ドラえもん のび太の聖杯戦争   作:悪・猫

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54.聖杯戦争開始九日目/我儘な正義の味方

「士郎、のび太さんを救ってあげてください」

 

俺がタイムパトロールの会議に参加しようと準備をしているとき、妻のアルトリアは俺に言った

その言葉に俺はとても以外で思わず、唖然としてしまった事を今も鮮明に覚えている

 

「無理だ、今回ばかりは救いようがない…それに俺がタイムパトロールの警視総監の立場もあるし、そこまで上り詰めたのはのび太を救うためじゃない、アルトリアの歴史を守るためだ」

 

エミヤがタイムパトロールに入隊した理由、それはアルトリアの歴史を管理し、そして守り抜くことだった。

アルトリアの歴史が何らかの影響があればアルトリアがして来た『歴史』が壊れてしまう、それを防ぐため入隊だった

 

「でも、のび太さんはあなたの親友でしょう…士郎は親友として、のび太さんを止める義務があります…」

 

「アルトリア…わかってくれ、この件には俺は割り込めない、只でさえ、俺は我儘でタイムパトロール隊員に迷惑をかけている…トップとして、これ以上は迷惑をかけられない」

 

エミヤはタイムパトロール隊員達にはちょっとした我儘を言っていた、その我儘はとても危険で我儘を言っている自分の嫌悪していた…しかし、アルトリアの歴史を守るため致し方なかった

 

「今日正式に討伐隊が結成される。英霊の聖遺物を装備した五人の隊員と『ドラ・ザ・キッド警部』に行ってもらう予定だ…俺は『アーサー王伝説の歴史』をいつも通り管理する」

 

「…………士郎」

 

「皆まで言わないでくれ…俺はあいつに会わせる顔がない、俺はあいつが守りたかった者をこの手で絶った…あいつの復讐を止める義務は俺にはない」

 

真紅の外套を身に纏い、タイムパトロール本部に出向くため、どこでもドアを開く…

 

「行ってくる…アルトリア、俺はおまえだけの正義の味方だ…俺はお前だけを守る」

 

「士郎…!」

 

アルトリアの言葉に足を止めた…彼女の真剣な表情と強い意志がこもった言葉に背を向けることができかったからだ。

 

「私のために戦ってくれていることは分っています…そして、あなたの気持ちもわかります、ですが、私はあなたの選択が間違っているとは思っていません、賢明な判断と思っています。

もし、あなたがあの時、手を下さなければ『野比のび太』の心は壊れていたかもしれません、彼の精神状態はあの時、極限状態でした…もし、あの少女が魔術回路に喰われる姿を見れば彼は壊れていた」

 

「何が…言いたいんだ?」

 

「あなたは新たな生きる理由を授けた…英雄『エミヤ』を復讐対象として、生きる本能を刺激した…」

 

「だが、英雄・エミヤの選択は間違っていた…この行為はNOBITAが時空犯罪者(タイムジャッカー)になるきっかけを作ってしまった…」

 

「えぇ…それは否定できません…しかし、私は誰が何を言おうと私はあなたの選択は間違っていないと断言できます。士郎は言っていました親友とは『互いに間違いを正す事が出来る友情を超えた絆』だと…あなたには彼の間違いを正す義務があります…士郎、行ってください…過去へ…そして、のび太さんを止めてください」

 

「それが…その先、あいつにとって残酷でもか…」

 

エミヤはアルトリアに問うと彼女は迷い無く頷いた…確かに彼にとっては辛く、残酷なのかもしれない。

しかし、彼も望んでいるはずだ、自身の目的の否定を…そして、それを食い止めてくれる存在を…

 

「わかった、ありがとう…アルトリア」

 

そう、覚悟を決めた眼でアルトリアに感謝するとどこでもドアのドアを閉めた…会議場に集まった隊員達は警視総監の姿を見て、指示を待っていた

 

「これより、時空犯罪者(タイムジャッカー)…『NOBITA』の討伐、及び拘束を前提にした会議を開始する…意見ある者はこの場での発言を許す」

 

