HSDD 転生生徒のケイオスワールド2 卒業生のアザゼルカップ   作:グレン×グレン

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調子がよかったので連投


VSヴァーリ 最終ラウンド!!

 

 その言葉に、ヴァーリチームの全員が虚を突かれた。

 

 敵が強大であることはきちんと知っている。

 

 なにせ、第四真祖である暁古城の眷獣の強大さは嫌というほど見せつけられた。

 

 単体で龍王クラスの火力を発揮するその圧倒的な力は、神滅具の担い手にすら匹敵する。それを開放できていないのも除けば12体も保有しているなど、半端な強者ならショックで笑うしかない状況だ。

 

 その真祖に最も近いもの、それも実戦経験が豊富となれば、必然的に相当の実力者だと予想していた。

 

 だが、それでもヴァーリならという期待が心のどこかにあった。

 

 それほどまでに明星の白龍皇は強大だったのだ。

 

 その慢心が、ここにきて致命傷となる。

 

「………吠えなさい、グラム」

 

 まず真っ先にターゲットにされたのは、アーサー・ペンドラゴン。

 

 空間を割くコールブランドは、あり得ないが逃げに徹されると厄介極まりない。

 

 ましてや使い手であるアーサーは人間の中でなら最強格。できれば早めに倒したいタイプの一人だった。

 

 むろん、アーサーは最強格なだけあって強大だ。少なくともそう簡単に隙を見せてくれるような類ではない。

 

 しかし、ゆえにその一瞬の隙が致命傷だった。

 

 なにせ、その言葉を発したのは今この地域にいる者ではない。

 

 彼女は今、猪八戒相手に性癖を満たしているはずで―

 

「―遅い」

 

「―っ!?」

 

 その交錯は、一瞬だった。

 

 超音速でターゲットを切り替えて強襲攻撃を仕掛けたアップの攻撃に、アーサーはかろうじて反応して迎撃を行う。

 

 しかし、アップ・ジムニーはその上を行った。

 

「―()に弱い者いじめを行うには、絶対的な条件が必要なの。……わからないでしょうから教えてあげる」

 

 二連続の驚愕ゆえにどうしても遅れたその反撃をたやすく防ぎ、アップは同時にバインドを多重に仕掛ける。

 

「それは相手の反撃をいなせること。……殴りに行くのに殴られないなんて高をくくるようなド三流と違い、一流の弱い者いじめには弱者の逆襲を乗り越える能力が必要なのよ」

 

 かっこいいのかかっこ悪いのかわからない、ある意味で兵夜の義理の姉妹らしい言葉を告げ、アップは再び猪八戒をいじめに戻ろうとする。

 

 そして、その超高速のヒット&アウェイが戦局を動かした。

 

「やっちゃえっ! ザ・クラッシャー!!」

 

「うぉおおおおお!?」

 

 振り下ろされた巨人の拳を、美猴はギリギリで割って入って受け止める。

 

 それは当然の行動であり、そして美猴の実力ならば確実にできたことだろう。

 

 しかし、全力で反応しすぎた。

 

 ヴァーリの苦戦、いないはずのアップの強襲、アーサーの捕縛。

 

 想定外の事態の連発という名の毒は、致命的な隙を生んでいた。

 

「―かかったねっ?」

 

 その言葉を告げるトマリの表情は、すさまじく恐怖を感じさせる。

 

 そしてその瞬間、美猴は自分の失敗を悟った。

 

 巨人の一撃を全力で受け止めるのは致命的だ。いなせばいいのについ弾き飛ばそうとしたのがいけなかった。

 

 これでは、アーサーはもちろん自分も隙ができてしまっている。

 

 むろん、アーサーはすでにバインドをコールブランドを使って切る寸前であり、自身もすぐに対応しようとしている。

 

 ………しかし、競技選手とはいえその一瞬の隙を逃すほど彼女たちは未熟ではなかった。

 

「覇王―」

 

 激戦の記憶を継ぐ、覇王の拳は美猴の眼前で振りかぶられる。

 

「アクセル―」

 

 歴戦の勇士の子である、聖王の拳はアーサーの急所に正確に狙いをつけ―

 

「―断空拳!!」

 

