ドラえもん のび太の聖杯戦争   作:悪・猫

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26.第一章完結・聖杯戦争開始四日目/誰も見捨てない

蟲肉を喰いちぎる…ウィンチェスターM1887の散弾…

だが、出来杉と言う魔蟲は打ち破れられた部分を再生し…再び、カマキリのような大鎌を振り下ろす

それを平然と避け、素早いスピンコックしつつも、斬りかかる大鎌を破壊しつつに少しづつ出来杉に近づくアーチャー

 

僕には状況が全く理解できなかった

どういうことだ?どうして、出来杉があんな姿になっている…

あんなの…もう出来杉ではない…ただの化け物にしか見えなかった

 

「野比のび太、皆を連れてその場から去れ…此処は危険だからな」

 

アーチャーはそう僕に言うと容赦なく、出来杉に銃口を向け…引き金を引く

その時、僕はアーチャーが何をしようとしているのか分かった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

出来杉を殺すつもりだ(・・・・・・・・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アーチャーは散弾銃で触手と鎌を破壊しながら…少しつづ彼に近づいている…

 

「アーチャー!出来杉を殺さないで!出来杉は確かに悪いことをしたけど、出来杉は僕の友達だ!」

 

叫ぶ僕…しかし、傷口が痛む…

 

「馬鹿なのか…もうこいつは救いようがない化け物だ…こいつが町に降りてみろ…聖杯戦争どころじゃないぞ…」

 

冷酷な眼で僕を睨みつけるアーチャー…

もう完全にアーチャーは出来杉を見捨てている…このままだと…出来杉が死んでしまう

 

「野比君!此処は撤退よ!此処は危険だわ!」

 

遠坂が桜と僕の手をつかむ…

 

「でも、出来杉を放っておくわけには…」

 

「馬鹿ね!あいつはもう、人間(・・)なんかじゃないわ!あいつはもう化け物よ!もうあれは私、魔術師でも、サーヴァントでも救いようがない存在よ…」

 

遠坂ももう既に出来杉を人間とは見ていなかった…

いや、もう救いようがないのだ…神経のすべてを蟲にズダズダにされた挙句、体まで蟲になり果ててしまっては手の施しようがなかった

 

「くっ…」

 

迷いを見せる…僕…

 

そんな時、出来杉の体から触手が肉を喰い破り、触手が僕に迫る…

 

「お母さん!!」

 

令呪の効果が切れたジャックが森から猛スピードで現れ、触手を切り裂く…

 

「ジャック!」

 

「お母さん!早く此処から逃げないと私たちも他のサーヴァントも危ないよ!もうあの化け物はサーヴァントと同等の力を持ってる、此処にいるのは危険だよ!」

 

ジャックは心配そうに僕に言う…

どうやら、状況は僕が思っている以上に危険らしい…

サーヴァントと同格の化け物に変化してしまった出木杉…その力がもし、町にも及べば聖杯戦争に関係ない一般市民にまで被害が及んでしまう…

 

「セイバー、キャスターはどうなった!」

 

「大丈夫です!マスターが化け物になったためか、令呪の効果と洗脳が消え、気を失っています、このままでこの場を離脱します!」

 

士郎の声を聞いたセイバーは今の状況を士郎に伝え…その場から離脱する…

 

「ランサー!状況は!?」

 

「太った兄ちゃんと口がとがった兄ちゃんを確保したぜ!ライダーの野郎も自分のマスターを保護したらしい!なあ、あいつはどうする!?」

 

「アーチャーにすべて任せましょ!私たちは生き残ることのみ考えましょう!」

 

遠坂は僕達に叫ぶ

 

マスター同士の戦いは決した

 

もう、出来杉はマスターではなく、サーヴァントと同等の化け物にになり果てた

救えるのなら、救いたい、救って、実の妹を侮辱したあいつを一発ぶん殴ってやりたい…

 

遠坂は唇を噛みしめる―――――

 

動けなかった、本当なら実の姉である自分があの外道魔術師をぶん殴るのが通りだ

しかし、野比のび太が私の数倍…いや、何百倍もの怒りをぶつけた

正直、不満足だが、仕方がない…この状況下であいつをぶん殴ってやりたいなんて言う私情であの場に身を投げれば、確実にあの【蟲】の餌になるのは眼に見えている

 

「くっ…」

 

