ドラえもん のび太の聖杯戦争   作:悪・猫

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41.聖杯戦争開始八日目/脱落者~聖杯にこの身を捧げて~Ⅳ

衛宮視線。

 

俺の憶測を聞いた、遠坂とのび太は驚いた表情で俺の顔を見る、得に遠坂の驚いた表情は怒っているのか、怒ってないのか分からなかった。

そして、深いため息をついて、遠坂は口を開いた

 

「衛宮君、その憶測…どこから来たの?」

 

「どこからって……昔さ、のび太に名前の由来を聞いたんだけど、テレて教えてくれなくてさ…だからドラえもんを聞いたんだ、そしたらのび太の名前の由来は『どこまでも大きく伸び伸びと育って欲しい』って言うなずけられたんだって、それが俺がこの憶測至った理由だ…どうだ?遠坂」

 

「確かに野比君の成長速度については説明がつくわ…もし、仮に野比君の起源が『成長』なら…『起源』の発動条件は「こんな自分になりたい…」と強く願うこと…起源は強制的に野比君が望む存在へ成長する…たとえるなら成長し続ける巨木…野比君が望めば野比君が望む理想まで成長する…ただし、それは本当に彼自身が成長を望んだ場合のみ…強い意志がなければ成長することはない。

だけど、この『起源』はチート級とも言えるけど、それと同時に野比君自身も危険に晒される…衛宮君と同じく憶測になるけど、この起源に『制御装置(リミッター)』は存在しない、野比君さえ望んでしまえば『英霊の域』にまで達してしまうかもしれない、だけど自我と身体が持たない…わかる?簡単に言ってしまえば急速な成長が心と体に負荷をかけ、いずれ野比君の身体を壊してしまうかもしれない、もっとひどければ『起源』に心を侵食され…感情こそ『成長』だけの化け物と化してしまうわ…野比君、多分あきらめないと思うけど、一応、聖杯戦争から降りることを勧めるわ、その力はきっと野比君が"大切にしている想い”すら壊してしまう…そんなの桜は望まない、それは桜の姉である私の願いでもあるの…」

 

遠坂は本気でのび太にこの聖杯戦争から降りてほしいと願っている。

 

だが、のび太の答えはNOだった

 

「ありがとう、遠坂…だけどゴメン、僕はこの聖杯戦争からは"降りられない”…それに僕だけ抜けるのは都合が良すぎるよ、僕は桜を守るって約束したんだ。」

 

予想はしていた

のび太は決して、この聖杯戦争から降りない、いや降りられないのだ。

桜のためにも…ドラえもんのためにも…絶対に降りられないのだ、たとえ自分の命が危険にさらされていようと…なんであろうとのび太は皆と生き残る術を導き出そうとする

 

 

それが野比のび太と言う人間だ。

 

「そう…私もできる限り、あなたと士郎に魔術を教えるわ、だけど、言っておくわ、臓硯を倒した後は互いに敵同士よ、そのときは手加減はしないわ、私があなたたちに魔術を教えるのは私が本気であなた達と戦うためよ、それを理解しておきなさいね」

 

遠坂は残念そうに俺達に言うとゆっくりと立ち上がった

 

「野比君、さっき言ってたよね…「桜のためにも優しさを捨てられない」って…あなたはそれでいいわ、あなたが変わる必要性はないわ。

絶対に優しさを捨てたら駄目…もし優しさを捨てれば…捨てれば…とにかく!野比君は野比君で絶対にいてね!!わかったわね!!」

 

遠坂は必至でのび太に口うるさく釘を刺すとジャックものび太の背中に乗っかり、のび太の頬に顔すりつけながら

 

「駄目だよ!!絶対に!!」

 

ジャックは悲しそうな眼でのび太を見つめながら言う…もしかしたらジャックも本能的に気付いたであろうか…

 

 

あの未来ののび太が"優しさ”を捨てたのび太だと…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現在の時刻は3:00、聖杯戦争が始まって今日で8日目、衛宮士郎は昨日に限って眠りにつくことができなかった

その理由はそう、桜のサーヴァントが未来ののび太と言う可能性についてだった

 

信じたくはなかった――――――――あんなののび太なんかじゃない、無慈悲に銃を突きつけ、容赦なく親友を撃ち殺そうとするなどとてもあり得なかった

 

しかし、もし、あいつは『優しさ』を捨てたのび太だとすればそれは簡単に説明がついてしまうと言うのが現実だった

 

「士郎…眠れないのですか?」

 

隣の部屋で剣士(セイバー)が俺の気配に気づいたのか、声を掛けてきた

どうやら、俺が寝付いていないことに気づいていたのであろう…まったく、まだ確定と決まっていないのに、ここまで悩んでしまうとは思ってもいなかった

 

「あぁ、悪いな、剣士(セイバー)…ちょっと話に付き合ってくれないか?」

 

俺は申し訳なさなそうに立ち上がり、隣の襖を開けた。

剣士(セイバー)は俺の相談に心良く乗ってくれ、すぐにコートを着て、寒い寒い夜を散歩に出た

 

「士郎、やはり気になっているのですか?桜のサーヴァントのことが」

 

俺の悩みはもうすでに見透かされていた、まあ無理もないであろう、あの時、俺と桜が一番動揺していたのだから

 

「ああ…のび太と俺が出会ったのは7年前、小学六年に上がる前に転校してきたんだ…ドジでのろまだけど、とても優しい人だった…困って人をほっておけなくてな…よく俺の無茶にも付き合ってくれたよ、そんなのび太があんなサーヴァントになるなんて…剣士(セイバー)、あんなにやさしいのび太があんな姿になるなんて…あり得るのか?人ってあんなに変わってしまうものなのか?」