「―スマッシュ!!」

 

 それぞれ、その致命の一瞬を逃すことなく刈り取った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ヴァーリチームの歩兵と騎士、それぞれ一名痛恨のダメージぃいいいいい!! これはもう動けないかぁ!?』

 

「お兄様!?」

 

「美猴!?」

 

 そしてその一撃は、さらに致命の隙を伝播させる。

 

 もちろん、彼女達もまた歴戦の戦士でありその隙は隙というのもおこがましいものだった。

 

 しかし、目の前にいる天敵には、それで十分だった。

 

 ノーヴェ・ナカジマはそれをなしたのが自分の教え子であることをよく理解した。

 

 理解したから逃さない。

 

 狙ったわけではないといえ、最高の好機を二人は作ったのだ。

 

 なら、ここで其のバトンを受け取るのは、コーチである自分の責務。

 

 故に、全力で接近する。

 

 

 加えてノーヴェは陸戦特化の速度重視。

 

 IS、ブレイクライナーと名付けられたその固有能力は伊達ではない。

 

「……うそ、速い―」

 

「もらったぁ!!」

 

 ………自分の教え子たちは、それぞれ強みを明確に持っている。

 

 ことアインハルトとヴィヴィオはそれぞれ極みに達せれる可能性があった。

 

 断空という圧倒的な破壊力を秘めたアインハルト。

 

 その目と拳で正確に急所を撃ち抜くヴィヴィオ。

 

 そして、必然的にその二人を指導するノーヴェにはそれらを見極める技量があり、そして正確に教え込めるだけの能力がある。

 

 故に、そうした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『―ヴァーリチームの僧侶、一名リタイア』

 

『―ヴァーリチームの騎士、一名リタイア』

 

『―ヴァーリチームの兵士、一名リタイア』

 

『やった! やって見せました神喰いの神魔チーム!! 一瞬の隙をついて、見事あのヴァーリチームを三人も撃破ぁあああああ!!』

 

 実況の声が響く中、ヴァーリは思わず膝をついていた。

 

 実力者であることは最初からわかっていた。

 

 強者特有のすごみを見せていたし、修羅場を何度もくぐってきたもの特有の気配も漂っていた。

 

 何より、強者との戦いに飢える者特有の飢餓感を感じさせる。

 

 ……しかし、ヴァーリが苦戦した最大の理由は一つだ。

 

 理由は単純、()()()()()()

 

「……つまらないかい、この戦いは?」

 

 全身を蝕む瘴気による激痛に耐えながら、ヴァーリはそう尋ねる。

 

 間違いなくお互いは強敵で、かなりギリギリのところのハイレベルな戦いができるであろう存在だ。

 

 合体眷獣を使うヴァトラーは間違いなくこれまで戦ってきた中でも高位の実力者で、ゆえにヴァーリも極覇龍を使ったほどだ。

 

 しかし、相対するヴァトラーは何処か冷めた目でこの戦いを見ていた。

 

「……いや、君は素晴らしい強敵だヨ。あの爺さんでもかなりてこずるだろう。少なくとも、監獄結界の囚人よりは楽しめそう……だったよ」

 

 そう過去形で告げながら、ヴァトラーは嘆息する。

 

 それは決してヴァーリが弱いということではない。

 

 問題は、この戦い方だ。

 

「やっぱりだめだね。死なないってわかっている戦いだと、どうしても乗り切れない」

 

 そう残念そうにつぶやくヴァトラーの気持ちも、まあわからなくはない。

 

 強者としのぎを削って戦うのはとても楽しい。そして勝利した喜びはさらに素晴らしいだろう。

 

 だが、死ぬかもしれないスリルをこのレーティングゲームで味わうのは非常に困難だ。それも、ヴァーリ(相手)に殺す気がないのならなおさらだ。

 

 それが、ヴァトラーの熱を冷まさせている原因だった。

 

「君は得難い難敵だ。だけど、死ぬかもしれないとは思えない。それがどうしても残念だ」

 

 そう告げるヴァトラーの後ろに控えるのは、巨大な樹木。

 

 それは、蛇でできた巨大な大樹だった。

 

 そこから生まれる瘴気は、まさに天にすら届くだろう。

 