救いたい…だけど、自分の力で出来杉を救えない…

心の中で僕は強く思う…出来杉は悪い奴だ…だけど、悪い奴だと言って見捨てるの外道と一緒

どんなに救いようがない奴でも救いの手を差し伸べて、助ける…それが僕の信条

だけど、救えない…僕の力ではあいつを…

 

「早く離脱しろ!!野比のび太!桜を救うと決めたのなら最後まで守りきれ!この聖杯戦争から!この醜悪な化け物からな!」

 

アーチャーはそう叫びながら的確にウィンチェスターM1887で出来杉の大鎌を破壊しつつ、とどめを刺す隙を狙っている…

 

「・・・・・・・・分かった」

 

この場から離脱する決意を固める僕…まずは桜をこの場から離すことが重要だ

この場所は危険地帯だ、この場所にいつまでも桜を此処に留めさすのは危険だ

 

「桜!」

 

僕は凛の手を離し…桜をつかみ…ジャック、遠坂、士郎と共に階段を下りる

 

体は軋む…

 

止まってはいけない――――――――

 

救わなきゃ―――――――――――

 

止まってはいけないんだ…もう僕の手では救えないんだ――――

 

だけど、間違ってる…見捨てるなんて言う判断なんて―――――

 

 

「救わなきゃ」と言う感情が僕の行動を邪魔する

 

「くそ…」

 

小声で…自分の力の無さを痛感する事しか…できなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「行ったか…」

 

場に誰もいなくなったことを確認したアーチャーはM1887をスピンコックしながら…蟲化した出来杉を見る

だが、それと同時にあの時の言葉がアーチャーの心に引っかかっていた

 

 

 

 

 

「アーチャー!出来杉を殺さないで!出来杉は確かに悪いことをしたけど、出来杉は僕の友達だ!」

 

 

 

 

ああ…やはりあいつは理解できない…

 

同じ、自分でもとても理解し難い…

 

どうして、こいつは悪人を救おうとする?どうして、外道に手を差し伸べる?

 

おまえは桜とジャックさえ守ってくれていればいい…そうすれば、後は俺が聖杯戦争そのものを無くしてやる…

 

なのに…なのに…どうして、おまえは善人だけでなく、悪人にまで手を差し伸べようとする?

 

悪人を救ったところで…悪人はその野望を捨てない…間違っていたと自覚しない…

 

なのにどうしてだ…どうして、お前は悪人に手を差し伸べる…野比のび太

 

なぜ、救いようがない人間を救おうとするんだ!!!

 

 

 

 

轟く――――――――銃声

 

その音と共に蟲の塊と化した出来杉の肉片が地面に散らばる…

 

眼があやしく光る…そして、クロムシルバーのコルトSAAを抜く

 

「さぁ、出来杉、もう一度殺してやるよ…何度でも…何度でも!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

階段を降り終える…僕の体は限界を迎え…階段の最後の段を降りた直後…地面に倒れた

 

「先輩!大丈夫ですか!?」

 

「お母さん!!」

 

地面に倒れた同時に桜とジャックが僕の駆け寄る…

体が痛い…軋む…まるで、僕だけ重力が倍になったように体がとてつもなく重かった…

 

「のび太!大丈夫か!」

 

士郎が僕を支えのおかげでかろうじて、立ち上がる僕…

それと同時に柳洞寺から爆発音が聞こえてくる…

 

「出来杉…」

 

殺される

 

このままだと、出来杉は確実にアーチャーに殺される…

出来杉は確かに酷いことをした、だけど、出来杉を見捨てる理由にはならない、いや、理由なんてない…

 

助けないと…

 

「桜…桜は士郎達と一緒に先に帰ってて…僕はあいつを救う…」

 

僕の言葉に桜は表情を歪める…だけど、その一瞬の歪みはすぐに消えた…

 

だが…

 

「何言ってるのよ!!あいつはあなたの友達を利用した挙句、桜を道具扱いした外道よ!!あいつを救う必要なんてあるの!?」

 

反論する凛…その怒りの眼差しが僕に突き刺さる…

 

「いい?もうあいつはサーヴァントと同等の化け物よ…もう私たちにはどうでもできないような存在よ!あなた一人が助けに行ったところで、どうにもならない!行ったところでただの無駄死よ!!」

 

「確かに…遠坂の言い分はあっているのかもしれない…あいつは外道だ…だけどね、いくら悪人だからって言って、見捨てるのはもっといけないと思うんだ、出来杉は僕の事を友達とも思ってないかもしれないけど…

あいつも…僕にとっては大切な知り合いなんだ…あのまま…あのまま見捨てる事は僕にはできない…!友達が間違ってる道を進んでいるなら」

 

