ドラえもん のび太の聖杯戦争   作:悪・猫

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58.聖杯戦争開始九日目/駆引き

「ここは…どこだ?」

 

転移の宝物に念じ、転移した場所はまだアインツベルン城が見える場所だった。

士郎が念じたのはのび太達がいる場所…しかし、転移した場所はアインツべル城の近くの森の中だった

まさか、のび太達はこの近くに居ると言う事なのか…それならかなりマズイ事は確かだった、近くにはNOBITAと手下になってしまったセイバーオルタがいる。

NOBITAとセイバーオルタの強さは異常だ…あの圧倒的な強さを持つイリヤの『ヘラクレス』の猛攻を軽々と受け止めていたのだから…セイバーも異常だ、普通のセイバーとは違い、冷酷で残酷…まるで冷酷な機械を見ているようだった

 

「士郎…ここはまだ…」

 

「あぁ、すまなかった…俺の仲間達の所に飛んだんだが…どうやら仲間たちは近くに入るらしい…一旦、仲間達と合流してここから離れよう…このままだとのび太達も危険だ」

 

まさか、のび太達が此処に居るなんて思っても見なかった…もしかしたら俺を心配して、此処まで来てくれたのかもしれない。

しかし、それはタイミング的には最悪だ、近くには強大な敵が二人もいる…それがこの聖杯戦争、最悪の敵だと知らずに…

 

「士郎の仲間…?」

 

「あぁ、とにかく合流しよう…いつ、あの二人が襲ってきてもおかしくない状況だ」

 

イリヤの手を繋ぎ、士郎は急いでのび太達を探す…このままだと敵と鉢合わせだ…

なんとか、合流しないと…と駄目もとでのび太の携帯に電話を掛けてみる…すると、奇跡的に電話が繋がった

 

「し…士郎!?」

 

電話が繋がると同時にのび太は驚きと喜びが入り混じった声で俺の名を呼んだ、正直、安堵のため息をつきたい所だが、そうはいかない…

 

「のび太か!?今どこにいるんだ!?早く合流しないとNOBITAに追いつかれ…!!」

 

その時だった―――――――――――――――――――――突然、何者かが降ってきた。

重々しい鎧と金属音――――――その音を聞いただけで何者かわかった

 

「セイ…バー」

 

降ってきたと同時にその漆黒の剣を振るうセイバーオルタ…しかし、その剣は一発の銃弾によって剣の軌道を逸らされてしまう

 

「士郎!!女の子を連れてまっすぐ逃げるんだ!!今、遠坂達が向かっている!!」

 

携帯から聞こえてくるのび太の声…そしてそれと同時に携帯と遠い距離から銃声が聞こえてくる―――――――――――――それと同時にセイバーオルタの肩の鎧に着弾する。

銃声の響きからして250メートルからの狙撃、そして、銃声の響き具合から口径は7.62mmあたりだろうか?、しかし、威力はとてもじゃないが7.62mmではない

セイバーオルタと重々しい肩鎧を吹き飛ばし、さらにはダメージを与えているのか、体制を崩している…

 

携帯からして、銃声と同時に銃器から音がする…手動式の狙撃銃ではなく、セミオート式の狙撃銃なのだろう

 

「イリヤ、早く行こう、今の狙撃は仲間の狙撃だ、早く仲間達と合流しないと!」

 

イリヤの手を掴み、取り敢えず、まっすぐと走る…しかし、不安は残る、セイバーオルタはのび太自身が何としてくれているが、問題はNOBITAだ。

あいつの手にかかれば何体、サーヴァントが居ようと簡単に屠る事が出来るだろう、そして、セイバーオルタが此処に入ると言う事はあの金色の男とタイムパトロールの男はやられてしまったのであろう

 

(考えるのは後だ!!とにかくこのまっすぐ突き進め、グズグズしていて、あいつに出くわしたらお終いだ!!)

 

不安を押し殺しながらイリヤの幼い手を掴んで、先を突き進んだ――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

銃弾を簡単に斬り伏せるセイバー…その禍々しい姿にのび太は眼を疑いながらもドラグノフ狙撃銃の引き金を引く。

なぜ、士郎と契約を交わしたはずのセイバーが士郎を殺そうとしているのかはわからなかった、しかし、大体は過程すぎないが、予想がつく…

あの禍々しい鎧に邪悪な剣―――――――NOBITAに何かされたとすぐ予想がつく…しかし、黒いセイバーは剣筋は過去のセイバーと同じだ、一発、二発目の狙撃は成功したものの、それ以降の弾丸は全て斬り伏せられてしまっている

 

だが、士郎が逃げる時間は稼げた、士郎の携帯に気付き、すぐに木の上に登り、捜索したことが吉だった。

しかし、ここからどうするか?このまま狙撃を続けても相手はセイバーだ、すぐに間合いを詰められてしまう…距離は250メートル、セイバーなら簡単に間合いが詰められそうだった

 

ならば答えは一つ、仕留められるなら仕留め、仕留められそうになければ撤退する。

生憎、ジャックはスキルの『気配遮断』で僕の近くに身を隠している、もし、僕の身に危険が迫ってきたのならその時こそ、セイバーに傷を与え、離脱するチャンスを探る

 

ドラグノフ狙撃銃の銃弾を撃ち尽くしたと同時に四次元ポケットの収納し、代わりに中距離専用のAKMを取り出す、腰にはトカレフTT-33とコルト・SAA、そして、サバイバルナイフが一本。

獣道を走る事になるだろう、しかし、そんなのは中学の時に散々やった、今考えられる保険は全て掛けた、後はすべて、僕の運と技術だ

 

「来た!!」

 

