周りは白い壁で出来ており、畳3畳程の広さの部屋の中にはトイレや布団などの最低限の物しかない。扉は分厚い鉄の扉で作られている。
「カッカッカッ」
扉の向こうから微かに足音が聞こえ、扉の前で止まる。
「ガチャン」
扉が開き、1人の男が部屋に入り、その後ろに2人の男が居る。
「731番。出ろ」
「…」
座っていた男は表情1つ変えず、部屋を出、1人が前で2人は並んで後ろその間に座っていた男という順に並びながら進む。数分歩くと祭壇の様な物がある部屋にたどり着く。
「これでお別れです。誰かに言い残したい事があれば書いておきなさい」
「…」
男はボールペンを持ち手紙を書く。その後食べ物を出されるが
「遠慮しておきます」
と断る。次に手錠をし、目隠しをする。カーテンが置けられ、その部屋に移動すると両手両足を縛られ、縄に首がとおされる。
「…」
「ガコン!」
そこで男の意識は途絶え、男はそこで死んだ
はずだった。
「…」パチ
その男は周りを木に囲まれた所で目が覚める。
「どうやら神はまだ私を、死なせないようですね」
男は被っていた黒色のハット帽を抑えながら立ち上がる。
「植物等や温度、湿度を考えると場所は小笠原諸島か八重山諸島あたりでしょうか」
「海特有の匂いがしますね。人の気配等はしないので恐らく無人島と考えるのが妥当ですね」
「とりあえず、潮の匂いがする方に向かいましょうかね」
男はそのまま真っ直ぐ歩きだす。しばらく歩くと
「周りに島が見えないですね」
砂浜に出る。周りに島が無いのを確認する。その時
「おや?」
「…」
砂浜に少女が倒れているのに気づく。
「お嬢さん大丈夫…ではないようですね」
(この気温を考えると昼間のうちは低体温症にならないでしょうし、濡れている衣服なども乾くでしょう)
(しかし、なぜこんな場所で倒れているんでしょうか?)
(まぁ、この事は起きたら聞くとして、今は)
「運ぶとしましょうかね」
男はそう言うと、少女を肩に担ぎ、波のこない所へ運ぶ。
数時間後。辺は暗闇に覆われすっかり夜になっている。
「う、う〜ん」パチ
「目が覚めたようですね」
「!?」
少女は焚き火の向こう側の流木に座って居る男を見て思わず驚く。男は黒色のスーツに黒色のハット帽。これだけなら良かったのだが、男の顔には不気味な笑みを浮かべている仮面がつけられている。
「おや、これは失礼。驚かせてしまいましたね」
「え、あ、え?」
「喉が渇いているでしょう?」
男はそう言うと木のコップにお湯を注ぎ、少女に渡す。
「冷水じゃなくて申し訳ありませんが、多少は潤うはずですよ」
「あ、ありがとう」
少女はコップを受け取りお湯を飲む。
「お嬢さん。1つ質問していいでしょうか?」
「う、うん」
「なぜあの様な場所で倒れていたのでしょうか?」
「!」ピタッ
少女の動きが止まり、少し震えているのが分かる。
「喋りたくないのであれば、喋らないでいいですよ」
「…」
(ふむ…どういうことでしょう)
男が考え事をしていると
「僕からもいいかな?」
「いいですよ」
「君はなんで、こんな所に居るの?」
「気づいたらここに居た、とだけ言っておきましょう」
「?」
「私からもいいですか?」
「うん」
「お嬢さんのお名前を聞いてもよろしいでしょうか?」
「…皐月」
「皐月?」
「うん」
「それは苗字でしょうか?」
「名前だよ」
「?」
「睦月型5番艦皐月。それが僕の名前さ」
(どういう事でしょうか…?見た感じは小学低学年。そんな子が駆逐艦の名前を?)
男がそう考えていると
「君の名前も教えてよ」
と皐月から言われる。
「名前?」
「うん」
「…」
男は顎に手を当て、考える仕草をする。
「ないですね」
「え?」
「呼ぶならクラウンで構いませんよ」
「クラウン?」
「周りの方々にはそう言われていましたからね」
クラウンはそう言うと帽子をとる。
「良く見ていてください」
「?」
「パチン!」
クラウンが指パッチンすると
「わぁ!」
帽子の中から無数のトランプが噴水の様に出てくる。
「こんな物でしょうか」
クラウンは再び帽子を被る。
「出てきたトランプは焚き火にでも入れましょうか」
クラウンは出てきたトランプを集め、焚き火に入れる。
「いい具合ですね」
「?」
クラウンは焚き火の近くに手を伸びして何かを手に取る。
「どうぞ皐月さん」
クラウンは皐月に魚の串焼きを手渡す。その時
「!」
「え?」
クラウンが皐月を抱き抱えるようにし、前方に転がり、立ち上がると
「ドゴォォォォン!」
先程まで居たところが、吹き飛ぶ。
(砲撃ですか)
「皐月さんお怪我は?」
「だ、大丈夫」
「それは良かった」
クラウンは皐月を地面に座らせ、海上に視線を送る。
(この暗闇であれ程正確な砲撃をするとは…)
クラウンがホルスターから拳銃を取り出そうとすると
「クラウンさんは下がっていて」
「ほう」
皐月の背中と手には駆逐艦の装備をそのまま小さくしたような武器が装備されていた。
クラウン(仮面の男)
性別:男 年齢:不明 身長:186cm 犯した犯罪:不明 髪:黒色で少し長い
目:青色 形は不明 体重:不明 細身 格好:黒色のスーツ姿 黒色のハット帽 白色の手袋 不気味な笑みを浮かべている仮面 両太ももにホルスターをつけている