「だけど!!!!」

 

遠坂が叫ぶ…

 

その時だった…桜が遠坂の口を手で押さえる…

 

「えっ…桜!?」

 

実の妹の突然の行動に眼を疑う凛…

桜だって嫌なはずだ…自分を道具扱いした”あいつ”を救うなんて…

それも…そんな馬鹿げたことを言っているのは…桜の想い人…救えるかわからない、無事に帰ってこれるかわからないようにな場所に…彼を送ることなんて…

 

「先輩…もし、あの人が…また私に酷い事をしたら…また助けてくれますか?」

 

桜は心配そうな表情を抑えつけながら…僕にそう言った…

歪んだ表情を無理やり隠し…桜は複雑な感情を隠す…

 

だけど、これが【野比のび太】と言う私が惚れた…ヒーロ―…

 

善悪関係なく…彼は救いの手を差し伸べる…

 

人の幸せを願い、人の不幸を悲しむことが出来る…そんな人間だ

 

「うん、もし同じことがあっても、僕は桜の味方だよ」

 

優しい表情…先輩の眼は本気だ…

 

「先輩…無事に…無事に帰ってきてくださいね」

 

「うん、帰ってくるよ…絶対に…」

 

僕はそう…桜に言うと…重い体を…動かし…階段を上る

 

一歩一歩に激痛が走る…

 

「くっ…もうちょっと…もうちょっとだけ、もってくれ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蟲の体液が地面に飛び散り…染み込んでいく

だが、蟲に弱った様子はない…むしろ、どんどんと巨大化して行き…禍々しく、そして醜い姿に変わっていく

 

「手榴弾10、追撃砲20…散弾20…ゴキブリ以上の生命力だな、やはり、蟲との戦闘は根気がいる……」

 

大量の触手がアーチャーに迫る…それをサバイバルナイフで切り裂くと宙に無数の追撃砲を召喚する

 

掃射(ファイヤ)

 

一斉に発射される追撃弾が容赦なく蟲の体に食い込み、爆発して行く…

しかし、散らばった肉片はすぐに蟲の体に戻り、再生する…

 

「弾と資源の無駄使いだな…だったら…存在そのものを消してやればいいか(・・・・・・・・・・・・・・・)

 

真紅のサバイバルナイフを抜く―――――――

それと同時に広がる黒い…霧…

 

「今宵は地獄、我は炎…雨…復讐の化身…」

 

詠唱…地面に禍々しい紅雷が地面を走る

 

その眼に灯る復讐の眼…そして、体から強力な魔力が溢れだす…

 

「我、この世全ての英雄を断罪する者…我、この世全ての魔術を否定する者…断罪せよ、」

 

地面が血に染まる…その時だった

 

「アーチャー!!駄目だ!!」

 

あいつの声が聞こえる

 

その声に反応した蟲は標的をあいつに変え…鋭い触手で襲いかかる

 

「つっ!!Pocket.ON(ポケット・オン)!!」

 

「うわっ!」

 

突然、襲いかかる触手…だが、その触手は僕を貫くことがなかった

 

「馬鹿なのか…おまえは!!」

 

怒りの表情…僕の前に突如として、現れ…ひらりマントで触手を防ぐアーチャー

そして、コルトSAAを抜き、出来杉の周りに六発の銃弾を撃ち込む

打ち込んだ銃弾から赤雷が走る…

 

「我、英雄を拘束する者…我、英雄を断罪する者…走れ!!絶望の聖域(デスぺラード・サンクチュアリ)!!」

 

血のような紅雷が出来杉を拘束する…

だが、触手は六本の紅雷を一本…また一本と壊して行く

 

 

「俺には理解できない…どうして、此処に戻って来た!野比…のび太!!」

 

その殺意の眼は僕に向けられている…

背筋が凍りつくような眼…だけど、僕は恐れず…アーチャーの眼を見る

 

「アーチャー!お願いだ!出来杉を救ってくれ!お願いだ!!」

 

僕はアーチャーに対し頭を下げる…

僕一人で出来杉を救うことはできない…これは僕の力不足だ

蟲化した出来杉を救うには二十二世紀の秘密道具を持つ、アーチャーの手を借りるしかない…

 

「どうしてだ?俺には理解できない…あいつは桜を道具にし、お前の友達を利用した外道だ、なぜ、おまえがこの蟲になり果てた外道魔術師を救う必要がある」

 

