汚い艦娘を見つけたので虐待することにした 作:konpeitou
今回で秋編終わり!
はっちゃん可愛い!
「今日は街に来ているぜ!」
「提督? 誰に言ってるんですか?」
木々も色めき、秋の空気がすっかり街を覆っている今日このごろ。
俺はとある用事をこなすため、街へ来た!
それというのも、ちょっと買いたいモンがあったんでな。
それもカタログとか酒保では買えねえものだ。
よって執務を終えて、午後からお出かけタイムとしたのさ!
それに、今日は秘書艦が『コイツ』だからなぁ!
「それにしても……広い街ですねぇ」
「クク、だろう? これだけデカけりゃいいもんが眠ってそうだぜ!」
目を輝かせているのは、潜水艦伊8。
俺はこいつのことを『親しみ』と『虐待』の意味をこめてはっちゃんと呼んでいる!
こいつを連れてきたのは、ただ秘書艦だったからではない!
今日買うもんに一番興味を持ち、接しているから必要だったのさぁ。
そう、今日買う予定のものは……。
『本』だぜ!
読書の秋!
俺のスーパー談話室にも、沢山の本がおいてある。
だが、どうにも偏りが激しい。
俺が調子乗って漫画置きすぎたからなぁ。
だが、俺は過去の行いを素直に反省し、学習することのできる男!
今日は漫画以外の本を買い出しに来たのさ!
「つーわけではっちゃん、行くぞ!」
「はい……ところで、何処に?」
「そりゃおめえ、本を買うなら本屋しかねぇだろが!」
「?」
こいつ……。
いくら引きこもりでも本屋を知らねえなんて。
世間知らずなんてレベルじゃあねえぞ!
クク、だがいい。
今日は買い物が主目的だが……。
当然、艦娘への虐待もやるつもりだ!
はっちゃん、覚悟しとけよ!
…………。
「はっちゃん、天国に来ちゃった?」
「何言ってんだ」
俺達が足を運んだのは、この街最大の本屋だ。
街……っていうか県内最大規模だな。
地下一階から三階まで、全てが本!
広々とした店内、清潔感ある内装。
どこに何のジャンルがあるのか探しやすい、シンプルな作り。
さらには飲食店なんかも併設してある!
素晴らしいな、ここは。
天国ってほどじゃねえけど。
「つーわけで、早速本を探すぜ!」
「はい……でも、一体どんな本を?」
クックック。
今回購入予定のモンは全て俺の趣味に全振りさせてもらおうか!
艦娘達にはいつもどおり、俺のお零れで十分なんでなぁ!
では……。
…………。
「小説コーナーだぜ!」
小説。
俺は基本的にミステリや時代小説、SF物が好きだ。
だが最近ではホラーやライトノベルなんかも読んでる。
結構イケるもんだぜ。
よって今回は幅広く、様々なジャンルを買い漁るとする!
「よし、はっちゃんもなんか目ぼしいの探してこい」
「え、いいんですか?」
「何のためにお前を連れてきたと思ってんだよ!!」
こいつは艦娘の中でも一番の本好き。
その手腕をかって、今日連れてきたんだ。
カタログでラヴクラフト全集を買ってた艦娘なんて、こいつくらいだからなぁ。
ま、俺の趣味に合うモンを持ってこれるかどうかだがなぁ。
お手並み拝見と洒落込もうじゃねえかよ!
「兎に角適当に集めてこい。量は気にすんな。ゴー!!」
「はいっ!」
クク、俺の道具として、手足として働けよ。
……さて、じゃあ俺の方も吟味するとしますかねぇ。
まったく、これだけの本を目の前にすると、ワクワクしちまうぜ。
小説には、一冊一冊に『世界』が詰まってるからなぁ!!
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……小説には、一冊一冊に『世界』が詰まっている。
今の提督が来る前は、ボロボロの古本程度しか読んでいなかったけど、
それでも私には『世界』が見えた。
そんな本の世界が大好きだったし、色々な本が手に入って幸せだった。
……ラヴクラフト全集とか。
そして今、はっちゃんは本の海、天国に来ています。
提督が私を此処に連れてきたのは、多分、私の本好きをかったから、だと思う。
まぁあの提督のことだから、何も考えていないということは大いにあり得るだろうけど。
それでも、私はドキドキワクワクしていた。
外に、街に来れて。
提督とご一緒できて。
そんな提督が命じたのだ。
本を選べと。
……ここは彼の趣味を考えるより、自分の好きな物を持って行った方がいいだろう。
その方が結果的に良くなるだろうという、経験からくる予感がしていたから。
はっちゃんはホラー小説が好きなので何冊か見繕います。
……『残穢』っていうのは、この間鎮守府映画祭りで見ましたね。
これが原作なのでしょうか。
『天使の囀り』……なんとなく面白そうなのでこれも。
タイトル的に可愛らしい天使さんが出てくるお話でしょうか。
……駆逐の娘達に、『怪談レストラン』シリーズでも。
…………。
はっちゃんはラノベも興味があるので見てみましょう。
……『文学少女』シリーズ、何となく親近感のある言葉です。
『ネガティブハッピーチェーンソーエッヂ』、凄いタイトルです。
気になるのでこれも。
さて、お次は……!
