ニンジャスレイヤー・バーサス・マジカルガールハンター 作:ヘッズ
十月十日発売です
「ラッシャセ!四名様案内します!」ヨノ発信の流行りのファッションに身を包んだ女性店員が四人に声をかけた。クレープ谷渋では店員は制服ではなくそれぞれの私服を着て働いている。店員全員のルックスは良く服装もファッション雑誌の表紙を飾れるほど決まり、店員目当てで店に来る客も少なくない。
店員のクールさもクレープ谷渋が若者に人気である要素の一つだ、この店から芸能界デビューすることもあり、店員であることは一種のステータスと化している。そして客達はどの店員がクールだったかを店が設置した投票箱に投票し、投票数の有無で給与が変わっていく。
女性店員は四人に視線を向ける。一人はパンクス、一人は地味なトレンチコート、一人はガキ臭いファッション、一人はルックスは良いが無難な服装、自分のほうがクールだ。女性店員は勝ち誇った表情を一瞬見せ4人を国道が見える窓側の席に案内した。「注文が決まりましたらお声がけください」店員は接客用スマイルを見せ離れていく。
「あの店員俺のこと笑いやがった」エーリアスは不満そうに呟きながら配られた水を飲み干し、ソウスケは相槌を打つように愛想笑いを見せる。「美味いって評判だがハズレかも。こういう店は大概味が疎かだ」エーリアスの言葉に思わずソウスケも同意する。
店内ではネコネコカワイイの新曲ほとんど違法行為featヨノストリートが流れ、客はお気に入りの店員に目線を向け、料理を配膳しにきた店員と会話を楽しんでいる。店内に漂うアトモスフィアが軽い、依然家族で行ったスシ屋などは荘厳な尺八をBGMに客と料理人との間に良い意味で重い空気があった。
客は料理を堪能しようと真剣で、料理人もその客に応えようと真剣に料理を作っているから生まれたアトモスフィアだ。ここにいる客は料理なんて気にしていない。ただクールな店員を見て流行りの店で料理を食べた事実があればいいという者だ。テレビで芸能人が美味いと言っていたが、番組の製作者に言わされただけだろう。
4人はメニュー表を見てオーダーを決める。ここの店ではデザートのクレープだけではなく、主食のクレープもメニューもある。エーリアスは店で一番人気のネギトロクレープ、フジキドはツナクレープ、ソウスケはタマゴクレープを頼んだ。
本当は肉が入ったクレープを頼みたいところだが、値段が比較的に高く奢られる立場で値段が高いものを注文するのは奥ゆかしくないと思い、安価なタマゴクレープにする。スノーホワイトもソウスケと同じメニューを注文した。
「そういえばキョートでもそうだったんですか?こういう店はハズレだって」注文を終えるとソウスケが店員に聞かれないように小声でエーリアスに話しかける。「まあ結構な確率でそうだな。アトモスフィアで分かる。というより俺がキョート出身だって分かるのか?」
「ユキノ=サンとのやり取りで三回目のブッダも怒るという言葉、あれはキョートの人が是非とも受けて欲しいという時に言う言葉だと授業で教わりました」「へえ~」エーリアスは関心する素振りを見せる。「そうなのかモリタ=サン?」「記憶が曖昧だが授業では習った記憶はない。そういった事を習うのはカチグミが入学する学校だろう。カワベ=サンは私立の中学か?」
「はい、アカツキ・ジュニアハイスクールに通っています」「学年は?」「二年です」「二年か、受験前で一番楽しい時だな。ユキノ=サンも同じ学校?」「私はヒノ・ハイスクールに通っている一年です」スノーホワイトは淀みなく喋る。このハイスクールはネオサイタマに存在しており、身分を偽るときはヒノ・ハイスクールに通っていると語る。
同じ高校の出身者が居ない限りボロが出ない程度には調べていた。「エーリアス=サンは何を?」「俺は……色々だ。スシ握ったりして日銭を稼いで何とか生活しているさ」「スシ職人なんですか!?」「いや職人じゃない、握れることは握れるけどパートで手伝いしているだけだよ」「それでも握れるんですよね。凄いですよ」
ソウスケはスシ職人など修練を積んだエキスパートにはある程度のリスペクトを持ち、エーリアスにも同じような視線を向ける。エーリアスは恥ずかしそうに答えながら話題を逸らす。「じゃあ、モリタ=サンは何の仕事をしていると思う?」「う~ん、サラリマンですか?それか何かの職人か?」