予想通り、迫って来る、セイバーオルタ、僕はすぐさまAKMの銃口を地に向けながらも獣道を走る…AKMの銃弾はSVDと同じく、銃弾を魔力で強化し、威力を強化している。

もちろん、当たりさえすれば、それなりにダメージは与えられるはずだが、当たらなければ意味がない、ならば、地面に銃弾を当て、砂煙と飛び石で相手の動きを邪魔した方が得だ

 

フルオートで銃弾を地に撒き散らし、砂煙や石、木枝で視界不良を起こしながら逃げるのび太。

しかし、セイバーオルタは淡々とそんなことすら気にせずに自分を追いかけてくる

 

AKMの弾が尽きるのは早かった…しかし、多少だが、速さは鈍っているはずだ…AKMを投げ捨て、次の手に移る。

サバイバルナイフを抜き、魔力を纏った斬撃で木々を斬り捨ててゆく、ただ、木を単純に斬っているわけではない、斬る角度、倒れる方向を考え斬り、セイバーオルタの進行方向を妨げる形で木を倒している

 

しかし、セイバーはサーヴァントだ、ちょっとの妨害では何も動じない、それどころか距離を除々に縮めてきている

 

(撤退は…無理か)

 

撤退と言う選択肢を斬り捨て、右手にサバイバルナイフ、左手にトカレフTT-33を手に撤退をあきらめ、対峙する。

スタングレネード等で眼を眩ませると言う手段もあるものの、稼げて数秒程度であろう、その間に士郎達が安全な場所に撤退するのは不可能。

ある程度、時間経っているのなら問題はないが、まだ士郎と遠坂達が合流しているとは思えない

サーヴァントと魔術師が戦闘を行う…それは正直、愚策とも言えるだろうが、ジャックは隠密、暗殺が得意なサーヴァント、真正面からの衝突はジャックのほうが不利。

夜ならまだしも、まだ白昼…ジャックにとって、昼間の戦闘ではジャックの最大の強みである宝具も使えない

 

ならば、ジャックには隠密に徹し、自分が最大のおとりになり、相手が最大の隙を見せた所をジャックに襲撃してもらうしかない

もし、失敗しても僕の銃器で第二の襲撃が行える、その隙にジャックは再び姿を消せば、まら襲撃のチャンスを狙えるはずだ

 

対峙したと同時にトカレフTT-33の引き金を引き、牽制を始める。

突然の戦闘開始に少々驚いたのか、少々表情を曇らせながら、剣を振るい、銃弾を真っ二つにするセイバー。

 

「セイバー…だよね?」

 

表情を曇らせたセイバーに対し、僕は問いかける…すると、セイバーは構えを崩し、話を聞く姿勢を取った

 

「確かに私はセイバーだった…だが、今はあいつの下僕…クラスなど存在しない、私も聞こう、なぜ魔術師であり、マスターであるおまえが私に対し、戦いを挑む?言っておくが、私はお前を斬り捨てるなど簡単だ」

 

「そうか…なら僕も君の質問に答えるよ、確かに接近戦なら君の方が分がある、それは君と一緒に行動していたからわかる、だけど、間合いさえ詰められなければこちらにも分が傾く可能性があるからね…」

 

「ふっ…甘く見られた物だな…」

 

「甘くは見てないよ…だけど、此処で君を足止めしなきゃ、今の状況的に圧倒的に不利になる…未来の僕は強大だ、それに加えて君まで士郎の所に行かれたら士郎と遠坂達はお終いだ、だからあえて、この場で戦闘を行うんだ。

僕を見失えば、君は真っ先に士郎を殺しに行くだろうから…いくら遠坂達にサーヴァント3騎居ようと君が加われば状況は圧倒的に不利だ」

 

「そうか…どうやら、私を狙撃したのも、この状況を作り出す布石に過ぎなかったか…」

 

セイバーオルタはこの状況は狙って作られた物だと気付く、狙撃が鬱陶しいため、先に斬り捨てようと追いかけたが、いつの間にか、衛宮士郎との距離が離れていた事に気づく

 

 

「ならば、即座に斬り捨て、衛宮士郎を殺そうとしよう、我がマスターの命に実行しなければならないからな」

 

「その考えは甘いよ、セイバー…正直、士郎のサーヴァントだから手を下したくはなかったけど、士郎を殺そうと言うのなら…僕が君を倒す」

 

トカレフTT-33の残弾が少ないマガジンを捨て、新しいマガジンを入れて、セイバーに銃口を向ける――――――――――――――僕が銃を向けると殺気を剥き出しにしながらセイバーはその邪悪な剣の刃を僕に向けた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「最悪ね…まさか、合流直後にあなたと遭遇することになるなんて…」

 

遠坂 凜は鋭い眼で彼と対峙していた―――――――――――――――――――――遠坂の目の前には髑髏のフェイスガードを装着したNOBITAの姿があった

 

「邪魔者がいなくなった途端、俺に運が向いてきたようだな…まさか、お前と出会うなんて思ってみなかったよ、遠坂」

 

無表情でトカレフTT-33の銃口を向けるNOBITA、だが、それと同時に霊体化していた槍兵(ランサー)騎兵(ライダー)が姿を現した―――――――――――――

 

「よう、のび太少年…おまえ、分っているだろうな?俺のマスターに銃口を向けると言う意味が…」

 

「あぁ、分っているさ、それにいずれは倒さなければならないサーヴァントが三騎もいるんだ、このチャンスを逃すほど俺は馬鹿じゃない」

 

鋭い眼で三騎のサーヴァントに見るNOBITA――――――――――――もはや逃がしてくれる気配すらなく、銃口を向けていた

 

弓兵(アーチャー)………」

 

桜は悲しそうな眼で手の甲に刻まれる無意味な令呪に力を込めながら、銃の引き金に引くNOBITAを見つめた。


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