銀魂×リリカルなのは   作:久坂

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少し寄り道をしましたが、今回はカブト狩りは終了です。

次回は何書こうかな……とりあえず原作を読み返してから決めます。


一寸の虫にも五分の魂

 

 

 

 

 

「……そうか。やはり連中…特にフェイト殿は一筋縄ではいきそうもないか」

 

 

「ああ、あの女には終始こっちの調子狂わされっぱなしだ」

 

 

「そんなん言うて、私知ってんねんで。トシちゃんがカレーのお礼にって、昨日のバーベキューで余ったお肉とかを向こうの宿営地にこっそり置いてきたん」

 

 

「置いてきたんじゃねェ。ちょうどいいゴミ捨て場があったから捨ててきただけだ」

 

 

「素直やないなぁ」

 

 

翌朝……土方ははやてと共に、昨夜の出来事を近藤に報告していた。因みに近藤は夜通しでカブト狩りをしていたのか、ハチミツ塗れの姿のままである。

 

 

「こっちも成果ナシだ。捕まるのは普通のカブトばかりでな」

 

 

そう言う近藤の後ろには、同様にパンツ一丁にハチミツを塗りたくった数人の隊士たちがいる。

 

 

「オイみんな、別に局長の言ったことでも嫌なことは嫌と言っていいんだぞ」

 

 

「いやでも、ハニー大作戦なんで」

 

 

「いやだから、何で身体に塗るんだよ」

 

 

何故か全員がノリ気でハニー大作戦に参加していることに土方はツッコミを入れた。

 

 

「こっちも今シグナムやリイン達に手分けして探してもらったり、サーチャー使って探しとるけど進展なしや。ホンマ、一体どこにいるんやろなぁ……『瑠璃丸』は」

 

 

はやてが呟いたその言葉に、近藤も土方も神妙な面持ちで頷く。

 

彼女の言う瑠璃丸とは、この国の将軍が飼っているカブトムシの名前である。しかし先日、将軍がこの森の別邸に御静養の際に生き別れてしまったらしい。近藤たち真選組は、幕府からその瑠璃丸の捜索を命じられたのである。

 

 

「ん? そういえば総悟はどうした?」

 

 

そこで近藤は、この場に沖田がいないことに気がついた。それに対して土方は呆れ口調で答えた。

 

 

「また単独行動だ。ありゃダメだ。ガキどもからカブト巻き上げたり、やり方が無茶苦茶だ」

 

 

「そう言うなトシ。なにせ瑠璃丸は陽の下で見れば、黄金色に輝く生きた宝石ような出で立ちをしているらしいが、パッと見は…普通の奴と見分けが付かんらしい。総悟のように手当たり次第にやっていかんと見つけられんかもしれん」

 

 

「黄金色の生きた宝石って…派手やな~。さすが征夷大将軍様のペット」

 

 

「だがそんなもん本当に……」

 

 

「銀ちゃん! フェイトォ! 新八ィィ!!」

 

 

「!」

 

 

土方の言葉を、聞き覚えのある大声が遮る。その声の方を見ると、草木の茂みを挟んだ向こう側に万事屋一行の姿があった。

 

 

「見て見てアレ、あそこに変なのがいるアル」

 

 

「あー? 変なのって、お前また毒キノコとかじゃねーだろうな」

 

 

「神楽、また熊の死骸とか変なの見つけても拾っちゃダメだからね」

 

 

「違う違う、アレ──金ピカピンのカブトムシアル」

 

 

そう言って神楽が指差す方向に居たのは、木の上の方で止まっている黄金色のカブトムシ……真選組が血眼になって探している瑠璃丸であった。

 

 

──え"え"え"え"え"!?

──あっさり見つけやがったァァ!!

 

 

自分たちがあれだけ必死になって探しても見つからなかった瑠璃丸を、神楽があっさりと見つけてしまった事に、近藤と土方とはやては茂みに隠れながら愕然とする。

 

 

「ちょっ、待っ……!」

 

 

「いかん! それは……」

 

 

「待て! 落ち着け、ここで騒ぎ立てれば奴ら、瑠璃丸の価値に気付くぞ。様子を見よう」

 

 

思わず茂みから飛び出しそうになった近藤とはやてを土方が抑え、万事屋(特に銀時)に瑠璃丸の価値を知られないよう、ひとまず様子見に回ることにする。

 

 

「本当、すごいキラキラしてる」

 

 

「でもアレ、オモチャかなんかじゃないですか?」

 

 