ソウスケは思いついた答えを言う。寡黙だが実直で誠実そうというイメージからこの二つが思い浮かんだ。「違う。私立探偵だ」「私立探偵?」ソウスケは思わず訝しむ。私立探偵と言われて思い出すのはサムライ探偵サイゴだ。サイゴもそうだが私立探偵は裏の職種というか、真面目そうでやるとは思えなかった。
「名刺でも渡しておけよ。カワベ=サンの親から仕事を貰えるかもしれないぜ」フジキドはエーリアスの言葉に賛同するように席を立ち上がりソウスケに名刺を渡した。その動きは淀みなく手馴れたものだった。一方ソウスケはたどたどしく名刺を受け取りGパンの後ろポケットに入れる。
フジキドの眉が僅かに動く、この行為はもしビジネスの場であればシツレイでありケジメに値する行為だ。だが中学生にビジネスマナーを求めるのは酷である。フジキドはその行為を咎めることなく見過した。
「お待たせいたしました。こちらがご注文の品になります」店員が料理を四人の前に置いていく。皿の上にクレープが置かれている。皿もカラフルでポップな色使いでこれまた若者受けしそうなデザインだ。「この皿を見るとますます期待できないな、味に自信があればこんな皿で出さない」エーリアスは文句を言いながらクレープを口に運び表情が一変する。
「うん、不味くはない。むしろ美味い」エーリアスは二口三口と口を運ぶ。その様子を見てソウスケ達も頼んだクレープを食べる。「確かに美味い。これは予想以上に美味い」クレープに入っているタマゴ焼き、口に入れた瞬間のフワフワした食感、これは依然食べた高級スシ屋のタマゴ焼きと食感が似ている。
「こういう店は大概不味いんだけどな」「はい、ボクも店のアトモスフィアでダメかと思いましたけど実際美味いです」二人は期待していなかっただけに予想外の美味さに喜んでいた。「ユキノ=サン不味かった?」「ううん、美味しいよ」ソウスケはスノーホワイトに不安そうに尋ねる。スノーホワイトはすぐに笑みを作る。
確かに美味い。だが予想外ではなく、期待度を大幅に下げていたエーリアスやソウスケと比べて感動が少なかった。フジキドもスノーホワイトと同じ心境で表情を変えることなくクレープを食べる。「他も食べてみるか。この肉クレープとかも良さそうだな」エーリアスはメニューを見てオーダーを決めると店員を呼んで数品ほど頼んだ。
「それで俺の部屋に居るのに鉄球が突っ込んできて、危うく死にかけた」「それ本当ですか?」「本当だよ。カルチャーショックだった。ネオサイタマいい加減にしろよって思ったね」エーリアスの言葉にソウスケとスノーホワイトは乾いた笑いを浮かべた。4人はクレープを食べながら会話をする。主に喋るのがエーリアスとソウスケだった。
エーリアスはキョートに住んでいた時の事を喋り、キョートについて知らないソウスケとスノーホワイトは興味深そうに聞いていた。ソウスケは学校での出来事を喋り、エーリアスはカルチャーギャップと昔を懐かしみながら聞いていた。ソウスケはエーリアスが女性ということもあり、気後れしていたが不思議と喋りやすかった。
気が良く女性らしさが感じられず、まるで部活の仲の良いセンパイと話しているようで楽しかった。途中までは話に夢中になっていたが、本来の目的を思い出しスノーホワイトについて立ち入った質問をして、エーリアスも無意識にプライベートの事を聞いていたが当たり障りのない答えで上手くはぐらかされた。
「それでライブハウスのヨタモノで働いているんだけど……」ソウスケはエーリアスの話に聞いているふと横を向くとガラスから国道を走るウキヨエトレーラーが目に付く、その存在を誇示するようなウキヨエトレーラー、普段は産業道路を走るトレーラーが国道に居るのは珍しかった。ウキヨエトレーラーは信号が赤から青に変わると発進する。
ウキヨエトラックのスピードは法定速度を少しオーバーしていた。だが緩めるどころか加速していく。発進してから50メートル程で法定速度をゆうに40キロオーバーしていた。「ザッケンナコラー!」「スッゾオラー!」トレーラーからヤクザクラクションが鳴り続ける。その様子を訝しみソウスケはニンジャ視力でトレーラーを注視する。
ナムサン!運転手は泡を吹いて気絶しハンドルにもたれ掛かっているではないか!運転手はノルマに追われ今月の規定残業時間を100時間超え、今も30時間不眠不休でトレーラーを運転していた、結果体に極度の負荷が掛かり心筋梗塞を発生し気絶。アクセルを踏んだ状態で気絶したのでアクセルは踏みっぱなしだ!トレーラーの加速度的に上昇する!
