ニンジャスレイヤー・バーサス・マジカルガールハンター   作:ヘッズ

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第十四話 重要な一日#8

◆ドラゴンナイト

 

 未だにダメージが体に残っている。一回打ち合っただけだが相手の強さは分かっている。今までで会ったニンジャの中では断トツだ。スノーホワイトやニンジャスレイヤーより強いかもしれない。戦ったら奇跡でも起きない限り勝ち目はないだろう。だが逃げるという選択肢をなかった。

 今捕まっている少女、誰かは知らないが確実に殺される。バーで起こった惨状を見れば何をするかは理解できる。

 コミックやカトゥーンのヒーローに憧れていた。だが現実は世の中を守るどころか尊敬するセンパイの仇すら取れない弱いガキだ。だがここで逃げてしまえば正義の心を失った負け犬になりさがる。

 フォーリナーXXXはドラゴンナイトに目線を向けた後小馬鹿にしたような目線を向けながら当たり前のことを言うように呟いた。

 

「ドーモ、ドラゴンナイト=サン、フォーリナーXXXです。いやどこって、これだけど」

 

 首を吊り上げている反対の手で制服の少女の姿を指さす。

 

「イデオット! スノーホワイト=サンとは姿も服も違うだろう! 嘘をつくな! スノーホワイト=サンをどこにやった!?」

 

 あからさまに嘘の答えにドラゴンナイトは相手への強さに対する恐怖も忘れて声を張り上げる。フォーリナーXXXはその言葉を聞いて一瞬殺気を放つが、すぐに無くなりバカを見るような憐れみの目線と笑みを浮かべながら話しかける。

 

「ところでお前はスノーホワイトの何なんだ?」

「それがどうした!関係ないだろう」

「いいから答えろよ。でないとこの女の首を折るぞ」

 

 フォーリナーXXXの手に力が籠り、それを見て慌てて答える。

 

「スノーホワイト=サンとは…仲間だ!」

「仲間ね。じゃあスノーホワイトについて何を知っている?」

「ニンジャで女子高校生だ」

 

 色々なパーソナルなことも語れるが話す義理はない、端的な情報だけを話す。その言葉を聞いたフォーリナーXXXは瞬間大声をあげて笑い始めた。

 

「キヒッヒッヒッヒ! ニンジャの女子高生! スノーホワイトはニンジャじゃない、魔法少女だ。こっちの世界で言うならニンポ少女みたいなもんだ。そしてこの世界の人間じゃなくてアタシと同じ別世界の人間だ」

 

 ドラゴンナイトの思考は一瞬停止する。ニンジャじゃない?別の世界から来た?何を言っている?コミックで別の世界の人間が来たという設定の話が有ったが、それはフィクションの話だ。現実ではあり得ない。これは頭がおかしい奴の戯言だ。そう結論付けようとするがある言葉を思い出す。

 かつてニンジャネコのマタタビはスノーホワイトをニンジャではないと言った。その時は冗談と一蹴した。だがニンジャネコ特有の感覚でスノーホワイトはニンジャでないと察知したのかもしれない。ドラゴンナイトの中でフォーリナーXXXの言葉に信憑性が増してきていた。

 

「本当にニンジャじゃないのか?」

 

 ドラゴンナイトは弱弱しく問いかける。その反応が面白いのかフォーリナーXXXはニヤリと嗤いながら答える。

 

「本当だ。アタシも魔法少女で、ほらこの状態が魔法少女の変身を解除した姿だ。スノーホワイトと同じで姿が全然違うだろ」

 

 フォーリナーXXXはそう言うと右半身が金髪碧眼と左半身が黒髪黒目の姿から黒髪黒目の姿に変わる。さらに何回も右半身金髪碧眼で左半身黒髪黒目の姿に交互に変身していく。

 

「別に魔法少女だって言えばいいのにな。もしかして全然信用されてなかったじゃねえの?」

 

 精神に信用されていないという言葉が心に突き刺さる。

 ドラゴンナイトはスノーホワイトと仲良くしたい、分かり合いたいと心を開き積極的にコミュニケーションをとってきたつもりだった。だが改めて振り返るとスノーホワイトは自身のことをあまり話してくれず、どこか壁を作っているようだった。

 

 それはニンジャじゃないからか?