「違ーよ。アレはアレだよ、銀蠅の一種だ。汚ねーから触るな」

 

 

「ホラ見ろ。バカだろ、バカだろ」

 

 

土方の予想通り、彼らは瑠璃丸の価値に気付かない。

 

 

「えー、でもカッケェアルヨ、キラキラしてて」

 

 

「ダメだって。ウ〇コにブンブンたかってるような連中だぞ。自然界でも人間界でも、あーいういやらしく派手に着飾ってる奴にロクな奴はいねーんだよ」

 

 

「銀時、そんなに私の金髪が気に入らないなら言ってくれればいいのに。今すぐ黒にでも茶色にでも、銀時好みの色に染めるから」

 

 

「バッカおめー違うよ。お前の金髪は清楚な金髪で、あの小汚ねー金ピカとは一線を画すモンだから。それにな、お前はそんな着飾らなくても十分、俺にとっちゃ魅力的で自慢の嫁だよ」

 

 

「銀時……」

 

 

「あの、すみません……ナチュラルにイチャつくのやめてもらえませんか」

 

 

「……………」

 

 

そんな会話をしながら、万事屋一行は瑠璃丸を放置してその場から去って行く。唯一神楽だけは残念そうにしていたが。

 

 

「しめた! 行ったぞアイツら、ホントバカだ!」

 

 

「今だ! 早く瑠璃丸を!!」

 

 

彼らが去ったのを確認して、すぐさま茂みから飛び出して瑠璃丸の確保に動く真選組。

 

 

「げっ!!」

 

 

「瑠璃丸が!!」

 

 

「アカン! 飛んでってもうた!!」

 

 

だがその瞬間、危機を察知したのか瑠璃丸は羽を広げて木から飛び立ってしまう。しかもよりによって、その瑠璃丸が着地したのは……神楽が被っている麦わら帽子の上だった。

 

 

──げェェェ!! 最悪だァァ!!

 

 

真選組一同の心の声がシンクロする。それと同時に、銀時たちも神楽の頭に乗っている瑠璃丸に気付く。

 

 

「うおっ、汚ねっ!! お前、頭に金蠅乗ってんぞ!!」

 

 

「きゃっ!」

 

 

「うわっ!」

 

 

「え?」

 

 

「ちょちょちょ、動くな! 動くなよ! うおらァァァァァァ!」

 

 

「いだっ!」

 

 

瑠璃丸を金蝿だと思い込んでいる銀時は、普通に叩き潰そうとする。しかし叩いたのは神楽の頭で、瑠璃丸にはギリギリ外れるが、銀時はパンパンと連続で叩きまくる。

 

 

「おらァァ死ねェ!! ちくしょ、すばしっこいな!」

 

 

「痛い! 痛いアル!」

 

 

「ぎ、銀時! 神楽痛がってるから! 潰すなら神楽の帽子を取ってからに……」

 

 

「待てェェェ!! 待てェ待てェ!! それヤバいんだって!! それっ…」

 

 

その様子を見ていた近藤を先頭にした真選組が猛スピードで慌てて駆け寄って来る。だがその時、勢いあまって木の根に足を引っ掻けた近藤は、その勢いのまま神楽の頭にチョップをかましてしまった。

 

 

「ぶごォ!!」

 

 

「え"え"え"え"え"!!」

 

 

偶然とはいえキレイに下されたチョップに神楽はダメージを受け、その衝撃で瑠璃丸は地面に転がる。

 

 

「ギャアアアア!! るりら…瑠璃丸がァァァ!!」

 

 

「いったいなァー!! 酷いヨみんな!! 金蝿だって生きてるアルヨ!! かわいそーと思わないアルか!? あーよかったアル、大丈夫みたい」

 

 

「ちょっ、ちょお待って神楽ちゃん! それ金蝿なんかとちゃうねん!! それ実は……ねえ、聞いてる!?」

 

 

「この子、私を慕って飛んできてくれたネ。この子こそ定春28号の跡を継ぐ者ネ。今こそ先代の仇を討つ時アル! 行くぜ定春29号!!」

 

 

はやての話も聞かず、神楽は瑠璃丸を虫かごの中に入れてそのまま走り去ってしまう。それを見た土方は、近くに彼らがいることも忘れて叫んでしまう。

 

 

「オイィィィ!! 待てェ、それは将軍の…」

 

 

それが仇となり、そう言いながら追いかけようとした土方の首根っこを銀時が掴んで止める。そして恐る恐る振り向いてみると……

 

 

「将軍の……何?」

 

 