これに気づいているのは偶然外を見ていたソウスケだけだった。もしテロ行為であればスノーホワイトの魔法で気づけたが、意識を失っている状態では困った声は発生しないので気づけない。
ソウスケは瞬時に状況判断する。このままでは後数秒でこの店にトレーラーは激突する。トレーラーに可燃物が積んでいた、あるいは調理場に突っ込みガス爆発が起これば店内の客は大勢死ぬ。客を避難させるには間に合わない。
「イヤーッ!」ソウスケはノータイムでリュウジン・ジツを使う。この状態になればカラテは飛躍的に向上する。自分がトレーラーを止めて被害を防ぐ!「アイエエエ!ニンジャナンデ!?」ソウスケの姿を見て客達はNRSを発症!エーリアスは狼狽しフジキドはカラテを構える。ソウスケはガラスを突き破りトレーラーに向かっていく。その後ろにはスノーホワイト。
ソウスケの声に事態に気づく、ソウスケが行おうとすることを瞬時に察知しお互いアイコンタクトで意思疎通する。二人は色付きの風となってトレーラーの前にたどり着く。トレーラーが二人に激突するまで残り一秒!ソウスケは四肢に力を入れ激突に備える。
「イヤーッ!」二人の後方から黒い物体が飛んでくる。黒い物体は直線と曲線を描きトレーラーのタイヤにすべて命中!ワザマエ!何たるニンジャ器用さか!乾いた破裂音が響きトレーラーは減速!二人は後ろに一瞬目を向けるとフジキドが色付きの風になって近づいてくる。「受け止めるな、トレーラーを攻撃するのだ。一人は車内から運転手を出せ」
トレーラーのエネルギーと同等のエネルギーをぶつけて停止させるつもりだ。スノーホワイトはフジキドの意図を察しトレーラーのドアを力づくで剥がし運転手を抱き抱え車内から脱出する。「イヤーッ!」ソウスケはスノーホワイトが車外に出るのを確認すると言葉に従うように腰を落とし正拳突きを放つ!
「イヤーッ!」フジキドは勢いそのままに踏み込み肩から背中にかけてトレーラーに叩きつける!暗黒カラテ、ボディチェックだ!踏み込みによって地面はクモの巣状に罅割れる!2人がカラテを合わせたことでエネルギーは2倍、いや10倍だ!そのエネルギーは圧倒的な質量と速度で迫るトレーラーと同等であり、トレーラーはその場で停止する。
「止まった」ソウスケはカラテによって鉄の塊と化したトレーラーを見て安堵する。これで最悪の事態は回避できた。「ソウスケさん救急車呼んで!この人心肺停止してる!」スノーホワイトが運転手に心臓マッサージを行っている。ソウスケは慌ててジツを解き、公衆電話を探す。
ソウスケは救急車を呼んだ後辺りを見渡すとフジキドとエーリアスの姿が消えていた。だがすぐに2人のことは頭のニューロンの隅に置き、スノーホワイトの元へ向かった。
◆◆◆
「間もなくセンベイ駅行きのエクスプレスが参ります。イエローラインの内側までお下がりください」ホームに電車が停止する。本来のエクスプレス電車は赤と銀色を基調にした色だが、メガコーポの商品を宣伝するラッピングが隙間なく貼られ赤と銀は見る影もなくなっている。
扉が開くと乗客たちが一斉に降りていく。休日のヨノ駅はラッシュアワーには劣るが、それ相応に乗客の乗り降りが多い、その慌ただしい様子をエーリアスとフジキドはベンチに座りながら眺める。フジキドはソウスケとトレーラーを止めた後、すぐにエーリアスと一緒に会計を済ませその場から去っていた。