 スノーホワイトは初めて出会った同じ価値観を持つニンジャだと思っていた。それは運命的であり強く印象に残っていた。スノーホワイトと知り合えたことも一緒に行動してくれたのもニンジャだったから、でなければ出会うことも一緒に行動することもなかった。

 

 もしニンジャでなければ同じ目線に立てず分かり合えない。

 ニンジャになってからモータルとの思考や価値観などの相違があることを感じ始めていた。

 サワムラがハラキリ自殺した件、センパイとは心が通じ合った先輩と後輩だと思っていた。もし通じ合っていたならセンパイの心中を察し、ハラキリ自殺を止められていたかもしれない。しかし、止められなかった。だがもしセンパイがニンジャだったら?

 サワムラのハラキリ自殺はドラゴンナイトの心に深い傷を残し、スノーホワイトを理解するためにはニンジャでなければならないと無意識に強く願っていた。

 ドラゴンナイトはそれほどまでにスノーホワイトがニンジャであることを重要視し、ニンジャでないということをひどく恐れていた。

 だが今スノーホワイトがニンジャでないという最悪な事態が疑惑から確信へと代わり始めていた。

 

「オイオイ、ニンジャないのがそんなにショックだったのか?まあ同類だと思っていた相手に裏切られたならしょうがないないよな」

 

 スノーホワイトがニンジャではないという事実にショックを受ける姿が余程面白いのか、フォーリナーXXXは煽るように語り掛けその様子を楽しんでいた。

 

「よし、カワイソウなお前にプレゼントだ。このスノーホワイトを好きにしていいぞ。サンドバックにしてもよし、ファックしてもよし、ヤクザに売って小金を稼いでもよし、魔法少女に変身しても当分傷は回復しないし、ニンジャだったらやりたい放題だ」

 

 フォーリナーXXXは掴んでいたスノーホワイトを地面に置いて手招きする。それに応じるように一歩ずつ近づき、地面に横たわるスノーホワイトを見下ろす。

 改めて見るとスノーホワイトとは顔も体つきも違う。ごく普通の少女だ。ぐったりと倒れ無防備な姿を晒している。制服やスカートが僅かに捲り上がり、腹部やふとももが見えている。それを見て心の奥底から悪いニンジャやモータルが悪事を働いている時に湧き上がるような黒い感情が溢れてくる。

 

 ニンジャじゃないから気持ちを理解してくれず連絡も入れず勝手に離れて、悲しくて塞ぎこんでいる時に励ましに来てくれなかった。

 ニンジャじゃないから気持ちを理解してくれず、センパイの仇をとるのを邪魔した。

 ニンジャじゃないから好き勝手していい。

 

 ドラゴンナイトの手がスノーホワイトの首筋に伸びる。あと数センチというところでふと手が止まる。

 

 必死に家の鍵を探すスノーホワイト。

 手を油で真っ黒にしながら自転車のチェーンを直すスノーホワイト。

 幼子の手をつなぎながらはぐれた母親を探すスノーホワイト。

 

 思い出すのはスノーホワイトと一緒に戦ったシーンではなく、ごく普通の日常のワンシーン、今の今まで忘れていたような面白みも無いシーンだった。

 マンガやカトゥーンのような正義の味方を目指したのは正義感もあるが、人に感謝されたい、褒められたいという気持ち。そしてマンガのように派手なバトルやアクションがしたいという気持ちがあった。

 だからヤクザやヨタモノなど荒事が起きそうな場所に積極的に向かって行き、探し物や迷子探しなどはあまり目を向けなかった。だがスノーホワイトはそのような誰にも顧みられず賞賛を得られないような人助けを積極的に行ってきた。

 

 スノーホワイトのことは好きだ。

 

 きっかけは容姿や同じニンジャであるということだったかもしれない、だが今ははっきりと違うと言える。好きになったのは無償の献身や欲のない正義感といった清く正しい心だ。ニンジャであろうがなかろうが関係ない。

 連絡も入れず勝手に離れたこと、アマクダリへの復讐を止めさせたこと、ニンジャではないことを隠したこと、正直に言えばわだかまりはある。

 だが何かしらの理由があったはずだ。スノーホワイトは自分の身を案じて行動してくれたに違いない。それなのに勝手にイラついて憎しみを抱いて何てバカでイデオットなんだ!