まるで獲物を見つけたと言わんばかりの悪い表情をした銀時の姿があり、それを見た土方は咥えていたタバコをポトリと落としたのだった。

 

 

 

 

 

      *

 

 

 

 

 

「はァァァァァァ!? 将軍のペットぉぉ!?」

 

 

事情を聴いた新八の驚愕の大声が森に木霊する。

 

 

「そうだよ」

 

 

「俺たちは幕府の命により、将軍様の愛玩ペット『瑠璃丸』を捕獲しにきたんだ」

 

 

「そうだったんだ。だからあんな妙に物々しい感じで……」

 

 

「オイオイ、たかだか虫の為にこんな所まで来たの? 大変ですね~お役人様も」

 

 

「そのたかだか虫1匹のせいで、私らの首が飛ぶかもしれへんねんで。そらこんな所まで来るっちゅーねん」

 

 

「だから言いたくなかったんだ」

 

 

「まァまァ、事ここまでに及んだんだ。こいつらにも協力してもらおう」

 

 

銀時の嫌味ったらしい言葉に土方とはやては顔に青筋を浮かべ、それを近藤が宥めてそう言う。

 

 

「協力? 今そのロリ丸は俺たち一派の手の内にあるんだぜ」

「瑠璃丸だ」

 

 

「こいつは取引だ。ポリ丸を返してほしいならそれ相応の頼み方ってのがあんだろ」

「瑠璃丸だ」

 

 

「6割だ。そいつを捕まえた暁には、お前らも色々もらえんだろ? その内6割で手を打ってやる」

 

 

「だから言いたくなかったんだ」

 

 

「同じくや」

 

 

「俺もそう思う」

 

 

明らかにたかる気満々の銀時に、土方とはやては更に青筋を浮かべ、今度は近藤も止めない。

 

 

「フェイトちゃ~ん! アレ旦那やろ? なんとかしてや、あのたかり屋!」

 

 

「あはは、銀時にはあとで私の方からちゃんと言っておくから」

 

 

助けを求めて泣きついて来るはやてにフェイトは苦笑しながら慰める。

 

 

「今はまず、ソリ丸を持って行っちゃった神楽を探さ…な……いと……」

 

 

「瑠璃丸や…ってフェイトちゃん? 急に止まってどないしたん?」

 

 

「「「?」」」

 

 

言葉の語尾を弱めながら、急に立ち止まってしまったフェイトに首を傾げるはやて。彼女らの前を歩いていた銀時たちも、その様子に気付いて疑問符を浮かべながら立ち止まる。

 

 

「あ…あれ……」

 

 

震える声と指でフェイトが差したのは、数メートルほど先にある断崖絶壁の崖の上。

全員が目を向けてみると、その崖の上では神楽と沖田の2人が相対するように立っていた。

 

 

「総悟!?」

 

 

「アレ? 何やってんの? 嫌な予感がするんですけど……」

 

 

それを見た銀時と土方は崖下まで走って2人の名前を叫ぶが、聞こえてないのか無視してるのか、両者はお互いから目を背けずに睨み合う。

 

 

「定春28号の仇、討たせてもらうネ。お前に決闘を申し込む」

 

 

「来ると思ってたぜィ。この時の為にとっておきの上玉を用意した」

 

 

「いざ、尋常に勝負アル!!」

 

 

そう言うと神楽はカゴから出した瑠璃丸を地面に置く。その行動が指し示す意味は1つしかない。

 

 

「ちょっとォォォ!! カブト相撲やるつもりですよっ!」

 

 

「ダ…ダメだよ神楽!! そのカブトムシはこの国の将軍様のペットなんだよ!!」

 

 

「傷つけたらエライことになるぞ! 切腹モンだよ! 切腹モン!」

 

 

それを見た銀時とフェイトが必死に声をかけて止めるように言うが、神楽の耳には届かない。

 

 

「トシィ!!」

 

 

「まァ待て。総悟が勝てば労せず瑠璃丸が手に入る。ここは奴に任せよう。総悟も全て計算ずくで話しに乗ってるんだろう、手荒なマネはしねーよ。そこまでバカな奴じゃねェ」

 

 

慌てる近藤とは反対に、土方は流石に瑠璃丸を傷つけるようなことはしないだろうと、冷静に当たりをつけてそう言う。彼なりに沖田を信用しているのだろう。しかし、間もなくその信用は裏切られることになる。

 

 

「トシちゃん、トシちゃん……」

 

 

「あ?」

 

 

「アレ見て、アレ」

 

 

はやてに服の裾を引っ張られながらそう言われ、視線を崖の上の沖田の方に向けると、そこには……

 

 

「凶悪肉食怪虫カブトーンキング、サド丸22号に勝てるかな?」

 

 

沖田よりも数倍は巨大で、明らかに凶暴そうなカブトムシが居た。

 

 

──そこまでバカなんですけどォォ!!