 彼が真祖に最も近いといわれるのも納得だ。少なくともこの眷獣は、映像で見た第四真祖の獣すら凌ぐ力を感じさせる。

 

 使い手である暁古城が未熟であることを考慮に入れても、これは非常に強大な存在だった。

 

 そして、この戦いでヴァーリは痛いほど理解した。

 

 ディミトリエ・ヴァトラーと自分には決定的な差がある。

 

 それは一言で言える。年齢だ。

 

 単純に引き出しや経験値が多いというだけではない。ヴァトラーは外見こそ若いが若さが足りなかった。

 

「……やっぱり最高なのは殺し合いだよ。死ぬかもしれないというスパイスがないと、どうしても乗り切れない。………残念だ。君と殺し合いができれば、きっと僕の長い生でも最高のひと時を味わえただろうに」

 

 そう告げるヴァトラーだが、しかし決して手は抜かない。

 

 この得難い難敵に対する礼儀を心得ているからだ。戦闘狂には戦闘狂にしかわからない礼儀作法というものがある。

 

 そう、ゆえに―

 

「そうか、なら、恐怖を教えてやろう」

 

 ―死なないとわかっていても死ぬかもしれないと思わせるそれを見せなければならない。ヴァーリはそう決意した。

 

 そうだ。自分だってそういうスリルは理解できる。

 

 なくても楽しめる自分と違い、それが必要なヴァトラーの苦しみは大変だろう。

 

 自分もかつては刺激を求めてテロに走った存在だ。少しぐらいは斟酌してやらねばならない。

 

 なにより、自分との戦いをつまらないなどといわれては、さすがに少しイラっと来る。

 

「我に宿りし無垢なる白龍よ、覇の理をも降せ」

 

『我に宿りし白銀の明星よ、黎明の王位に至れ』

 

 静かに、ヴァーリはアルビオンと共鳴する。

 

「濡羽色の無限の神よ」

 

 それは、(オーフィス)との共鳴が生んだ真なる魔王の輝き。

 

『玄玄たる悪魔の父よ』

 

 それは、明星(ルシファー)の血が生んだ白龍皇の新たな地平。

 

「………へぇ」

 

 その波動を感じて、ヴァトラーは冷めていた感情をしかし熱くさせる。

 

 まだ足りない。自分をこの空間(レーティングゲーム)で殺すにはまだ足りない。

 

 だが―

 

「『究極を超克する我らが誡を受け入れよ』」

 

 ―間違いなく、自分が戦ってきたものの中でも最高峰だ。

 

「『汝、玲瓏のごとく我らが燿にて跪拝せよ』」

 

 そう、之こそが明星の白龍皇、ヴァーリ・ルシファーの到達点。

 

 その名を―

 

『見るがいい、ディミトリエ・ヴァトラー。これがアルビオン・グヴィバーとヴァーリ・ルシファーの生み出す白龍皇の究極』

 

「その名を、『D×D』(ディアボロス・ドラゴン)(ルシファー)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その直後、フィールドの半分以上が吹き飛んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

『兵夜チームの女王、リタイア』

 

 

 

 

 

 

 

 

『制限時間超過により、試合終了。ポイント数の差で、神喰いの神魔チームの勝利です!!』

 




神喰いの神魔チーム。大番狂わせ。

最大の要因はヴァーリとヴァトラーがかみ合わなかったことですね。これが原因でヴァーリが追い詰められ、その隙を見事に突かれて一気に瓦解した形になります。

あと弱い者いじめという意識の低いことに対して意識高いアップにはツッコミ入れていいです。兵夜も恐喝に対してなんかプロ意識じみたもの持っているので、こいつら地でも繋がってんのかって感じですね。





それはともかくとして、ヴァーリの現段階最終形態である魔王化はやっぱりきちんと覚醒してます。インフレここに極まれるの白龍皇の究極はきちんと出します。

そうなると、イッセーの龍神化に相当する形態もだすべきだと考えております。

……え? 約35憶人の力を借りた最大出力乳乳帝より上は無理だろって?

まあそうですが、今後の展開であれを出せるわけがないのでそれ相応の代役というものが必要なのです。
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