 ドラゴンナイトの奥底に渦巻いていた黒い感情が全て消失していた。

 

「やんねえのかよ」

 

 フォーリナーXXXは殺気を漲らせスノーホワイトを庇うように構えるドラゴンナイトを心底つまらなそうに見ながら呟いた。

 

「お前はバーの人達を殺し、スノーホワイト=サンを傷つけた! 殺す!」

「キヒッヒッヒッヒ。カッコイイ~」

 

 フォーリナーXXXは小馬鹿にするような口調で煽り手を叩き挑発し、スノーホワイトの襟を掴み放り投げた。容体を心配するが、運良く怪我をしないように落ちていった。ドラゴンナイトは集中力と殺意を高めていく。

 

「スノーホワイトをボコり、イキったガキを分からせる。アマクダリを潰す前夜祭の余興としては悪くない」

「アマクダリ?アマクダリに恨みがあるのか?」

 

 思わぬ言葉が飛び出し反射的に問う。アマクダリに全て奪われ自暴自棄になってバーの人間を殺害。行為は許されないがそれならば僅かに情状酌量がある。協力してアマクダリを潰した後罪を償ってもらえば、まだ許せる。

 

「まあ有ると言えば有る。でも人生を楽しむ為のクエストみたいなもんだ。お前は有るのか?」

「有る」

「それだったら部下として潰すのに手伝わせてもいい……ってスノーホワイトをボコるなりファックするなりしたら言ったけどな。つまんねえ奴には興味はない。サンズリバーでアタシがアマクダリを潰すのを願ってろ」

「こっちこそお断りだ!リュウジン・ジツ!イヤーッ!」

 

 ドラゴンナイトはリュウジン・ジツを使用し一気に間合いを詰める。その様子をフォーリナーXXXは一瞬眉を上げると腰を落とし迎撃態勢をとる。

 相手は遥かに格上、だが勝たなければならない。勝つには覚醒だ、コミックやカトゥーンのように覚醒して強大な敵を倒す。これしかない!悪を許さない心とスノーホワイトを守りたいという気持ち、そして命を捨てる覚悟があれば起こるはずだ!

 フォーリナーXXXは邪悪だ。遊び半分、遊び全部でモータルを虐げる。アマクダリと同じぐらい放っておいたらダメな存在だ。

 覚醒して倒す!可能性を信じろ!

 

(((命を犠牲にしようと思わないで、何かを成し遂げたい時は捨て鉢になるんじゃなくて、考えて考えて考え抜いて、それでもダメそうだったら一旦逃げるのも方法の1つだよ。最後に生きて達成出来たら勝ちだから)))

 

 脳内にスノーホワイトの言葉が過る。イデオットか!現実を直視しろ!やられた時に相手との実力差を理解しただろう。スノーホワイトにベイビー・サブミッションされたのに、スノーホワイトに勝った相手に勝てるわけないだろう。覚醒なんて都合の良い事が起きるわけがない。

 ドラゴンナイトは改めて成し遂げたいことを考える。

 正義の味方をすること、悪事を働くフォーリナーXXXを倒すこと、それもそうだが第一ではない。成し遂げたいこと、それはスノーホワイトを助けることだ。

 このまま逃げればフォーリナーXXXは憂さ晴らしでモータルを虐殺するかもしれない。だが挑めば殺されて、スノーホワイトも殺されて倒すものが居なくなる。そうなるぐらいならば体勢を立て直しスノーホワイトと2対1で挑む方がいい。

 ドラゴンナイトは脳内で表向きの理由を作る。だが本心はスノーホワイトを死なせたくないだけということも内心で理解していた。

 

 フォーリナーXXXの間合いにあと数メートルという瞬間、ドラゴンナイトは足の爪と尻尾を使い急停止し、即座に方向転換しスノーホワイトに向かって全速力で駆ける。

 直前までは攻撃する気であったが直前になっての停止と後方への移動、あらかじめ考えていた手で有れば反応できていたが、数コンマ0秒前まではドラゴンナイトの考えは攻撃の一手だった。