「出来杉は僕の友達だ!いくら悪いことをしても友達なのは変わりない!それに外道だから…悪人だからって言って、見捨てるのは間違ってる!」

 

「間違ってる?もうあいつは救いようがない魔術師だ!桜を道具扱いし、お前の友達を手ごました!そんな奴をまだ救おうとしているとはな、おまえは正真正銘のお人よしだな…」

 

アーチャーは鋭い眼で僕に言う

やはり、理解ができなかった…どうして、そこまでこの悪人にこだわる…

俺は違う…過去の俺は躊躇なく…出来杉英才と言う魔術師をこのコルト・SAAで殺した…

救いようがないと判断して…殺した、なのになぜだ…なぜ、おまえはこの悪人を救おうとする…なぜ…!

 

「確かに僕は正真正銘のお人よしかもしれない…だけど、僕は出来杉を救いたい…道を踏み外した友達を救うのはその友達である僕の役目だから…」

 

僕はアーチャーに真剣な表情で訴える

表情を強張らす…アーチャー…だがその表情はすぐあきれ顔に変わる

 

「ふっ…やはり…時間軸は全く違うようだな…だから、おまえは変な事を言い出した」

 

「えっ…」

 

アーチャーの言葉に首を傾げる僕…

すると、アーチャーは僕に対し…手をかざす…

 

「お前が言いだしたことだ…お前が責任とって、あの悪者を救ってみろ…反英雄の俺はお前と違って…お人よしでも、お前みたいな英雄の器も持っていないからな…」

 

アーチャーはそう言うと手から…神々しい光を纏った物が出てくる…

 

温かい光…その光は僕の体内に入って行く…

それと同時に…僕の手の甲から消失したはずの令呪が再び刻まれる…

 

「えっ…」

 

その瞬間…まるで走馬灯のようにドラえもんの記憶が流れてくる…

どうしてなのか、分からない…だけど、あの声が聞こえてくる…

 

 

(のび太君…僕はキミといつまででも…一緒だよ)

 

「ど…ドラえもん?」

 

その時だった

出来杉は最後の雷の結界を撃ち破り…僕とアーチャーに襲いかかる

 

「後はお前が何とかしろ…俺は傍観に徹する…」

 

アーチャーはそう言うと…霊体化し…僕の前から姿を消す…

 

猛スピードで僕に襲いかかってくる…出来杉…

 

だが、僕の頭の中は冷静だった…

体の中に何が入ったのかは不明だ…だけど、なぜかわかっていた…僕の体内に入った…物がなんなのか…

 

そして、なぜかわかっていた…秘密のポケットの鍵を開ける…合い言葉を…

 

「野比…ノビタァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」

 

出来杉はクモのような足を駆使し…猛スピードで僕に迫る…

そして…カマキリのような鎌で僕に斬りかかる…

 

Pocket.ON(ポケット・オン)!!」

 

手をかざす…そして…僕の手にそれ道具は現れる

 

「跳ね返せ!ひらりマント!」

 

僕の手のひらに現れたひらりマントが出来杉の鎌を跳ね返す…

 

「ナニィィィィィィ!!!キサマ…キサマ…キサマキサマキサマキサマァァァァァァァ!!!!!」

 

連撃…だが、それもすべて…ひらりマントで跳ね返して行く…

 

Pocket.ON(ポケット・オン)!!吹き荒れろ!空気砲!!」

 

巨大な空気の塊が出来杉を吹き飛ばす…

 

「ウガァァァァァァァァァ…ノビ…ノビタ…ノビタ…ノビタァァァァァァァァァァァ!!!」

 

大鎌を地面に突き刺し…衝撃を押さえ…再び僕に襲いかかる出来杉…

 

だが…その鎌は空を斬る…

 

「どこでもドア…タケコプター!」

 

瞬時に出来杉の後に周りこんだ僕はタケコプターを使い…宙を自由に飛び回る

そして…空気砲に構え…令呪を一角消費する…

 

「吹き荒れろ!空気砲!!ドカン!」

 

巨大な空気の塊が…出来杉を地面に拘束する…

 

「ウガァァァァァ…コンナ空気ノ塊ゴトキデ…俺ヲ倒セルトオモッテイルノカ?」

 

「思ってない!だけど、足止めは出来る!」

 

急降下する僕…そして、再び手をかざすと共に令呪に力を込める

 

Pocket.ON(ポケット・オン)、タイムふろしき!!」

 

タイムふろしき…

 

時間を早送り出来ると同時に巻き戻すこともできる秘密道具…

この道具が唯一、出来杉を救う方法…

 