「帰りはローカルトレインでいいよな、急ぐわけじゃないし。あの混雑は実際ツライ」「それでかまわぬ」エーリアスはベンチの隣にある自動販売機でザゼンドリンクを二つ購入すると、一つは自分に、もう一つはフジキドの分だ。人は座りながらザゼンを飲む。
「よしストライク」エーリアスはザゼンを飲み干すと10メートル先のゴミ箱に空き瓶を投げる。空き瓶数個分の入れ口に投げた瓶は吸い込まれる。フジキドはザゼンを飲み干すとゴミ箱に近づき入れ口に直接入れた。
「やっぱりカワベ=サンはニンジャだったな、あんな怖いジツだとは思わなかった。目の前で変身されてビビった」エーリアスはソウスケの異形の姿を思い出して体を震わせる。エーリアスはニンジャソウル感知能力が鋭く、ニンジャであることに気づいていた。フジキドも無言で頷く。
ソウスケの姿を見た時に、カネモチディスクトリで遭遇した少年ニンジャのドラゴンナイトであるのを看破していた。フジキドは今まで会ったニンジャはすべて記憶しているのだ。「しかしトレーラーが店に突っ込むのを阻止したんだよな。状況判断してすぐに動いた」
エーリアスはソウスケの行動を振り返りながらかつてキョートでの些細な出来事を思い出す。駅でサラリマンが苦しみだし、助けようと思ったが遅れてしまった。後ろから一人、自分を追い越して駆けて来て、サラリマンのもとに屈み込んだ声をかけた。自分は唯見ているだけで少し遅れて「大丈夫ですか」と声をかけただけだった。
「でもユキノ=サンもニンジャだったのは意外だったな。ソウルが何か変だったし」エーリアスは話題を変えるように話しかける。「確かに」フジキドは相槌を打つ。あの動きはニンジャそのものだが、ニンジャソウルを感じられなかった。
すると階段からピンク髪の少女が階段を上がりエーリアスとフジキドの元に向かっていく。スノーホワイトだ。スノーホワイトは2人の前に立ちアイサツする。「どーも、エーリアスさん、ニンジャスレイヤーさん、スノーホワイトです。幾つか聞きたいことがあるのですがよろしいですか?」
◇スノーホワイト
イチロー・モリタがニンジャスレイヤーであることはすぐに分かった。「ニンジャスレイヤーだとバレたら困る」という声が聞こえてきた。しかし目の前の壮年の男性がニンジャスレイヤーだとは俄かに信じがたい。格好が全く違うのはそうだが「ニンジャを殺せなければ困る」と危険な声を発信しながら鬼か悪魔のように殺気を漲らせていた男性とは思えない。
「なんでそれを知っている?」
エーリアスは明らかに動揺し、ニンジャスレイヤーも一見冷静のように見せているが眉が僅かに動くなど身体的サインを発している。何より「アマクダリにバレたら困る」という声が聞こえてくる。スノーホワイトは質問に答えず沈黙を貫く。
「ドラゴンナイト=サンは?」
「救急車隊の方に引き継ぎをして、その後は別れました。ここには来ません、私一人です」
「そうか、それで何を聞きたいのだ?」
「アマクダリについてです」
アマクダリという単語を初めて聞いたのはスーサイドと名乗ったニンジャからだった。正確には「アマクダリに嗅ぎつけられたら困る」という心の声だった。
そしてカネモチディスクトリでニンジャスレイヤーと初めて出会った時、「ニンジャを殺せなければ困る」という声と同時に、「アマクダリの計画を阻止できなければ困る」という声が聞こえてきた。
ニンジャという魔法少女に匹敵する強さを持つ種族が警戒し、壁に耳有り障子に目有り計画という陰謀を企んでいたアマクダリという存在。これは悪なのか?自分の世界にいた中東のテロ組織のように人々に害をもたらすなら狩らなければならないのか?