 だが直前なっての心変わり、それが最高のフェイントになった。相手は完全に虚を突かれ反応が遅れる。

 追撃がこない、まずはスノーホワイトを捕まえて、その後は全力で逃げる。脳内で逃走方法のシミュレートを始める。その時視界の端から側頭部に向かって何かが飛んでくる。ニンジャ第6感で察知し反射的に手で防御する。

 

「グワーッ!」

 

 突如横からとてつもない衝撃と痛みが駆け巡る。それはニンジャになってから受けた攻撃で断トツの一撃だった。もしリュウジン・ジツを使っていなければ爆発四散するほどの一撃だった。

 何が起こった?ハッソウトビの壁をぶち破りながら衝撃が来た方向に視線を向けると人型の何かが居た。その何かが攻撃をしたのだ。いつ現れた?全く気配がなかった。

 

「ズッチいな~。倒すと言っておきながら逃げるのかよ。残念だがアタシはお前にとっての強制イベント戦だ。逃げられない」

 

 フォーリナーXXXは人型の何かを引き連れながら悠々と破壊した壁から悠々と店内に入っていく。あの人型は仲間か、全く考慮していなかった。

 ドラゴンナイトは立ち上がろうとするが視界が歪み膝をつく。防御は成功したがそれでも脳を揺らすほどの強大な一撃だった。

 再び足に力を入れ立ち上がる。その時間は一秒程度だったがトドメを刺すには十分な時間だった。だがフォーリナーXXXはトドメを刺さず立ち上がるのを待った。

 

 いたぶるつもりか。

 いつもなら屈辱と怒りを覚えるところだが、驚くほど冷静だった。

 

「イヤーッ!」

 

 ドラゴンナイトはいつもより大きなシャウトをあげながら部屋の床や天井を蹴って飛び跳ね、自身の体を跳弾のように乱反射させる。さっきの一撃でどうやっても勝てる相手ではないということを再認識させられた。

 2人に向かわないようにしているが、跳躍に全神経と力を注ぎ自分自身さえどこに飛び跳ねているか分からないほどだ。とにかく攪乱して逃げる。

 数秒ほど飛び跳ねた後天井に足を着けて壊れた壁の穴に目線を向ける。この穴から脱出する、足にt力を込めた瞬間人型の何かと目が合う、その瞬間一気にこちらに跳んでくる。

 

「グワーッ!」

 

 腹部に衝撃が走るとともに天井をぶち破る。対空タックルの勢いで天井を破り宙にあがり、そのままお互い逆さまになりながら落下していく。

 このままでは頭から落ちる、危険だ。

 だが手を使って受け身を取ろうにも腕は人型の胴締めによって締め付けられている。拘束を解こうと暴れるが腕は数ミリ程度しか動かせない。リュウジン・ジツを使ってもなお膂力は相手の方が上だ。さらにフォーリナーXXXが跳躍してこちらにくると人型の足の裏に手をかける。

 落下の瞬間に下に押し込むつもりだ。落下エネルギーにニンジャの力を上乗せされればニンジャ耐久力でも耐えられない。

 

「グワーッ!」

 

 ドラゴンナイトの頭部は地面に突き刺さり蜘蛛の巣状の破壊跡を作る。人型の何かは拘束を解きフォーリナーXXXも足の裏から手を放し離れる。2人が離れてもドラゴンナイトの体は直立不動でピクリとも動かない。

 

「良いオブジェになったな。うん?」

 

 すると直立不動だったドラゴンナイトの体が揺れ始め、腕を地面につけると頭部を強引に引き抜いた。ドラゴンナイトは立ち上がろうとするが右にふらつき倒れこむ。もう1回立ち上がろうとするが今度は左にふらつき倒れこむ。そして3度目のチャレンジで何とか立ち上がる。

 膝は揺れ少し押されただけで倒れこみそうだった。その様子を見てフォーリナーXXXはゲラゲラと嗤い、人型すらも手を叩き笑っているようだった。

 ドラゴンナイトは地面に激突する瞬間、拘束されていない尻尾を使い辛うじて受け身を取り爆発四散から免れた。だがダメージは大きくほぼ戦闘不能状態と言っても差し支えなかった。