「出来杉ィィィィィィィィィィィィ!!!」

 

「ノビタァァァァァァァァ!!!!」

 

触手が襲いかかる…それをかわし、出来杉の頭部にタイムふろしきを当てる

 

「巻き戻せ!タイムふろしき!」

 

令呪の一画が消える…それと同時に出来杉の時間が巻き戻されていく

 

「ナ…なに?」

 

「僕は君を救って見せる!キミがどんなに悪人になっても!どんなに救いようがなくても!僕は君に手を差し伸べる!!いくら振りほどいても!!どんなに嫌な顔されても!!僕は友達として救って見せる!!」

 

僕の真剣な表情を見た瞬間、出来杉の表情が歪む

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

羨ましかったんだ…本当は君が…

 

本当は君と言う存在にあこがれていたんだ…

 

何もできなくても…その純粋な笑顔で色々な個性的な人達を呼び寄せ…争うこともなく、仲良くできる

 

それに比べて…僕は魔術だけが出来過ぎていて…他の人間を利用し…争いを生み出した…

 

そんな君が羨ましかった…みんなから”完璧”と言われていても、人間関係は…ズダボロだった

 

 

 

「おまえは出来杉家の人間だ、魔術だけ出来ていればいい、そうすれば我が出来杉家の血は絶えない」

 

 

 

 

「友達など不要、遊びなど不要…おまえは魔術師と言う存在を越える存在、おまえは”魔法使い”になる男だ、遊んでいる暇などないぞ…英才」

 

 

 

この魔術師の修行は僕の感情を…性格を歪めてゆく

 

最初は抗ったさ…あんな醜い魔術師にはなりたくなかったからね…

 

だけど無駄だった…出来杉家の魔術の修行は僕の思考を壊していった

 

そのうち…僕は君を怨んだ…

 

どうして…君は僕が本当に欲しい物を持っているんだ…

 

僕は魔術は完璧なはずなのに…どうして…君は…君は…!!!!!!!

 

 

(出来杉さん…ごめんなさい、私…のび太とは戦えない…)

 

 

(出来杉!のび太を傷つけるのは許さない!!!絶対にだ!!)

 

 

(悪いね、君の事だから君は徹底的にのび太を潰すはずだ…そんなの僕達が許さない)

 

 

どうして…逆らう

 

どうして…僕と違って、君には…仲間がいるんだ…

 

ああ、僕も君のようになりたい…

 

 

「出来杉ィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!!」

 

神々しい光…

 

宙には野比のび太が僕にタイムふろしきをかぶせていた

 

時間が巻き戻されてゆく…蟲にズダズダにされたはずの魔術回路がどんどん再生して行く

触手も…蟲の足も…鎌も…どんどん消滅し…人間の体に戻って行く

 

 

 

 

…ああ、君は本当に…本当に「お人よし」だね…野比のび太

 

 

 

「ありがとう…野比のび太」

 

 

地面に倒れる…出来杉…

 

僕はゆっくりと…地面に降り立つ…

 

「ぐっ…ちょっと…無理をし過ぎたらしいな…体が…言うことを聞かないや」

 

意識が霞んで…僕はそのまま…地面に倒れる…

 

そして…そのまま、眠りにつくように眼をつぶり…眠りについた

 

 

「ふっ…力尽きたか…まさか、本当に救うとは思ってもなかった」

 

姿を現す…アーチャー…

 

呆れた表情をしながら、カウボーイハットとサングラスを外す…

 

「だが…出来杉英才…おまえには此処で…消えてもらう」

 

そして…コルト・SAAを出来杉の頭に突き付ける

 

銃口に真紅の魔力が溢れる

 

「死ね…出来杉英才」

 

 

そして…銃声が響く…

 

夜の月が照らす…地面に散った血を鮮明に…写していた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




第一章・蟲の魔術師完結です、あ~第一章最終回とてつもなく長くなってしまった…
次回からは5日~15日目・霧の殺人者編を開始します
第二章ではしずかちゃん、ジャイアン、スネオが登場し、物語も急展開して行きます…と言いたいところですが、最初の5日目はちょっとだけあの人物のお話
6日目~9日目までは緩く書いて行く(主にのび太&桜ちゃん、ジャックちゃん)予定です

そして、お気に入り数が400件を突破し、少々驚いています
400件を超えることは人生で初めてで今の震えながら書いています
これからも頑張って更新して行くので未熟な自分ですが、よろしくお願いします




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