「これは?」
ライトノベルコーナーには、可愛らしい女の子が表紙を飾る本がたくさん並べられています。
そして、そこを通り過ぎると、またしても女の子が書かれている小説のコーナー……。
これもライトノベルなのでしょうか?
「……ッ!!??」
『女教師、魅惑と欲望の課外授業』!?
『義理の妹だから愛すら無いけど関係ないよね』!?
『スク水に白ニーソにメガネは事案の香り』!?
な、この小説群はッ!?
「官能小説コーナー……ッ!」
うっかりとんでもない所に足を踏み入れてしまっていた。
確かによく見るとラノベゾーンより肌色成分が多いッ。
それにしても、流石巨大書店。
マニアックな官能小説コーナーもなかなかの広さです!
『官能小説』
すなわち……え、えっちな小説のこと。
知識では知っていたけどまさか現物を拝むことになるとは……。
「……」
知的好奇心。
ただそれだけのこと。
はっちゃんは未成年ですが艦娘なので問題ないです。
だからちょっと手に取ってみても構わない……!
…………。
うわぁ。
これは。
なんと。
……。
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ホクホクだ。
専用カートの中はオレチョイスの本でいっぱい。
こいつは楽しみだねェ……。
特にこの『飛び出す絵本』シリーズ……。
駆逐共をコイツでビビらせてやる!
あいつらの怯え慄く恐怖の顔が目に浮かぶぜぇ。
クックック。
さーて、はっちゃんを迎えに小説コーナーに舞い戻ってきたわけだが。
どこにいますかねーっと……。
……ン?
はっちゃんの野郎、何をコソコソやってるんだ?
あのコーナーは……。
「オイはっちゃん!! チョイスは終わったかァ!?」
「えあっ、て、提督ッ!?」
どうしたはっちゃん、変な声出しやがって。
一体何をしてたんだぁ?
……その手に持ってるモンは。
「オイオイ、そいつは」
「いやいやいや! 違うんです! これは誤解で!!」
官能小説、だと……?
しかもタイトル……。
『秘密の虐☆待~物扱いされて悔しいっ、でも~』
なんじゃあそりゃ。
「ははは、はっちゃんがこんなの読むわけないです」
はっちゃん、震えながら手に持った本を元の棚に戻そうとしている。
ふぅむ……?
な る ほ ど。
こいつはぁ、アレですかァ?
『いつものパターン』って奴ゥ?
いい加減俺も慣れてきちまったな。
こいつらの反逆にもよ!
「オイオイ、何も戻す必要ねえだろ?」
「え!?」
はっちゃんの腕を掴んで止める。
そんな『くせえ芝居』、もうやめにしようぜ?
「欲しかった本なんだろ? 好きに買おうや」
「ち、違う!!」
はっちゃん、おめえの企みはこの俺が全て暴いた。
無駄な抵抗はよせよォ……!
「さ、とっとと買って帰ろうぜぇー!!」
「待って下さい提督! ちょっと!」
クックック!
いいや待たん!
はっちゃんの計画、それは俺を貶める狡猾な物だ。
そう……。
『官能小説を俺が買った』ということにするなァ!!
鎮守府に戻った後、言いふらすつもりだったんだろうな。
俺がこっそり官能小説を買い込むムッツリ野郎だってことを。
だがしかし、残念だったなはっちゃん!
その罠を、俺は逆手に取らせてもらったッ!!
はっちゃんが持ってた小説は、しっかりはっちゃんが購入したものとして発表させて頂きます!
己の罠で、溺れてくたばりなァ!
はっちゃんめ、眼鏡かけていやがるからとんだ策士だったな。
しかし、相手が悪かったッ!
虐待の星の元に生まれた俺に、敵う訳ないんだよなァ!?
あー、歯向かってくる艦娘を真正面から粉砕すんの楽スィー!!
クーックックック!!
ご機嫌なお出かけだったぜ!
はっちゃんの本は艦娘内で散々回し読みされました。
次回、提督の実家帰り。