 

「スノー……ホワイト……=サン」

 

 ドラゴンナイトはうわ言のように呟きながらスノーホワイトの方に向かって行く。だが進路上にはフォーリナーXXX達がいる。人型はトドメを刺そうとチョップを作り腕を振り上げる。フォーリナーXXXは手で制した。

 

「ほらガンバレガンバレ!愛しのスノーホワイトまであと少しだぞ!根性見せろ!男だろ!キヒッヒッヒッヒ!」

 

 フォーリーナーXXX達は後ろからふらつきながら歩くドラゴンナイトを完全にバカにした声援を送る。途中で倒れ這うように移動し始めると周囲に響き渡るように声で大笑いした。

 もし正常の状態だったらあまりの屈辱と怒りで頭の血管が切れていただろう。だが混濁する意識のドラゴンナイトは屈辱も怒りも全く感じていなかった。頭にあるのはスノーホワイトと一緒にこの場を離脱することだった。

 スノーホワイトまであと10メートルというところでドラゴンナイトは立ち上がると反転しフォーリナーXXX達の方に体を向けた。

 

「イヤーッ!」

 

 スリケンを生成すると腹の底からシャウトしながら投げる。だがスリケンは2人の方には向かわず、全く明後日の方向に飛んでいき周囲の店舗のドアや破壊していく。フォーリナーXXXは外れたスリケンを見た後、人型に向けて肩を竦め嗤った。

 

「オゴーッ!イヤーッ!」

 

 脳に受けたダメージによる嘔吐をしながらスリケンを投げ続ける。だが狙いは一向に定まらず周囲の店舗を破壊し、何かを破壊したのが原因か店舗から黒い煙があがり燃え上がる。

 

「キヒッヒッヒッヒ!攻撃しているのに店を燃やすって!正義マンが店燃やしてるよ。アタシを笑い殺すつもりか!良い作戦だ。お前じゃどうやってもアタシには勝てないからな」

 

 フォーリナーXXXは腹を抱え嗤いながらドラゴンナイトに近づいていく。スリケンを投げ続けるがそれでも全く当たらず、ネオサイタマの消防法を無視し外に可燃性物質を置いていた店舗などが燃え上がり惨事になっていた。フォーリナーXXXはその様子を楽しみながら近づく。気が付けば素手の間合いまで近づいていた。

 それを見てドラゴンナイトは構えを取る。目には僅かに光が灯っている。

 

「グワーッ!」

 

 ドラゴンナイトがパンチを繰り出すが、それより速くフォーリナーXXXのカウンターパンチが顔面に決まる。鼻血を吹き出したたらを踏むがすぐに構えを取る。

 

「さあ、どれだけ持つかな」

 

 フォーリナーXXXは徹底的にドラゴンナイトを甚振った。

 ドラゴンナイトの骨をへし折るように打撃を繰り出す。拳を繰り出せば指に焦点を当てるように迎撃し指を1本ずつ折っていく。両指が全て折れると肘を蹴りで折り、肩を折り、鎖骨を折り、アバラを折り、膝を折り、足の指を折る。

 ドラゴンナイトの体は壊れた人形のように折れ曲がり、肌は極彩色に染め上がっていた。

 一方的な蹂躙、唯一の抵抗は抵抗の意志を見せ続けることだった。

 

「たまには弱い者イジメも良いと思ったけど、やっぱりヌルゲーはつまらん。まあ頑張ったから毒で苦しみながら死ぬのは勘弁してやる。我ながら慈悲深い」

 

 フォーリナーXXXは足を上げ、うつ伏せに倒れながら見上げるドラゴンナイトの頭部に狙いを定める。

 

―――WASSHOI!

 

 フォーリナーXXXは前方から飛来する何かに対して反射的に防御する。体はブレーキ痕を作りながら数メートル後退し、赤黒の何かはフォーリナーXXXとドラゴンナイトの間に立ちアイサツした。

 

「ドーモ、ニンジャスレイヤーです」

 

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