 

 

その場にいた全員の心が大シャウトを上げる。

 

 

「おいィィィィ!! ちょっと待てェェェェ! お…お前そんなもんで相撲とったら瑠璃丸がどうなると思ってんだァ!?」

 

 

「粉々にしてやるぜィ」

 

 

「そう! 粉々になっちゃうから、神楽ちゃん! 定春29号粉々になっちゃうよ!」

 

 

「ケンカはガタイじゃねェ! 度胸じゃー!!」

 

 

「度胸があるのはお前だけだから! ボンボンなんだよ、ロリ丸は将軍に甘やかされて育てられたただのボンボンなの!」

 

 

「瑠璃丸っつってんだろ! 止めねば! 早く2人を止めねば!」

 

 

「無理ィ! こんな崖あがれませんよ!」

 

 

急いで2人を止めようと崖を登ろうとするが、断崖絶壁ゆえにそれは叶わない。

 

 

「力を合わせるんだァ! 侍が4人、魔導師が2人、みんなで協力すれば超えられぬ壁などない!」

 

 

「よし、お前が土台になれ! 俺が登ってなんとかする!」

 

 

「ふざけるな! お前がなれ!」

 

 

「言ってる場合じゃねーだろ! 今、為すべき事を考えやがれ! 大人になれ! 俺は絶対土台なんて嫌だ!」

 

 

「お前が大人になれェェ!」

 

 

近藤の言葉で協力するかと思えば、仲の悪い土方と銀時はどっちが土台になるか揉めだし、新八がそれにツッコミを入れる。

 

 

「つーかタヌキ! お前警察の魔導師なら魔法使う許可出てんだろ!? ビューンと飛んであの2人止めて来い!」

 

 

「いや、そうしたいのは山々やねんけど、飛行魔法使うにはまた別の許可が必要なんや。流石に管理局からそっちの許可までは下りてへんねん」

 

 

「んだよ色々めんどくせーな管理局!! だったら砲撃なり何なり、他の魔法使ってあの巨大カブトを何とかしろよ!!」

 

 

「それも無理やわ! 銀ちゃんも知ってるやろ!? 私の魔法のほとんどは広域殲滅魔法で、リインもおらんから微調整がきかん! ヘタしたら瑠璃丸まで巻き添えにしてまうよ!」

 

 

「だーもう使えねーなァ!! お前なんの為にこっち来たんだよ!! このチビタヌキ!!」

 

 

「なんやとコラァァ!! 今チビ関係ないやろーがこのアホ天パぁぁ!!」

 

 

「オイぃぃぃ!! ケンカしてる場合じゃねーんだよォ!!」

 

 

怒鳴り合いながら掴みあってケンカする銀時とはやての間に近藤がツッコミを入れながら仲裁に入る。

 

 

「もういい俺がやる! 早くお前らあがるんだ!」

 

 

「あがれってオメー! こんなヌルヌルの土台あがれるかァァ!! 気持ちワリーんだよ!」

 

 

近藤が地面に四つん這いになり、率先して土台になろうとするが、ハチミツで身体がヌルヌルしている為に銀時が拒否する。

 

 

「じゃあ私が近藤さんの上に乗るよ! 早くしないと瑠璃丸が……」

 

 

「待て待て待てェェ!! お前がこんなヌルヌルゴリラの上に乗るなんて俺が許しません!! 夫として絶対に許しません!! フェイトが乗っていいのは俺の股の上だけでブホォ!!」

 

 

「下ネタ言ってる場合かァァァ!!」

 

 

四つん這いになっている近藤の背に乗ろうとしたフェイトを銀時が必死に阻止し、そのドサクサに紛れて下ネタを口にした銀時の顔面に新八のツッコミ&飛び蹴りが炸裂する。

 

 

「行けェェェ! サド丸ぅぅ!」

 

 

「あああ! いかん!!」

 

 

崖の上から聞こえた沖田の声。見るとサド丸22号が動き出し、その巨体で瑠璃丸に迫ろうとしている。絶体絶命の危機となったその時……4人の侍が、一瞬のアイコンタクトを交わす。

 

 

「「「「おおおおおおおお!!!」」」」

 

