういうことだ。

 

『……映す映像を間違えました。すぐに切り替えます』

 

 実況がすまなそうにそういうと、映像が切り替わった。

 

 そこでは、雪侶ちゃんが現沙悟浄と激突していた……んだよな?

 

『な、なんですか、それは!!』

 

 可愛い女の子な沙悟浄は、明らかに慌てていた。

 

 そりゃそうだろう。俺も驚いている。

 

 そこにいたのは、一体のドラゴンだった。

 

『……滅龍魔法はステージがありますが、その根幹は龍の特性を付加することではないのかという説が研究者の間ではありましたの』

 

 そのドラゴンは、間違いなく雪侶ちゃんだ。

 

『ゆえに、発動形式を古くした場合、滅龍魔法の使い手は最終的に龍そのものになってしまうのではないかという推測がなされましたわ』

 

 そう告げる雪侶ちゃんだったドラゴンは、にやりと笑った。

 

『それを逆手に取ったのが疑似滅龍魔法の極点。龍への変身能力!! 赤龍帝の愛人の一人として、これほど相応しい能力はないでしょう?』

 

 そのドラゴンは、氷のブレスを吐いて現沙悟浄を圧倒する。

 

『少なくとも、河童如きに負ける木っ端ドラゴンではありませんのよ!!』

 

 だけど、雪侶ちゃんは調子に乗りすぎた。

 

 それ禁句!! 禁句だよ雪侶ちゃん!!

 

 その瞬間、慌てていた沙悟浄はプルプルと震え出した。

 

 そして、周囲の水が大量に浮き上がる。

 

『河童じゃありません!! 私は立派な妖仙です!!』

 

 現沙悟浄のその子は、河童扱いされると激怒するんだよ雪侶ちゃん!!

 

『……あら? もしかして雪侶、余計なこと言いましたの?』

 

 圧倒していた戦況が均衡にまでもつれて、雪侶ちゃんは小首を傾げた。

 

 うん、これはまずい。

 

 頑張ってね、雪侶ちゃん!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

兵夜Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 戦闘が勃発し始める中、俺は見事に外れを引いた。

 

 目の前に現れるのは神喰狼フェンリル。……俺が一度はめて爪をへし折った化け物だ。

 

 どうやらその所為でロックオンされたらしい。

 

 雪辱戦のつもりなのか、ただ単純に興味を惹かれたのか。

 

 ……俺、ここで死ぬかもしれない。

 

「そんな不安な感情を浮かべないでよ、兵夜さん」

 

 と、そこで肩に手を置きながらシルシが微笑む。

 

「あなたと私が一緒なのよ? 勝てるに決まってるじゃない」

 

 ……俺、いい妻を持ったなぁ。

 

「じゃあ、やるか」

 

「やりますか」

 

 その言葉と共に、俺は偽聖剣を展開すると同時にシルシと一体化する。

 

 さあて、それじゃあやるか!!

 

 その瞬間、叩き込まれた爪の一撃を俺は無視する。

 

 フェニックスの再生能力がある限り、この程度で即死することはない。それは想定内だ。

 

 その程度のことも覚悟しないで、この化け物を倒すことなどできるわけがない。

 

 そもそも、そんなものは見えている。

 

 見えているから対処も比較的難易度が下がる。今の俺なら迎撃も不可能ではなかっただろう。

 

 だが、それはあえてしない。

 

 することはただ一つ。

 

「このまま捕まえる!!」

 

 神々の権能をフルに使い、無理やり動きを止める。

 

 フェンリルは爪と牙の攻撃力と、機動力の二つが驚異的だ。

 

 裏を返せば、単純な怪力なら流石にそこまでではない。

 

 怪力の神の力を利用すれば、時間稼ぎ程度はそこそこできるはずと考えた。

 

 そして、それは何とか予想通り。

 

 このまま抑えきれるか―

 

 と思った次の瞬間、敵の増援がやってくる。

 

「おや、これはいわゆるスモウレスリングですか?」

 

「おお! ジャパニーズスモウってやつか!! でもフェンリル相手にそれはどんな感じなんだよ」

 

 アーサーと美侯!! こんなところで!!