アマクダリという存在について情報を欲していたところにニンジャスレイヤーと偶然出会う。これは千載一遇の好機、スノーホワイトは「ニンジャを殺せなくて困る」という声を発していたニンジャスレイヤーからドラゴンナイトをいつでも守れるようにと警戒しながら食事をして、話を聞く機会を待った。
だがトレーラー暴走への対処をしていたら、ニンジャスレイヤーはいつの間に姿を消していた。スノーホワイトは到着した救急隊に任せると、魔法の精度を最大限に高めてニンジャスレイヤーを捕捉しここまで追ってきたのだった。
二人はアマクダリという言葉を聞き、驚きと警戒心を強める。この反応からアマクダリという単語は一介の女子高校生が知っているべきものではないことは分かる。エーリアスはニンジャスレイヤーに視線を向け、ニンジャスレイヤーは目を閉じ熟考する。話すべきか否か、話すとしてもどこまで話すべきかを吟味しているのだろう。数秒後重々しく口を開く。
「……アマクダリは組織だ、アマクダリには関わるな。関われば命を落とすことになる」
「ありがとうございます。ドラゴンナイトさんにも伝えておきます」
スノーホワイトは深々と頭を下げると二人に背を向けると階段を下り反対側のホームに向かっていく。
「それでアマクダリという組織について何か聞こえたぽん?」
「まあ、色々と」
ファルの言葉にスノーホワイトは聞こえてきた声について話す。
ニンジャスレイヤーは最低限の言葉でアマクダリの驚異を伝えた。その心中では「若者が死ぬのは困る」という身を案じる言葉が聞こえた。それだけ優しい人間だと分かる。だがニンジャスレイヤーの気遣いとは裏腹にアマクダリについて多くのことを知ってしまった。
―――アマクダリがニンジャの力で人々を虐げ社会を支配するニンジャ組織と知られると困る。
―――アマクダリがネオサイタマの行政や司法に根付いていると知られると困る。
―――アマクダリが大きすぎて組織の全容を把握できないと知られると困る。
「それでどうするぽん?まさかそのアマクダリを解体するなんて言わないぽんね?」
ファルの言葉にスノーホワイトは一瞬詰まるのを見てため息をつく。
魔法少女が徒党を組むだけで脅威は跳ね上がる。例外を除いて個の力は数の力に駆逐される。それは歴史が証明している事実だ。スノーホワイトも数々の魔法少女を捕まえており、強い魔法少女と言えるが、仮に自らが所属している監査部がスノーホワイトを倒しに来たら間違いなく勝てないだろう。
そして規模が把握できないほど大きいと言うからには、その人数はスノーホワイトが所属している監査部の人数を遥かに超え、魔法の国が把握している魔法少女すべての総数と同等かもしれない。
さらにニンジャが大量にいるだけで厄介極まりないというのに社会に根付いている。敵と認定されれば真っ先に社会的に抹殺され、色々と不都合を強いられ疲弊させられていくだろう。
スノーホワイトは以前中東のテロ組織を壊滅させた実績があるが、ファルが想定するアマクダリの力に比べれば、そこら辺のチンピラ組織と変わらないレベルだ。危険が大きすぎる。
「あのニンジャが言ったようにアマクダリには絶対に関わらないほうがいいぽん!例えどんな陰謀を企んでいようが、この世界の問題はこの世界の人間に任せるぽん!それにアマクダリにマークされたらフォーリナーXも探せなくなる可能性が有るぽん!」
ファルは語気を荒くして矢継ぎ早に説得する。もしスノーホワイトがアマクダリに遭遇し、人々に害があるような行為や陰謀を企んでいると知ったら、きっと阻止しようとするだろう。そうなればもう止まらない。アマクダリと敵対し、社会が敵に回り、ニンジャの数の力で摺りつぶされる。
スノーホワイトはファルの言葉に無言で頷くとファルは胸をなでおろした。すると電車が到着し、席に座り読みかけの本を取り出した。だが本の内容は頭に入ってこない。
ファルの言う言葉は納得できる部分が有る。第一目的は元の世界に帰ることだ、それ以外は優先度を低くしなければならない。そしてアマクダリの最高戦力が仮に今まで戦ったニンジャ程度だとしても数百人単位で仕留めに来たらやられる可能性がある。何よりアマクダリと事を構えてしまったら、共に行動するドラゴンナイトもマークする可能性がある。それだけは絶対に避けなければならない。
だがもし、アマクダリが人々を虐げ、人々を苦しめるような陰謀を企んでいると知ってしまったら、それを見過ごす事は魔法少女がすることだろうか?その時はどうすべきか?
スノーホワイトは訪れるかもしれない状況に対応する為に思案し続けた。
◆忍殺◆
ニンジャ魔法少女名鑑#8
【スコッチ】
ぼったくりバー「アラバマ」の店長、裏社会の力バランスを把握しておりニンジャの力で縄張りを広げようとはせず、弁えながら営業をしている。ストレス解消に自らヤクザなどの力自慢をキャッチし、自分に勝てたら無料にすると提案し痛めつけている。
◆魔狩◆
◆忍殺◆
ニンジャ魔法少女名鑑#9
【マウンテンストーム】
イシイがぼったくりバー「アラバマ」の店長スコッチに痛めつけられていた際にニンジャソウルが憑依、ジュドーのブラックベルトで世界大会に出場できる実力が有ったが、カチグミの陰謀により出場することはかなわなかった
◆魔狩◆
◆忍殺◆
ニンジャ魔法少女名鑑#10
【ヘッドハンター】
タダノがぼったくりバー「アラバマ」の店長スコッチに痛めつけられていた際にニンジャソウルが憑依、ボクシングの使い手でありモータル時代はフットワークとストレートに定評があった、イシイとは異種格闘技戦で戦い、お互いの実力を認め親友となった
◆魔狩◆