テリー 冒険のその後   作:ストイコピクシー

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第10話 ピエールの提案

ドランゴかぁ・・・、テリーは渋い顔になった。

「テリー殿やアモス殿のお話により、ドランゴはかなりの強者であることがうかがえます。私も姿だけは見たことがありますがね。竜族であるが故の強大な体力と力、そしてブレス攻撃。ドランゴがこのパーティーに加われば、ダーマダンジョンの攻略も楽になりましょう」ピエールは続けて言った。

「僕もドランゴに会いたい!会いたい!」スラリンも同意した。

「うーん、でもアイツ、自分の卵や子供を育てるのに忙しいだろうからなあ。一緒に来てくれないと思うんだよ」テリーは言った。

「私もスラリンもアークボルトでのドランゴ討伐の任に就いた時は、レック殿達と一緒に居りましたので、テリー殿のおっしゃりたいことはわかるのですが・・・。魔物は人間のように自分の子供が成人となるまで面倒を見るわけではありません。エサを自分で採るようになれば後は放っておきます。我々魔物は本能として子孫を残すよりも、自分自身を強くすることを望む者が多いのです。テリー殿に自分の卵を潰され、自分自身も倒されたのに、テリー殿を慕って魔王討伐の旅についてきたドランゴはまさにその典型的な例だと思いますが」ピエールは言った。

ムチャクチャ言うなコイツとテリーは思った。

しかしそうかもしれない。人間の常識と魔物の常識は違うのだろう。ドランゴが喜んでついてくる姿が想像できた。自分が考え過ぎていたのかもしれない。

「では、こういうことでどうでしょう?私がテリー殿に魔王討伐の英雄に会わせてくれと頼んだ。テリー殿は私達をドランゴの所に連れて行った。そこで私がダーマダンジョンの話をします。一般的な魔物であれば、ドランゴ程の強者であれば尚更、自分からついて行くと言うでしょう。ドランゴが何も言わなければ今の生活に満足しているということで、我々は戻りましょう。いかがですか?」

お前、魔物なのに口うまいなあとテリーは感心した。ピエールはナイトですからとニヤリと笑った。顔に鎧を付けているからわからないがそんな気がした。

そうだ、これは言わば、ドランゴの顔を見に行くのだ。デスタムーアを倒してから数か月が経っている。かつての仲間が元気にしているのかどうか、気楽に尋ねるのもいいかもしれない。

「よし、久しぶりにドランゴに会いに行くか!ただし、ドランゴには俺から話す。ドランゴはよく知らないピエールから話しかけられたら、いきなりピエールを攻撃するかもしれないからな」

はは・・・、それは、それはとピエールが顔を引きつらせてこたえた。

「ピキー!難しい話は終わった?早くドランゴに会いに行こうよ!行こうよ!」スラリンは言った。

 

よくわからんが、こういう時には何かおみやげ的な物を持って行った方がいいのだろうか?ドランゴが喜びそうなもの・・・。強力な武器とか、あるいは食べ物がいいならその辺の農家から牛を一頭買って、食糧として差し出すか。いや、変に家畜の味を覚えて人間の家畜を襲うようになったら、レック達に害獣として駆除されそうだ。だったら、薬草の類はどうか。ドランゴは「ドラゴン」をマスター職にしてからそのままのはずだ。回復の呪文や特技を一切覚えていない。なのになぜかザオリクを使える。自分で自分にザオリクをかけたから生き返ったのか?その辺は、ドランゴ自身もよくわからないと言っていたが。

「テリー、早く行こうよ、行こうよ」

「テリー殿は考え込む癖がありますな。さあ、行きましょう」

まあ、手ぶらでいいかと思い、ドランゴに会いに行くことにした。魔物にお土産という文化があるのかどうかもわからない。ドランゴは当然、現実の世界で生きているので、現在夢の世界で生きているスラリンとピエールは現実の世界では見えなくなるのではないかと思ったが、そんなことはなかった。考えてみれば2匹ともレック達の仲間だった時にどちらの世界を何度も行き来しているのだ。

現実の世界のダーマ神殿の外に出た。

「よし、行くぞ」テリーはスラリン・ピエールの2匹をさわって目をつむり、ドランゴが居る山奥近くにあるルーラの着地ポイントとしている祠をイメージした。「ルーラ」一人と一匹は光に包まれ空へ飛んで行った。

 

 

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