 

 え、あれ? これってやばくね!?

 

 ここで王の俺がやられたら、ヴァトラー機嫌悪くなるんじゃね?

 

 そして暁で発散とかするんじゃね!?

 

 おおおそれはまずい色んな意味でマズイ!!

 

 だ、誰か助けてくれ!!

 

「……レッツゴー! ザ・クラッシャー!!」

 

 そして助けは来た。

 

 巨人が勢いよく降り立ち、地面が揺れる。

 

「ついに! ついに戦えるよっ! 今まで暁くんに眷獣を使われてたから全然役に立たなくて大変だったんだよっ!!」

 

 涙すら浮かべながら、トマリが凄い嬉しそうな表情で辺りを見渡す。

 

 ……眷獣の扱いに困り果てていた為、これまでのゲームでは暁にばかり眷獣を使わせていた。

 

 暁が眷獣の扱いに慣れる機会を与えることも理由の一つだったので当然ではある。しかしそれにより、吸血鬼の基本形に忠実で眷獣を使うことが基本のトマリはあまり役に立てなかったことは否めない。

 

 ……今回のルールで一番喜んでいるのは、間違いなくトマリだろう。

 

「やっとだよやっとだよやっとだよっ! 覚悟はいいかな?」

 

 と、嗜虐的な視線がアーサーと美侯に突き刺さる。

 

 ああ、これは完全にターゲットにされたな。

 

「お、今まで目立ってなかった姉ちゃんじゃねえか! こんな隠し玉があったとは驚きだぜい!!」

 

「これは楽しめそうですが、しかしこういう時は適任がいますよ、美侯」

 

 乗り気で挑もうとする猿に、アーサーがストップを入れる。

 

 ん? 適任?

 

 いったい誰のことだと思った瞬間、ジェット推進のような音が響き渡る。

 

 見れば、そこにはゴグマゴグの姿が!!

 

 あいつ飛べるのかよ!!

 

「おお!! これはピッタリな相手が出たよ……とは言わないよ?」

 

 と、にやりと笑たった瞬間、新たな眷獣が召喚される。

 

「撃ち落としてっ! ザ・スマッシャー!!」

 

 言うが早いか多頭龍の眷獣が一斉砲撃をぶちかます。

 

 巨大ロボットによる板野サーカスが繰り広げられる中、さらにザ・クラッシャーが腕を振り上げてアーサーを狙う。

 

「おっと。危ない危ない」

 

 バックステップで回避しながら、アーサーはコールブランドを引き抜く。

 

 ふむ、流石にこれは苦戦するか?

 

 ……と言いたいところだが。

 

 これは、チーム戦だ。

 

「大丈夫ですか宮白さん!!」

 

「援護します!!」

 

 ヴィヴィとハイディも現場に到着。

 

 更に巨大な光の刃が俺達を分けるように地面に切り傷をつける。

 

「無事? 大丈夫、兄さん?」

 

 須澄も来てくれたか!!

 

 よし、これなら反撃のチャンスはいくらでもある。

 

 さあ、勝負はここからだ!!

 




一つの世界で最強クラスを誇る戦闘狂同士の激突。それは余波で観測機器を破壊するほどの大激突。

いや、冗談抜きでフィールドが先に崩壊しそうと思った人もいるのではないでしょうか?







SとMが交わる時、プレイが始まる。……これ、一種の不倫だろうか?







それはそれとして、これまであまり活躍できなかった雪侶とトマリにも見せ場を用意しました。

雪侶の方は即席で考えたのですが、デットコピーゆえに完全に龍化しないため悪影響が少ないというのは我ながらナイスアイディアだと思います。イメージとしては最弱無敵の鬼械神であるデモンベインですね。

そしてトマリもヴァーリチーム三人を相手に大立ち回り。なんだかんだでストブラ世界で最強の魔族である吸血鬼の、そのまた高位クラスなのです。弱いわけがないのです。

なんだかんだでいいとこ少ないトマリですが、この人も須澄やアップとチーム組んでるわけじゃないのです。
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