 

それで全て通じ合ったように土台が近藤、二段目が土方、三段目が新八となって瞬く間に台を作り、それを銀時が一気に駆け上がっていく。

 

 

そんな彼らが行動したのと同時に、2人の魔導師も行動に移っていた。

 

 

「バルディッシュ、ちょっとガマンしてね!」

《Yes sir》

 

 

「行くでェ!!」

 

 

フェイトはバルディッシュを起動し、はやてはどこかから取り出した非人格型アームドデバイス──『騎士杖シュベルトクロイツ』をそれぞれ構える。

 

 

「「せええええええ!!!」」

 

 

そして2人ともそれを槍投げのように思いっきり投擲し、バルディッシュは崖の上層…シュベルトクロイツはその少し下方の部分壁に、それぞれ尖端が深々と突き刺さった。

 

 

「フェイトちゃん!」

 

 

「わかってる!」

 

 

はやての声に応え、フェイトが駆け出す。そして運動能力が高いフェイトは、軽やかな動きで壁に突き刺さったデバイスを足場にして崖を飛び越える。

 

 

そして空中で、銀時とフェイトが並ぶ。

 

 

「カーブートー」

「狩りじゃあああああ!!」

 

 

2人は怒号を上げながら、同時にサド丸22号の横っ腹に飛び蹴りを叩き込む。突然の奇襲を受けたサド丸22号はそのままふっ飛ばされ、ズズンと音を立てて崩れ落ちたのだった。

 

 

「サド丸ぅ!!」

 

 

「よっしゃあああ!!」

 

 

「やりやがった!!」

 

 

「ナイスや銀ちゃん! フェイトちゃん!」

 

 

その光景を見た近藤と土方とはやては、崖の下から歓声を上げる。

 

 

「旦那方ァ! 何しやがんでェ、俺のサド丸が!!」

 

 

「銀ちゃんもフェイトもひどいヨー!! 真剣勝負の邪魔するなんて!」

 

 

勝負の邪魔をされ、抗議の声を上げる神楽と沖田。しかしその瞬間……神楽の頭にはフェイトの、沖田の頭には銀時のゲンコツがそれぞれ落とされ、2人は「「い"っ!」」と頭を押さえて蹲る。

 

 

「バッキャロォォォ! 喧嘩ってもんはなァ! てめーら自身で土俵に上がって、てめーの拳でやるもんです!」

 

 

「たとえ虫でも生き物を飼うなら、その小さな命に責任を持ちなさい!! 遊び半分で生き物の命をもてあそび、ましてや自分たちの喧嘩の道具に使うなんて、生き物たちに対する冒涜です!!」

 

 

その場で神楽と沖田を正座させて、2人に喧嘩と命について説教する銀時とフェイト。その姿は、まさに悪さをした子供を叱り付ける親の姿だった。

 

 

「母さんの言う通り! カブトだって、ミミズだって、アメンボだって、みんなみんな……」

 

 

 

 

 

──メキッ

 

 

 

 

 

だが銀時が1歩足を踏み出して強くそう言ったその時……彼の足から、何やら嫌な音がした。それを聞いて、説教をしていた銀時とフェイトは揃って顔を青くする。

 

 

そして銀時が、そっとその足を上げると──その下には無残にも踏み潰された瑠璃丸の姿があった。

 

 

ちょうど崖を登って来た新八、近藤、土方、はやてもその光景を目撃し、揃って顔面蒼白で口をあんぐりと開けている。

 

 

「……みんなみんな死んじゃったけど、友達なんだ……だから連帯責任でお願いします」

 

 

 

 

 

 

      *

 

 

 

 

 

後日……警察庁長官室。

 

 

「よォ、今回はご苦労だったな。わざわざカブトムシごときのために色々迷惑かけちまってよう。で、見つかったのか? トシ」

 

 

「……ああ、見つかるには見つかったんだが。あの…………突然変異で──」

「腹切れ」

 

 

黄金色になるまでハチミツを塗りたくり、兜をかぶった近藤で誤魔化そうとしたが、にべもなく切腹を命じられた。因みにこの時……はやてたち八神一家は、ガチの夜逃げを考えていたとか。

 

 

その後……将軍の懐のデカさに救われた真選組は、なんとか切腹を免れた。ただしその代わりとして、長期間の減俸を言い渡されたのであった。

 

 

 

 

 

つづく




あの状況でシグナムたちを動かせる自信がなかったから退場させました。今後の話でちゃんと活躍させるから許して欲しい。
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