 

俺は未だに信じられない…と言うよりも信じたくない、可能性を否定する『材料』が欲しかった

初めて、弓兵(アーチャー)と出会ったとき、銃の構え方から銃の持ち方…すべてが野比のび太の構え方だと気付いた

 

何年も何年も見てきたのび太のガンプレイとガン捌き…その技術を見間違えるわけが無かった

でも、弓兵(アーチャー)はのび太とは間逆…冷酷にサーヴァントとマスターの命を狙い…非人道的な方法で追い詰める…

 

出来杉英才の時もそうだ、あいつは真っ先に出来杉英才を殺そうとしていた。

 

救えない―――――――――と一方的にあいつを捨て、冷たい銃口をあいつに突き付けた

だけど、のび太はそれを救おうとした、蟲と化し、救う手立ても方法もないのに…

 

「信じたくない士郎の気持ちはわかります、私もそれは同じです…ですが…残念ながら人間は…もちろん私も時間が経てば変わってしまいます、身も…心も…たとえ、あの優しいのび太さんでも…

私もそうです…『王』の道を選んだ時、私は騎士たちが望む『完璧な王』として振る舞いました、そして己の全てを捧げ国の為に尽くしました、でもその結果空しく故国は滅亡した、私がやったことに後悔はありません

そういえば、私はあなたに伝えいませんでしたね、私が聖杯への願いは『選定のやり直し』…私は国に顔向けできない、私が『王』なるべきではない、だったら、私は過去の改変を望みます…そのためにも私は聖杯をあなた共に勝ち取ります」

 

「過去の改変…剣士(セイバー)…お前…・」

 

「人は変わる、急速に…どんな英雄でもその先の運命には逆らえない、私ものび太さんも…もちろん、正義の味方も」

 

「正義の…味方も…だと?」

 

「言っていませんでしたね…私はこの時代に前回も来ている…そして、私を呼んだのは…衛宮…」

 

その直後だった…俺の背中に強烈な激痛が走った…剣士(セイバー)は痛みに歪む俺の表情を見ながら…鎧を展開し…その剣で俺の後にいる何者かに斬りかかった

 

金属音―――――――――――――――と同時に剣士(セイバー)は俺の肩をつかみ、後に下げようとする

しかし遅い…俺の肩を掴んだと同時に俺を襲った何者かは不気味に笑い…俺を救出しようとする剣士(セイバー)を蹴り飛ばし、俺の背負いながらも身近の住宅の屋根に移動し、逃亡する

 

「逃がすか!!」

 

すぐさま、剣士(セイバー)は謎の襲撃者の追跡にかかる。

かなりの速さで剣士(セイバー)をまこうとするする謎の襲撃者、しかし、剣士(セイバー)はその速さに平然ついてゆく

しかし、襲撃者も只者ではない、屋根の瓦を蹴り飛ばし、剣士(セイバー)の追跡から逃れようとする

 

しかし、剣士(セイバー)は得意の剣技で瓦を斬り飛ばし、追跡を続行する…

 

数分の追跡…気付けばもう人気もない峠道…その一瞬だった…

 

 

剣士(セイバー)の頬を掠る弾丸―――――――――――――――――――気付けばその右手にリボルバー

 

 

弓兵(アーチャー)…」

 

やっと立ち止った襲撃者・弓兵(アーチャー)

サングラスに髑髏のフェイスマスク…峠道の街灯が薄く…弓兵(アーチャー)の真紅の眼が浮かぶ…

 

「どういうことですか…弓兵(アーチャー)…私達は現時点では『共闘』の形のはず」

 

「ああ…確かにな…だが、あの蟲と同じ位、憎い相手がいてね…それがおまえの『マスター』だ…」

 

「!?」

 

剣士(セイバー)の表情が歪む…弓兵(アーチャー)は士郎を地面にゴミのように投げ捨てると先程、抜いたコルト・SAAをホルスターに収めた

 

「衛宮士郎は俺にとって、天敵だ…だったら、こいつが『力』を手に入れる前に処分してしまう方がこの時間軸の野比のび太にも都合(・・)がいい…」

 

弓兵(アーチャー)!!どうして、あなたがこんなことを!!それに士郎はあなたの…!!」

 

「ふっ…親友…とでも言いたいのか?あぁ、親友だったさ…だが、それは昔の話だ…世界が滅す、滅ぼさない以前の問題にこいつは生かしておけないんだよ…剣士(セイバー)

 

冷酷に言葉を発する弓兵(アーチャー)…信じたくはなかった、だがこれが真実である

 

「やっぱりお前は…のび太…なのか…」

 

大量の血を流しながらも這うように弓兵(アーチャー)に問う俺…すると弓兵(アーチャー)は俺を見下した…

 

「ああ…俺は正真正銘、NOBITAと言う英雄だ、お前だってそれはわかっていたはずだ、衛宮士郎」

 

弓兵(アーチャー)は隠すことなく、自らの正体を明かした…そして、サバイバルナイフを抜き、剣士(セイバー)にその刃を向けた

 

剣士(セイバー)…こいつを捨てて、俺の駒になれ…報酬は…これだ」

 

その手からゆっくりと姿を現す金色の器…その金色の器を見た瞬間―――――――――――――――剣士(セイバー)の眼の色が変わった

 

「聖杯―――――――――――――――――――――――――――!?」

 

 

 

 

 

 

 

この時…その光景を目撃した者がいた…一つは雪のように白い髪した少女。

 

 

そして、もう一つは…青白い眼光を彼に向ける謎の影だった―――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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