エミヤはこの場にいるすべてのタイムパトロール隊員への発言を許した。

しかし、部下達は分っていた、あの眼をした警視総監は我儘を言う…そう決まっていた、そして、誰がどう抗議しようと誰も止められない、まるでどこかの『王様』である

そもそも、上の者が自ら現場に出るなどあり得ないことだ、しかし、『アーサー王伝説の守護者』と呼ばれるエミヤ警視総監は違う、彼は自ら危険な現場へ出向き、その原因を全て彼が検挙、逮捕して来た、こんな我儘は一度や二度ではない…

しかし、そんな我儘が許されるのはそんな滅茶苦茶なことをエミヤ警視総監に着任してから誰ひとり死んでいないからだ、部下の信頼も厚く、彼の行動にも必ず理由があるからだ

 

「エミヤ警視総監、もうあなたがしようとしていることは分っています…だから私達は止めません。あなたが行くと言う事はそれほど重大な犯罪者と言う事です…正直、我々もあなたの下に入り、時空犯罪者(タイムジャッカー)を逮捕したいです…しかし、私達…この場に居る全員が調査に加わっても足手まといなだけです、我々は我々の仕事をさせて頂きます…なので、エミヤ警視総監…お願いです、必ず我々の元に帰ってきてください!!」

 

全パトロール隊員達はエミヤに対し、敬礼を送る…以外な部下達の発言と行動に思わず、唖然とする…

 

「わかった…だが、この件に関して、すべて、俺の自己判断による行動だ…この任務が終わった後の責任はすべて俺が責任を取る、なに安心しろ、この任務が終わった後、お前達に飯を奢ってやる。

約束する…俺は必ずこの場所に帰って来る…だから安心して、各自の任務に励んでくれ…」

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

「はぁぁぁぁ!!」

 

セイバーオルタと剣を交える――――――――まるで昔を思い出すようだった。セイバーだけの正義の味方になったあの夜を

無表情で冷たい冷酷な殺人マシンのような騎士王は容赦なくその身の魔力を開放し、俺を斬り殺しに掛かる…しかし、その剣撃は俺の首を落とすには程遠かった

 

勝利すべき黄金の剣(カリバーン)を手に、セイバーオルタの邪剣を防ぎながらもかろうじて反撃してゆく…

火花を散らし、魔力と魔力の衝撃がアインツベルンの城全体に響きわたる

 

(完全に…汚染されてしまっている)

 

自分の時と違って、アルトリアの身体が完全に聖杯の泥が汚染されていることに気づく……

 

「セイバー、忘れたのか!!俺だ!!衛宮士郎だ!!」

 

ガキンッと強烈な斬り上げが襲いかかった…かろうじて、防いだものの、勝利すべき黄金の剣カリバーン(カリバーン)の剣が震えるほどの衝撃だった。

 

「忘れたのか!!おまえは衛宮士郎と騎士としての契約を結び、共に聖杯を取ると誓ったんじゃないのか!!セイバー!!」

 

まったく聞く耳持たず、再び襲いかかるセイバーオルタ…あの時と違って、不完全な汚染ではない。

完全にあの泥に汚染されきっている…もはや今までのセイバーとは全く違った者になってしまっている…

 

「……………………」

 

NOBITAは逃げ踊るエミヤを見ながら手の甲に力を込めた…甲に刻まれた一格の令呪が妖しく光輝く

 

「!?」

 

思わず、勝利すべき黄金の剣カリバーン(カリバーン)の真名を開帳し、セイバーオルタが放つであろう宝具・約束された勝利の剣(エクスカリバー・モルガン)を打ち消すため、こちらもあの光の斬劇を放とうする

令呪の消費は確実に俺を葬るための宝具強化…その邪悪な光の斬劇をもろに受ければ俺の身体は消滅するだろう…

 

勝利すべき黄金の剣(カリバーン)!!!!!!」

 

放たれるだろう宝具に対し、先手で宝具を放とうとする…しかし、それが罠だと気付いたのはNOBITAが令呪による絶対命令の内容を聞いた時だった

 

「令呪を持って命じる…その場でエミヤに斬り捨てられろ…セイバー」

 

「!?」

 

衝撃的な命令に思わず耳を疑った…突然の切り捨て…セイバーオルタは令呪の効力により、身体を動かせない…

 

「アルトリアぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

力を入れ…振り下ろされてしまった聖剣…それと同時に光の斬劇は放たれてしまった――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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